飛ばし編みのマルとバツのかご
Ver1.8.10の Squareでは、底と側面で目(すき間)を変えられるようになりましたので、飛ばし編みのかごを作ってみました。マルとバツの模様です。

側面は、細幅ですき間なしの追いかけ編みです。CraftBandMesh でデザインすると連続したひもとして計算できるのですが、編み目をデザインするため、CraftBandSquare で作り、周ごと個別を、2段ごと連続、に読み替えました。
底はこんなです。縦横のすき間が小さいので網代に編み、横方向だけ3本幅の差しひもを編みこんで底を埋めました。

追加された設定箇所です。

プレビューの編み図です。

データです。側面の編みひもの色は、茶色・空白を交互にしていますので、基本色を変えると段がわかりやすくなります。
V1.8.10 リリース
issue#74,86-89に対応しました。
[規定値]フォルダを選択可能に
[規定値]ボタンから、ひな型として指定したファイルを読み取る機能ですが、従来は1点だけでした。これを、ファイルではなくフォルダ指定に変更しました。既定値フォルダの中にファイルを置くだけで、何点でも、ひな型として使えるようになりました。
各アプリごと、ひな型を置く専用フォルダを作成してください。例えば「mesh-template」「square-template」など。日本語名でもOKです。そして、ひな型として使いたいデータファイル(.xml)をそのフォルダの中に入れてください。
つぎに、それぞれのアプリを起動して、[設定]メニューから[規定値保存フォルダ]を呼び出し、そのフォルダを指定してください。一度指定すれば、以降はいつでも[規定値]ボタンが使えるようになります。

それぞれのアプリの[規定値]ボタンをクリックすると、ひな型専用フォルダの中にあるデータファイルがリストアップされます。選ぶ際の参考に、目標寸法やタイトルなどの情報も表示されます。

①使いたいデータをクリックして選択すると
②画面下部、ロード対象として指定されますので
③[ロードする]ボタンをクリックすると、現データに読み取られます
(この操作で、ひな型自体が変更されることはありません)
よく使うサイズ、S,M,L をあらかじめ用意しておくとか、楕円底パターンを作っておくとか、自分専用のライブラリが構築できます。
CraftBandMesh のプレビュー画像
Meshのプレビュー画像で、「右上」か「全体」かが選べるようになりました。
他のアプリと同じように、底全体を見られるようになりました。


その他
- 「バンドの種類」の設定に「基本のひも幅」が増えました。数値をセットしておくと、そのバンドを使って「新規作成」した時の「基本のひも幅」になります。
- CraftBandSquare で、高さの目(すき間高)として、底の目(すき間)とは異なる数値が設定できるようになりました。変えたい場合は「底とは別」のチェックをONにしてください。
- 現対象の設定ファイルの識別情報が、表示・編集可能になりました。
ダウンロードはこちら。
Release v1.8.10 のリリース
※サンプル設定ファイルは、「竹ひご(1幅1ミリ)」「汎用(1幅1ミリ)」の「基本のひも幅」を各 5と10にしています。それ以外の変更はありません。
PPバンド・マルとバツのかご(CircleとCross)
以前ご紹介した鍋つかみのサイト「Piglet’s Potholder Patterns」から、<浮かぶ丸> Floating-Circleと、<十文字> Criss-Cross 模様を使って、かごを作ってみました。
使用した模様はこちら <浮かぶ丸>Floating-Circle-19.png (1274×1649)
<十文字>Criss-Cross-19.png (1274×1649)

試作なのであまり大きくてもと思い、1/2幅で作ったのですが、メチャ歪んでしまいました。キレイに詰められていないので、ラインの模様もデコボコです。それでも何とか、丸とバツには見えるでしょう、、遠くから見れば。
底から見たところ。ラインをつなげるため、正方形です。高さに0.5個をプラスすることで、縁の折り返しが同じ色に重なりました。

底編み図です。

[プレビュー2]画像。側面を編むときの編み図です。

CraftBandSquare45 のデータです。
鍋つかみには19本ベースと27本ベースがあり、このかごは19本ベースをもとに作りました。実はその前に、27本ベースのデータも作ってみたのです。もう少し大きく作りたい、上手な方は、こちらのデータも使ってみて下さい。

補助線の描画、方眼の例
かごをデザインする場合は、かご形状のプレビューが得られます。でも、メッシュワークでは、最終的に作りたい形とは別に、模様だけを作るケースがあります。そのような場合、作りたいサイズで補助線が引かれていると便利でしょう。
また、縮小印刷した図の背景に、方眼が描画されていれば、配置や長さの参考になります。
Ver1.8.6で加わった「補助線」の機能を使えば、線の種類は限定的ですが、プレビュー図にこのような線を加えることができます。

[追加品]として次のような補助線を加えました。集計対象外ですので、ひもの長さにはカウントされません。
中央が原点(0,0)です。
横線は
- 原点を通るライン1本 紫
- +10mm ごとに、15本 ピンク、原点から上に
- -10mmごとに、15本 オレンジ、原点から下に
縦線は
- 原点を通るライン1本 深緑
- +10mm ごとに、11本 シアン、原点から右に
- -10mmごとに、11本 紺、原点から左に

