メッシュワーク3軸・トートバッグのポケット
布のパッチワークで、先の菱華模様を作ってみました。ポケット部分です。既成のトートバッグに縫い付けました。
同じ柄の3色を使ったので、模様としてはちょっと識別しにくくなってしまいました。全体が一体化してしまったような感じです。赤のしずく形・青の蝶形が作られているのがわかるでしょうか。
細長くカットした布を三つ折りにして、厚紙に貼った型紙の上に並べました。間には接着芯を置き、織った後にそのままアイロンで固定しました。
赤・青・黒、各30cm四方の端切れ3枚を使ったのですが、できた模様部分は13cm×24cmですから、面積比にして約11%です。少し残った黒はポケットの裏地にして使い切り。三つ折りにして3重にするわけですから妥当な数値ではあるのですが、布がたくさん必要なのだな、というのが試してみての感想です。
データとして作成したのは、こんな図です。各方向3点の繰り返しですから、サイズが異なっていてもわかります。斜め60度+斜め120度だけの図と、下図と、2枚を参照しました。型紙は、一時的に色を「線のみ」に変えて、本数も増やして大きく作った図から、中心部分を切り取って使いました。
データです。先の菱華模様を120度回転して、左右対称にしました。
メッシュワーク・鉄線編みの平ケース
鉄線編み・3軸織の厚めの平袋です。折り紙が余裕で入るくらいのサイズ感。
ひらりカラーの残りひも、空色 12.8m、桃色 12.5m、葡萄色 5.4m(重さからの概算)の使い切りです。
- 三色の3軸織
- 一色は少な目
- ペタンコ形状
- 全面同じ模様
- 側面は表裏に編み目が続くこと
この条件で候補になったのは次の4点、結び亀甲と、その横ひもの色順を変えたパターンでした。
まだ作ってないのが良いかな、ということで左下を採用、桃色の消費に段を増やして、縦横比が同じくらいになりました。作った残りは、各 35cm, 15cm, 60cm です。
模様の名前をChatGPTに相談したところ、おすすめされたのが「菱華(ひしか)」。色違いで下段の2点ですが、どうでしょうか。
プレビュー図です。
CraftBandHexagon のデータです。
メッシュワーク・斜め編みの平ケース
ひらりカラーで、次は平たい、横広のケースを作ってみました。2×2の網代編みは難しそうなので、 2×1です。ノギスを入れる予定。
口が広いせいもあって、型紙から外すときに広がってしまい、山形に折りながら形を整えました。両側面で山が少しずれているのは、型紙の固定幅に対してではなく、実物に合わせることになったからでしょう。でも、それがこのひものテイストです。
[プレビュー]の底編み図です。
[プレビュー2]、ペタンコ形状なので2側面がつながった図です。編み目は3点、色は4点が単位なので、この本数の場合は左右の端になっている辺に調整が入っています。
データです。
メッシュワーク・斜め編みのミニバッグ
薄い紙ひも、ひらりカラーで作った「かご」というより「紙袋」です。紙のメッシュワークを、折って組み立てたと言いましょうか。
10センチくらいの小さい袋がいいなと思って作り始めたのですが、3色のバランスで、少し大き目になりました。
色違いで、縁の始末を変えた2個。この紙ひもの場合、対角線に折るより山形に折った方が安定するようです。持ち手は、ひもを開いて半分に切って、こより状に撚ったものを裏に貼り付けました。
底です。
プレビューの底編み図、左側のものです。
データです。
くもの巣編みのペーパークラフト
紙のメッシュワークです。折り紙を、くもの巣編みと言われる編み方で編んでみました。
ただし、これは裏側で、くもの巣模様は表側に作られるのです。でも、貼り付けたのでひっくり返せないし、そもそも折り紙の裏には色はありませんので、こんな模様ということにしましょう。竹だときれいなクロスラインが出るのですが、折り紙では無理なようです。
図案のデータは、CraftBandHexagonで作りました。編み目は指定せず、バンドを3×2方向に並べただけです。有機的なイメージにしたくて、フィボナッチ数列の幅にしてみました。はまぐりの先生のページに、生物はフィボナッチ数列でできていると書かれていたからです。
