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ソフトウェアの説明書

V1.8.5 リリース

#issue対応、何点かの修正です。

CraftBandHexagon の差しひもで、平行方向かつ底の六角形の角位置を通る場合は、Y字になるよう修正しました。左側がV1.8.4 の時で、同じデータに対してV1.8.5では右図のようになります。

差しひもはY字に分岐するのですが、データ的には、他のひもと同じ並びで 1本の扱いです。ひもリストには、次のように、メモ欄に分岐情報を追記します。

また、添付のサンプル設定ファイルに、deep色一式を追加しました。

既存色の「透明度」値は50~100で、かなり透過的です。deep色は「透明度」値180で、ベタ塗りに近い色になっています。差しひもの重なりを見るには、上の2枚の図のように、deep色の方がわかりやすいと思います。必要に応じて使い分けてください。

サンプル設定ファイルですが、更新インストールの場合は、[設定]メニューの[基本設定]画面、[インポート]ボタンから「C:\Program Files\Labo\CraftBand\CraftBandMesh.XML」を読み取ってください。

ダウンロードはこちら。

Release v1.8.5 のリリース

色の編集機能

編集中のデータで使用している色は、それぞれのタブで、各バンドに対応した行から個別に設定・変更しますが、まとめて設定・変更したいこともあります。[編集]メニューには、そのために使える2つの機能が用意されています。

色の変更機能

同じ色全てを、別の同じ色に変えたい時に便利です。
手動で呼び出しますが、バンドの種類を変更するなど使える色が変わった時には自動で表示されます。仮の色でテンプレートを用意しておき、都度、好きな色に置き変えて使うなどの応用ができます。

色の繰り返し機能

色の並びの繰り返しを作りたい時に便利です。
「縦横(側面)を展開する」ことにより、“何本幅”を変更可能なアプリであれば、同じ画面で、本幅の繰り返しを指定することもできます。

色の変更

[編集]メニューの[色の変更]をクリックし、色の変更画面を呼び出してください。

最初は、そのデータで使われている全色がリストアップされています。
表示・変更対象は、上部にあるチェックボックスで限定することができます。下図は、CraftBandSquare ですが、色が使える「側面と縁」「差しひも」「追加品」「縦ひも」「横ひも」の各タブのうち、任意のタブを対象に指定できます。

例えば、「縦ひも」と「横ひも」だけ色を表示・変更したければ、その2点にチェックを入れ、[使用色]ボタンをクリックすると、縦ひもと横ひもで使われている色のみがリストされます。

先のデータで、縦ひもと横ひもの色を変更してみましょう。
現在の色それぞれに対して、何に変更したいかを指定してから、[変更実行]ボタンをクリックしてください。

変更結果のメッセージが表示されたら、色の変更画面を閉じて、指定通り変わっているかどうか確認しましょう。

色の繰り返し

[編集]メニューの[色の変更]をクリックし、色の繰り返し画面を呼び出してください。

変更対象は、追加品や差しひもを除いたベースとなるバンドです。[色の変更]と同様に、上部にあるチェックボックスで操作対象を限定することができます。
下図は、CraftBandSquare ですが、ベースとなるバンドは「側面と縁」「縦ひも」「横ひも」となります。

何点を繰り返すのかは、行数で指定します。1行だけであれば、すべてのバンド行が対象になります。2行であれば2点の繰り返し、3行であれば3点の繰り返しです。必要数の行を [追加]ボタンで追加してください。

テスト用に、CraftBandSquareの概算機能で、ひもの本数のみをセットしたデータを作りましょう。「縦横側面を展開する」にチェックを入れると、横ひも・縦ひも・側面の編みひもそれぞれに色を設定できるようになります。

テストデータが作れたら、縦ひもを、4色の繰り返しに設定してみましょう。

4行を作り、繰り返したい色の並びを順に設定します。[変更実行]ボタンをクリックし、結果のメッセージが表示されたら完了です。[閉じる]ボタンで画面を閉じ、メイン画面に戻って結果を見てみましょう。

変更対象として指定した[縦ひも]タブを見ると、最初は空だったところに、色が入りました。上から、ひも番号の順に、4点セットが繰り返されています。

描画色の作成

既存にない色を登録する方法です。既成のバンドだけではなく、フェルトや布など個別に色を合わせて画像を作ったり、長さをリストしたい、という使い方にも応用できるでしょう。

