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ソフトウェアの説明書

輪弧の底編み図の作例

Ver1.8.11のCraftBandMeshを使って、輪弧の底編み図をいくつか作図させてみました。

[底(輪弧)]タブで、基本の数値として幅と本数、輪弧用の3点のパラメータを入力します。編み目の有無は、[プレビュー]タブの「底ひも」、上下なし・下上・上下の三択で、「連続数」の並びをその下・上の順に重ねる図を描きます。

図の色が抜けていたら、物理的には重なり得ない状態ということです。その場合は、以下、いずれかの調整を行ってください。

  • 内円の半径を大きくする
  • ひもの本数を減らす
  • ひも幅を狭くする(細いひもにする)
  • 連続数(飛び数)を大きくする

4すくい2おさえ、反時計回り

内部的な処理は一方向、ひも番号順にひもに垂直な角度ですので、反時計回りになります。中心左巻きがメジャーのようですので、下上として優先選択にしました。

ひも幅8本幅(8mm)本数20本
内円の半径80mm底部分の径200mm
上下の連続数4,2,4[プレビュー]の底ひも下上

3すくい2おさえ、時計回り

下上/上下を変えると中心が右巻きになります。

ひも幅8本幅(8mm)本数20本
内円の半径48mm底部分の径200mm
上下の連続数3,2,1,1,1,1[プレビュー]の底ひも上下

5本ごとの色

[底(縦横)]タブの「縦横を展開する」で、縦ひも個別に色が指定できるようになります。
5色の繰り返しを設定してみました。

ひも幅8本幅(8mm)本数30本
内円の半径80mm底部分の径200mm
上下の連続数4,2,2,2,2,2[プレビュー]の底ひも下上

細いひご60本

幅を細くして、本数を増やしてみました。

ひも幅3本幅(3mm)本数60本
内円の半径100mm底部分の径100mm
上下の連続数5,2,2,2,2,17[プレビュー]の底ひも下上

絵が描けても編めるとは限りませんが、描けなければ(白抜け箇所があれば)編めません。数値は簡単に変えられますから、描ける組み合わせになるよう調整してください。「輪弧長」として、その径に必要なひごの長さも表示されます。

なお、プレビュー図は編んだ結果に相当しますが、編む手順については

  • 反時計回りに置いていく/時計回りに置いていく
  • 下に重ねる(すくい・もぐり・under)→上に重ねる(おさえ・のせ・over) / 上に重ねる→下に重ねる

の組み合わせになるようです。2×2で手順は4種類、結果は右巻き/左巻きの2種類ですから、両方を同時に変えたら結果は同じになります。


八木澤竹芸ブログ -バンブーログ-」という竹工芸家の方のブログがあります。そのサイトの記事「輪口編み、輪弧編みと地域の編み方」に、中心右巻きになる手順・左巻きになる手順、両方について、ステップごとの写真とともに詳しく説明されています。そして、これら編み方は地域によって異なり

籠の編目を見れば、どこの地域で製作された籠なのか、分かる人には分かります。

なのだそうです。輪弧という発想自体は普遍で、右巻きも左巻きも難易度は変わらないということですよね。興味深いです。

八木澤様には記事へのリンクのご許可を頂いています。ありがとうございました。

V1.8.11 リリース

#issue#75,#90 に対応しました。
CraftBandMesh で丸底のかごがデザインできるようになりました。

メイン画面で、底の配置タイプを次の3点から選べます。

  • 直角に交差(横ひも・縦ひも)
  • 放射状に置く(縦ひも)
  • 輪弧に置く(縦ひも)

初期値は「直角に交差(横ひも・縦ひも)」で、従来と互換になります。

Meshのメイン画面に追加

放射状に置く(縦ひも)

このタイプでは、横置きの横ひもは使いません。
「縦ひも」として指定したひもを、放射状に等角で配置します。

底編みの開始は、

  • 円周 = ( 縦ひもの幅 + ひとつのすき間の寸法 ) × 縦ひもの本数

となる径の位置です。[底(楕円)」のタブで指定します。差しひもも可能です。

側面の指定は従来通りです。プレビュー図の例はこんな感じ。

輪弧に置く(縦ひも)

このタイプを選択すると[底(楕円)]のタブが[底(輪弧)]に切り替わります。

指定した本数の縦ひもを「内円の半径」の円周に外接するように配置します。
ひもの長さ(輪弧長)は「底部分の径」として指定した円の内部です。

編み目は、ひもの中心から順に、上・下・上… もしくは 下・上・下… それぞれ何点ずつ連続させるかを6点まで指定できます。

設定画面はこんなです。プレビューで対応する図が見られます。

輪弧の設定画面とプレビュー例

輪弧の機能については、現バージョンでは、テスト機能であり、今後のバージョンアップで機能やファイルフォーマットが、旧バージョンとの互換なく変更される可能性があることをご了承ください。

