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数学問題[※]

二重六つ目のかご

二重六つ目の浅かご」の投稿を見た方から、バッグにしてみたい、というご要望がありました。バッグというと、縁をつけたり持ち手をつけたり…というより、ポイントは、側面に高さをつけたい、ということですね。

そうなのです。実は、浅かごにしたのは、底の編み目がそのままでは側面に続かないから、だったのです。サイズを合わせたひもの幅や本数や立ち上げ位置、色までは作れますが、側面は編み図にはならないのです。

今のところCraftBandHexagonで描画できるのは、全体が一続きの編み目だけです。CraftBandSquareのように、底と側面で変えることはできません。底の編み目がそのまま側面に続くため、立ち上げてできた側面の辺では、3セットの繰り返しは不連続になってしまうのです。

それでも良しとして、欠けた角の部分をスルーしてそのまま絵の通りに編もうとすると、6側面それぞれサイズや編み位置が異なりますから、かなり大変だし面倒くさい。ですから、側面については、段ごとに右綾・左綾という、本来の二重六つ目で編む方がずっと簡単なのです。

ではその側面の編み目、底からの続きは無理としても、アプリで描けるものでしょうか。

  • 方向性があって、
  • 右綾と左綾の両方が含まれていて、
  • 段ごと交互。

これって「麻の葉(単方向)」と同じじゃない? と気付いて、作ってみたのがこちら。

3本ごとに1本を「無描画色」にしたものです。わかりやすいよう色をつけていますが、上下がの段は右綾、上下がこげ茶の段は左綾ですから、二重六つ目。なんと、鉄線編みも麻の葉編みも、中に二重六つ目を含んでいるのです。わかる人には当たり前かもしれないけれど[※] 、今更ながら六つ目ってすごい。

ということで、バッグではありませんが、高さのあるかごを作ってみました。先の六つ目かごが結構実用的だったので、同じ様なサイズにしてみました。側面は全て、上図の編み目です。

二重六つ目のかご

底です。サイズを合わせるのにかなり詰めたため、だいぶ歪んでしまいました。

二重六つ目のかごの底

プレビュー図に、上の側面だけ、編み図を重ねてみました。

データです。全体と底の編み目についてはこちら。目を小さくするため無描画色部分を1本幅にしていますが、何本幅でも可能です。本数を変える場合は、4本1セットの同じ繰り返しを作ってください。

側面の編み目についてはこちら。

鉄線編みの六つ目の作り方

先の続きです。3つに分ける六つ目を大・中・小としましょう。

  • 「大」 … 入れ子の外側、大きい六つ目
  • 「小」 … 大きい六つ目の中に、入れ子になる小さい三角形
  • 「中」 … 大と小を重ねた時の空き位置、「大」と「小」の中間です

まず、作りたい本数や色や模様の鉄線編みのデータを完成させ、ファイルとして保存します。このデータは、等倍に印刷して型紙に使います。

次に、そのファイルのコピーを5点作り、リネームします。そして、それぞれ部分的に、ひもの一部を非表示にします。

非表示にするには、色を「無描画色」に変更すればよいのですが、3点ごとの繰り返しについては、[編集]メニューの[色の繰り返し]を呼び出すと便利です。

変更は次の通りで、亀甲パターンとなる位置です。位置番号については以前の投稿を参照してください。

ファイル名内容横ひも斜め60度斜め120度
big「大」のみを表示
「中」「小」を非表示
+1,+2位置を
「無描画色」
-1,+1位置を
「無描画色」
-1,+2位置を
「無描画色」
small「小」のみを表示
「大」「中」を非表示
-1,+2位置を
「無描画色」
-1,+2位置を
「無描画色」
-1,+1位置を
「無描画色」
big-small「大」と「小」を表示
「中」のみ非表示
+2位置を
「無描画色」
-1位置を
「無描画色」
-1位置を
「無描画色」
inter「中」のみを表示
「大」「小」を非表示
-1,+1位置を
「無描画色」
+1,+2位置を
「無描画色」
+1,+2位置を
「無描画色」
inter-mark「中」を識別色(グレー)にする+2位置を
「グレー」
-1位置を
「グレー」
-1位置を
「グレー」

これらのファイルのプレビュー図を見ながら、六つ目を2枚作り、重ね、残りのひもを差して、底が完成です。

底作成ステップ

上の写真の例では、型紙に貼り付けたまま立ち上げられるよう「うら」つまり内側から見たプレビュー図を印刷しました。

一度見るだけですから、印刷ではなくパソコンの画面を見ながらでよいと思います。また、最後の斜めひもは型紙から外して差しますので、「うら」ではなく「おもて」でもよいと思います。

