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鶴網代のバッグのデザイン

CraftBandSquare45で鶴網代、つまりひもの本幅と色を変えた模様を全体に繰り返すには、どのようにデータを作ったらよいのでしょうか。先稿からは、

  1. バンドの単位を作る。色と幅の並びを、中央に対して対称にすること
  2. 横の四角数は、単位の整数倍にすること
  3. 縦の四角数は、単位の整数倍にすること
  4. 編み目(網代編み)の対応付けで、模様が決まる

過去例があります。「波網代の鶴模様のかご」です。上記条件がどうなっているか、見てみましょう。

1. バンドの単位は9点です。中央(0)に対して、何本幅、色、ともに対称な並びになっています。

位置-4-3-2-10+1+2+3+4
何本幅6幅4幅3幅2幅2幅2幅3幅4幅6幅
ナチュラルナチュラルナチュラルナチュラルナチュラル

2. 横の四角数は 27 です。9 × 3 ですから、単位の3倍です。
3. 縦の四角数は 27 です。9 × 3 ですから、単位の3倍です。
4. 編み目は、三つ飛び網代編み(6×6)です。 三つ飛び網代編みの3単位が、バンドの2単位に対応します。(6×3 = 9×2)

側面のプレビュー2図で、編み目とバンドを組み合わせた、繰り返し単位(18×18)を赤点線で囲ってみました。全体は、4種類の少し異なる鶴の連なりで構成されます。鶴の羽ばたきです。

ちなみに、全く同じ鶴の連なりにするのであれば、バンドの単位を6の倍数で作る必要があります。6・12・18…です。

縦と横の数を変えてみる

上の例は、縦と横の四角数が同じでした。同じバンドの単位を使って、縦と横の四角数を変えるとどうでしょうか。9の倍数ですから、縦と横、ともに9・18・27・36・45…から選ぶことになります。バッグを想定して、横の四角数45、縦の四角数18を選んでみましょう。

アプリの操作は、[四角数]のタブに、各45と18を入力します。縦横を展開して、[編集]メニューの[色の繰り返し]画面に9行追加し、「何本幅」と「色」にバンドの単位をセットして、[変更実行]すればOK。計算寸法も、幅変更を反映した数値になります。

高さの四角数は、縦と横の中間、27にしておきます。いくつでもよいのですが、これも倍数にしておくと、高さ方向の模様が揃うからです。

次は[ひも上下]で編み目を作ります。底は、三つ飛び長桝網代編みです。今は「開始高さ」も指定できますので、早見表に従って、

  • 「垂直に」2
  • 「底に」1
  • 「開始高さ」17 (高さ27で作りたいのですが、編集の上限が99のため)

として[合わせる]ボタンをクリックします。底部分を「長桝網代底の編み図生成」の手順に従って、入れ子の長方形に修正します。

[プレビュー2]で見てみましょう。開始高さが17なので、上角部分が編まれていませんが、他と同に編めばよいわけですから、凡その出来上がりは掴めるでしょう。

単位を変えてみる(点数)

同じ鶴の連なりになるような単位に変えてみましょう。バンドの単位は、6点では少なすぎるので、12点にします。

幅と色の並びを作ります。偶数ですが、同様に対称に作れます。仮に次のようにしてみました。

位置-6-5-4-3-2-1+1+2+3+4+5+6
何本幅8幅6幅6幅4幅3幅2幅2幅3幅4幅6幅6幅8幅
ナチュラルナチュラルナチュラルナチュラルナチュラルナチュラル

12の倍数ですから、横の四角数は36、縦の四角数は12としましょう。高さは中間の24にします。[ひも上下]も同様にして、

  • 「垂直に」2
  • 「底に」1
  • 「開始高さ」24 (この数であればフルに指定できます)

[合わせる]としてから長桝網代編みに修正します。プレビューで見てみます。

模様の単位が大きくなったので、柄も大きくなりました。三つ飛びに合わせたので、こんどは全て同じ鶴です。

単位を変えてみる(並び)

12点単位のフレームができました。これで、幅と色の並びを変えたときの模様の違いを、プレビューで簡単に比べることができます。

何点か、試してみましょう。

位置-6-5-4-3-2-1+1+2+3+4+5+6
何本幅8幅7幅6幅5幅4幅3幅3幅4幅5幅6幅7幅8幅
ナチュラルナチュラルナチュラルナチュラルナチュラルナチュラル
直線状に変化させてみました