ダウンロードはこちら
Release v1.8.11 のリリース

※サンプル設定ファイルは、「竹ひご(1幅1ミリ)」「汎用(1幅1ミリ)」の「本幅の幅」に1点をセットしました。また、[編みかた]の「スペース」の「底使用」をONにしました。

V1.8.10 リリース

issue#74,86-89に対応しました。

[規定値]フォルダを選択可能に

[規定値]ボタンから、ひな型として指定したファイルを読み取る機能ですが、従来は1点だけでした。これを、ファイルではなくフォルダ指定に変更しました。既定値フォルダの中にファイルを置くだけで、何点でも、ひな型として使えるようになりました。

各アプリごと、ひな型を置く専用フォルダを作成してください。例えば「mesh-template」「square-template」など。日本語名でもOKです。そして、ひな型として使いたいデータファイル(.xml)をそのフォルダの中に入れてください。

つぎに、それぞれのアプリを起動して、[設定]メニューから[規定値保存フォルダ]を呼び出し、そのフォルダを指定してください。一度指定すれば、以降はいつでも[規定値]ボタンが使えるようになります。

それぞれのアプリの[規定値]ボタンをクリックすると、ひな型専用フォルダの中にあるデータファイルがリストアップされます。選ぶ際の参考に、目標寸法やタイトルなどの情報も表示されます。

①使いたいデータをクリックして選択すると
②画面下部、ロード対象として指定されますので
③[ロードする]ボタンをクリックすると、現データに読み取られます
 (この操作で、ひな型自体が変更されることはありません)

よく使うサイズ、S,M,L をあらかじめ用意しておくとか、楕円底パターンを作っておくとか、自分専用のライブラリが構築できます。

CraftBandMesh のプレビュー画像

Meshのプレビュー画像で、「右上」か「全体」かが選べるようになりました。
他のアプリと同じように、底全体を見られるようになりました。

その他

  • 「バンドの種類」の設定に「基本のひも幅」が増えました。数値をセットしておくと、そのバンドを使って「新規作成」した時の「基本のひも幅」になります。
  • CraftBandSquare で、高さの目(すき間高)として、底の目(すき間)とは異なる数値が設定できるようになりました。変えたい場合は「底とは別」のチェックをONにしてください。
  • 現対象の設定ファイルの識別情報が、表示・編集可能になりました。

ダウンロードはこちら。
Release v1.8.10 のリリース

※サンプル設定ファイルは、「竹ひご(1幅1ミリ)」「汎用(1幅1ミリ)」の「基本のひも幅」を各 5と10にしています。それ以外の変更はありません。

補助線の描画、方眼の例

かごをデザインする場合は、かご形状のプレビューが得られます。でも、メッシュワークでは、最終的に作りたい形とは別に、模様だけを作るケースがあります。そのような場合、作りたいサイズで補助線が引かれていると便利でしょう。

また、縮小印刷した図の背景に、方眼が描画されていれば、配置や長さの参考になります。

Ver1.8.6で加わった「補助線」の機能を使えば、線の種類は限定的ですが、プレビュー図にこのような線を加えることができます。

補助線機能で方眼

[追加品]として次のような補助線を加えました。集計対象外ですので、ひもの長さにはカウントされません。

中央が原点(0,0)です。
横線は

  • 原点を通るライン1本 紫
  • +10mm ごとに、15本 ピンク、原点から上に
  • -10mmごとに、15本 オレンジ、原点から下に

縦線は

  • 原点を通るライン1本 深緑
  • +10mm ごとに、11本 シアン、原点から右に
  • -10mmごとに、11本 紺、原点から左に

CraftBandHexagonの例ですが、追加品の機能は全5点のアプリで共通ですので、いずれのアプリにおいても同じような線をひくことができます。

例のデータです。データは説明用に色をつけていますが、最初の図は「線のみ(細)」と「線のみ」を使い、リスト出力記号も空にしたものです。

『パソコンを使ってメッシュワークの模様をデザインしよう』令和6年度後期りぶら講座

講座は終了しました。ご参加いただきました皆様、ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。

講座の案内はこちら

講座で使用したパワーポイントです

同内容のPDFファイルです

動作環境の準備

  1. 起動するまで」を参照して、アプリをインストールしてください。完了すると、デスクトップに5点のアイコンが作られます。
  2. 今回使用するのは、うち3点《CraftBandSquare》《CraftBandSquare45》《CraftBandHexagon》です。
  3. 《CraftBandSquare》のアイコンをダブルクリックして起動し、設定ファイルの場所と名前を聞かれたら、”ドキュメント”など自分のファイル保存用の場所(デスクトップはお勧めしません)を指定して、メイン画面が開いたら終了させてください。
  4. 《CraftBandSquare45》《CraftBandHexagon》についても同様に、同じファイルを指定してください。
  5. これで、3点のアプリが起動できるようになりました。

