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CraftBandSquare45で作成

斜め網代編み2色のバッグ

折りカラー編みについて、平編みで説明しましたが、同じバンドの並びであれば編み目を変えても同様にできるはず。網代編みで試してみました。

ドット模様と同様、先にPPバンドで網代編みを試作した時底で2色を重ねましたが、折りカラー編みでは底はそのままなので簡単です。3つ飛びなのでクラフトバンド/紙バンドで、側面の模様がわかるようにバッグにしてみました。

斜め網代編み2色のバッグ

すき間は0.4ミリにしました。6本幅で3つ飛びなのでもっと詰められるのですが、厚みのあるバンドで折り返し効果がわからないし、初めてのバッグだしで、かなりな安全値です。編みやすかったのですが、出来てみると不均一で、もう少し詰めてもよかったと思いました。

底と内側です。

折り返しについては、底まで伸ばすのは全体ではなく外側になる分だけとし、内側は6センチほどにしました(でも、ちょっと少なすぎでした)。底での縁の始末は短辺側ですが、長方形の入れ子の長桝網代編みですから、中央まで伸ばすより合っていると思います。

今のところ、CraftBandSquare45では、それぞれのバンドに加える「ひも長加算」が1点しか設定できず、加算値はバンドの両側に均分されます。でも、外側になるバンドは片側だけなのです。

ですので、[プレビュー]は下図のようになりますが、実際に編むときは、底の長方形の短辺側に寄せました。左側の図、赤と青の4箇所の平行四辺形部分、点線部分を実線部分に移動です。そして、部分的に長いバンドの状態を側面まで編んだのが右写真です。

縦横と高さの条件は、先の適用例と同じです。

  • 横の四角数 23
  • 縦の四角数 11
  • 高さの四角数 17 = (23+11)/2

折り返し位置は、白のブロックと茶色のブロックが交差する対角線となります。3つ飛び長方形の真ん中です。

CraftBandSquare45のデータです。底の配置は上述のように調整してください。

さて。出来たバッグを見た一般人Aさん曰く。

外側?普通じゃん。単なる線だし、不揃いだし。
それより内側の模様の方が、ダイナミックでカッコいいじゃん。

「角が茶色と白の箱」の呪縛、恐るべしです。まぁ確かに、下手なので、重ねたバンドは少しずれてしまっていますが。

北欧編みの2色の小かご

以前、北欧編みの小かごを作りました。その同じサイズを、折りカラー編みで2色にしてみました。同じように持ち手もつけてみました。

北欧編みの2色の小かご

普通の12本幅のクラフトバンド/紙バンドですので、作れるんだろうかと思いつつだったのですが、何とかなるものですね。地はバンドが4重、持ち手の差し込み位置に至っては6重になっているのですが、それがぷっくりした形になって、むしろカワイイかも。すき間も埋まりました。

内側と底はこんな感じ。

北欧編みの2色の小かごの内側と底

横の四角数5・縦の四角数3・高さの四角数3です。全クロスの高さは(5+3)/2 = 4ですので、高さはマイナス1、底の4端を色替えしました。

内側からの底編み図です。

縁の折り位置。横の四角数に対応した5点を外側にした方が作りやすいです。

データです。

こんな感じで編みました。

動画で使っている底編み図の実寸pdfです。枚数が多いので、底部分だけ印刷してもよいかも。

『折りカラー編み(OriColorWeave)』斜め編みの高さ

先稿で、折りカラー編みの適用例として縦横二色の斜め編みを説明しました。

最初に底をクロスに作る場合、作ることができる「かご」の高さは (縦+横)/2 の 倍数ですから、縦横の四角数が決まればほぼ決まります。最小値は、バッグとして不自然ではないバランスですので、十分使える値だと思いますが、高さを変えて作ることはできないのでしょうか。

実は、変えられるのです。実際、北欧風市松模様のかごは、式の半分の高さで作りました。そして更に、先に試した横の四角数4・縦の四角数3で、高さを変えて2個、作ってみました。

高さを変えた「折りカラー編み」

高さを変えるには、底のバンドの並びを変えます。並べた縦横の両端、ひとつ変えるごとに、高さがひとつずつ低くなります。

今の例では、(横の四角数+縦の四角数) / 2 である高さは3.5です。上の写真は、左が高さ2.5・右が高さ1.5で作りました。3.5と合わせて、3点のプレビュー図を並べてみましょう。