CraftBandHexagonの例ですが、追加品の機能は全5点のアプリで共通ですので、いずれのアプリにおいても同じような線をひくことができます。
例のデータです。データは説明用に色をつけていますが、最初の図は「線のみ(細)」と「線のみ」を使い、リスト出力記号も空にしたものです。
『パソコンを使ってメッシュワークの模様をデザインしよう』令和6年度後期りぶら講座
講座は終了しました。ご参加いただきました皆様、ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。
講座で使用したパワーポイントです
同内容のPDFファイルです
(インストール)
- 「起動するまで」を参照して、アプリをインストールしてください。完了すると、デスクトップに5点のアイコンが作られます。
- 今回使用するのは、うち3点《CraftBandSquare》《CraftBandSquare45》《CraftBandHexagon》です。
- 《CraftBandSquare》のアイコンをダブルクリックして起動し、設定ファイルの場所と名前を聞かれたら、”ドキュメント”など自分のファイル保存用の場所(デスクトップはお勧めしません)を指定して、メイン画面が開いたら終了させてください。
- 《CraftBandSquare45》《CraftBandHexagon》についても同様に、同じファイルを指定してください。
- これで、3点のアプリが起動できるようになりました。
(準備1)
<配布は終了しました>
- 上のファイルをダウンロードしてください。
- 《CraftBandSquare》を起動し、[設定]メニューの[基本設定]画面を開いてください。
- 画面が開いたら、[インポート]ボタンをクリックし、上でダウンロードしたファイルを指定して[開く]としてください。上書きの問い合わせには[はい]としてください。
- 更新メッセージが表示されたら完了です。この操作により、[ひも上下]から呼び出せる模様の数が増えます。(《CraftBandSquare45》の操作は不要です)
(準備2)
- 《CraftBandSquare》のアイコンをダブルクリックして起動してください。
- [編集]メニューの[バンドの種類選択]画面を開いてください。
- 「対象バンドの種類名」から「汎用(1幅1ミリ)」を選び、「出力時の寸法単位」は“cm “を選んでください。選択出来たら[OK]ボタンでこの画面を閉じ、メイン画面も終了させてください。
- 《CraftBandSquare45》《CraftBandHexagon》についても同様に、「対象バンドの種類名」と「出力時の寸法単位」を選択してください。
基本的な操作
- 「メイン画面の構成と共通操作」についてはこちら
- 各アプリのベースタブで設定する基本的な値についてはこちら
演習: やってみましょう
※各タイトルがリンクになっています。指示に従って、操作してみましょう。
(演習1) バンド色で作る模様

3点のアプリ、《CraftBandSquare》《CraftBandSquare45》《CraftBandHexagon》を使ってみましょう。バンド個別に色を設定して、作られる模様を見てみましょう。色の編集機能を使って、繰り返し設定や一括変更をしてみましょう。
(演習2) 2軸の編み目で作る模様

《CraftBandSquare》と《CraftBandSquare45》には[ひも上下]というタブがあります。縦横、指定した本数を単位として、チェックONは縦ひもが上・チェックOFFは横ひもが上の編み目を設定するものです。編み目で作られる模様を見てみましょう。
(演習3) 3軸織(鉄線編み)の模様

《CraftBandHexagon》では、3方向のバンドの重なり位置と繰り返し色の配置を合わせることで、ベビーブロックやシックススターなどの模様を作ることができます。ルールに合わせて、模様を作ってみましょう。
バンド幅と描画色
※先の演習で作ったデータを、以下を参考に、自由に変更してみましょう。
「何本幅」の選択について
演習では、バンドの種類は「汎用(1幅1ミリ)」を使い、全てのバンドを同じ「10本幅(10mm)」にしていました。
縦ひも、横ひもなどのタブには、1行につき1本のバンドが表示されていますが、「何本幅」の数値を変えることで、1mmから50mmの幅に変えることができます。[設定]メニューの[色の繰り返し]画面から、幅の繰り返しを作ることもできます。
バンドの種類について
使用したバンドの種類「汎用(1幅1ミリ)」もまた、固定ではありません。登録されている「バンドの種類」から任意に選んで使うことができますし、更には、ご自分で、使いたい幅のバンドを登録することができます。
- 「バンドの種類」のページはこちら。サンプルのバンド一覧があります。
- [設定]-[バンドの種類]のページはこちら。登録や削除手順、仕様説明があります。
描画色について
演習では、登録されている中から色を選んでいましたが、「描画色」を作成して、その色で図を描かせることもできます。
- 「描画色の作成」のページには、写真から読み取った色を登録する例があります。
- [設定]-[描画色]のページには、どう描画されるのかなどの仕様説明があります。
応用に向けて
ここまでで、
- 「任意の幅」「任意の色」のバンドを
- 2軸では、任意の編み目を組み合わせて
- 3軸では、鉄線編みの位置を合わせて
模様を作れるようになりました。
ソフトを使うことで、
- いちど作ったデータは、ファイル化して再利用することができます
- 様々なデータファイルを体系的に作れば、ライブラリになります
- ひな型の色をセットで変えて、簡単に色合わせすることができます
- 画像を、実寸で印刷すれば、型紙にすることができます
皆さんは、“何に使いたい”と思って受講されたのでしょうか。その目的は果たせそうでしょうか。サイトでも何点か試作してみましたが、いろいろ応用してみてください。
そして、今回は、平面だけを扱いましたが、本来は「かご」の立体形状をデザインするソフトです。平面をマスターされましたら、高さを加えた立体にも、チャレンジしてみてください。