CraftBandMesh V1.5 をリリースしました。
- CraftBandMeshにプレビュー機能が実装されました
- グリッドのコピペが可能になりました。
セル選択後、右クリックで指定してください。 - その他、issue対応
インストールについては「起動するまで」のページをご覧ください。
CraftBandMesh V1.5 をリリースしました。
インストールについては「起動するまで」のページをご覧ください。
底の楕円部分を追いかけ編みで編んだとして、プレビュー図の角の円弧部分は、楕円で、底の縦ひも・横ひもの外側になるように描いています。
でも、実際に編んでみると、<最上と最下の短いひも>と重なるので、より丸く小さい。
上の絵に、違いを描き入れてみると、こんな感じでしょうか。
ひもの長さの計算では、この状態に対応して、次の2点の設定値を計算に使っています。
~加算という名前ですが、いずれも通常はマイナスの値を設定し、それを加算することで、計算値を小さくするものです。
「楕円底周の加算」は、縦ひも+横ひもで作られる長方形部分の長さに加算する値です。ここには、上図の赤文字部分、斜めに重なることで短くなる長さを設定します。
「楕円底円弧の半径加算」は、円弧を計算する時の半径に加算する値です。ここには、上図の青文字部分、小さくなった分の長さを設定します。
これら2点の値は、基本的には、バンドの種類ごとに設定されますが、個別のデータで持つこともできます。常に固定というより、ひもの幅、特に<最上と最下の短いひも>の幅で変わりますし、何といっても、編む人の編みかたに依存します。
また、側面と同じで、例えば3周を設定したなら、一番外側の計算値を3倍しています。周ごとに計算しているわけではありません。そういう設定も可能だということで、通常は既定値でよいのではないかと思います。
issue#18対応で、楕円底の設定画面に「円弧部分長」と「差しひも間のすき間」の表示を増やしました。これは、ひとつの角について、上述のようにして計算した円弧部分の長さと、
差しひも間のすき間=円弧部分長 - (差しひもの数 × 差しひもの幅)
の値です。この値がマイナスになるということは、円弧より差しひもの幅の方が広い、つまり差しひもがきれいに差せない(重なるか、根元にすき間が空くか)ということ。
また、差しひもに続いて追いかけ編みやねじり編みをした後、立ち上げた時にどのくらいの間隔になるかの目安になります。
例えば、下の図、5本幅で追いかけ編み1周の例ですが、差しひも2本(全体では2*4=8本)は難しいでしょう。「差しひも間のすき間」は、-2.4でした。
正確な値を得るには「楕円底円弧の半径加算」「楕円底周の加算」などを合わせる必要がありますが、何周編む必要があるかの目安にはなるのではないでしょうか。また、数値でなくても、プレビュー図でもおおよその状況はつかめるでしょう。
issue#11としてあがっているのは、CraftBandMeshにプレビュー機能が欲しい、というものです。
後発のCraftBandSquare45, CraftBandKnot にはプレビュー機能がありますから、まあ当然ですね。開発中バージョンですが、こんな感じのプレビューです。
これは、『このサイズ』No.10猫ちゃんかごの画像です。等倍で作っており、大きいのでアップロード時に少し縮小しました。これで、要望のあった
は確認できると思います。
側面の広がりについては「周長比率対底の周」に比率を設定することで、底に対してどのくらい増やす/減らすか設定できます。でもこの値は、編みかたごとなので、下15周の追いかけ編みは同じ1.1倍の絵です。
実際には、15周編みながら少しづつ増やしていくわけですが、ひもの長さは、周長 * 15 として計算しますので、それを反映しています。ひもの長さは多めに算出されますが、多少余るのは問題ないでしょうから。
もし、もうすこし細かく絵・ひもの長さを調整したければ、
追いかけ編み 15周 1点 → 追いかけ編み1周 15点
でデータを作れば、周ごとに細かく「周長比率対底の周」を設定できます。(「次周連続」にチェックを入れれば、連続したひもとして長さを計算します) 輪編みですが、そのように作った例が「周長2倍のかご」です。こんな絵になります。
楕円部分については、長い横ひもと縦ひもがクロスする位置を中心とした楕円を描いています。これでおおよそのバランスは把握できるのではないでしょうか。
なお、ひもの長さについてはこの絵の長さではなく、実物に合わせてもう少し短く計算しています。これについては、次の楕円部分のひもの長さの計算で説明します。
Ver1.1 リリース記念として行っていた『このサイズが欲しい!』キャンペーン、先着10名様にCraftBandMeshを使ってご希望のかごをお作りする、というものでした。
昨年12月から少しづつ進めてきましたが、ようやく10点、作り終えることができました。応募いただいた皆様には、サイズの詳細や使い方その他の質問に根気よく対応していただき、本当にありがとうございました。
サイズだけではなく、自分で作っていたら思い浮かばなかったようなデザイン、使い方。多様性ってすごいなぁと感心しましたし、いろいろ学ぶことができました。
