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数学問題[※]

『折りカラー編み(OriColorWeave)』斜め編みの折り返し方向

折りカラー編みの一番シンプルな適用例として、二色の斜め編みを試してきました。ポイントは、

全バンドが二色で交差する高さ位置を、折り返しラインにする

ことでした。そして、このようになる縦・横・高さ・配置の組み合わせが、何パターンかあることもわかってきました。

二色の交差では、折り返す際に、内側・外側それぞれ、

  • その方向に重ねれば、バンド色が変わります
  • 反対方向に重ねれば、バンド色は変わりません

今までは、A色B色をクロスにする、つまり斜め2方向のうち、片側をA色・もう片側をB色となるような方向に重ねてきました。

でも、二色のバンドで作ることができる模様は、他にもあります。例えば、

  • 斜め2方向が、ともにA色B色、1点ずつ交互であれば、ストライプになります
  • 斜め2方向が、ともにA色B色、複数点ずつ交互であれば、千鳥模様になります
  • 交互順を途中で切り替えれば、崩し縞になります

ともに折り返した時、外側に作られる模様と内側作られる模様が同じになるかどうか[※]はわかりませんが、片側にのみ折り返せば、内側と外側の模様を異なるものにもできるでしょう。

つまりこうです。クロスに限らず、

折り返しラインでは、折り返し方向を組み合わせて、バンド色模様を作ることができる

PPバンド・ライン模様のミニバッグ

底が長方形でライン模様にできる、別のサイズ・別のパターンがありました。

底の四角数が10×5 のケースです。7×5の時には全てのバンドを外側/内側に折り返すことで、内外ともライン模様になりましたが、このケースではライン模様になるのは外側だけです。高さの四角数 7.5で、一部を外側に折りカラー編みし、残りは短くカットして内側に縁処理しました。

ライン模様

外側に折りカラー編みしたバンドは、今までのように斜め両方向ともではなく、片側だけ、60本中10本です。その10本の位置を、[プレビュー]図のバンド長配置、および[プレビュー2]beforeの赤ラインで示したのが次の図です。縞のブロックは先より大きく、辺がイレギュラーです。


ただ、実際に作ってみると、折り位置では、

  • 外側のバンドを外側に折り返す
  • 内側のバンドを内側に折り返す

ことになるため、縁では内外が分離した状態になります(下の青丸の位置)。1段弱ですが、10/(60/2) なので1/3が該当します。このかごの場合は、ちょうど持ち手位置になったので支障なさそうな感じではありますが、固定を考えた方がよいかもしれません。
底については、模様の適当な位置でバンド裏でカットしました。

また、試作してみたのは高さ 7.5ですが、他に、

  • 高さ 2.5(10本)
  • 高さ 5.5(10本)
  • 高さ 6.5(10本)
  • 高さ 8.5(18本)

で、折りカラー編みでライン模様にできる箇所がありました。カッコ内は折り返し本数です[※]。このパターンの場合、内側もライン模様にしようとすると、外側に折り返すのと同じバンドを使うことになるので、内外同時に模様を作ることはできません。

Square45のデータです。

他の高さの例、2点をつけておきます。

PPバンド・長方形のライン模様

前稿のように、側面をライン模様にするためには、底が正方形という条件がありました。では、長方形の底、つまり縦の四角数と横の四角数が異なるケースでも、折りカラー編みを使うことで、ライン模様にできないものでしょうか。

一般的な条件まではわかりませんが[※]可能となるケースがありました。試しに、前稿の6×6をそのまま1つずらして7×5にしてみたものです。

PPバンド・長方形のライン模様

一部を外側に折り返し、残りを内側に折り返すことで、全体がライン模様になりました。

外側は底の中央線まで折り返し、内側は側面までを折り返しました。

折りカラー機能有効時の[プレビュー2]画面、before/afterです。

縞模様のブロックが格子状に並び、格子の対角線位置に折り返しラインが生じています。その高さで、ブロックごと内外に折り返すことで、斜め各方向を2色交互にできました。

データです。

PPバンド・幅変更の斜め編みかご

折りカラー編み、バンドの幅を変えても可能なのでしょうか。
ということで、1/2幅を加えて作ってみた、かごバッグです。

幅変更の斜め編みかご

1/2幅が加わると、本数も増えるし1幅以上にすき間が空いてしまいます。きちんと詰めずに、折り返しで整形しようとしたものだから、バンドを引っ張って手が痛くなってしまいました。