そして何と、最初に作る「大」と「小」の六つ目は、ひもの交差箇所を貼り付けてしまっても良いのです。貼り付ければ、形が崩れることもありません。

これで、3の倍数の繰り返しでなくても、方向ごと色が違っても、全体にグラデーションかけるような模様でも、六つ目ふたつから開始できます。


鉄線編みでできた二つのかごを重ねてみました。

鉄線編み模様の二つのかご

本体側のかごは辺に長短があり、最長に合わせざるを得なかったため、ふたとしてはちょっと大きめ。3軸だと本数を簡単に変えられないので、サイズはすき間で調整することになりますが、型紙があれば大丈夫です。

参考までに、5点のファイルを添付しておきます。

[※] 上記の数値が唯一かというと、[大][中][小]は入れ替え可能なようですし、亀甲パターンも先の値が唯一というわけではなさそうです。どんな条件を満たせば、六つ目3枚に分離できるのでしょうか。

鉄線編みのかご、3軸織3色パターン

鉄線編み・3軸織の色々な模様のかごが出来ました。並べてみました。

名前が付いているわけですから、いずれも、広く認識されている、よく使われる模様なのでしょう。同じ織り方なのに、違って見えるのも面白いです。

色だけではなく、組み合わせ数や繰り返し数もいくらでも作れますから、模様はもっとあるはず。
CraftBandHexagonを使えば色の組み合わせは容易にシミュレーションできますから、「3方向各3色」のパターンで試してみました。ちなみに、上の写真の中で、「3方向各3色」でできているのは、シックススター(右下)と亀甲(左下)です。

色違いや位置違いは同一視して、異なると思われるパターンは、他に次の3点がありました。

出現する同色パーツは次の3種、

  • ボックス型
  • 山(スターの両断)型
  • 三菱(六つ目のベース)型

作られる模様はいずれかのバーツ3点の組み合わせ[※]であり、すべてボックス型なのが亀甲、すべて三菱型なのがシックススターということのようです。

混合ではなく、すべて山型になる一番右のパターンも、2軍模様としてはありかもしれません。名前は…山の連なりなので「アルプス」とか。図は下向きになってますが。

[※] 組み合わせには条件があるようです。例えば、各1点ずつというのは、数回試したレベルでは出てこなかったのですが、ほんとうに存在しないのでしょうか。

V1.8.1リリース

CraftBandHexagon の issue対応版です。ダウンロード先はこちら

Release v1.8.1 のリリース

同数のチェックをオフにした時、1.8.0では、本数は変えられても、合わせ目と斜め左端・右端の設定は共通でした。これを、各々設定できるようにしました。

赤枠部分が、追加された設定箇所です。

合わせ目の意味についてはともかくも、配置を60度回転しないとできなかった形状が、作れるようになったとは思います。

[※]合わせ目の設定については、2点しか指定できないと、作れる形状に制限があるのでしょうか。そもそも、3点指定できれば、どんな形状でも作れるのでしょうか。

V1.8.0 リリース

六つ目のかごがデザインできる新たなアプリ、CraftBandHexagon が追加されました。

公開はこちら
Release v1.8.0 のリリース

他のアプリと同じ作りになっていますので、同様の操作で使うことができるでしょう。

六つ目のサイズ

六つ目のサイズ設定に関わる部分を赤で示しました。

赤が設定可能な箇所、オレンジが設定に基づいた表示箇所です。
図に対応箇所を表示すると次のようになります。

ひもの配置

底には、横ひもと斜め60度・120度のひもを配置します。斜め60度・120度のひもについては、基本的には同じ本数ですが、「同数」のチェックを外して異なる本数にすることもできます。

また、横・斜めに各「合わせ目」の位置を指定することができます。例えば、下図は左右とも横ひも6本・斜めひも8本でできていますが、形状が異なります。赤の六角形で示されている「合わせ目」の値を変えることで、配置が変わるのです。
特に指定しなければ、左図のように中央・対称になります。

六つ目のかごについては、まだこれから、作りながら理解していくという状況です。お詳しい方がいらっしゃれば、是非ご試用いただき、ご意見をいただければと思います。今なら、ご要望を仕様に反映させることも可能です!

[※] 横・斜めに設定したひも本数(及び合わせ目の組み合わせ)によっては、六角形の底が作れないケースがあります。とりあえず、絵が描けなかったら「立ち上げ可能な底を作れません」としていますが、満たすべき条件として定義可能なのでしょうか?