次のようなステップで試してみます。

  1. 新たなバンドを登録する
  2. 画像ファイルからRGB値を読み取る
  3. RGB値を描画色として登録する
  4. バンドに描画色を割り当てる
  5. 作成した色を使ってみる

1~4.については、CraftBandMeshシリーズのどのアプリからでも登録することができますし、登録したバンドや描画色は別のアプリからも使えるようになります。(同じ設定ファイルを使っていれば)

1.新たなバンドを登録する

描画色登録用に、「バンドの種類」に「汎用(1幅1ミリ)」を登録しましょう。

CraftBandMeshシリーズのいずれかのアプリを開き、[設定]メニューの[バンドの種類]をクリックします。
[バンドの種類]画面が表示されたら「汎用(1幅1ミリ)」を追加してください。

バンドの種類「汎用(1幅1ミリ)」の行が追加されたら、本幅に「20」、バンド幅に「20」を入力してください。

他の値はとりあえずそのままにしておきます。(新規作成時の加算値や立ち上げ時にプラスされる値など、そのバンド用の値をセットできます)

[OK]ボタンで画面を閉じてください。これで、1幅につき1ミリ、1~20本幅(1~20ミリ)で使える新たなバンド「汎用(1幅1ミリ)」が追加されました。

CraftBandMeshシリーズのアプリも、ここで一旦閉じてください。

2.画像ファイルからRGB値を読み取る

色はRGB値で作成します。

取り込みたい色が表示された写真のjpgファイルを、ペイントソフトで開きます。
(ペイントはWindows標準のソフトです。画像を右クリックして[編集]としてもOK)

画像から、ペイントの「色の選択」機能でRGB値を読み取ることができます。

0~255までの整数値で、R,G,B が赤,緑,青 に対応します。

読み取りたい色の箇所、それぞれについて、赤,緑,青 の三つの数値をメモしておいてください。ディスプレイが大きければ、次の「3.RGB値を描画色として登録する」操作は、メモではなくウィンドウを並べて読み取った値を転記、でもOKです。

3.RGB値を描画色として登録する

CraftBandMeshシリーズのアプリを開き、[設定]メニューの[描画色]をクリックします。

[描画色]画面が表示されたら、「汎用(1幅1ミリ)」のバンドに対して、2.で読み取った各色に好きな名前をつけて登録します。まず「あじさい(薄い青)」という名前で、メモした赤,緑,青 の値を入力し、[更新/追加]ボタンで追加してみましょう。

他の色についても同様です。
ここでは、次のように、全部で6色を追加登録しました。

登録出来たら、[OK]ボタンで描画色の画面を閉じてください。

4.バンドに描画色を割り当てる

アプリの[設定]メニューから、再度[バンドの種類]をクリックして、バンドの種類画面を開いてください。

先に登録した「汎用(1幅1ミリ)」のバンドの[色選択]ボタンをクリックすると、登録されている色のリストが表示されます。ここから、このバンドで使いたい色にチェックを入れてください。追加した色だけではなく、既存の標準色も合わせて表示されますので、使いたければチェックを入れてください。

色を選んだら[OK]ボタンで閉じ、更に[バンドの種類]画面も[OK]ボタンで閉じてください。これで、「汎用(1幅1ミリ)」のバンドを選択した時に、リストに表示される色が選べました。

ここまで登録出来たら、登録に使ったアプリも一旦終了させてください。(終了させることで、設定ファイルが保存されます)

5.作成した色を使ってみる

登録した色を使いたいアプリを起動してください。

[編集]メニューから[バンドの種類選択]をクリックし、バンドの種類選択画面から、バンドの種類として「汎用(1幅1ミリ)」を選択します。

バンドの種類選択画面を閉じると、色選択の各箇所は、4.でチェックを入れた色のリストになっています。

必要なバンドの本数を設定し、「縦横(側面)を展開する」にチェックを入れて、個別のバンドに色を設定してください。

[プレビュー]タブで画像を表示させると、作成した描画色で表示されます。

CraftBandSquare で使った例
CraftBandKnotで使った例

例のデータファイルです。

作成した色を含む設定ファイルです。例のデータファイルと合わせて使ってください。

麻の葉編み

CraftBandHexagon Ver1.8.2で「ひも中心合わせ」機能を追加しました。60度ごと3方向のひもを「六つ目」つまりすき間の中心で合わせるだけでなく、ひも中心位置で合わせられるようにしたものです。