wordで作った台紙はこんなです。下部にあるのは、画像をトリミングしたテープの1セット分で、折り紙をカットするときの型紙に使いました。
CraftBandHexagonのデータです。
wordのデータもつけておきます。
底編み無しの斜め網代(2)
斜めに立ち上げる、全て三つ飛び網代編みでできたかごと、長桝網代編みのかご。データができたので、作ってみることにしました。
底です。左側が長桝網代編み、右側が全三つ飛び網代編み。
2点を重ねて、2側面が見えるようにした写真です。方向を変えて、4側面を撮りました。上の長桝網代編みはどの側面も同じ、下の全三つ飛び網代編みは4側面で方向も位置も異なっています。
全三つ飛び網代編みは縦方向のライン面が目立つので、ふたつは違うかごみたいです。ちょっとサイズが違うのは作り方が下手なせいで、ひもの本数も長さも全く同じなんですけど。
作ってみての感想としては、こんな感じ。
比較点 | 長桝網代編み | 全三つ飛び網代編み |
---|---|---|
底の編みやすさ | △ 編み図(手順)が必要 | ◎ 単純な繰り返しです |
立ち上げ位置 | △ 編み図に合わせた位置 | △ サイズに合わせた位置 |
立ち上げ | △ 側面の方向が合うように | × 編めるように頭を使う |
側面の編みやすさ | ◎ 単純な繰り返しです | × 辺の組み合わせに頭を使う |
側面のかたち | 〇 同じ並びなので整いやすい | × 角に1×1があって詰めにくい |
全三つ飛び網代編みの側面を編むときは、3Dモデル図を画面に表示し、方向を変えつつバンドと照合して、やっと編めました。詰め切れず、緩んでいる部分もありますが、編むだけで精一杯。
まとめると、どこで頭を使うか、でしょうか。底で頑張って側面を単純化するか、底は簡単だけれど側面で毎段悩むのか。側面の場合更に、本数と立ち上げ位置でパターンも変わりますから、手順化するなら底。なるほど、長桝網代編み、というわけですね。
追記
かごの縁を作るのに、動画「底が正方形の網代編みかごの立ち上げ方 その2」を参考にさせていただきました。最初に3本幅を載せると作りやすかったです。工房トミー様、ありがとうございました。
底編み無しの斜め網代
長方形のかごを作るのに、斜め網代編みの底といえば、長桝網代編みでした。本やネットの情報を探しても、示されている編み図は、基本的には長桝網代編みですし、(推測ですが)教わるとしたら長桝網代編みのやり方でしょう。
では、普通の二つ飛びや三つ飛びの網代編みを、そのまま底にしようとした人は、いないのでしょうか。やってみたけれどダメだったのか、そもそも最初から、斜め網代の底編みはこうですよ、という常識があったから考えたこともなかったのか。
思い起こすと、私もやったことはない。できなさそうだし、作るのは大変だし。
でも、CraftBandSquare45のデータ上でなら、簡単に試すことができます。今更ですが、やってみました。
連続した「三つ飛び網代編み」
横の四角数 13、縦の四角数7、高さの四角数5にしてみました。あまり大きくなく、倍数関係でない値。
[ひも上下]のタブで、「開始高さ」をゼロにして編み目を表示させ、[設定呼出]ボタンから「6×6-33-網代編み3つ飛び」を選んで[OK]とします。「1回のみ」のチェックはオフ(初期値)のままです。これで、全面に「三つ飛び網代編み」の編み目を繰り返し適用できます。
[プレビュー]の底編み図です。底部分だけですが、シンプルな三つ飛びです。
[プレビュー2]では、全面を編んだ時の画像を見ることができます。うち、実際には《編めない》箇所を赤丸で囲ってみました。底は一続きですから編めますが、側面の辺は、両側面のひもが続いていないと編めません。ひも方向の線が不連続になっていたらNGです。
三つ飛びの流れの方向は、隣り合う側面で90度、異なります。側面が続かないのは、素数だからではなく、縦と横が接しているからのようです。実際、編みかえ網代編みの境界線には、3だけではなく1,5が出てきますから。
つまり、三つ飛びを続けようとしても、立ち上げた後の側面が、そのままでは編めないということが確認できたわけです。
「三つ飛び網代編み」のパッチ
テストついでに、ムリヤリ編めるようにしてみましょう。