位置-6-5-4-3-2-1+1+2+3+4+5+6
何本幅6幅6幅6幅3幅3幅3幅3幅3幅3幅6幅6幅6幅
ナチュラルナチュラルナチュラルナチュラルナチュラルナチュラル
2種類だけで作ってみました


位置-6-5-4-3-2-1+1+2+3+4+5+6
何本幅8幅6幅4幅4幅2幅2幅2幅2幅4幅4幅6幅8幅
ナチュラルナチュラルナチュラルナチュラルナチュラルナチュラル
スリム化しました

位置-6-5-4-3-2-1+1+2+3+4+5+6
何本幅2幅2幅4幅4幅6幅8幅8幅6幅4幅4幅2幅2幅
ナチュラルナチュラルナチュラルナチュラルナチュラルナチュラル
波の位置をシフトしました

最終的なデザインは、模様だけでなく、サイズ、作りやすさ、材料が効率的に使えるか、などの勘案になるでしょう。バッグですから、縁や持ち手のデザインも必要です。

なお、三つ飛び網代編みの編み目との位置関係は、底の三つ飛びラインに合わせると決まってしまうのですが、変えることもできます。[上下交換]すると鶴の方向が変わります。

12点単位の例、上の値とは少し異なりますが操作の参考にしてください。

波網代の立ち上げ

波網代で、繰り返しの1単位をどう作るかについては、幅と並び・編み目など、いろいろ試せるようになったと思います。では、それでできた単位を、かごやバッグなどの立体に適用するには、どうしたらよいのでしょうか。

Square

テストにはCraftBandSquareを使い、底に模様を作りました。平面であれば完成ですが、立体的なかごを作るのであれば、作成した単位を側面に配置する必要があります。縦ひも×横ひもの代わりに、縦ひも×側面の編みひも、もしくは横ひも×側面の編みひもに、その単位を持たせるのです。

CraftBandSquareは、[ひも上下]でセットする編み目は、底・側面(上・右)・側面(下・左)で別々に入力できますし、上・右、下・左についても実質個別扱いできますから、単位vs.ひもの本数を適切に合わせれば、模様の配置はそう難しくないでしょう。側面のつながりは[プレビュー2]で見られますし、一時保存しておいて、試してダメなら戻せばよいのです。

試しに、幅と並びの例の最後にある幅の並び、

1,1,2,2,2,3,4,6,9,9,6,4,3,2,2,2,1,1

を、側面にも作ってみました。縦・横・側面の3方向で少し色を変えて作った[プレビュー]図はこんなです。

[プレビュー2]で側面をつなげたモデルです。


CraftBandSquareでは縦と横は独立(おなじバンドが続くという制約はありますが)ですから、方向ごと並びを変えることも可能です。例えば、先のページの右側の図、片側は等幅というパターンを側面に作ると、こうなります。

垂直方向となる縦ひも・横ひもともに等幅にしたので、底は波ではない普通の網代になりました。幅変更に伴うサイズ変更をどう扱うかは考えどころですが、各面・各方向、それぞれに単位を組み合わせればよい、というのがCraftBandSquareで立ち上げる時のデータの作り方といえましょう。

Square45

斜めに立ち上げるCraftBandSquare45 ではどうでしょう。まず、幅の変更について、確認しておきましょう。

波網代に限らず、底の縦ひも・横ひものいずれかの幅を変更した場合、箱状に立ち上げるためには「底が長方形になること」という条件がつきます。

例えば、横の四角数10個・縦の四角数5個とし、基本のひも幅は5本幅としましょう。縦ひもと横ひもの数はともに10+5の15本になります。縦横を展開し、横ひものうち3本だけを15本幅にしてみると、プレビュー図はこんなになります。

ステイタスバーには長方形にならない、という警告が表示されています(赤の矢印)。横ひもだけ幅広にしたのですから、当然ですね。つまり、立ち上げて直方体形状にするには、底は、長方形に作る必要がある、ということです。

長方形ということは、相対する短辺同士・長辺同士の長さ、つまりそれらの辺を構成するひもの幅を加えた長さが同じでなくてはなりません。

つまり、こうです。

  • 縦ひもの上から、横の四角数の本数ぶん
  • 縦ひもの下から、横の四角数の本数ぶん
  • 横ひもの左から、横の四角数の本数ぶん
  • 横ひもの右から、横の四角数の本数ぶん

