「折りカラー編み」カテゴリーアーカイブ

バンドを折り返してそのまま編み重ねる。折り返し色を活かして模様を作る編み方

『折りカラー編み(OriColorWeave)』斜め編みの高さ(2)

先に、『折りカラー編み(OriColorWeave)』斜め編みの高さとして、「縦横の両端、ひとつ変えるごとに高さがひとつずつ低くなる」という経験則をあげました。

いくつ変えるのか、という点数を整数 N とすると、

0 ≦ N ≦ (縦の四角数 と 横の四角数の小さい方)

であることがわかりました。

Nがゼロというのは、色を変えない、つまり縦ひもと横ひもをそれぞれ別の色にするということです。
Nが1というのは、1点を色替え、つまり両端で計2本の色を替えると、高さが1低くなるということです。
Nが2というのは、2点を色替え、つまり両端で計4本の色を替えると、高さが2低くなるということです。

下図を見ていただくと、その理由がわかるでしょうか。

縦ひも数・横ひも数は、ともに縦の四角数+横の四角数です。
例えばこの数が10本とすると、底となる縦横の四角数として可能な組み合わせは、

  • 縦の四角数=1 横の四角数9
  • 縦の四角数=2 横の四角数8 (上図のAのケース)
  • 縦の四角数=3 横の四角数7
  • 縦の四角数=4 横の四角数6
  • 縦の四角数=5 横の四角数5 (上図のBのケース)
  • 縦の四角数=6 横の四角数4
  • 縦の四角数=7 横の四角数3 (上図のCのケース)
  • 縦の四角数=8横の四角数2
  • 縦の四角数=9 横の四角数1

このように、9パターンになります。

N点の色替えで、N×2本が替わりますから、Nの絶対的な上限は(縦の四角数+横の四角数)/2 です。そして、側面に現れてくるブロック模様は、底の長方形の2辺のサイクルですから、この辺の長さ以上の色替えはありません。

底の長方形の2辺の長さというのは、縦の四角数と横の四角数ですから、縦の四角数と横の四角数の小さい方が上限になるわけです。

式によると、変更可能幅が最も大きく、ほぼ任意に作れるのは底が正方形の時。縦の四角数と横の四角数の差が大きくなるほど、作れない高さの範囲が広がるということがわかります。

でも、最も差が大きい、つまり、縦の四角数もしくは横の四角数がゼロの時は、同色ブロックが現れませんから、折りカラー編み自体が必要ないというのも、面白いです。底が長方形である、という条件を満たさないので、対象外であるとはいえ。

PPバンド・3色チェックのかご

2色2点の繰り返しに敗北したので、同じサイズを2色3点の対称な繰り返しに変えて試してみました。色も、透けないグレーと黒に変えた、モノクロームのかごです。

3色チェックのかご

全体が同じ模様になりました。普通にカラー撮影したのに、白黒写真みたいです。

底と内側です。横の四角数に対応した、数の多い方を外側に折り返しました。

折り返す前はこんなです。

Square45のデータです。

PPバンド・ベビーブロックのかごバッグ

以前作った鉄線編みのかごバッグと同じ、3方向3色模様を折りカラー編みで試してみました。色とサイズは違いますが、同じベビーブロックです。

ベビーブロックのかごバッグ

斜め編みと違って3軸だと、全ての色の置き変えを折り返しで済ませることは難しそうです。底での色替えと併用とし、横ひも6本、真ん中で2色を重ねました。底の長方向となる、いちばん処理しやすい場所です。

折り返し前はこんなです。ここから、縁の中央となる3本を折りカラー編みしました。

完成した底はこんな感じ。模様はあまり考慮せず、側面からの折り返しを長めに差し込みました。

ベビーブロックのかごバッグの底

先に、底でバンド色を切り替えた時と比べてみました。

比較ポイント底での色替え折りカラー編み
横ひも、3本、2箇所の処理各側面異なる色になるよう、底で2色を重ねる(難易度低)同左
斜め60度と120度・短辺となる3本、4箇所の処理各側面異なる色になるよう、底で2色を重ねる(難易度高)倍の長さのバンドを折って重ねる
色替え処理の手間短辺の六角形箇所に集中するので、編み目と合わせて、ちょっと手間がかかる折り返しに手間がかかるが、編まれているバンドに重ねるだけなので意外と簡単
必要なバンドの長さ底で重ねる分、長くなる側面を折り返す分、長くなる
かごの高さ自由に作れる折り返し位置固定