上のデータの[ひも上下]のタブで「開始高さ」を高さの四角数5に合わせます。編集サイズの「水平に」「垂直に」をともに30とし[サイズ変更]ボタンをクリックします。30というのは、全体の編み目を作るためのサイズで、以下の計算結果です。
<横の四角数> + <縦の四角数> + 2*<高さの四角数>
これで、底編集状態になります。
[設定呼出]ボタンから「上下図の呼出」画面を開き、上下図名は先と同じ「6×6-33-網代編み3つ飛び」ですが、こんどは反映方法の「入れ換え」のチェックをオフにし「繰り返す」にチェックを入れて[OK]とします。
この操作で、全体の編み目が「三つ飛び網代編み」になります。[プレビュー2]で表示させると、今の場合、繰り返し時と同じ画像を見ることができます。
《編めない》箇所は、右下にある[側面確認]ボタンをクリックするとチェックすることができます。今のデータの場合、次のようなメッセージが表示されます。
この後表示される「チェック結果を反映させますか?」の問い合わせに対して[はい]とすれば、前面・背面側の状態に整合できます。側面の辺の不整合がなくなり、編めるようになるわけです。
修正後の[プレビュー2]画像を見てみましょう。
機械的に合わせただけで、編みやすさや飛び数は考慮されていませんが、編めるようにはなったはず。先の図と、問題個所を比較してみてください。
長桝網代編み
同じサイズとひも数で、長桝網代編みも作ってみました。
[ひも上下]で、「開始高さ」には、高さの四角数と同じ5、「垂直に」には1、「底に」には2とし、[合わせる]とします。(「垂直に」「底に」は、早見表で「縦の四角数」7の3で割った余り1を参照した値です。その後、手順に従って修正します)
[プレビュー]で見ると、底は入れ子の長方形です。
側面は、横方向に揃います。
v1.8.9.1 リリース
#84,#85対応、Ver1.8.9 のバグフィックスです。
インストーラー的には、Ver1.8.9 の亜種となります。
- まだ、Ver1.8.9 をインストールしていなければ → こちら(Ver1.8.9.1)をインストール
- 既に、Ver1.8.9 をインストールしている場合
- Square45で、波網代を使っていない → 更新不要
- Square45で、波網代を使っている場合
- 高さの算出が不正確だが、それでよければ → 更新不要
- 高さを正確に算出させたければ → 更新します
そのままインストールできなければ、Ver1.8.9 をアンインストールしてから、改めてインストールしてください。インストールできたかどうかは、[ヘルプ]のバージョンを見てください
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鶴網代のバッグのデザイン
CraftBandSquare45で鶴網代、つまりひもの本幅と色を変えた模様を全体に繰り返すには、どのようにデータを作ったらよいのでしょうか。先稿からは、
- バンドの単位を作る。色と幅の並びを、中央に対して対称にすること
- 横の四角数は、単位の整数倍にすること
- 縦の四角数は、単位の整数倍にすること
- 編み目(網代編み)の対応付けで、模様が決まる
過去例があります。「波網代の鶴模様のかご」です。上記条件がどうなっているか、見てみましょう。
1. バンドの単位は9点です。中央(0)に対して、何本幅、色、ともに対称な並びになっています。
位置 | -4 | -3 | -2 | -1 | 0 | +1 | +2 | +3 | +4 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
何本幅 | 6幅 | 4幅 | 3幅 | 2幅 | 2幅 | 2幅 | 3幅 | 4幅 | 6幅 |
色 | 茶 | 茶 | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | 茶 | 茶 |
2. 横の四角数は 27 です。9 × 3 ですから、単位の3倍です。
3. 縦の四角数は 27 です。9 × 3 ですから、単位の3倍です。
4. 編み目は、三つ飛び網代編み(6×6)です。 三つ飛び網代編みの3単位が、バンドの2単位に対応します。(6×3 = 9×2)