<配布は終了しました>

  1. 上のファイルをダウンロードしてください。
  2. 《CraftBandSquare》を起動し、[設定]メニューの[基本設定]画面を開いてください。
  3. 画面が開いたら、[インポート]ボタンをクリックし、上でダウンロードしたファイルを指定して[開く]としてください。上書きの問い合わせには[はい]としてください。
  4. 更新メッセージが表示されたら完了です。この操作により、[ひも上下]から呼び出せる模様の数が増えます。(《CraftBandSquare45》の操作は不要です)
  1. 《CraftBandSquare》のアイコンをダブルクリックして起動してください。
  2. [編集]メニューの[バンドの種類選択]画面を開いてください。
  3. 「対象バンドの種類名」から「汎用(1幅1ミリ)」を選び、「出力時の寸法単位」は“cm “を選んでください。選択出来たら[OK]ボタンでこの画面を閉じ、メイン画面も終了させてください。
  4. 《CraftBandSquare45》《CraftBandHexagon》についても同様に、「対象バンドの種類名」と「出力時の寸法単位」を選択してください。

演習: やってみましょう

※各タイトルがリンクになっています。指示に従って、操作してみましょう。

3点のアプリ、《CraftBandSquare》《CraftBandSquare45》《CraftBandHexagon》を使ってみましょう。バンド個別に色を設定して、作られる模様を見てみましょう。色の編集機能を使って、繰り返し設定や一括変更をしてみましょう。

《CraftBandSquare》と《CraftBandSquare45》には[ひも上下]というタブがあります。縦横、指定した本数を単位として、チェックONは縦ひもが上・チェックOFFは横ひもが上の編み目を設定するものです。編み目で作られる模様を見てみましょう。

《CraftBandHexagon》では、3方向のバンドの重なり位置と繰り返し色の配置を合わせることで、ベビーブロックやシックススターなどの模様を作ることができます。ルールに合わせて、模様を作ってみましょう。

バンド幅と描画色

※先の演習で作ったデータを、以下を参考に、自由に変更してみましょう。

演習では、バンドの種類は「汎用(1幅1ミリ)」を使い、全てのバンドを同じ「10本幅(10mm)」にしていました。

「10本幅」としたのは、1センチ幅で作るとわかりやすいだろうということで、固定値ではありません。同じ画面の操作で、1本幅(1mm) ~ 50本幅(50mm) の任意の数値を選ぶことができます。

縦ひも、横ひもなどのタブには、1行につき1本のバンドが表示されていますが、「何本幅」の数値を変えることで、1mmから50mmの幅に変えることができます。[設定]メニューの[色の繰り返し]画面から、幅の繰り返しを作ることもできます。

使用したバンドの種類「汎用(1幅1ミリ)」もまた、固定ではありません。登録されている「バンドの種類」から任意に選んで使うことができますし、更には、ご自分で、使いたい幅のバンドを登録することができます。

演習では、登録されている中から色を選んでいましたが、「描画色」を作成して、その色で図を描かせることもできます。

  • 「描画色の作成」のページには、写真から読み取った色を登録する例があります。
  • [設定]-[描画色]のページには、どう描画されるのかなどの仕様説明があります。

応用に向けて

ここまでで、

  • 「任意の幅」「任意の色」のバンドを
  • 2軸では、任意の編み目を組み合わせて
  • 3軸では、鉄線編みの位置を合わせて

模様を作れるようになりました。

ソフトを使うことで、

  • いちど作ったデータは、ファイル化して再利用することができます
  • 様々なデータファイルを体系的に作れば、ライブラリになります
  • ひな型の色をセットで変えて、簡単に色合わせすることができます
  • 画像を、実寸で印刷すれば、型紙にすることができます

皆さんは、“何に使いたい”と思って受講されたのでしょうか。その目的は果たせそうでしょうか。サイトでも何点か試作してみましたが、いろいろ応用してみてください。

そして、今回は、平面だけを扱いましたが、本来は「かご」の立体形状をデザインするソフトです。平面をマスターされましたら、高さを加えた立体にも、チャレンジしてみてください。