金沢在住のRさんが作られた、壁飾りです。
「和風のかごなので、水引の作品を飾りました。立体的な作品を飾るのに、ちょうどなかごでした。」
とのこと。フレームは「二重六つ目の浅かご」です。

下から見上げると、梅の枝にとまった鳥さんたちと目が合って、心が和みます(^^)
Rさん、素敵な作品をありがとうございました。
金沢在住のRさんが作られた、壁飾りです。
「和風のかごなので、水引の作品を飾りました。立体的な作品を飾るのに、ちょうどなかごでした。」
とのこと。フレームは「二重六つ目の浅かご」です。
下から見上げると、梅の枝にとまった鳥さんたちと目が合って、心が和みます(^^)
Rさん、素敵な作品をありがとうございました。
先稿で、折りカラー編みの適用例として縦横二色の斜め編みを説明しました。
最初に底をクロスに作る場合、作ることができる「かご」の高さは (縦+横)/2 の 倍数ですから、縦横の四角数が決まればほぼ決まります。最小値は、バッグとして不自然ではないバランスですので、十分使える値だと思いますが、高さを変えて作ることはできないのでしょうか。
実は、変えられるのです。実際、北欧風市松模様のかごは、式の半分の高さで作りました。そして更に、先に試した横の四角数4・縦の四角数3で、高さを変えて2個、作ってみました。
高さを変えるには、底のバンドの並びを変えます。並べた縦横の両端、ひとつ変えるごとに、高さがひとつずつ低くなります。
今の例では、(横の四角数+縦の四角数) / 2 である高さは3.5です。上の写真は、左が高さ2.5・右が高さ1.5で作りました。3.5と合わせて、3点のプレビュー図を並べてみましょう。
このように、折り返しの縁のラインを合わせてみると、クロス(格子模様)が同色のブロックに変わっていく位置を、順に底にしている、ということがわかります。
そして、先と合わせて4つのかごの底を並べてみると、こうなります。
高さによらず、同じ模様が現れてくるのです。考えてみれば、底の辺は、すべて側面が同じドット模様になるバンドの並びで出来ているわけですから、中も同じになって然るべきなのでしょう。でも、最初に作る底が違うので、作ってみるまでわかりませんでした。
内側はこんなです。右の2点は、底が浅いので底までバンドを折り返し、その結果、底と同じ模様になりました。左の2点は、側面の下段でカットしているため最初のクロス(格子模様)が保持されています。
どの高さにおいても、左の2点のかごのように高さにプラス3.5で作ることは可能ですから、斜め編みでは、縦・横・高さは任意で、クロスに揃ったかごを折りカラー編みできる、と言えましょう。
上の2点のかごのデータをつけておきます。
側面全体をクロスにする時の バンドの配置ルール:
並べた縦横の両端、ひとつ変えるごとに高さがひとつずつ低くなる
については経験則で、数学的に証明[※]されたわけではありませんが、もうひとつのかごバッグ、横の四角数10・縦の四角数5の例でも同様、ということを示しておきます。
縦横2色のクロス
端から1本、高さマイナス1
端から2本、高さマイナス2
端から3本、高さマイナス3
端から4本、高さマイナス4
ここまで何点か「折りカラー編み」のかごを作ってきましたが、改めて、折りカラー編みとは何なのでしょう。ひとことで言うと、こうです。
「バンドを折り返したときに現れる色を活かして 模様を作る編み方」
この編み方の特徴は、裏表が同色のバンドを使用することにあります。折り返したバンドの裏面も、表面と変わらずに使うことができるため、意図的に模様の一部として取り入れることが可能になります。
従来、かごを編む際の模様づくりでは、主に表側のデザインのみが考慮されてきました。また、カットされたバンドの端は「縁」として処理する必要があり、折り返して処理する場合は、デザインに影響を与えないよう、次のような方法が取られてきました。
折りカラー編みでは、この折り返し部分をデザインの一部として活かし、新たな模様を生み出します。
このように、最初に作られた模様に「折り返し色」が加わることで、独自のデザインが完成するのが折りカラー編みの特徴です。
さらに、折りカラー編みでは、後から短いバンドを差し色として重ねるのではなく、底から伸びたバンドをそのまま使うため、強度が増し、縁の一体感が生まれます。
底はA色とB色のクロスになっていますが、立ち上げた側面はクロスが崩れます。A色とB色が斜めに組み合わさり、A色B色のクロスだけでなく、A色同士・B色同士のブロック箇所が現れるのです。
折りカラー編みで、特定の高さで縁を作り、一部を外側(表側)に折り返すことで、A色同士・B色同士のブロックをクロスに戻し、外側の側面全体をクロス状態にすることができます。
更に、残り部分を内側(裏側)に折り返すことで、内側の側面もクロス状態にすることができます。そして、外側・内側の両面を折り返せば、側面全体が二重になった編地が作られます。
具体例で見てみましょう。
