楕円の底編みひもの長さ計算

ひもの長さを知りたい、もうひとつのケースは、楕円底底編みひもでしょう。

「巻きひも」の場合は、芯となるバンド幅と巻きひものバンド幅がわかれば計算できましたが、「底編みひも」の場合は本体サイズ、少なくとも底のサイズが必要です。縦ひもと横ひもで作られた長方形の周りを編むからです。

こんな数値で試してみましょう。

  • 目標寸法は、横350ミリ・縦150ミリ・高さはゼロ
  • ベースは、クラフトバンドの6本幅
  • 底編みは2本幅で、
    追いかけ編み2周→差しひも8本→追いかけ編み2周→ねじり編み1

操作は、CraftBandMesh で行います。22ステップの操作で、底編みひもは 4.4メートル(2本)と算出されました。こんなです。

① まず、同様に、バンドの種類選択で計算したいバンドを選びます。

④ 次に、目標寸法に、作りたいサイズ(350150)と、基本のひも幅(6)をセットします。

⑦ [底(楕円)]のタブで、底編みを指定します。
まず、2本幅追いかけ編みを2周、追加します。

⑩ 続いて、差しひもを8本(6本幅)、追加します。

⑬ 続いて、2本幅の追いかけ編みを2周、追加します。

⑰ 続いて、2本幅のねじり編みを1周、追加します。

⑳ これで、底編み「追いかけ編み2周→差しひも8本→追いかけ編み2周→ねじり編み1周」の入力ができました。次に、[概算]ボタンをクリックします。

㉑ [概算]の操作で、目標寸法と底編みに応じた、横ひも・縦ひもの本数がセットされました。[プレビュー]タブで確認しましょう。

㉒ 横ひも・縦ひもによる長方形と、その周りの底編みひも・差しひもの配置、および計算寸法を確認しましょう。よければ、[ひもリスト]ボタンをクリックして、ひもの長さを見てみましょう。

ひもリスト画面です。
底の編みひもは、2本幅、4.4メートルが2と計算されました。

なお、この数値は「ひも長加算」として10ミリ、つまり1センチしか余裕を見ていませんが、最初はもっと多めにした方がよいでしょう。

数値の算出根拠については、以下を参照してください。
いずれの係数も、ユーザーのゲージに合わせて変更できます。


ということで、楕円底の編みひもの長さを計算させてみましたが、ここまで作り込むのであれば、仮に、ではなく作りたい寸法・使いたい「基本のひも幅」でデータを作れば良いのではないかと思います。そのまま側面を入力すれば、全体に必要な長さも算出されますから。

巻きひもの長さの計算

「巻きひも」の長さを計算できますか?というご質問がありました。

例えば、8本幅のバンドを2枚重ねて芯とし、そこに2本幅を巻き付けるとしましょう。巻き部分の長さを40センチとすると、巻きひもの長さは何メートルくらい必要でしょうか。

芯ひもと巻きひもの関係は、こんなです。(長さは省略しています)

設定の「付属品」には「巻きひも」を指定する機能があります。サンプル設定データで近い例は「持ち手(二重)」です。ここに40センチを設定すると、巻きひもの長さは約3.9メートルと表示されます。

こんな操作です。

まず、いずれのアプリでも良いのですが、ここではCraftBandMeshを起動し、バンドの種類選択で、計算したいバンドを選びます。

次に、[追加品]のタブを開いて「持ち手(二重)」を選択し、巻き部分の長さ40センチ(400mm)を入力して[追加]します。

「持ち手(二重)」に必要な、“持ち手ひも(芯ひも)”と、“巻きひも”の行が追加されます。行が追加されたら、それぞれの「何本幅」を8と2にしてください。8本幅の芯ひも、2本幅の巻きひも、ということです。

巻きひもの長さは 3856mmと表示されました。約3.9メートルです。ここに、予長を任意に「ひも長加算」して、「出力ひも長」(カット長)とすることができます。
[ひもリスト]ボタンをクリックすると、これらの数値を表で得られます。


