PPバンド・二重クロス模様のステッチ
| 名称 | 二重クロス模様 | Layered Cross Pattern |
| 概要 | 水平方向と垂直方向のクロス模様を重ねる | AAAA-AA-BBを二層に重ねる |
| 単位 | [水平方向] 2 | [垂直方向] 2 |
| レベル0 | [水平] A色 | [垂直] A色 |
| レベル1 | [水平] A色(1/4幅) | [垂直] A色(1/4幅) |
| レベル2 | [45度] 0: – | 1:B色(1/4幅) [135度] 0: – | 1:B色(1/4幅) | [45度] 0: C色(1/4幅) | 1:- [135度] 0: C色(1/4幅) | 1:- |
| 備考 | 分かりやすいようレベル2は二層に分けていますが、 B色とC色の交互です。 | 転置 同じ |
初めての純粋レベル3である雪模様のステッチですが、ではそのステッチでバンドを置いた箇所はレベル3でしか置けない位置か? というと、そうではありません。
クロスベースのステッチは、レベル1は水平方向のみに限定してみてきました。でもそれを「転置」した状態、つまり垂直方向にレベル1を置いたレベル2ステッチも可能です。そして、水平方向に置いた時と垂直方向に置いた時では、レベル1・2ともに相互にバンドは重なりませんから、別レイヤーにあるとも言えましょう。
雪模様のレベル3のバンドは、位置的にはこの垂直方向のクロスベースに相当します。二層重なりますが、レベル2でも置ける位置です。これを、二重のクロス模様として作ってみました。
松田裕美 (2023). 『PPバンドで作るかご&バッグ』 Gakken.
84-87ページ「ランドリーバスケット」
斜め編みベースですが、後差しひもは二重クロスで作られています。
わかりやすいよう、二層を別の色で作ってみました。斜めひもを目立たせるため水平・垂直方向は1/4幅にしていますが、1/2幅でも可能です。

ベースはすべて白色ですから、内側・底ともに白一色です。垂直方向の差しひもは全体に通したので、底にはそのラインが見えています。
1単位分の編み目は以下のように2×2です。細かく詰めているようですが、1/4幅だとまだ余裕があります。
※前側面の左下から、右(0度)方向・上(90度)方向にカウントアップ。左下は垂直方向がover/水平方向がunderです。
Squareのデータです。
PPバンド・雪模様のステッチ
| 名称 | 雪模様 | Snow Pattern |
| 概要 | 単色ベースにクロス模様、クロスの間を通す | AAAA-AA-AAにレベル2と3をプラス |
| 単位 | [水平方向] 2 | [垂直方向] 2 |
| レベル0 | [水平] A色 | [垂直] A色 |
| レベル1 | [水平] B色(1/4幅) | |
| レベル2 | [45度] 0: – | 1:B色(1/4幅) [135度] 0: – | 1:B色(1/4幅) | [垂直] B色(1/4幅) |
| レベル3 | [45度] 0: B色(1/4幅) | 1:- [135度] 0: B色(1/4幅) | 1:- | |
| 備考 | 転置 レベル1,2,3方向 |
ついに、レベル3のステッチです。実は最初、レベル3なんて理論上の話で、実際にやっている人はいないだろうと思っていました。でも、ちゃんと作例があり、本にも載っている。
松田裕美 (2023). 『PPバンドで作るかご&バッグ』 Gakken.
46-50ページ「ウッドスタイルの大きなバッグ」で使われている模様です。
結局、普通に考えつくようなことは、誰かが既にやっているものなんですね。
とはいえ、作品は1点だけですし、掲載作品はW幅のバンドを使っています。一部は更に二重に重ねられていて、幅が倍だからこそ作れた模様とも言えましょう。これを普通幅のバンドで、二重重ね無しで作ってみました。
赤のベースに白の差しひもです。白のアスタリスクのような形、間にみえる赤の六角形、全体にうっすら雪が積もった感じ…と、どれも雪模様でしょう。白バンドだからかもしれませんが。

内側はベースの赤色、垂直方向の差しひもは全体に通したので、底にはそのラインが見えています。
45度と135度の斜めのクロスひもの下に、それぞれ平行なバンドを通しています。レベル2に支えられる、レベル3のバンドです。
そして、その後に垂直方向のバンドを通しています。垂直方向のバンドは、下の写真、左側・紺のバンドのように通すとレベル1(レベル0に支持)ですが、今は右側・黒のバンドのように通していますからレベル2(レベル1に支持)です。
斜めに平行に通したバンドは、この垂直方向のバンドにも支えられるわけですが、これもレベル2なので、純粋レベル3と言えるのです。

