PPバンド・ダマスクと丸花模様のかごバッグ
最近の流行柄を作ってみました。
皆さん作られてますよって感じで、画像の共有や検索、ハンドメイドのサイトなどでよく見かけます。もちろん、コピーではなくサイズや位相はそれぞれに異なるのですが、同じ構成です。
もし、オリジナルを作ったのはどなたか、出典が何か、ご存じの方があれば是非、教えて下さい。

側面水平方向の13段を、3段-7段-3段で切り替えています。内側を見るとわかるように、ともにギンガムチェックなのですが、編みひもの色を変えることで、ギンガムの1点が入れ替わっています。
〝流行りの柄〟を定義すると、こんな感じでしょうか。
- レベル1の重ねひもは垂直方向に通す、ただし単位の2点中1点は省略
- 水平方向に3つの領域に分け、各、ダマスク・丸花・ダマスク模様にする
この組み合わせを、コード【①②③④-ab-あいうえ】で確認してみると次のようになります。
上部と下部
左図・ダマスク模様「BAAA-BA-ABBA」のうち【a】(レベル1の1本目)に相当する「B」を省略して、中央図の図柄にする。(省略することで、コード的には右図「BAAA-AA-ABBA」であるとも言えます。)

中央部
丸花模様の代表コードは「BAAA-BA-AB」ですが、【①②】部分の色と並びをダマスク模様に合わせた、色反転同一コード「BABB-BA-ABBA」を使います。
「左図・丸花模様「BABB-BA-ABBA」のうち【a】(レベル1の1本目)に相当する「B」を省略して、中央図の図柄にする。(省略することで、コード的には右図「BABB-AA-ABBA」であるとも言えます。)

模様の接続
上部と下部、中央部、ともに対応するコードを比べると【③④】部分の2点以外は、一致しています。中央図に赤の角丸四角で示した箇所です。
レベル1の重ねひもが垂直、つまり90度回転させるわけですから、【③④】部分はベースの水平ひもに相当します。
結果、全体の構成としては、青と黄で表現すると、
- ベースの垂直ひもは青と黄の交互(【①②】)
- 水平の編みひも(【③④】)は、下から、青3段→黄7段→青3段
(青色部分はダマスク模様、黄色部分は丸花模様になります) - 後差しの重ねひも(【[a]b】)は、青のひもにのみ、1/2幅の青を重ねる
- 後差しの斜めひも(【あいうえ】)は、青と黄の交互(黄・青順)
編みひもの段数(3-7-3)は固定ではなく任意に変えられます。2領域構成もあり。
模様の系譜
上に示したように、レベル1の重ねひもが省略されていますから、各、X模様・大花模様とも言えるわけですが、なぜダマスク模様と丸花模様なのでしょうか。それは、模様の歴史的な経緯があるからです。
2025年ごろからの作品に「ダマスク模様」と「丸花模様」の組合せが見られます。ちなみに、接続可能な類似コードを持つ模様は、他にも、花・松皮菱・連花・鍔(つば)・糸巻・バックル・手裏剣、など多数あるのですが、その中から、組み合わせの美しさが見いだされたということなのでしょう。
初期の頃は、レベル1の重ねひもは、普通に横方向でした。そのため、リボンと大花模様のかごバッグのように、垂直方向に区切られた領域に「ダマスク模様」と「丸花模様」が配置されていました。
次に、レベル1の重ねひもを垂直方向にすることで、「ダマスク模様」と「丸花模様」が水平方向の領域に配置されるようになりました。レベル1の重ねひものうち1本を除くことで、八角形風のタイリングになったのもこの頃でしょうか。
更に、領域を三分割し、三層の柄としての組合せがほぼ確立されたのが、2026年の初め頃ではないかと思われます。春ごろから少しずつ広まって、持つ人・作る人が増え、そして今(2026年9月)では、すっかり定番の「あの模様」になったようです。
並立ではなく変遷というのが面白いです。複雑そうに見えますが、分解して構成を見るとシンプルでロバスト性も高い、つまり意外と編みやすいからでもあるのでしょう。
この作品では、定義から若干変えて、レベル1の重ねひもを復活させてみました。中央部の7段だけ、レベル2のクロスひもを、レベル1の重ねひもの上に置いています。
本数・サイズ・色・バンドの並びなど、詳細は以下の構造データ(square形式)をご覧ください。
ブロック花模様のかごバッグ―種明かしと設計変更
フォローアップです。
先に「ブロック花模様のかごバッグ」の試作記事を載せた際、「作る時にちょっとしたミスがあった」と書きました。推察してください、とも。その種明かしです。
周りの方に聞いてみたところ
「どこかに通し忘れ箇所があるんじゃないの?」
確かに、あるあるですね。
まあでも、後差しのミスなら、最悪その1本を外して差し直せば修正できます。自分で気が付けば直しますし、指摘されてからでも、たいてい何とかなります。
AIにも聞いてみました。
「位相ずれ、特にLv.2の2色交互の色替え位置ずれの可能性が高い」
と、専門用語で指摘してきました。
説明を聞くと、今回のような2色交互の組み合わせは、多少の位置ずれがあっても模様として破綻しにくい、つまり「ロバスト性が高い」ということらしいです。
なるほど、それもありがちですね。ただ、私の場合、これはない。
というのは、これまでずっと、いろいろな模様を作ってきていますから。経験上、斜め方向の最初の差し位置だけは、編み図と首っ引きで確認しているからです。
では、何をミスったのか。
答えは、底編みの上下、つまりover / under です。これも、編んでいる方には「あるある」じゃないでしょうか。
立ち上げの段階になって、
「あれ、予定図と違う😓、、、逆じゃーん😭」
同色なら1本ずらせばいいけど、ブロックじゃ無理。じゃあ編みなおすか?ってところで、設計図の方を現物に合わせることにしたわけです。
まだ未公開のデータですし、over / under は、[ひも上下]で各面を[上下交換]すれば簡単に入れ替えられます。ただ、それだけでは済まず、それに合わせてLv.2ひもの位置を偶数ベースから奇数ベースに変えたり、花の位置を調整したりはしましたけどね。
実のところ、最初の設計はこんなでした。先と比べてどうでしょうか。