側面のプレビュー2図で、編み目とバンドを組み合わせた、繰り返し単位(18×18)を赤点線で囲ってみました。全体は、4種類の少し異なる鶴の連なりで構成されます。鶴の羽ばたきです。
ちなみに、全く同じ鶴の連なりにするのであれば、バンドの単位を6の倍数で作る必要があります。6・12・18…です。
縦と横の数を変えてみる
上の例は、縦と横の四角数が同じでした。同じバンドの単位を使って、縦と横の四角数を変えるとどうでしょうか。9の倍数ですから、縦と横、ともに9・18・27・36・45…から選ぶことになります。バッグを想定して、横の四角数45、縦の四角数18を選んでみましょう。
アプリの操作は、[四角数]のタブに、各45と18を入力します。縦横を展開して、[編集]メニューの[色の繰り返し]画面に9行追加し、「何本幅」と「色」にバンドの単位をセットして、[変更実行]すればOK。計算寸法も、幅変更を反映した数値になります。
高さの四角数は、縦と横の中間、27にしておきます。いくつでもよいのですが、これも倍数にしておくと、高さ方向の模様が揃うからです。
次は[ひも上下]で編み目を作ります。底は、三つ飛び長桝網代編みです。今は「開始高さ」も指定できますので、早見表に従って、
- 「垂直に」2
- 「底に」1
- 「開始高さ」17 (高さ27で作りたいのですが、編集の上限が99のため)
として[合わせる]ボタンをクリックします。底部分を「長桝網代底の編み図生成」の手順に従って、入れ子の長方形に修正します。
[プレビュー2]で見てみましょう。開始高さが17なので、上角部分が編まれていませんが、他と同に編めばよいわけですから、凡その出来上がりは掴めるでしょう。
単位を変えてみる(点数)
同じ鶴の連なりになるような単位に変えてみましょう。バンドの単位は、6点では少なすぎるので、12点にします。
幅と色の並びを作ります。偶数ですが、同様に対称に作れます。仮に次のようにしてみました。
位置 | -6 | -5 | -4 | -3 | -2 | -1 | +1 | +2 | +3 | +4 | +5 | +6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
何本幅 | 8幅 | 6幅 | 6幅 | 4幅 | 3幅 | 2幅 | 2幅 | 3幅 | 4幅 | 6幅 | 6幅 | 8幅 |
色 | 茶 | 茶 | 茶 | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | 茶 | 茶 | 茶 |
12の倍数ですから、横の四角数は36、縦の四角数は12としましょう。高さは中間の24にします。[ひも上下]も同様にして、
- 「垂直に」2
- 「底に」1
- 「開始高さ」24 (この数であればフルに指定できます)
[合わせる]としてから長桝網代編みに修正します。プレビューで見てみます。
模様の単位が大きくなったので、柄も大きくなりました。三つ飛びに合わせたので、こんどは全て同じ鶴です。
単位を変えてみる(並び)
12点単位のフレームができました。これで、幅と色の並びを変えたときの模様の違いを、プレビューで簡単に比べることができます。
何点か、試してみましょう。
位置 | -6 | -5 | -4 | -3 | -2 | -1 | +1 | +2 | +3 | +4 | +5 | +6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
何本幅 | 8幅 | 7幅 | 6幅 | 5幅 | 4幅 | 3幅 | 3幅 | 4幅 | 5幅 | 6幅 | 7幅 | 8幅 |
色 | 茶 | 茶 | 茶 | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | 茶 | 茶 | 茶 |
位置 | -6 | -5 | -4 | -3 | -2 | -1 | +1 | +2 | +3 | +4 | +5 | +6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