1単位分の編み目は以下のように2×2です。細かく詰めているようですが、1/4幅だとまだ余裕があります。

※前側面の左下から、右(0度)方向・上(90度)方向にカウントアップ。左下は垂直方向がover/水平方向がunderです。
Squareのデータです。
PPバンド・ひも重ねのステッチ
| 名称 | ひも重ねのステッチ | Band Overlay Stitch |
| 概要 | 単色ベースにクロス模様、同幅バンドを重ねる | AAAA-AA-AAに垂直ひもを重ねる |
| 単位 | [水平方向] 40 | [垂直方向] 2 |
| レベル0 | [水平] A色 | [垂直] A色 |
| レベル1 | [水平] A色(1/4幅) | |
| レベル2 | [45度] 0: – | 1:A色(1/4幅) [135度] 0: – | 1:A色 (1/4幅) | [垂直] 2,4,6,8,10,12,14 (すべて1/1幅) |
| 備考 | 垂直ひもの一部に任意色を重ねる | 転置 レベル1,2方向 |
基本単位のステッチではなく、クロス模様を応用したステッチです。模様というより組み合わせ方で、今までずっとレベル2でしたが、2.5レベルくらいといえましょうか。
松田裕美 (2023). 『PPバンドで作るかご&バッグ』 Gakken.
51-53ページ「モダン菱模様バッグ」で使われているテクニックです。
書籍では大理石模様のバンドを重ねていますが、7色のバンドに変えて作ってみました。