これら4点については、ひもの本幅数を足し合わせた長さは、全て同じであること。
同様に、

  • 縦ひもの上から、縦の四角数の本数ぶん
  • 縦ひもの下から、縦の四角数の本数ぶん
  • 横ひもの左から、縦の四角数の本数ぶん
  • 横ひもの右から、縦の四角数の本数ぶん

の本幅数を足し合わせた長さも、全て同じである必要があります。ひもの本幅数は、個別に・任意に変更することはできますが、この条件を満たした幅にしないと、立ち上げられない、ということです。アプリでは、プレビュー2の表示ができません。

※縦ひもと横ひもの本数が異なるケースについては、アプリの設定対象外とします。もしそのようにしたければ、2本寄せや3本寄せのように、実質1本だけれどデータ上は2本(3本)などとして入力することで、本数を合わせてください。


次に、側面を見てみましょう。
下図は、底のバンドがどのように組み合わされて側面になるか、を示したものです。

簡単に言えば、それぞれの側面は、縦ひもと横ひもが交互、かつ正順・逆順入れ替わりつつ重なって作られるということです。Squareは縦・横・側面が独立ですが、Square45では入り混じるのです。

そのため、繰り返しパターンを作るのであれば、その単位は縦横同じとなる正方形に限られ、その並びは、中心に対して両側に対称でなくてはなりません。そして、縦の四角・横の四角ともに、単位の整数倍でなければなりません。以前「PPバンドの斜め組み編みの模様」という記事で、作例から導き出した条件ですが、その裏付けとなるのが上図と言えましょう。

立ち上げには底が長方形という条件があったと同様、縁が水平、つまり直方体形状を作るためには、側面も長方形である必要があります。側面に積みあがるバンドを加えた高さが、4側面各2方向すべて同じということです。

高さの四角数で指定する、どんな数値に対しても同じ高さになるためには、4側面各2方向に、同じ幅のバンドが同順で積みあがる必要があります。その条件もまた、中心に対して両側に対称な並びの単位でできていること、となります。

つまり、幅変更を伴う時に、どんな高さでも直方体形状にするには、本幅は上記繰り返し条件を満たすように並べなければならない、ということです。これは、底が長方形になるための十分条件でもあります。

単位の高さ以外でも、特定の高さに対してだけならもう少し条件は緩くなるでしょうけれど、単位の中に複数の小単位を作るなど対称に作るより難しそうです。特定の全体サイズに合わせた、繰り返しではない模様の方が作りやすいかもしれません。


ということで、波網代模様を斜めに立ち上げる場合は、

  • ひとつの単位は、中心の両側に、本幅が対称に並んでいること
  • 横の四角は、単位の整数倍で作られていること
  • 縦の四角は、単位の整数倍で作られていること

が、わかりやすい十分条件です。繰り返しの単位ですから、起点を縦ひも・横ひもの各1本目とすれば、縦ひも・横ひもともに同じ並びが繰り返され、四角数位置が単位の区切りと一致するように作ればよいということです。

色を組み合わせる場合は、幅とセットの並びになります。波網代との組み合わせで模様が作られる典型例、鶴網代でみてみましょう

メッシュワーク・斜め網代編みのスマホケース

布のパッチワークを試してみました。2色の網代編みですが、ペタンコ形状なので色がつながります。先は横方向でしたが、今回は縦方向です。

布といっても合皮の端切れなので、カッターでカットしただけ。貼付けは「強力布用両面テープ」です。念のため、Dカンの取り付け箇所など少しだけ縫いました。

底の角の編み目が外れてしまいました。編んだ後に所々を貼り付けたのですが、少なくとも底は、最初から貼り付けて作れば良かったと思いました。

プレビューの底編み図です。各側面を模様にするため、底の辺で合わせています。

プレビュー2です。模様のつながりが確認できます。

データです。

松皮菱網代編みのかご

名称松皮菱 網代 編み
名称(読み)まつかわびし あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位24 × 32
バンド幅
飛び数1,3,5,7
対称性水平線,垂直線
備考