キャンペーンは、CraftBandMeshを使えば、正確なサイズで、実用的なかごが作れることの実証実験でもありましたが、その目的は果たされたのではないかと思います。
先生の豊富な経験に比べたら全くのひよっ子でも、アプリを使えば、オリジナルが作れるんです。実のところ、登録されている全ての編みかたを覚えているか?と問われれば、答えはノー。都度、本を見たりYouTubeを見ながらだったりしますが、名前がわかれば探せるのです。
アプリのラインナップも増えました。色を個別指定する機能も増えました。皆さんも是非、CraftBandMeshシリーズ、使ってみてください。
gitHubにはまた、いくつかissueが上がっています。
次は、そちらの対応を行っていく予定です。
四つ畳み編みの要尺とコマ寸法については、どんぐりさんのサイト『日々の楽しみ』の記事『エコクラフト クラフトバンド 石畳編み 畝幅別必要な長さの算出 ゲージ recycled pulp tape gauge』のページに、2幅~12幅全てについて詳細な測定報告が掲載されています。測定方法は動画でも説明されており、とてもわかりやすいです。
どんぐりさんに、craftbandknotの要尺とコマ寸法の機能の検証に、上記データを使わせていただけないかお聞きしたところ、快く了承いだきました。検証したいのは、
です。
操作手順
1.「バンドの種類」に「12畝で1.5㎝」を追加登録します。これが、どんぐりさんが使用されたバンドとなります。12畝は12本幅、1.5cmは15mmとして登録します。
2.「ゲージ」画面を開き、対象バンドの種類名から、1.で登録した「12畝で1.5㎝」を選択すると、コマ寸法計算値とコマ要尺計算値に、値が表示されています。これが既定値となります。これをどんぐりさんが測定された値(以降、測定値と記載します)と比較してみます。
3.測定値を、対応する本幅(畝)のコマ寸法実測値・コマ要尺実測値のセルに入力し、[係数取得]ボタンをクリックします。その後表示されるコマ寸法計算値とコマ要尺計算値が、全測定値を係数化した値となります。これを測定値と比較してみます。
3.全ての幅ではなく、2~3点だけの測定をするとしたら、扱いやすいのは、12本幅(そのまま)と6本幅(1/2)と4本幅(1/3)でしょう。この3種類の値を使って係数化してみます。
まず、6幅と12幅のみを係数化してみます。「係数取得区分」の6幅と12幅のチェックをONにし、他はOFFにして、[係数取得]ボタンをクリックします。その後表示されるコマ寸法計算値とコマ要尺計算値が、6幅と12幅の測定値のみを係数化した値となります。これを測定値と比較してみます。
同様に、
を係数化し、その結果表示された値を取得します。
実行結果(要尺)
上記の操作により得られた、コマ要尺計算値を測定値と比較してみました。
本幅に対する各値をグラフにするとこうなります。
測定値に対して、各計算値がどの程度ずれているかを、(測定値 – 計算値)/測定値 のパーセントで比較してみました。
既定値は、最大5%程度の差があります。使用するひもの長さが1メートルであれば5センチ以内ですが、測定値に対してプラス(長め)になっているので、そこそこ使える値、といえるのではないでしょうか。
全測定値を係数化した値は、かなり測定値に近い値になっています。差がいちばん大きいのが2本幅で3%、他はほぼ1%以内に収まっています。
2~3点を係数化した値では、いずれも2幅で差がいちばん大きくなっています。測定値との差が最も小さいのは「4幅と6幅」ですが、12幅の差が2%と多め。全体的に差がちいさいのは「4幅と12幅」で、2幅・3幅以外は1%以下です。「4幅と6幅と12幅」の3点を使っても、精度はあまり上がりません。
実行結果(コマ寸法)
同様に、コマ寸法計算値を測定値と比較してみました。
本幅に対する各値をグラフにするとこうなります。
測定値に対して、各計算値がどの程度ずれているかを、(測定値 – 計算値)/測定値 のパーセントで比較した結果です。
既定値は、最大10%程度の差があります。サイズが20センチとすると2センチ程度ですので、厳密なサイズを得るのは既定値では難しいということです。でも、幅が広くなるにつれ差は小さくなっていきます。
全測定値を係数化した値は、かなり測定値に近い値になっています。差が大きいのは2本幅と5本幅で約2%ですが、他はほぼ1%以内に収まっています。
2~3点を係数化した値では、いずれも2幅で差がいちばん大きくなっています。いちばん測定値との差が小さいのは「4幅と12幅」でほぼ1%以内。「4幅と6幅」は差が2%を越えるものが多い。「4幅と6幅と12幅」の3点を使うと2点より精度はよくなります。
結論
こんな設定になります。
ちなみに、係数化に使った値(4幅と12幅)は、2点の場合、計算値=実測値となりますので、4幅と12幅の「実測値使用区分」はONでもOFFでもサイズ計算は同じになります。
ということで、検証3点の結果を得ることができました。要尺とコマ寸法を測る手順については、どんぐりさんのページの動画がおすすめです。どんぐりさん、ありがとうございました。
計算結果のエクセルを添付しておきます。