合わせて「麻の葉(単方向)」織りを追加しました。こんな編み方です。
3本のひもが長さ方向の真ん中で交差しており、目(すき間)が三角形になっているのがわかるでしょうか。

「巴(3すくみ)」や「鉄線(3軸織)」織りの場合は3方向に対して同じ扱いができた、つまり60度の回転対称だったわけですが、この編み方は異なります。横ひも方向と、斜め60度・120度方向は違うのです。上図、赤の矢印で示しましたが、方向性があります。

ではこの編み方、かご編みにはどう使われるのでしょう。文献、

『かごと器の技法がわかる 竹細工 増補改訂版』田中瑞波、メイツ出版、2023

「PART5 ステップアップする竹かごづくり」の95~108ページに、”六つ目編みを応用した麻の葉編みに挑戦” として、底が正六角形のかごの詳細な作り方が説明されています。簡単には、こんな感じでしょうか。

六角形の底を構成する三角形6部分を、異なる方向、すなわち、立ち上げた時に側面が全て垂直方向に揃う方向に編んでいくのです。最初の図はそのパーツとなるものですが、対応する方向を同じく赤の矢印で示しました。

これが正式な「麻の葉編み」であり、CraftBandHexagonではその一部のみを限定的に表示できるということです。ですので「麻の葉(単方向)」。

上の図のデータを添付しておきます。どんな編み目になっているか、気になる方はご覧ください。

鉄線編みの六つ目の作り方

先の続きです。3つに分ける六つ目を大・中・小としましょう。

  • 「大」 … 入れ子の外側、大きい六つ目
  • 「小」 … 大きい六つ目の中に、入れ子になる小さい三角形
  • 「中」 … 大と小を重ねた時の空き位置、「大」と「小」の中間です

まず、作りたい本数や色や模様の鉄線編みのデータを完成させ、ファイルとして保存します。このデータは、等倍に印刷して型紙に使います。

次に、そのファイルのコピーを5点作り、リネームします。そして、それぞれ部分的に、ひもの一部を非表示にします。

非表示にするには、色を「無描画色」に変更すればよいのですが、3点ごとの繰り返しについては、[編集]メニューの[色の繰り返し]を呼び出すと便利です。

変更は次の通りで、亀甲パターンとなる位置です。位置番号については以前の投稿を参照してください。

ファイル名内容横ひも斜め60度斜め120度
big「大」のみを表示
「中」「小」を非表示
+1,+2位置を
「無描画色」
-1,+1位置を
「無描画色」
-1,+2位置を
「無描画色」
small「小」のみを表示
「大」「中」を非表示
-1,+2位置を
「無描画色」
-1,+2位置を
「無描画色」
-1,+1位置を
「無描画色」
big-small「大」と「小」を表示
「中」のみ非表示
+2位置を
「無描画色」
-1位置を
「無描画色」
-1位置を
「無描画色」
inter「中」のみを表示
「大」「小」を非表示
-1,+1位置を
「無描画色」
+1,+2位置を
「無描画色」
+1,+2位置を
「無描画色」
inter-mark「中」を識別色(グレー)にする+2位置を
「グレー」
-1位置を
「グレー」
-1位置を
「グレー」

これらのファイルのプレビュー図を見ながら、六つ目を2枚作り、重ね、残りのひもを差して、底が完成です。

底作成ステップ

上の写真の例では、型紙に貼り付けたまま立ち上げられるよう「うら」つまり内側から見たプレビュー図を印刷しました。

一度見るだけですから、印刷ではなくパソコンの画面を見ながらでよいと思います。また、最後の斜めひもは型紙から外して差しますので、「うら」ではなく「おもて」でもよいと思います。