色はこげ茶とブラウンで、ブラウンの方は透けています。ギンガムチェックの時は重ねた色の違いが出てきましたが、2色であれば透けても問題ありません。内外ともブラウンの下はこげ茶で、ブラウンが重なることはありませんから、色味が同じになるのです。4枚の重なりはサンドイッチ状です[※]。

底は、外側は中央線、内側は辺で切り替えました。

倍の高さでデータを作っていますので、真ん中が折り返し位置です。この模様を見ていると、ブロックが入っていてもいいんじゃない?とも思えますが。

データです。

『折りカラー編み(OriColorWeave)』斜め編みの高さ

先稿で、折りカラー編みの適用例として縦横二色の斜め編みを説明しました。

最初に底をクロスに作る場合、作ることができる「かご」の高さは (縦+横)/2 の 倍数ですから、縦横の四角数が決まればほぼ決まります。最小値は、バッグとして不自然ではないバランスですので、十分使える値だと思いますが、高さを変えて作ることはできないのでしょうか。

実は、変えられるのです。実際、北欧風市松模様のかごは、式の半分の高さで作りました。そして更に、先に試した横の四角数4・縦の四角数3で、高さを変えて2個、作ってみました。

高さを変えた「折りカラー編み」

高さを変えるには、底のバンドの並びを変えます。並べた縦横の両端、ひとつ変えるごとに、高さがひとつずつ低くなります。

今の例では、(横の四角数+縦の四角数) / 2 である高さは3.5です。上の写真は、左が高さ2.5・右が高さ1.5で作りました。3.5と合わせて、3点のプレビュー図を並べてみましょう。

このように、折り返しの縁のラインを合わせてみると、クロス(格子模様)が同色のブロックに変わっていく位置を、順に底にしている、ということがわかります。

そして、先と合わせて4つのかごの底を並べてみると、こうなります。

折りカラー編みのかごの底

高さによらず、同じ模様が現れてくるのです。考えてみれば、底の辺は、すべて側面が同じドット模様になるバンドの並びで出来ているわけですから、中も同じになって然るべきなのでしょう。でも、最初に作る底が違うので、作ってみるまでわかりませんでした。

内側はこんなです。右の2点は、底が浅いので底までバンドを折り返し、その結果、底と同じ模様になりました。左の2点は、側面の下段でカットしているため最初のクロス(格子模様)が保持されています。

折りカラー編みのかごの内側

どの高さにおいても、左の2点のかごのように高さにプラス3.5で作ることは可能ですから、斜め編みでは、縦・横・高さは任意で、クロスに揃ったかごを折りカラー編みできる、と言えましょう。

上の2点のかごのデータをつけておきます。


側面全体をクロスにする時の バンドの配置ルール:

並べた縦横の両端、ひとつ変えるごとに高さがひとつずつ低くなる

については経験則で、数学的に証明[※]されたわけではありませんが、もうひとつのかごバッグ、横の四角数10・縦の四角数5の例でも同様、ということを示しておきます。

縦横2色のクロス

高さ 7.5 = (10+5)/2

端から1本、高さマイナス1

高さ 6.5 = (10+5)/2 – 1 (端から1本)

端から2本、高さマイナス2

高さ 5.5 = (10+5)/2 – 2 (端から2本)

端から3本、高さマイナス3

高さ 4.5 = (10+5)/2 – 3 (端から3本)

端から4本、高さマイナス4

高さ 3.5 = (10+5)/2 – 4 (端から4本)