『竹の工芸-近代における展開』長谷部満彦他,東京国立近代美術館,1985
110ページ, 編組見本,036

CraftBandSquareで、3色で作ってみました。外側から見た模様で、A4の書類が入るトレイです。

松皮菱網代編みのかご

内側です。

松皮菱網代編みのかごの内側

底は模様の繰り返しで、2単位が上下・左右に対称になるように配置しましたが、少し欠けています。上右・下左の各側面を底の模様の延長とするため横ひも+縦ひもの本数に展開したのですが、現上限が99本だからです。

プレビューの編み図

底と側面は続きますが、側面同士は不連続です。でも桝目の中心位置が揃っているので、縦と横が接する割には一体感がある..かな。色が違っていますけど。

プレビュー2の3Dモデル

データです。[ひも上下]には、底に模様の1単位が入っています。側面は、横ひも57本+縦ひも41本分に合わせていますが、高さは24本分のデータが入っています。

追記

[ひも上下]の側面のデータの作り方についてのご質問がありました。上には簡単な説明を書いていますが、下図を見ていただくと、ご理解いただけるでしょうか。

四ツ菱網代編みのかご

名称四ツ菱 網代 編み
名称(読み)よつひし あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位22 × 22
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

『竹の工芸-近代における展開』長谷部満彦他,東京国立近代美術館,1985
110ページ, 編組見本,037

CraftBandSquare45で、4色で作ってみました。「1回のみ」のチェックを外した、模様の繰り返し適用です。

四つ菱網代編みのかご

底からみたところ。

四つ菱網代編みのかごの底

プレビュー図です。データの[ひも上下]には模様の1単位が入っています。ボックスのサイズやどの位置で立ち上げると良いか、は先に試した通り

以前検討した「立ち上げ可能な繰り返し模様の条件」に合っていれば、側面の辺もそのまま編むことができます。四ツ菱はNGですが、それがどこなのかは、[プレビュー2]を見ればわかります。赤い丸で囲ってみました。もうすこし高さを低く作れば出現しないのですから、かなり優秀な模様と言えましょう。

データです。

長桝網代編みに縦ライン

Ver1.8.8 で、CraftBandSquare45で斜めに立ち上げた場合、側面の編み方も編集できるようになりました。そこで、一番シンプルな、縦のラインで試してみました。

長桝網代編みに縦線

底です。正方形なのですが、四方網代編みは編みにくいので長桝網代編みにしました。それなのに歪んでいます。。なかなか綺麗には作れません。

長桝網代編みに縦線の底

本数については、底から縦ラインにした時と同じ条件ですから、縦横プラスして3の倍数ですが、わかりやすく各四角数21個で試しました。

プレビューの底編み図です。

プレビュー2、側面をつなげた編み図です。

データです。

波網代・組み合わせ例

編み目の組み合わせ操作では、反転したりシフトしたりしただけで、編み目が重なっていてもとりあえずそのまま使っていました。これを、網代模様的な1,3,5飛びベースにし、幅の並びもそれに合わせて、少し模様らしくしてみました。

顔が並んでいるみたいで、ちょっとカワイイ。
ひも幅・編み目とも16×16が単位です。


カーテンのような、レイのような。立体感がおもしろい。
ひも幅・編み目とも、水平に22・垂直に6が単位です。


交互に方向を変えてみました。波網代を作るといいつつ、波網代って言っていいの?みたいな絵が続きましたが、これなら波でしょう。
ひも幅は水平に22・垂直に6で変わらず、編み目は水平に44・垂直に6が単位です。

幅・並び・編み目・繰り返し単位など、まだ限定的にしか試していませんが、組み合わせは無限にあります。論理と偶然と。どんな絵が出てくるでしょうか。形にして現物を手にしたい、そんなパターンは見つかるでしょうか。

波網代・編み目の組み合わせ

幅と並びを変えた波網代を何点か作ってみましたが、更に編み目を変えるとどうなるでしょうか。先のテスト用フレームで「1,2,3,4,5,6,7,8,9,9,8,7,6,5,4,3,2,1」のパターンで試してみましょう。

[色の繰り返し]画面を次のような値にセットし、[変更実行]とすると、縦ひも・横ひもともに繰り返しが適用されます。プレビュー図を確認後、[横ひも]タブの[リセット]ボタンで、横ひもをすべて5幅にリセットし、先の図と比較してみます。