そして何と、最初に作る「大」と「小」の六つ目は、ひもの交差箇所を貼り付けてしまっても良いのです。貼り付ければ、形が崩れることもありません。

これで、3の倍数の繰り返しでなくても、方向ごと色が違っても、全体にグラデーションかけるような模様でも、六つ目ふたつから開始できます。


鉄線編みでできた二つのかごを重ねてみました。

鉄線編み模様の二つのかご

本体側のかごは辺に長短があり、最長に合わせざるを得なかったため、ふたとしてはちょっと大きめ。3軸だと本数を簡単に変えられないので、サイズはすき間で調整することになりますが、型紙があれば大丈夫です。

参考までに、5点のファイルを添付しておきます。

[?] 上記の数値が唯一かというと、[大][中][小]は入れ替え可能なようですし、亀甲パターンも先の値が唯一というわけではなさそうです。どんな条件を満たせば、六つ目3枚に分離できるのでしょうか。

『フリーソフトを使って竹細工のかごの図面を作ろう』令和6年度前期りぶら講座のお知らせ

パソコンに、かごデザイン用ソフトをインストールして図面を作りましょう。六つ目、四つ目、網代底編み、網代模様など。印刷すれば型紙になります。

かごをデザインするソフトCraftBandMeshシリーズ 3回目の講習会です。

今回は 素材として“竹ひご”を使います。竹ひごを共通データとして登録し、シリーズの各ソフトを使って、様々なタイプのかごの図面を作ってみましょう。

各自のパソコンにソフトをインストールし、入力した数値がどんな絵になるか見てみましょう。変更も簡単です。ソフトやデータはそのまま持ち帰って活用できます。

皆様のご参加をお待ちしております。

講座名令和6年度前りぶら講座
「フリーソフトを使って竹細工のかごの図面を作ろう」
日時2024年8月22日(木) 13:30~15:00
会場図書館交流プラザ りぶら 会議室103
受講料
教材費
無料 
定員20名 どなたでも参加可。当日空席があれば参加可。
持ち物Windowsパソコンをご持参ください。
ソフトをインストールして各自演習します。ペア参加(2人で1台)も可能です。
(事前インストールしていただくと効率的)
申込期限2024年8月12日(月)
申込方法りぶら講座ホームページhttps://www.libra-kouza.com/から申し込み
もしくは図書館交流プラザにある申込書をりぶらサポータークラブ事務局に提出
連絡先講座内容に関するお問い合わせはこちら。もしくはお問い合わせより。
申し込みに関してはりぶらサポータークラブ事務局へ。

配布チラシ画像

チラシ表面
チラシ裏面

講習内容

1.   フレームと共通操作

ベースとなる“本幅”のフレーム、ならびにシリーズ全体の共通操作を知りましょう。
ファイルメニューやメイン画面の寸法表示、タブの切り替え操作は、いずれも同じです。計算結果はエクセルで開くこともできます。

2.   設定ファイルのデータベース

共通の設定ファイルには、情報をデータベースとして登録します。
バンドの種類・編みかた・付属品・描画色・上下図、それぞれの用途と編集方法を知りましょう。

3.   CraftBandHexagon

六つ目のかごがデザインできます。
底に置く横・斜め60度・斜め120度のひごと、側面の本数を指定します。
右綾・左綾を指定した図が描けます。

4.   CraftBandSquare45

縦横に組んだ底を、ひごに対して45度で立ち上げるタイプです。
長桝網代底の編み目が簡単に作れます。

5.   CraftBandSquare

四つ目のかごがデザインできます。
すき間を空けてひごを差したり、単位となる網代模様を展開したり。
幅を変えて波網代も作れます。

6.   CraftBandMesh

四角ベースに、ひごを編みこんでいくタイプです。
ござ目など、使いたい編みかたを登録して組み合わせます。

7.   質疑応答

ご質問・ご意見・何でもどうぞ。
ソフトに関するご要望も、あればどうぞ。

Q&A

Q.講習会に参加しないとソフトを使えないのですか?
A. フリーソフトですから、公開されている情報をもとにご自分でパソコンにインストールされれば、いつでも、誰でも、使うことができます。