何本幅 | 6幅 | 6幅 | 6幅 | 3幅 | 3幅 | 3幅 | 3幅 | 3幅 | 3幅 | 6幅 | 6幅 | 6幅 |
色 | 茶 | 茶 | 茶 | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | 茶 | 茶 | 茶 |
位置 | -6 | -5 | -4 | -3 | -2 | -1 | +1 | +2 | +3 | +4 | +5 | +6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
何本幅 | 8幅 | 6幅 | 4幅 | 4幅 | 2幅 | 2幅 | 2幅 | 2幅 | 4幅 | 4幅 | 6幅 | 8幅 |
色 | 茶 | 茶 | 茶 | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | 茶 | 茶 | 茶 |
位置 | -6 | -5 | -4 | -3 | -2 | -1 | +1 | +2 | +3 | +4 | +5 | +6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
何本幅 | 2幅 | 2幅 | 4幅 | 4幅 | 6幅 | 8幅 | 8幅 | 6幅 | 4幅 | 4幅 | 2幅 | 2幅 |
色 | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル | 茶 | 茶 | 茶 | 茶 | 茶 | 茶 | ナチュラル | ナチュラル | ナチュラル |
最終的なデザインは、模様だけでなく、サイズ、作りやすさ、材料が効率的に使えるか、などの勘案になるでしょう。バッグですから、縁や持ち手のデザインも必要です。
なお、三つ飛び網代編みの編み目との位置関係は、底の三つ飛びラインに合わせると決まってしまうのですが、変えることもできます。[上下交換]すると鶴の方向が変わります。
12点単位の例、上の値とは少し異なりますが操作の参考にしてください。
波網代の立ち上げ
波網代で、繰り返しの1単位をどう作るかについては、幅と並び・編み目など、いろいろ試せるようになったと思います。では、それでできた単位を、かごやバッグなどの立体に適用するには、どうしたらよいのでしょうか。
テストにはCraftBandSquareを使い、縦ひも×横ひもで底に模様を作りました。平面であれば完成ですが、立体的なかごを作るのであれば、作成した単位を側面に配置する必要があります。側面への配置を、このアプリと、四角のかごをつくるもうひとつのアプリ、CraftBandSquare45でみてみましょう。
Square
底に対して垂直に立ち上げる場合は、側面の模様は、縦ひも×側面の編みひも、および横ひも×側面の編みひもに、単位を持たせることになります。
CraftBandSquareは、[ひも上下]でセットする編み目は、底・側面(上・右)・側面(下・左)で別々に入力できますし、上・右、下・左についても実質個別扱いできますから、単位vs.ひもの本数を適切に合わせれば、模様の配置はそう難しくないでしょう。側面のつながりは[プレビュー2]で見られますし、一時保存しておいて、試してダメなら戻せばよいのです。
試しに、幅と並びの例の最後にある幅の並び、
1,1,2,2,2,3,4,6,9,9,6,4,3,2,2,2,1,1
を、側面にも作ってみました。縦・横・側面の3方向で少し色を変えて作った[プレビュー]図はこんなです。
[プレビュー2]で側面をつなげたモデルです。
CraftBandSquareでは縦と横は独立(おなじバンドが続くという制約はありますが)ですから、方向ごと並びを変えることも可能です。例えば、先のページの右側の図、片側は等幅というパターンを側面に作ると、こうなります。
垂直方向となる縦ひも・横ひもともに等幅にしたので、底は波ではない普通の網代になりました。幅変更に伴うサイズ変更をどう扱うかは考えどころですが、各面・各方向、それぞれに単位を組み合わせればよい、というのがCraftBandSquareで立ち上げる時のデータの作り方といえましょう。
Square45
斜めに立ち上げるCraftBandSquare45 ではどうでしょう。まず、幅の変更について、確認しておきましょう。