1-9,9-1

縦ひも・横ひも、ともに18点の繰り返しですので、編み目の単位もこのサイズに合わせましょう。

[ひも上下]タブを開き「水平に」「垂直に」のそれぞれの数値、いずれも18にしてから[サイズ変更]ボタンをクリックしてください。

編集領域のサイズが、6×6から18×18に拡大されます。ここを、3つ飛び網代編みで埋めましょう。

[設定呼出]ボタンをクリックして、再度「上下図の呼び出し」画面を表示させます。先と同じ「6×6-33-網代編み3つ飛び」を選択しますが、今度は、反映方法を入れ換えなし、繰り返しあり、にします。

プレビュー図は先と同じになっているはずです。単位サイズは大きくなりましたが、連続した3つ飛び網代編みになっているからです。


次に、この単位の右半分を左右反転してみましょう。18列の半分ですから、10列1行から18列18行の範囲をクリック&ドラッグして選択状態にします。「左右反転」ボタンをクリックすると選択されていた領域が左右反転します。いずれかのセルをクリックして領域選択を解除し、編み目を確認してください。

網代編みの流れ方向が9列ごとに反転しました。プレビューで見てみましょう。

左側は、縦ひも・横ひもとも波網代、右側は横ひもをリセットした縦ひものみ波の図です。


同じ様にして、上半分を「天地反転」しましょう。

四方網代風の編み目になりました。プレビューで見てみましょう。

左は18×18の繰り返し、右は横ひもが等幅の図です。


左下1/4領域を選択して「上下交換」をクリックします。次に右上1/4領域を選択して再度「上下交換」をクリックします。

桝網代風の編み目になりました。プレビューで見てみましょう。

左は18×18の繰り返し、右は横ひもが等幅の図です。


上方向に9回シフトします。9行は18行の半分ですから、上半分と下半分がちょうど入れ替わります。

開き網代風の編み目になりました。プレビューで見てみましょう。

左は18×18の繰り返し、右は横ひもが等幅の図です。


垂直方向の繰り返し単位を18の半分、9にします。

垂直方向では、同じ範囲に対して単位が2回適用されることになります。プレビューで見てみましょう。

左は、ひも幅は18×18・編み目は19×9の繰り返し、右は横ひもが等幅の図です。


下に5回シフトします。

5行は9行の約半分ですから、ひも幅との位置関係を上下方向に約半分ずらすことになります。

左図は、先の図と幅と編み目の位置関係がずれています。右図は等幅ですから同じになります。


まだ「模様」と呼べるほどのものではなく、繰り返し幅も、編み目も、改善の余地は大いにあります。でも、組み合わせを試すためのおおよその操作は、ご理解いただけたのではないでしょうか。

波網代・幅と並びの例

波網代のテスト用フレームを使って、いくつかのパターンを試してみました。数字は、本幅値の並びです。

1,1,1,3,3,3,5,5,5,7,7,7

波網代(1,3,5,7)の片パターンです。


1,1,1,3,3,3,5,5,5,7,7,7,5,5,5,3,3,3

波網代(1,3,5,7)の対称パターンです。


1,2,3,4,5,6,7,8,9

3つずつではなく、ひとつずつにしてみました。


1,2,3,4,5,6,7,8,9,9,8,7,6,5,4,3,2,1

ひとつずつの対称パターン。


1,1,2,2,2,3,4,6,9

波風、片側です。


1,1,2,2,2,3,4,6,9,9,6,4,3,2,2,2,1,1

波風の対称パターン。


幅と並びの組み合わせは容易に試せますので、繰り返しであれば、まずはその単位をどうするかですね。

最後の状態のデータを添付しておきます。


ここまでのパターン、3つ飛び網代編みの開始位置は全て同じでした。開始位置を変えると、波の位置も変わります。3つ飛び網代編みの位置をシフトしたらどうなるか、上から4番目、1-9,9-1のパターンで動画にしてみました。

波網代・幅と並びの作成

講習会で何回か聞かれたのが「波網代はできますか」でした。できますと答えたものの、今回の講習内容には入っていません。試作例はいくつかありますが、どのように操作すると良いのでしょうか。

「縦横(側面)を展開」すると、1本ごとに本幅を変えることができます。コピー&ペーストで繰り返しを効率化できますが、編集メニューにある[色の繰り返し]機能を使うと、更に簡単に試すことができます。