Q. パソコンを持っていないのですが、参加できますか?
A. 参加して話を聞いていただくことは可能です。でも、その後、ソフトを使いたければ、Windowsパソコンが必要になります。

Q. 竹細工専用のソフトですか?
A. いいえ。素材として“バンド”ないしは“テープ”形状を想定したソフトです。今回は、“竹ひご”を素材にしてみましょう、ということです。

Q. 編組可能な編み目、使える図面が作れるのですか?
A. ソフトは入力された値に従って計算し、図を描きます。計算の各種係数もデータベースに保持していますので、使う方次第と言えましょう。

Q. 自然素材の様々な厚み、特性に対応できるのですか?
A. 幅や厚さが揃った“竹ひご”からのスタートです。平面図ですので、厚さは直接的には使いませんが、折り曲げた時の加算値のような形で算入します。

Q. 図面をもとにした作り方は教えてもらえるのですか?
A. 講習はソフトを使って図面を作るだけです。教室の教材と併用されるとよいでしょう。

講座情報掲載

チラシのPDFはこちら

V1.8.3 リリース

issue#60対応、リスト出力記号の空に対応しました。また、CraftBandHexagon についても、おもて/うら表示に対応しました。

例えば先の麻の葉崩しの浅かごですが、表と裏で模様の位置が変わります。作る前に確認できますし、裏側の編み図で編めば、立ち上げ時にひっくり返さずに済みます。

表と裏

ダウンロードはこちら。

Release v1.8.3 のリリース

3軸織の位置合わせ

CraftBandHexagonの設定と、それが画像やサイズにどう反映されるかについてです。

まず、各方向の本数について。目で合わせますので「ひも中心合わせ」はオフのままにしておいてください。

本数・合わせ目

下図、赤枠部分が横ひもの本数の設定です。
斜めひもについては「同数」のチェックがオンの時は、青枠部分に設定した本数が、斜め60度・斜め120度の両方に適用されます。
「同数」のチェックをオフにすると、緑枠部分が表示され、斜め60度・斜め120度が個別に設定できるようになります。

メイン画面の本数と合わせ目設定箇所

3方向のひもを組み合わせると、ひもの間にすき間(六つ目)が作られます。3方向それぞれ、何個目の六つ目位置で合わせるかを設定するのが「合わせ目」です。ここには、1~ひもの数マイナス1の値、いずれかをセットします。例えば、ひもが4本なら、間に作られる目は3個ですから、1~3の値が選べるわけです。

模様の位置

「合わせ目」位置の六つ目(1箇所)は、プレビュー図には赤の六角形で表示されます。

3軸織の場合は、「合わせ目」の位置に対して、横・60度・120度の3方向のひもが、星形になるように編み目を作ります。星形の外に作られる巴(3すくみ)の方向に対応して、右綾・左綾で、星の回転方向を選ぶことができます。

色や長さ

3方向、それぞれのひもの色は「縦横側面を展開する」にチェックを入れると表示される[横ひも][斜め60度][斜め120度]のタブでセットすることができます。

横ひもは、上から順に下へ数えます。ひも番号は、1~本数で、1行が1本のひもに対応します。「位置」のカラムには、合わせ目をゼロとした相対的な位置が番号で表示されます。合わせ目の上は-1、下は+1のひもになります。

それぞれの行にひもの長さが表示され、色や加算長を設定することができます。

斜め60度のひもは、左上から右下に数えます。同様に、合わせ目の左上が-1、右下が+1のひもになります。

斜め120度のひもは、左下から右上に数えます。同様に、合わせ目の左下が-1、右上が+1のひもになります。

なお、この時、上端・下端や斜め左端・右端にゼロではない値をセットすると、行が追加表示されます。これらは幅を示すためのもので、色や加算長は設定できません。

立ち上げ位置

ひもに沿って折りますので、底から立ち上げて出来る辺は次のようになります。真ん中の水平線が辺で、上が側面、下が底です。CraftBandHexagon は、CraftBandSquareのように側面と底で編み目を変えることはできませんので、側面と底は続き模様になります。

編み目は各方向3本ごとの繰り返しです。スターの中心を赤丸で示しましたが、辺上でも、ひも3本分ごとの繰り返しになっていることがわかります。

底に作られる六角形の角は、次の3つのパターンのいずれかとなります。

角の両側の底の辺で、同じ織り模様が続くためには、上図3パターンの左側図である必要があります。真ん中図だと4本・右側図だと2本となって、3本ごとの繰り返しとして続かないからです。