交差する2本が同色の場合(左図)は折り返しても色は変わりませんが、異なる2色が交差する場合は、色を変える(中図)ことも保持する(右図)こともできます。
縦のバンドが白、横のバンドが紫で、平編みの例です。左図のように底を作り、黒枠線で示した位置を底として立ち上げて側面を編むと、右図のようになります。底はクロス(格子模様)ですが、側面には同色のブロックが現れます。
底を縦と横、別の2色のクロス(格子模様)にした場合、交差したバンドで作られる四角形を単位とすると、側面の高さが
(横の四角数 + 縦の四角数) / 2
の定数倍の位置では、全てのバンドが2色の交差状態になります。
上図は、横の四角数4・縦の四角数3で平編みした時の展開図です。上の式に該当する高さの四角数、3.5・7・10.5・14 を例示しています。
全バンドが交差する高さ位置を縁にすると、折り返す時に、全バンドに対して、編み色を変えるかどうかを選ぶことができます。表側(外側)の模様についてであれば、
とすればよいのです。
そして、上図4つの縁のライン、各、赤線と青線で示した部分(=クロス領域の対角線)は、同色ブロックの切り替わり箇所でもあります。なので、このライン上で、赤線ラインもしくは青線ラインのいずれかを外側に折り返せば、側面全てを2色のクロス(格子模様)に戻すことができます。
更に、裏側(内側)についても同じ状態になっており、縁は赤線ラインと青線ラインで分離していますから、外側に折り返した残りを内側に折り返すことで、内側も2色のクロス(格子模様)にすることができます。
[※]ただし、原理的に、底と側面の格子をすべて連続させることはできません。どこかで調整が必要ですが、位置は選べるので、それぞれのかごに適した場所にすればよいでしょう。
この例、横の四角数4・縦の四角数3で、小かごを作ってみました。高さの四角数7と3.5の2点です。
外側の方が重ね編みしやすいので、横の四角数4に対応した青線ラインで外側に折り返しました。内側にも折り返したのですが、高さ7の方は底まで手が届きにくく、下の方は妥協してしまいましたが。
CraftBandSquare45 のデータです。各、指定位置で折りカラー編みしてください。
では、斜め編み2色のドット模様のかご、どう作ったのでしょうか。
同じ模様のかごは、以前に「斜め組み編み2色のドット模様」として作ったことがあります。その時は、底を編むときに2色のバンドを重ねることで、底から上と下・左と右のバンド色を変えました。
今回は編み図で示したように、底はそのまま縦横に編むだけですが、バンドがほぼ倍の長さになっているのがわかるでしょうか。そう、側面をまるごと折り返したのです。折り返したバンド色を考慮する、折り返し色のテクニックです。
現対象は、横の四角数・縦の四角数・高さの四角数ともに6点の立方体です。
下図は、折り返し分の高さ6個分、つまり高さ12にした[プレビュー2]の図です。そのまま平編みすると、次のように、ピンクと白、6本ずつのブロックが作られます。
前面と背面の赤線の位置が、外側に折り返す部分です。左面と右面の縁は内側に折り返します。順に見てみましょう。
1. 側面を編みます
2. 外側、最初のバンドを折り返して編みます
3. 外側、次のバンドを折り返して編みます
4. 外側、バンドの端の始末をします
5. 内側に折り返して編み、端の始末をします
完成すると側面全体が二重、つまり4本のバンドが重なった状態になりますから、かなりしっかりした感じの編み地になります。
外側・内側ともに、折り返すことで初めは同色のブロックだった箇所が、格子に置き換わるのです。外側の模様だけ作ればよいのであれば、5.の内側への折り返しは底までではなく最小限にする、というのもありでしょう。
では、この折り返し、縦・横・高さが同じでないと出来ないのでしょうか。他の数では作れないのでしょうか。
結論から言えば、こんな条件になります。
底でバンドを重ねる方法では、縦横が異なる例として、横の四角数10個・縦の四角数5個の図を示していました。この数で、試してみましょう。
竹細工で、輪弧を作ってみました。
本来なら竹が形を作ってくれるのですが、幅・厚みだけでなく部位(硬さやすべり)もバラバラなので、型紙に合わせました。作っている時は折れないかどうかで、色はあまり気にしなかったのですが、出来てみると、色が重要だということがわかりました。
輪弧合わせは、1本通すにも考えつつ、なのに、ちゃんとできているのか確信がありません。編んでいると広がってしまって、内円が1センチくらい大きくなってしまいました。二枚にしたからではなく、下手なので緩んだのでしょう。底板のサイズも変わってしまいます。
水で濡らすのは、折れにくくするのと、滑らないようにするのに必要なのだと思いました。さくさく作れる人、ほんとにすごいです。
周りを編んでからの方が、型紙に合わせやすかったです。でも、かごには作れないので、このまま壁飾りにしようと思います。
データです。CraftBandMesh V1.8.12 で開いてください。