そしてもうひとつ、データの方を変えた理由があります。今は、ステッチの「応用ステージ」だということです。
『ステッチパターン図鑑』に載せたような、単位パーツを作っている段階では、over / under は厳密に合わせていました。全記事に定型文をつけて。でも、パーツを組み合わせて作品全体をデザインする段階では、over / under も、固定された条件ではなく、オプションのひとつになります。そんな例にもなるしな、と考えたのです。
今まで、サイトに試作例を載せるときには、
「これがデータです。この通りに作りました」
のような形で記事を書いてきました。でも実は、作りながら途中でデータを書き換えていた、ということもあるのです。
本のレシピ通りに作るのであれば、「逆じゃーん😭」は悲劇です。
でも、ソフトで設計しているなら、現物に合わせてデータの方を変更してしまえばいい。
作り直すより、その方が早いこともありますし、変更したデータからもう一度計算して図を出せば、以降は、ちゃんと辻褄も合います。
最初の設計に、最後まで縛られなくていい。
作りながら変えられる、というのもソフトを使うメリットです。
比較用に、元データをつけておきます。
PPバンド・リボンと大花模様のかごバッグ
『ステッチパターン図鑑』39ページに掲載されている「リボン模様」から、カラーバリエーション「ワイン・グログラン」を、手持ちの色で再現してみました。側面は9ページの「大花模様」のカラーバリエーション「深紅のオーキッド」です。

小さめサイズです。ワイン色のバンドの残りが少なかったので、作れるサイズにしたのですが、出来上がった最初の感想は、子供色にするんだった…でした。
垂直方向のバンドを切り替えていますので、前側面・背側面はストライプ、左側面・右側面はギンガムチェックです。
先には水平ラインで上部/下部に切り替えてみましたが、今回は垂直ラインで切り替えています。面ごとである必要はなく、面の途中での切り替えも可能なのですが、小ぶりで面自体が小さいため、面に合わせた方が自然でした。
図鑑のカラーバリエーションのQRコード/simulator ボタンからシミュレーターを開くと、それぞれ、次のような画面が開きます。