つまり、底から立ち上げて、側面を続き模様として織るためには、6つの角が全てスターの中心になるような位置に底を作る必要があるということです。

※上図は右綾ですが左綾も同様。右綾と左綾は混在しませんので。

底側に目の六つ目のかご

端の目の設定、もうひとつ試してみるとしたら、底(上端・下端と斜め左端・右端)が1、側面(最下段)がゼロでしょう。こんなです。

ひも幅を無視すると、立ち上げは基本の六つ目のかごと同じ、辺に沿った位置となります。そして、同じ辺の位置なのに、ひもの数は、6つある角それぞれにおいて、2本ずつ少ないのです。

四つ目の場合は、目はあるけれどもひもがない状態と認識して、必要に応じて差しひもで調整していました。正方形と異なり、六つ目の場合は斜めに広がることができますから、半分ずつの六つ目のかごと同様、側面の六つ目を大きくすることで対応することとしましょう。「側面周比率対底」と「高さの六つ目に反映」です。

この設定でかごを作ってみました。六つ目のサイズの設定は半分ずつの目のかごと同じです。

立ち上げ箇所では、角は六角形ではなく五角形になりますが、この場合五角形は、側面ではなく底にくるということがわかりました。

底側に目の六つ目のかご

底から見たところ。

底側に目の六つ目のかごの底

上手に作れれば、かごとしては悪くない感じです。側面が1段目から全て六角形に揃うのも、側面に模様を作る時にはいいかも。ただし「側面周比率対底」は1.35ですから、側面の六つ目は底の六つ目より明らかに大きい。底の型紙も使えませんし、側面サイズの六角形で位置を再配分しなくてはなりません。

そして、今は、正六角形の円に近いかごですから、側面の六角形位置の再配分結果も自然です。でも、かごバッグのように細長い、つまり六角形の2辺だけ長くなる形状では、長辺側は底の延長の方が自然かもしれません。再配分できるのでしょうか。

試しに、今のかごの設定で、横ひもはそのまま6本・斜めひもを20本にしてみると「側面周比率対底」の値は1.12になります。このくらいであれば、可能かもしれませんね。

いずれにしても、高さを変えて全体として再配分するなら「高さの六つ目に反映」をオンにする。長辺を優先して底と同じ六つ目のサイズに作るには「高さの六つ目に反映」をオフにすると、それぞれに合わせたひもの長さは計算できます。あとは、上手に作っていただきましょう。

編み図です。

データです。

半分ずつの目の六つ目のかご

ひもに沿った位置で立ち上げるといっても、なかなか理想通りにはいきません。ひもの厚みがありますし、折るのではなく丸める(竹ひごなど)というケースもありますから。試作したかごを見ても、沿ったつもりが何ミリかは外側になってしまっています。(単に下手だからかもしれませんが)

この状態を明確に示すよう、底(上端・下端と斜め左端・右端)、および側面(最下段)それぞれ、目(六つ目の高さ)に対する比率を0.5に設定してみましょう。こんなです。

設定した箇所は赤丸部分です。

問題は、側面の六つ目のサイズです。基本のかごの場合は、底と側面の六つ目はほぼ同サイズでした。でも、このかごでは、基本のかごより底の周が長くなります。ひもの本数は同じなのですから、従って、水平方向の六つ目のサイズは大きくなるということです。

側面の六つ目を正六角形にするなら、側面の六つ目の高さに、水平方向に広がった分を加えるべきでしょう。それを示すのが、緑で囲んだ部分です。「側面周比率対底」で底に対して側面がどのくらい大きくなったかの比率を示し、その隣の「高さの六つ目に反映」にチェックを入れることで、側面の六つ目の高さを高くできるようにしています。

先と同じ本数で上端・下端と斜め左端・右端を0.5とし、「高さの六つ目に反映」したかごを作ってみました。

半分ずつの目の六つ目のかご

底から見たところ。

半分ずつの目の六つ目のかごの底

三角の中は、先の反省から3ミリにしたため、2センチほど大きいかごになりました。底は辺ではなく、三角の角が突き出るような感じになりました。

編み図です。

データです。