このように、折り返しの縁のラインを合わせてみると、クロス(格子模様)が同色のブロックに変わっていく位置を、順に底にしている、ということがわかります。

そして、先と合わせて4つのかごの底を並べてみると、こうなります。

折りカラー編みのかごの底

高さによらず、同じ模様が現れてくるのです。考えてみれば、底の辺は、すべて側面が同じドット模様になるバンドの並びで出来ているわけですから、中も同じになって然るべきなのでしょう。でも、最初に作る底が違うので、作ってみるまでわかりませんでした。

内側はこんなです。右の2点は、底が浅いので底までバンドを折り返し、その結果、底と同じ模様になりました。左の2点は、側面の下段でカットしているため最初のクロス(格子模様)が保持されています。

折りカラー編みのかごの内側

どの高さにおいても、左の2点のかごのように高さにプラス3.5で作ることは可能ですから、斜め編みでは、縦・横・高さは任意で、クロスに揃ったかごを折りカラー編みできる、と言えましょう。

上の2点のかごのデータをつけておきます。


側面全体をクロスにする時の バンドの配置ルール:

並べた縦横の両端、ひとつ変えるごとに高さがひとつずつ低くなる

については経験則で、数学的に証明[※]されたわけではありませんが、もうひとつのかごバッグ、横の四角数10・縦の四角数5の例でも同様、ということを示しておきます。

縦横2色のクロス

高さ 7.5 = (10+5)/2

端から1本、高さマイナス1

高さ 6.5 = (10+5)/2 – 1 (端から1本)

端から2本、高さマイナス2

高さ 5.5 = (10+5)/2 – 2 (端から2本)

端から3本、高さマイナス3

高さ 4.5 = (10+5)/2 – 3 (端から3本)

端から4本、高さマイナス4

高さ 3.5 = (10+5)/2 – 4 (端から4本)

『折りカラー編み(OriColorWeave)』とは

ここまで何点か「折りカラー編み」のかごを作ってきましたが、改めて、折りカラー編みとは何なのでしょう。ひとことで言うと、こうです。

バンドを折り返したときに現れる色を活かして 模様を作る編み方

この編み方の特徴は、裏表が同色のバンドを使用することにあります。折り返したバンドの裏面も、表面と変わらずに使うことができるため、意図的に模様の一部として取り入れることが可能になります。

従来、かごを編む際の模様づくりでは、主に表側のデザインのみが考慮されてきました。また、カットされたバンドの端は「縁」として処理する必要があり、折り返して処理する場合は、デザインに影響を与えないよう、次のような方法が取られてきました。

  • 同じ色のバンドに重ねる
  • 裏側に重ねる

折りカラー編みでは、この折り返し部分をデザインの一部として活かし、新たな模様を生み出します。

  • 折り返しによって、バンドの裏面を別の色のバンドに重ねることができる
  • 重ね方を工夫することで、色を変えることも、もとの色を残すことも選べる

このように、最初に作られた模様に「折り返し色」が加わることで、独自のデザインが完成するのが折りカラー編みの特徴です。

さらに、折りカラー編みでは、後から短いバンドを差し色として重ねるのではなく、底から伸びたバンドをそのまま使うため、強度が増し、縁の一体感が生まれます。

適用例

折りカラー編みの一番シンプルな適用例が、縦横二色の斜め編みです。すなわち、縦A色・横B色の二色で底を編み、斜め45度方向に折って立ち上げるパターンです。

底はA色とB色のクロスになっていますが、立ち上げた側面はクロスが崩れます。A色とB色が斜めに組み合わさり、A色B色のクロスだけでなく、A色同士・B色同士のブロック箇所が現れるのです。

折りカラー編みで、特定の高さで縁を作り、一部を外側(表側)に折り返すことで、A色同士・B色同士のブロックをクロスに戻し、外側の側面全体をクロス状態にすることができます。

更に、残り部分を内側(裏側)に折り返すことで、内側の側面もクロス状態にすることができます。そして、外側・内側の両面を折り返せば、側面全体が二重になった編地が作られます。

