斜め網代編みの底の生成

以前、斜め網代編みの底の組み方について検討しました。

そして、とりあえずシンプルなルール
底の中央線で4分割し、各、接している側面の塗り方をそのまま延長
で作れそう、ということで試してみました。
手作業で、図に色を塗って、それを編み図にしたのです。

シリーズ最新版、V1.7.0では、この“塗り方”が、アプリ上で簡単に生成できるようになりました。試しに、先に色塗りした3点のパターンを生成させてみましょう。

[縦横の四角]の設定はいずれも、垂直1・底に1となります。

まず、15-7のパターンです。四角数に15と7を設定します。先にならって、縦ひもを赤にしました。

15-7

次は11-8です。同様に四角数を設定します。プレビュー図で見ると、縦と横がわかりやすいです。

11-8

次は9-9です。正方形の例です。

9-9

1分で塗れるとしても、ワンクリックの方が簡単です。データにも残ります。
そして、最後の9-9、こんな設定もありだと思います。

中心部分が、1×1ではなく2になっているので、作りやすいと思います。
2つ飛びの場合の「四方網代」はこちらが正式なのではないかと思います。

なお、同じデータで四角数を変えた場合、[ひも上下]のサイズは自動的には変わりません。作りたければ都度[合わせる]ボタンをクリックしてください。生成パターンはあくまでお試し値ですし、合わせずに違うサイズで作ってもよいのです。編集して模様を作ったとしたら、編集結果が優先ですから。

V1.7.0 リリース

CraftBandSquare45 の底の「ひも上下」編集( issue#37)対応を行ったバージョンをリリースしました。CraftBandSquareと合わせて「ひも上下」編集画面でのコンテキストメニューを強化し、パターンを作りやすくしました。

公開はこちら
Release v1.7.0.0のリリース

「ひも上下」タブの表示

CraftBandSquare45の初期状態では[ひも上下]タブは表示されません。プレビュー画像も従来同様です。

[四角数]タブで「縦横を展開する」のチェックをONにすると、[横ひも][縦ひも]と合わせて[ひも上下]のタブが表示されます。プレビュー画像も、[ひも上下]を反映したものに変わります。

底に合わせたサイズで編集

[ひも上下]タブの初期値は平編みです。CraftBandSquareと同様、指定のサイズでパターンを作ると繰り返し適用されます。

「縦横の四角」の[合わせる]ボタンをクリックすることで、繰り返しではなく、現在の縦横の四角数で作られる底のサイズに変更することができます。

「垂直に」「底に」ともゼロにした場合は、底の辺のみにチェックが入った状態になります。底のサイズで編集する時にはチェックの色が少し変わり、底であることがわかりやすくなっています。

底の初期値を生成

「縦横の四角」では次のような指定ができます。

  • 横の辺 … 左上と右下の辺(横の四角数に対応)のチェックの状態(※)
  • 垂直に… 底の辺から開始して、(※)の状態を上方向に何点連続させるか
  • 底に…底の辺の下、底側に(※)の状態を何点連続させるか

(「垂直に」で設定した値+「底に」で設定した値 ) が、ON および OFFの連続数になります。

例えば、「横の辺」をON、「垂直に」を3、「底に」を0にすると下図のようになります。

プレビュー図はこんな感じです。

[ひも上下]編集画面でのコンテキストメニュー

[ひも上下]編集画面上で右クリックすると、コンテキストメニューが表示されます。従来はコピー・切り取り・貼り付け・削除だけでしたが、ここに、各セルの選択状態を変更できるメニューを追加しました。

斜めに選択できるようになりましたので、特に網代系のパターンは、編集しやすくなったと思います。

中心5網代編みのボックス

名称中心5 網代 編み
名称(読み)ちゅうしん5あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位14 × 14
バンド幅
飛び数1,2,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

佐倉竹芸保存会の「色々な網代編み」からです。
1行目の「中心5」をボックスに作ってみました。

中心5網代編みのボックス

単位が14×14で2模様28本ですが、中心に対して対称にするため、横ひも27本・縦ひも29本です。飛び数に2が出てきます。中心の5を5だけで作れば1,3,5ですが、真ん中に点を置いたため2が加わっています。
底も同じ模様です。

中心5網代編みのボックスの底

編み図です。

データです。底・側面とも、各1単位が入っています。

中心3網代編みのボックス

名称中心3 網代 編み
名称(読み)ちゅうしん3 あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位12 × 12
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

佐倉竹芸保存会の「色々な網代編み」からです。
1行目の「中心3」をボックスに作ってみました。

中心3網代編みのボックス

単位が12×12で2模様24本ですが、中心に対して対称にするため、横ひも23本・縦ひも25本です。底も同じ模様です。

中心3網代編みのボックスの底

編み図です。

データです。底・側面とも、各1単位が入っています。

色々な網代編み

伝統的な網代編み模様を探していて「色々な網代編み」というWebページを見つけました。ページは、千葉県の佐倉竹芸保存会のサイトの中にあります。佐倉竹芸保存会は、竹工芸の創作活動を目的に40年前に設立され、受賞履歴多数、定期的な作品展も行われているそうです。

色々な網代編み」のページには、21点の網代編み模様が、パソコンで描かれた詳細な編み図とともに掲載されています。

模様の使用について、佐倉竹芸保存会に問い合わせたところ、副会長・幹事の菅 勇二様より、

古くからあるパターンですので、お好きなように、お使い下さい。

とのお返事をいただきました。菅様、ありがとうこざいます。

掲載されている模様の名前は次の通りです。ここから、今までにない模様を試してみようと思います。

1列目2列目3列目4列目5列目6列目7列目
網代編み中心1中心3中心5中心7桝網代開き網代
市松模様変形桝網代変形桝網代2変形桝網代3変わり小桝変わり小桝2変わり小桝3
綸子模様組み換え網代組み換え網代2元禄模様花桝網代波網代(1,3,5)波網代(1,3,5,7)
※名前がリンクになっています※