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ますあじろ(桝網代)編みのかご

名称桝 網代 編み
名称(読み)ます あじろ あみ
模様タイプ中心からの4象限
単位各象限 6 × 6 [3つ飛び]
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

模様に1×1が多数ある方がよいPPバンドに対して、ない方がいいのがクラフトバンド/紙バンドです。厚みがありますから。

でも、クラフトバンド/紙バンドに比べてはるかに昔から作られてきた竹細工、竹は更に硬い。その竹で編めるように、何百年も伝えられ改良され残ってきた模様というのは、今更ですが、すごいと思います。

そんな伝統的な模様を集めてみることにしました。まず何があるのかわかっていないと、既存なのか組み合わせなのか、それとももしかして新しいのか?識別することができませんから。

その最初が、ますあじろです。出典は
『図説 竹細工入門~竹製品の見方から製作へ~』佐藤庄五郎、共立出版、1993

67ページに、ますあじろの編み方として31×31の図が載っています。これを、そのまま縦ひも・横ひも・編みひも31本で作ってみました。写真には2つの側面が見えていますが、上下を入れ替えているのがわかるでしょうか。

ますあじろ

ますあじろは3つ飛びベースで作られていますが、これを2つ飛びにして底にしてみました。無理矢理詰めたので、底のひもが歪んでしまっていますが。。

ますあじろの底

プレビュー画像です。展開図は、上側面・右側面は元図どおり、下側面・左側面は元図を[上下交換]したものとなっていますが、編んだのは上側面・下側面が元図、左側面・右側面が[上下交換]です。62×31で作れば編んだ通りのデータが作れますが、単位模様のデータであることを優先しました。CraftBandSquare で開いていただくと元図・上下交換・2つ飛びの3種のパターンを取り出すことができます。

展開図・編み図

編みひもは白で作りましたが、白のままだと編み図としては見にくいため、データは「線のみ(中線あり)」で作っています。

丸網代編みのかご

名称丸 網代 編み
名称(読み)まる あじろ あみ
模様タイプ中心からの4象限
単位
バンド幅水平・垂直とも、中心から外に段階的に広→狭
飛び数1~5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

まんじ紗綾網代編みに続いてもうひとつ、
『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0
に掲載されている模様を作ってみました。93ページの「丸網代編み」です。

中心の幅を広くすると丸になるということで、10, 8, 6, 4 本幅を組み合わせてみました。

丸網代編み

4側面、それぞれ同じ丸になるようにしています。斜めから見ると丸が並んで見えて、同書94ページの「花網代編み」のような感じになります。

内側はこんなです。幅広のひもがあるので、底は2つ飛び網代編みにしました。

丸網代編みの内側

展開図の編み図です。
じーっと見ていると、底を中心とした同心円が見えるような気がしませんか?上の写真もそうなのですが、定規を当ててみると直線なのです。これも錯視なんでしょうか。

データです。

まんじ紗綾網代編み(卍さやあじろあみ)のかご

名称卍紗綾 網代 編み
綸子 網代 編み
名称(読み)まんじさや あじろ あみ
りんず あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位30×30
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性半回転
備考

網代編みの模様、自分で試してはみたもののまだまだ未熟です。

網代編みについては、
『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0
によると、縄文時代の土器の底部からも46種の網代編み模様が復原されているとのこと。伝統的な模様が既にたくさんあるのです。

同書、80ページに掲載されている「まんじ紗綾網代編み」でかごを作ってみました。パターンの繰り返し単位は30×30、ベースは3つ飛びで、部分的に1と5が加わっています。縦ひも・横ひもを各30本とし、高さは少し欠けて26段、4本幅で作ってみました。

まんじ紗綾網代編み

底も3つ飛びで作ったのですが、4本幅だと霧吹きが必要でした。6本幅で不要だったとしても、同じひもの厚さに対して幅が2/3になったわけですから、厚みの比率は1.5倍。その分詰めにくくなるのは当然ですね。

内側はこんな感じ。上下を逆にした模様になっています。

まんじ沙綾網代編みの内側

展開図の編み図です。

オレンジのひもが6mで足りるよう高さは26段で作りましたが、「ひも上下」のデータは30×30のユニット分持っています。CraftBandSquare でデータを開けば、模様の位置は[シフト]ボタンで、上下左右自由に動かすことができます。

例えば、正方形ではなく長方形のバッグを作るとしたら、

  • 縦ひも+横ひもの数が、15の倍数であれば、4側面の模様は連続する
  • 縦ひも+横ひもの数が、30の倍数であれば、相対する側面の模様は同じになる

6本幅、縦ひも41本、横ひも19本で作ってみた例です。

まんじ沙綾網代編みのバッグ

データです。

バッグのデータもつけておきます。

2つ飛び網代編みの模様かご

2つ飛び網代編みのボックス、4方向を組み合わせた菱形模様でかごを作ってみました。模様は側面に作り、ひもの色を変えて明確化しました。

2つ飛び網代編みの模様

底です。2つ飛び網代編み、そのままではやはり無理で、霧を吹いて詰める必要がありました。

2つ飛び網代編みの底

PPバンドと逆で、1×1は作りにくく、極力避ける。また、同じ方向にバンドが並列に並ぶと、PPバンドでは重なってしまいますが、厚さのあるクラフトバンド/紙バンドでは不可能ではない。重なりそうになったら、ボンドで貼るという裏技も使えますし。

上側面、重なった個所をマークしてみました。意図したわけではなく、上下の作りが下手だっただけなのですが、こういうパターンもクラフトバンド/紙バンドでは可能とわかったということで、良しとしましょう。

データです。

波網代編みの波模様の比較

初めてということもあって、波網代編みを試作してみましたが、では、台形(線形)でも、波型(サインカーブ)でも、波模様はあまり変わらないのでしょうか?

考えてみれば、3つ飛び網代編みは、ひもを3本はさみますから、例えば4幅と8幅、2種しかなかったとしても、幅は段階的に変わるのです。こんな風に。

  • 4 + 4 + 4 =12
  • 4 + 4 + 8 =16
  • 4 + 8 + 8 =20
  • 8 + 8 + 8=24

ですので、先の台形型波型に、更に階段型2極型を加えて、 CraftBandSquare のデータを作って、模様を比較してみましょう。

比較ついでに、3つ飛びと2つ飛びも比べてみます。こんなデータです。

  • 側面、4サイクル × 2サイクル分
  • 上の側面は、3つ飛びの網代編み
  • 下の側面は、2つ飛びの網代編み
  • (底は、平編み)
  • 模様がわかりやすいように、ひもの色を変える

波型台形型階段型2極型の4つを作って、図を表示させました。

波型、サインカーブに近い形の図です。

波型

台形型、途中は直線的な幅の変化です。

台形型

階段型、10幅・7幅・4幅・7幅の階段状の幅の変化。

階段型

2極型、10幅と4幅だけ。

2極型

底の平編みだと波模様になりませんが、2つ飛び、3つ飛びの網代編みになると波になる。移動平均みたいなものですから、3つ飛びの方が滑らか。階段状で十分に波となり、幅が2種類しかなかったとしても、ブロック状よりは波に見える。でしょうか。

データです。波型台形型階段型2極型の順。

グラフ元のエクセルもつけておきます。

追記

アプリを使うと、自分で作成した幅と並びから、どんな波模様になるかを見ることができます。操作はこちら並びの例はこちら。動画もあります。