具体例で見てみましょう。

縁での折り返し

縁の折り返しタイプ

交差する2本が同色の場合(左図)は折り返しても色は変わりませんが、異なる2色が交差する場合は、色を変える(中図)ことも保持する(右図)こともできます。

斜め立ち上げと側面のバンド色

縦のバンドが白、横のバンドが紫で、平編みの例です。左図のように底を作り、黒枠線で示した位置を底として立ち上げて側面を編むと、右図のようになります。底はクロス(格子模様)ですが、側面には同色のブロックが現れます。

全バンドが交差する高さ位置

底を縦と横、別の2色のクロス(格子模様)にした場合、交差したバンドで作られる四角形を単位とすると、側面の高さが

(横の四角数 + 縦の四角数) / 2

定数倍の位置では、全てのバンドが2色の交差状態になります。

上図は、横の四角数4・縦の四角数3で平編みした時の展開図です。上の式に該当する高さの四角数、3.5・7・10.5・14 を例示しています。

折りカラー編み

全バンドが交差する高さ位置をにすると、折り返す時に、全バンドに対して、編み色を変えるかどうかを選ぶことができます。表側(外側)の模様についてであれば、

  • 色を変えるのであれば、外側に折り返す
  • 色を変えないのであれば、内側に折り返す

とすればよいのです。

そして、上図4つののライン、各、赤線と青線で示した部分(=クロス領域の対角線)は、同色ブロックの切り替わり箇所でもあります。なので、このライン上で、赤線ラインもしくは青線ラインのいずれかを外側に折り返せば、側面全てを2色のクロス(格子模様)に戻すことができます。

更に、裏側(内側)についても同じ状態になっており、は赤線ラインと青線ラインで分離していますから、外側に折り返した残りを内側に折り返すことで、内側も2色のクロス(格子模様)にすることができます。

[※]ただし、原理的に、底と側面の格子をすべて連続させることはできません。どこかで調整が必要ですが、位置は選べるので、それぞれのかごに適した場所にすればよいでしょう。

この例、横の四角数4・縦の四角数3で、小かごを作ってみました。高さの四角数7と3.5の2点です。

外側の方が重ね編みしやすいので、横の四角数4に対応した青線ラインで外側に折り返しました。内側にも折り返したのですが、高さ7の方は底まで手が届きにくく、下の方は妥協してしまいましたが。

CraftBandSquare45 のデータです。各、指定位置で折りカラー編みしてください。

PPバンド・北欧編み2色のかごバッグ

木目調のPPバンドで編む北欧風の市松模様、なかなか良い雰囲気です。ならばもっと活かしてみましょう。バッグです。

持ち手はサスペンダーで外付けしました。幅広なので丸編みの持ち手を括り付けにくいというのもあるのですが、内側も市松模様で揃っているのを崩したくなくて。端のない均一な編地です。

北欧編み2色のかごバッグ

この編み方、今まで ‘折り返し色のテクニック’ と書いてきましたが、もう少し短く、わかりやすいよう「折りカラー編み(OriColorWeave)」と名付けました。バンドを折り返したときの色を活かして模様を作る編み方だからです。

そしてこの折りカラー編み先の最後に書いたように、今回は少し変えてみました。

  1. 横の四角数(多い方)に対応した折り返しを、内側ではなく外側にする
  2. 底での端の始末を、辺ではなく「底の中央線」位置で調整する

1.は、実際、編みやすかったです。
2.は、1.の編み方の帰結として、外側の端は 底の長辺側で始末することになります。長辺ですから、辺ではなく中央部分まで重ねた方が自然な感じになるのです。

ドット模様のバッグと比べると、側面は全て二重の市松模様(ドット模様)ですから、どちらも同じ。でも、底の模様(模様と呼ぶならばですが)は異なります。そして、こうやって並べてみると、内側と外側が同じ模様になるのが面白い。一重の裏表ではなく二重の所以ですね。

北欧編み2色のかごバッグの内側と底

四角数8・4・6、約34×17×26センチのLサイズです。2色 のバンド、各30メートルからの残りを使い切りました。中央部分まで伸ばせるよう「ひも長加算(一端)」の値は大きめに設定しましたが、そもそも全体が二重ですから、一重の1.7倍ほどのバンドが必要です。

データは倍の高さで作っていますので、半分の高さで折り返してください。下図は[プレビュー2]に追記したものですが、縁は、赤線が外側・黒線が内側です。また、底については、切り替え箇所(底の中央線)を、赤線で示しています。

データです。持ち手は含まれていません。先と同じ設定ファイルを参照します。