斜め編みほどのメリットはなさそうですが、作り方のひとつの選択肢にはなるのではないでしょうか。

CraftBandHexagonのデータです。


PPバンド・ざんねんなギンガムチェックのかご

折りカラー編みで、縦・横2色で試してきましたが、色を増やすとどうでしょう。

まずは3色で試してみました。横はブラウン1色、縦はこげ茶と白の交互です。できたのがこちら。

ざんねんなギンガムチェックのかご

この方向から見ると、それらしくはあるのですが、

ざんねん1: ブラウンのバンドが少し透けているため、重なった下の色(白かこげ茶か)で色味が異なります。表と裏への折り返しの不連続性が、見えてしまうのです。

ざんねん2: 側面全体で2か所、同じ色のバンドが続く箇所ができています。下の写真で矢印で示す方向のラインです。

特に、ざんねん2は、続き模様としては致命的でしょう。

横の四角数12・縦の四角数6・高さの四角数9で、縦横はともに偶数です。奇数だと対称になるから、同色の続きがなくなるかというと、そうでもない。

結局これは、2点(こげ茶と白)の繰り返しに対しては避けられないことのようです。前面と背面・左面と右面は、長方形の底の両側に位置しますから、相対する2つの面のバンドが回転対称ではなく面対称になってしまうのです。

データです。半分の高さで折りカラー編みしてください。

斜め網代編み2色のバッグ

折りカラー編みについて、平編みで説明しましたが、同じバンドの並びであれば編み目を変えても同様にできるはず。網代編みで試してみました。

ドット模様と同様、先にPPバンドで網代編みを試作した時底で2色を重ねましたが、折りカラー編みでは底はそのままなので簡単です。3つ飛びなのでクラフトバンド/紙バンドで、側面の模様がわかるようにバッグにしてみました。

斜め網代編み2色のバッグ

すき間は0.4ミリにしました。6本幅で3つ飛びなのでもっと詰められるのですが、厚みのあるバンドで折り返し効果がわからないし、初めてのバッグだしで、かなりな安全値です。編みやすかったのですが、出来てみると不均一で、もう少し詰めてもよかったと思いました。

底と内側です。

折り返しについては、底まで伸ばすのは全体ではなく外側になる分だけとし、内側は6センチほどにしました(でも、ちょっと少なすぎでした)。底での縁の始末は短辺側ですが、長方形の入れ子の長桝網代編みですから、中央まで伸ばすより合っていると思います。

今のところ、CraftBandSquare45では、それぞれのバンドに加える「ひも長加算」が1点しか設定できず、加算値はバンドの両側に均分されます。でも、外側になるバンドは片側だけなのです。

ですので、[プレビュー]は下図のようになりますが、実際に編むときは、底の長方形の短辺側に寄せました。左側の図、赤と青の4箇所の平行四辺形部分、点線部分を実線部分に移動です。そして、部分的に長いバンドの状態を側面まで編んだのが右写真です。

縦横と高さの条件は、先の適用例と同じです。

  • 横の四角数 23
  • 縦の四角数 11
  • 高さの四角数 17 = (23+11)/2

折り返し位置は、白のブロックと茶色のブロックが交差する対角線となります。3つ飛び長方形の真ん中です。

CraftBandSquare45のデータです。底の配置は上述のように調整してください。

さて。出来たバッグを見た一般人Aさん曰く。

外側?普通じゃん。単なる線だし、不揃いだし。
それより内側の模様の方が、ダイナミックでカッコいいじゃん。

「角が茶色と白の箱」の呪縛、恐るべしです。まぁ確かに、下手なので、重ねたバンドは少しずれてしまっていますが。