波網代に限らず、底の縦ひも・横ひものいずれかの幅を変更した場合、箱状に立ち上げるためには「底が長方形になること」という条件がつきます。
例えば、横の四角数10個・縦の四角数5個とし、基本のひも幅は5本幅としましょう。縦ひもと横ひもの数はともに10+5の15本になります。縦横を展開し、横ひものうち3本だけを15本幅にしてみると、プレビュー図はこんなになります。
ステイタスバーには長方形にならない、という警告が表示されています(赤の矢印)。横ひもだけ幅広にしたのですから、当然ですね。つまり、立ち上げて直方体形状にするには、底は、長方形に作る必要がある、ということです。
長方形ということは、相対する短辺同士・長辺同士の長さ、つまりそれらの辺を構成するひもの幅を加えた長さが同じでなくてはなりません。
つまり、こうです。
- 縦ひもの上から、横の四角数の本数ぶん
- 縦ひもの下から、横の四角数の本数ぶん
- 横ひもの左から、横の四角数の本数ぶん
- 横ひもの右から、横の四角数の本数ぶん
これら4点については、ひもの本幅数を足し合わせた長さは、全て同じであること。
同様に、
- 縦ひもの上から、縦の四角数の本数ぶん
- 縦ひもの下から、縦の四角数の本数ぶん
- 横ひもの左から、縦の四角数の本数ぶん
- 横ひもの右から、縦の四角数の本数ぶん
の本幅数を足し合わせた長さも、全て同じである必要があります。ひもの本幅数は、個別に・任意に変更することはできますが、この条件を満たした幅にしないと、立ち上げられない、ということです。アプリでは、プレビュー2の表示ができません。
※縦ひもと横ひもの本数が異なるケースについては、アプリの設定対象外とします。もしそのようにしたければ、2本寄せや3本寄せのように、実質1本だけれどデータ上は2本(3本)などとして入力することで、本数を合わせてください。
次に、側面を見てみましょう。
下図は、底のバンドがどのように組み合わされて側面になるか、を示したものです。
簡単に言えば、それぞれの側面は、縦ひもと横ひもが交互、かつ正順・逆順入れ替わりつつ重なって作られるということです。Squareは縦・横・側面が独立ですが、Square45では入り混じるのです。
そのため、繰り返しパターンを作るのであれば、その単位は縦横同じとなる正方形に限られ、その並びは、中心に対して両側に対称でなくてはなりません。そして、縦の四角・横の四角ともに、単位の整数倍でなければなりません。以前「PPバンドの斜め組み編みの模様」という記事で、作例から導き出した条件ですが、その裏付けとなるのが上図と言えましょう。
立ち上げには底が長方形という条件があったと同様、縁が水平、つまり直方体形状を作るためには、側面も長方形である必要があります。側面に積みあがるバンドを加えた高さが、4側面各2方向すべて同じということです。
高さの四角数で指定する、どんな数値に対しても同じ高さになるためには、4側面各2方向に、同じ幅のバンドが同順で積みあがる必要があります。その条件もまた、中心に対して両側に対称な並びの単位でできていること、となります。
つまり、幅変更を伴う時に、どんな高さでも直方体形状にするには、本幅は上記繰り返し条件を満たすように並べなければならない、ということです。これは、底が長方形になるための十分条件でもあります。
単位の高さの倍数など特定の高さに対してだけなら、もう少し条件は緩くなるでしょうけれど、倍数や約数を組み合わせるなど、対称に作るより難しそうです。特定の全体サイズに合わせた、繰り返しではない模様の方が作りやすいかもしれません。
ということで、波網代模様を斜めに立ち上げる場合は、
- ひとつの単位は、中心の両側に、本幅が対称に並んでいること
- 横の四角は、単位の整数倍で作られていること
- 縦の四角は、単位の整数倍で作られていること
が、わかりやすい十分条件です。繰り返しの単位ですから、起点を縦ひも・横ひもの各1本目とすれば、縦ひも・横ひもともに同じ並びが繰り返され、四角数位置が単位の区切りと一致するように作ればよいということです。
色を組み合わせる場合は、幅とセットの並びになります。波網代との組み合わせで模様が作られる典型例、鶴網代でみてみましょう。