内側と底です。ベースは白一色ですが、内側から見ると少し透けて、重ねた色が見えています。
クロスひもの間に見える、それぞれの色バンドの形は「水晶模様」と同じ六角形です。でも、水晶模様は水平・垂直ともに交互によるストライプなのに対して、こちらは後差しで重ねた全幅のバンドです。
全幅のバンドは、基本的には水平方向のレベル1のバンドで支持されますので、レベル2です。でも、クロスするレベル2のクロスひもでも支えられていますからレベル3。また、底では枠の白バンドで支持されていますので、レベル1でもあるわけです。
模様を作るという観点から見ますと、全体をそのバンド色にすることができます。編み目で上下交差されることなく、1本ごと個別の色をそのまま使えるのです。
この試作例では、マチの側面にはバンドを通さず、また前後の側面は底で繋げていますので、前面と後ろ面では並びの方向が逆になります。ですので、模様の単位は、垂直方向はシンプルに2ですが、水平方向は全周、つまり40となります。
※前側面の左下から、右(0度)方向・上(90度)方向にカウントアップ。左下は垂直方向がover/水平方向がunderです。
Squareのデータです。
ステッチパターン図鑑
さて、ここまで見てきたステッチですが、レベル1の縦横・レベル2のクロスについては、最小単位の組合せに限定しても、非常に多くの組合せがあり、それぞれに異なる模様が生まれることがわかりました。
そして、それらをカテゴリーとして分類し、代表的な模様を順に見てきました。分類自体も試行錯誤からスタートしたものですが、ようやく全カテゴリーを網羅することができました。
そこで、ひとつの区切りとして、試作した42点のかごをパターン図鑑としてまとめました。1冊のPDFにすることで、個別の模様だけではなく、全体を通したバリエーションの多様さを一覧していただけるのではないでしょうか。
AIによるおすすめカラーバリエーションは、見るだけではなく着せ替えて楽しむこともできます。印刷でもデジタルファイルでも利用できるよう、QRコードとリンクを掲載しています。
- 全組み合わせを眺める模様カタログとして。
- あの模様はどう配置するんだっけ、というときのリマインダーに。
- オリジナルデザインのためのテストツールとして。
様々にご活用いただければ幸いです。自由にご利用いただけます。
軽量版(17M)はこちらからダウンロードできます。デジタルファイルを参照される方におすすめです。
劣化のない印刷版(39M)はgitHubにあります。stitch_catalog.pdfをダウンロードしてください。
💡 全52ページですが、A5サイズで両面印刷すれば13枚に収まります。「冊子(ブックレット)印刷」機能を使えば、そのまま半分に折るだけで冊子になるようにページ配置してくれるので便利です。
📖もちろん、A4サイズのまま印刷して、メモ欄に色や組み合わせのアイデアを書き込みながら、自分だけのデザインノートとして育てていただくのもおすすめです。
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レベル2・クロスベース非対称ステッチのバリエーション
カテゴリーごとクロスベース模様の色並びとそれによってできる模様では「45度・135度方向ともに同じ配色」を条件にしていましたので、実質、左右対称なパターンが対象だったことになります。
除外したのは、斜めひもが、
- 45度が全てA色、135度が全てB色
- 45度が全てB色、135度が全てA色
のケースです。理由としては、対称があたりまえと思っていたこと-非対称に作られているのをあまり見なかったことでしょうか。それに、単位が2×2になりますから、別扱いしていたクロス模様の亜種、として捉えていたからかもしれません。
でも、「クロスベースのステッチ・2色の組合せ模様」としてシステム化してみると、同じ形式のコードで扱えますし、図柄もそれぞれユニークなことがわかりました。ならば、非対称パターンも「クロスベースのバリエーションの一環」として扱うべき、ではないでしょうか。
ということで、リストアップしたのが以下です。
| カテゴリー | コード | パターン | パターン(左右反転) | コード(左右反転) |
|---|---|---|---|---|
| 単色 | AAAA-AA-AABB | ![]() | ![]() | AAAA-AA-BBAA |
| AAAA-AB-AABB AAAA-BA-AABB | ![]() | ![]() | AAAA-AB-BBAA AAAA-BA-BBAA | |
| AAAA-BB-AABB | ![]() | ![]() | AAAA-BB-BBAA | |
| 格子 | BBAA-AA-AABB | ![]() | ![]() | BBAA-AA-BBAA 線虫模様 / C.elegans Pattern |
| BBAA-AB-AABB BBAA-BA-AABB | ![]() | ![]() | BBAA-AB-BBAA BBAA-BA-BBAA | |
| BBAA-BB-AABB | ![]() | ![]() | BBAA-BB-BBAA | |
| 横ストライプ | ABAB-AA-AABB ABAB-BB-BBAA | ![]() | ![]() | ABAB-AA-BBAA ABAB-BB-AABB |
| ABAB-AB-AABB (色反転=左右反転) | ![]() | ![]() | ABAB-AB-BBAA (色反転=左右反転) | |
| ABAB-BA-AABB (色反転=左右反転) | ![]() | ![]() | ABAB-BA-BBAA (色反転=左右反転) | |
| 縦ストライプ | BAAB-AA-AABB BAAB-BB-BBAA | ![]() | ![]() | BAAB-AA-BBAA BAAB-BB-AABB アヒル模様 / Duck Pattern |
| BAAB-AB-AABB (色反転=左右反転) | ![]() | ![]() | BAAB-AB-BBAA (色反転=左右反転) | |
| BAAB-BA-AABB (色反転=左右反転) | ![]() | ![]() | BAAB-BA-BBAA (色反転=左右反転) | |
| ギンガムX1 | BAAA-AA-AABB | ![]() | ![]() | BAAA-AA-BBAA |
| BAAA-AB-AABB | ![]() | ![]() | BAAA-AB-BBAA | |
| BAAA-BA-AABB | ![]() | ![]() | BAAA-BA-BBAA 独楽模様 / Spinning Top Pattern | |
| BAAA-BB-AABB | ![]() | ![]() | BAAA-BB-BBAA | |
| ギンガムX3 | AABA-AA-AABB | ![]() | ![]() | AABA-AA-BBAA |
| AABA-AB-AABB | ![]() | ![]() | AABA-AB-BBAA | |
| AABA-BA-AABB | ![]() | ![]() | AABA-BA-BBAA | |
| AABA-BB-AABB | ![]() | ![]() | AABA-BB-BBAA |
左右を反転した模様は、現状は別扱いになっていますが、同じとして数えると20点。先の62点にプラスすると、クロスベースの模様は全82点ということになります。
そして、このカテゴリーで試作したのが、以下3点です。

レベル2-非対称ステッチのかごの試作例
クロスベースのステッチについては、非対称のバリエーションも含めて、これで一通りがリストアップできたかと思います。ということで、ここまで試作したかごをまとめて眺めてみましょう。
同じ編み方で37通り!プラカゴの色彩バリエーション
























































