長さと重さの換算

CraftBandMesh V1.5.1 マイナーチェンジをリリース、長さと重さの換算機能を追加しました。

面積長の投稿に、作品の重さを測ってバンドの長さを割り出す、という記述がありますが、それより、手持ちのバンドの残りはどのくらいか知りたかったのです。

~メートルあたり~グラム、という数字がわかっていれば、計算自体はアレクサでもOKグーグルでもすぐに教えてくれますが、それぞれの値をメモしておかなければなりません。そのメモを、バンドの種類ごと「長さと重さ」として保存できるようにしました。

「長さと重さ」には、「<長さ> <長さの単位> = <重さ> <重さの単位>」の形式で数値と文字をセットします。そして、[長さと重さ]ボタンをクリックすると、換算画面が開きます。

残っているPPバンドの重さを測り、重さのところにセットして、

重さ→長さのボタンをクリックすると、

結果が表示される、というわけです。

独立した機能なので、ひもリストに重さが表示されるわけではありません。
その代わり、どんな数値をどんな単位と組み合わせてもOK。「1ドル=134.39円」なんて設定でも、計算してくれたりします。

CraftBandMesh, CraftBandSquare45, CraftBandKnotの共通機能ですので、どのアプリから開いても同じに使えます。

面積長の試算

サイズを指定した時の面積長CraftBandMeshを使って、試してみました。

まず、目標寸法を

横30cm、縦(奥行)15cm、高さ20cm

に設定します。そして、基本のひも幅を、12本幅、8本幅、6本幅として、各5回ずつ、[概算]してみました。

[概算]では、側面と縁の編みかたが、毎回ランダムに選ばれます。どんな編みかたが選ばれたかと、集計値で表示された面積長が以下です。[リセット]でクリアされますので、[概算]→[ひもリスト]→[リセット]の繰り返しを15回。

基本のひも幅=12

試算No側面の編みかた面積長(メートル)
13本なわ編み31.6
2よろい編み33.2
3あぜ編み25.0
4掛け編み28.9
5飛ばし編み27.4
平均29.2

基本のひも幅=8

試算No側面の編みかた面積長(メートル)
1飛ばし編み23.2
2ねじり編み26.6
3あぜ編み25.4
4掛け編み27.9
53本なわ編み34.5
平均27.5

基本のひも幅=6

試算No側面の編みかた面積長(メートル)
1よろい編み29.2
2よろい編み29.9
3菱かがり26.2
43本なわ編み29.6
5追いかけ編み23.3
平均27.6

12本幅の3本なわ編みなんて普通はしないでしょ、みたいな編みかたが選ばれていたり、同じ編みかたが何度か選ばれていたり(縁の編みかたが違うため面積長は変わる)しますが、そこそこ同じような値が出ています。ざっと見て、30メートルくらいあれば作れそう、といえるでしょうか。

[概算]ボタンは、

  • クリア状態であれば、ランダムに編みかたを選択してセット
  • 側面で、編みかたが選ばれていれば、その周数をセット
  • 底(楕円)で、編みかたや差しひもが選ばれていれば、それに合う横ひも・縦ひもをセット

ですので、もう少し条件を限定して[概算]させることもできます。
あと数分かけて、編みかたの幅や組み合わせを選べば、シンプルなかごならもうそれで、レシピになるかもしれません。

ということで、作りたいサイズから、おおよそ必要なひもの量の概算、

  • 手持ちの残りで作れるかな?
  • 何メートル買ったらいいの?

の目安になるのではないでしょうか。

面積長とは?

CraftBandMeshシリーズのアプリはいずれも、ひもリストの「集計値」の出力に「面積長」を出力しています。これは何でしょうか。簡単に言えば、

最低限必要な、ひもの長さ

です。

その(割いた)本幅数×長さと同じ面積を持つ、使用ひもの(割かない)長さ、だからです。計算自体は、長方形の面積計算ですから小学校の算数レベル。

例えば、12本幅のひもを使って、20cmのひもを2本カットしたいとします。

使いたい本幅実際に必要なひもの長さとり方面積長面積長の計算式
12本幅40cm割かずに2本40cm12×20×2 / 12
8本幅40cm8本幅と4本幅に割く
4本幅分は残る
26.7cm8×20×2 / 12
6本幅20cm6本幅2本に割く20cm6×20×2 / 12
4本幅20cm4本幅3本に割く
1本は残る
13.3cm4×20×2 / 12

欲しい本幅数で割いて、カットしますので、上の例では8本幅・4本幅では使われない残りが出てきます。そのため、実際に必要なひもの長さは、面積長より長くなります。

面積長というのは、残りが一切なかったとしたらの仮想的な長さであり、最大限効率よくカットできた時の長さである、つまり最低限必要な長さ、ということなのです。

既にできた作品があり、それを作るにはどのくらいの長さのひもが必要かを知りたい時に、作品の重さを測るという方法があります。

例えば、作品が320gで、ひも6mが59gだったとしたら、

(320/59)×6=32.6

で約33m必要ですね、という計算方法です。

面積長というのは、これと同じような目安値といえるでしょう。
では、面積長、どのくらい使える数字なのでしょうか。
試算してみましょう

楕円部分のひもの長さの計算

底の楕円部分を追いかけ編みで編んだとして、プレビュー図の角の円弧部分は、楕円で、底の縦ひも・横ひもの外側になるように描いています。

でも、実際に編んでみると、<最上と最下の短いひも>と重なるので、より丸く小さい。

上の絵に、違いを描き入れてみると、こんな感じでしょうか。

ひもの長さの計算では、この状態に対応して、次の2点の設定値を計算に使っています。

  • 楕円底周の加算
  • 楕円底円弧の半径加算

~加算という名前ですが、いずれも通常はマイナスの値を設定し、それを加算することで、計算値を小さくするものです。

「楕円底周の加算」は、縦ひも+横ひもで作られる長方形部分の長さに加算する値です。ここには、上図の赤文字部分、斜めに重なることで短くなる長さを設定します。

「楕円底円弧の半径加算」は、円弧を計算する時の半径に加算する値です。ここには、上図の青文字部分、小さくなった分の長さを設定します。

これら2点の値は、基本的には、バンドの種類ごとに設定されますが、個別のデータで持つこともできます。常に固定というより、ひもの幅、特に<最上と最下の短いひも>の幅で変わりますし、何といっても、編む人の編みかたに依存します。

また、側面と同じで、例えば3周を設定したなら、一番外側の計算値を3倍しています。周ごとに計算しているわけではありません。そういう設定も可能だということで、通常は既定値でよいのではないかと思います。

issue#18対応で、楕円底の設定画面に「円弧部分長」と「差しひも間のすき間」の表示を増やしました。これは、ひとつの角について、上述のようにして計算した円弧部分の長さと、

差しひも間のすき間=円弧部分長 - (差しひもの数 × 差しひもの幅)

の値です。この値がマイナスになるということは、円弧より差しひもの幅の方が広い、つまり差しひもがきれいに差せない(重なるか、根元にすき間が空くか)ということ。

また、差しひもに続いて追いかけ編みやねじり編みをした後、立ち上げた時にどのくらいの間隔になるかの目安になります。

例えば、下の図、5本幅で追いかけ編み1周の例ですが、差しひも2本(全体では2*4=8本)は難しいでしょう。「差しひも間のすき間」は、-2.4でした。

正確な値を得るには「楕円底円弧の半径加算」「楕円底周の加算」などを合わせる必要がありますが、何周編む必要があるかの目安にはなるのではないでしょうか。また、数値でなくても、プレビュー図でもおおよその状況はつかめるでしょう。