接着剤なしで和紙を編んで箱をつくってみたわけですが、伝統的には、和紙は厚紙や竹枠に貼り付けるのが普通の方法でした。”編む”ならば予めテープにした状態、つまり紙バンドからでした。でも、ネット通販サイトを見ていたら、紙バンドを貼り合わせて作ったかごが販売されていました。貼らずに編む、それが、編まずに貼る?
編まずに作れるなんて!! 考えたこともありませんでした。ずっと編み目ありきで、編み目のない行や列は警告対象としてきたのに。でも、そう、紙ならば、編み目がなくても、貼り合わせることができるのです。
ということで、作ってみたのがこちら。同材料・同サイズ・同間隔で、左側が従来の四つ目のかご、右側が貼り合わせて作ったかごです。

編みかごは折って立ちあげてから側面を編みますが、貼りかごは全体を平たく貼り合わせてから、折って立ち上げ、フラップ部分を貼り合わせます。型紙に合わせる、特に側面は、圧倒的に、貼りかごの方が作りやすい。
でも、手持ちのバンドは、平たく貼ろうとすると、直線ではなくゆるやかにカーブしているのです。型紙に合わせて補正しつつ、全交差箇所に、十分量のボンドをのせるのが結構大変でした。適切な素材もテクニックも必要で、きれいに作るのはなかなか難しいことがわかりました。
貼りかごは、縁もそのまま1本を貼り合わせただけなので、少し丸い形になりました。また、貼り合わせだと縦横が交差しないので、縦ラインもしくは横ラインのテクスチャになりますが、今回は垂直ひもの端が外から見えないよう、横ラインにしました。

編みかごは、編み目自体を固定しているわけではないので、力がかかると多少交差位置がずれますが、貼りかごにずれはありません。全交差箇所が完全に固定されていますから、編まれていない=弱いわけではない。柱&梁で支えるのとツーバイフォーの違いのように、構造が異なるのです。それぞれの構造に合った使い道がある、ということなのでしょう。
編みかごのプレビュー図です。縁を折り返しています。

貼りかごのプレビュー図です。これを型紙にして、上の側面・下の側面に、それぞれ左右に4本分、垂直方向のバンドを加えて水平方向の編みひもを伸ばしフラップにしました。

編みかごと、貼りかごのデータです。

