テスト用のフレーム作成

波網代は縦・横の模様ですので、四つ目系のCraftBandSquareおよびCraftBandSquare45で作れます。ここでは、CraftBandSquareで、底に模様を作ってみましょう。高さ方向はゼロです。

CraftBandSquare を起動し、バンドの種類を選択し、[ファイル]メニューから「新規作成」とします。

ここでは、次のようにします。

  • バンドの種類は、「竹ひご(1幅1ミリ)」
  • 基本のひも幅は、5
  • 基本色は、茶
  • 横ひもは36本、縦ひもは60本
  • 「縦横側面を展開する」にチェックを入れる

目標寸法から概算させても良いのですが、最初から本数を入力して作ることもできます。3つ飛び網代編みは6×6単位なので、横長画面に収まる・繰り返しがわかる程度の倍数として、36本と60本にしました。

次に、模様がわかりやすいよう、縦ひもと横ひもの色を変えます。基本色が「茶」ですから、横ひもはそのまま茶色とし、縦ひもを「こげ茶」にします。

[編集]メニューの[色の変更]から、縦ひもの色をまとめて変更することができます。

次は3つ飛び網代編みです。サンプルに「6×6-33-網代編み3つ飛び」として登録されていますので、[ひも上下]のタブから、呼び出して適用します。

[設定呼び出し]ボタンをクリックすると「上下図の呼び出し」画面が表示されます。「上下図名」のドロップダウンに、現在登録されているパターン名がリストされますので、その中から選んで、[OK]としてください。

現データの上下パターンが呼び出したものに変わります。現対象領域(縦60本・横36本)に対して、単位が小さい場合は、繰り返しになります。

[プレビュー]タブで確認しましょう。底全体が、3つ飛び網代編みになったでしょうか。

テストパターン(1,3,5)

色々な網代編み」には2種類の波網代が掲載されています。最初の(1,3,5)のパターンを試してみましょう。1幅・3幅・5幅、各3本ずつの繰り返しです。

横ひも、縦ひも、それぞれのタブで個別に幅を指定してもよいのですが、「色の繰り返し」機能を使うと簡単です。この機能は、対応しているアプリでは、色だけではなく本幅についても繰り返しを設定することができます。

[追加]ボタンで行を追加、[削除]ボタンで行を削除することができます。3行なら3点の繰り返し、5行なら5点の繰り返しにできます。ここでは「1,1,1,3,3,3,5,5,5」の9点の繰り返しを指定します。

繰り返しの幅が入力できたら[変更実行]ボタンをクリックし、メッセージが表示されれば完了です。[閉じる]ボタンで画面を閉じて、[プレビュー]タブで結果を見てみましょう。

縦横ともに、指定した幅の繰り返しになりました。
図の下部には、おもて/うらを指定できるラジオボタンがあります。これを切り替えると、裏側から見た図、つまり左右を反転したらどうなるかを見ることができます。

次に、同じ並びの亜種として、幅を変えるのは縦ひものみ・横ひもは同幅だとどうなるかを見てみます。その前に、[ブラウザ]ボタンをクリックして、変更前の状態を残しておきましょう。

[横ひも]タブを開いて[リセット]ボタンをクリックすると、全てが基本のひも幅・色は空にリセットされます。

[プレビュー]タブで確認するとともに、[ブラウザ]ボタンで表示させ、先の図と比較してみてください。

さて、できた模様、波のようになっているかと言われると、ちょっと変ですね。段差があるというか、不連続な感じです。

1.3.5の繰り返しですから、111,333,555,111,333,555… にしたのですが、5の次が1で非対称なのです。スムーズに繰り返すのであれば、111,333,555,333,111,333,555,333,111…になるようにすべきでした。

「色の繰り返し」機能をもう一度呼び出しましょう。先の状態、9行の繰り返しになっています。ここに3行を加えて12行にし、1,1,1,3,3,3,5,5,5,3,3,3 として[変更実行]しましょう。また、先と同様、横ひもを全て5幅にした図も作ってみましょう。

波らしい、スムーズな模様になりました。

他のパターンも試せるように、データに「名前をつけて保存」しておきましょう。


次の「波網代・幅と並びの例」と合わせて操作を動画にしてみました。