模様のコードを比較すると、異なるのは赤丸で示した1点だけで、垂直方向のベースのバンドに相当します。垂直ですから、底編みの段階で、どの領域をどちらの模様にするか、決めておく必要があります。
でも、それさえ合わせてしまえば他は全て同じですから、水平時のような段の切り替えは考えなくて済む、とも言えましょう。
この作品の構造データ(square形式)です。上の製作写真は、内側の縁ひもをグレーにしましたが、これはバンドの残りがなかったためで、普通にはワイン色です。メモ欄をご覧ください。
PPバンド・湖畔のカルガモ模様のかごバッグ
『ステッチパターン図鑑』からもう1点、36ページに掲載されている「アヒル模様」です。カラーバリエーション「湖畔のカルガモ」を、手持ちの色で再現してみました。

ベースはストライプです。内側は水平方向、外側は縦方向。
斜めのクロスひもは、45度と135度、方向ごとに色が異なります。先に作った時には1本ごとカットしましたが、今回は、底・縁の各1本を使って連続的に通しました。
図鑑のカラーバリエーションのQRコード/simulator ボタンからシミュレーターを開くと、下図・左のような画面が開きます。
赤丸で示した2文字は、水平方向に重ねる差しひもに対応するのですが、この2点をともにAからBに変えると、右図、反転・反対方向を向いたアヒル模様になります。ベースや斜め方向のバンドは同じで、変えるのは1/2幅の重ねひもだけ。
ということで、側面を部分的に変えてみたのです。行って帰ってまた行って、カルガモ親子のお引越しの行列です。

この作品の構造データ(square形式)です。本数・サイズ・色・バンドの並びなどは以下のXMLをご利用ください。
PPバンド・モルフォ蝶とTシャツ模様のかごバッグ
『ステッチパターン図鑑』の40ページには「蝶模様」が掲載されています。そのカラーバリエーションである「美しきモルフォ」を、手持ちの色で再現してみました。下半分は「Tシャツ模様」です。解剖台の上の出会いみたいですが。

垂直方向は黒と青の交互です。編みひもは、下のTシャツ模様部分が黒、蝶模様部分が青で、いずれもギンガムチェックがベースということになります。
図鑑の、各カラーバリエーションのQRコード/simulator ボタンからシミュレーターを開くと、下図のような画面が開きます。
並びを示す小さい文字が 「①②③④-ab-あいうえ」として示され、ボタンを兼ねた
[A][A][B][A]-[A][A]-[A][B][AB]
の文字が並びます。これを続けた「AABA-AA-ABAB」が、蝶模様を示すコードです。
これらの文字のうち、灰色四角で囲んだ「③④」と「あいうえ」の箇所は、垂直・斜め方向のバンドですから、側面全体として全て同じである必要があります。
それに対して、赤丸で囲んだ「①②」と「ab」の箇所は、編みひもの段ごとですから、途中から変えることができます。
シミュレーターではそれぞれの文字はボタンになっていますから、「①②」「ab」の下にある文字をクリックすることで、A/Bを入れ替えて、どんな模様になるのかを見ることができます。
AABA-AA-ABAB … 蝶模様(左図) 太字部分は変更不可を示すとして、細字部分を入れ替えてできる模様の一部をリストアップすると、こんな感じ。
- AABA-BB-ABAB … 牛模様
- BBBA-AA-ABAB … バンドエイド模様
- BABA-AA-ABAB … インベーダー模様
- ABBA-AA-ABAB … リボン模様
- BBBA-BB-ABAB … Tシャツ模様(右図)
中から、組み合わせとしてはちょっとシュールかもしれませんが、丸い感じが合うかな♡、ということで「Tシャツ模様」を選んでみました。

この作品の構造データ(square形式)です。本数・サイズ・色・バンドの並びなどは以下のXMLをご利用ください。