では、この計算の根拠はどうなっているのでしょうか。

[設定]メニューの[付属品]から、現在登録されている付属品のデータベースを見ることができます。この中から、先ほど使用した付属品名「持ち手(二重)」が、どうなっているのか、見てみましょう。登録は2行、こんな値です。

長さの計算式については「[設定]-[付属品]画面」ページに仕様が説明されています。
巻きひもの式と、今使った数値を併記してみましょう。

ひと巻きの長さ = 2 × (芯ひもの「何本幅」の幅(*1) + 巻きの厚み(*2) )
 26.9 ← 2 * (8本幅ぶんの幅[選択したバンドでは約9.8mm] + 3.63 )

巻き数 = ( 長さ(*3) / 巻きひもの「何本幅」の幅(*4) ) × 巻き回数比率(*5)
 143.3 ← (400mm / 2本幅ぶんの幅[選択したバンドでは約2.5mm] ) * 0.88

ひも長 = ひと巻きの長さ × 巻き数  + ひも長加算(*6)
 3856 ←     (26.9 * 143.3 )  +    0

太字の「巻きの厚み 3.63」「巻き回数比率 0.88」「ひも長加算 0」は、付属品データベースに設定されている値です。サンプルには試作に基づく経験値がセットされていますが、ユーザーが任意に変えることができます。

  • 「巻きの厚み」は、きつく巻くと小さく、緩く巻くと大きい
             硬いバンドは大きく、薄く柔らかいバンドだと小さい
  • 「巻き回数比率」は、すき間なく詰めると1に近づき、すき間が空くと小さくなる
  • 「ひも長加算」は、最初の図、巻きひものひも長加算(a)+(b) に相当する値

3.63, 0.88, 0 という値は、絶対値ではありません。ユーザーが任意に変えられる値です。
計算値と実測値が合わない場合は、何点か自分の数値をゲージとして計測することで、これら係数を自分に合わせた値に修正してください。

また、明らかに違う属性や巻き方をする場合は、別の名前で別の付属品を登録してください。「持ち手(二重)」の流用ではなく、例えばブレードとして使いたいとか、芯ひもを3枚にしたいとか。わかりやすい名前で、用途に合わせた専用の付属品を作りましょう。

データベース値は、個別の作品とは別に、ユーザーの設定ファイルに保持されていきます。いちど登録しておけば、どのアプリでも、次からは選ぶだけで、“いつもの付属品”と“自分の値”を得られるようになります。

メッシュワーク3軸・リボン編みのポーチ

サテンリボンを鉄線編みしたポーチ、リトルステップ模様です。側面が輪になった、ペタンコ形状。

リボン編みのポーチ

紙ひもの時のように、型紙に両面テープで固定して編んだのですが、両面テープから外す時に、ほつれたり糸が締まったり。リボンは大事に丁寧に扱うべし、を学びました。

それに、光沢があって滑らかなので、すぐに緩んでしまいます。所々縫って止めてみたのですが、下手なのでシワになってしまいました。布の時のように接着芯で貼れば固定できそうですが、両面サテンリボン、裏側もきれいなリトルステップなので隠すのはもったいないのです。

3方向のうち、2色の繰り返しになっている方向を高さにしました。広げた時には前面と背面の模様はつながりませんが、底で折れば各面は模様になっているのでOKです。

データです。

PPバンド・クリスマスカラーの小かごのレシピ

データのご要望です。新たなかごではなく、以前作ったもの、そのままなのですが、今の時期、知りたい方もいらっしゃるでしょうから再掲します。
こちらのページの手順書(動画あり)が参考になります。初めての方でも1時間ほどで作れます。

PPバンド・クリスマスカラーの小かご
  • 色を、写真に合わせて変更したデータです。
  • 15ミリ幅のPPバンドそのままが2幅、半分に割いたものが1幅です。
  • 持ち手はカットリストに含まれます。
  • 切り抜いた星形の飾りは含まれません。

大きい方のかご 四角数4×4

[プレビュー]の底編み図

※「白色」は見にくいので「線のみ(細)」に代替しています

小さい方のかご 四角数3×3

[プレビュー]の底編み図