月別アーカイブ: 2023年8月

交色ますあじろ/裏桝網代(うらますあじろ)編みのかご

名称裏桝 網代 編み
交色桝 網代 編み
名称(読み)うらます あじろ あみ
こうしょく ますあじろ あみ
模様タイプ中心からの4象限
単位各象限 6 × 6 [3つ飛び]
バンド幅
水平・垂直とも、中心B色・3本ごとB色
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

先の文献
『図説 竹細工入門~竹製品の見方から製作へ~』佐藤庄五郎、共立出版、1993
54ページに、図3・17 交色によるますあじろの変化 が掲載されており、次のような記述があります。

図3・17(a)のますあじろも、交色すること(3本のうち1本を)により、図(b)のように同じ編み方とは思えない模様が現れる。

ここに書かれている (a)ますあじろ は、先に作ったかごです。そして次に、同図 (b)交色ますあじろ でかごを作ってみました。

裏桝網代

先のますあじろは網代編みが菱形になっていましたが、これをX字型(開き網代)にし、上下交換(裏返し)すると(b)図の模様になりました。

先のかごと同じく、写真で見えている2つの側面は、元図、および[上下交換]した2パターンとなります。裏表で、中央が十字/中央が点 の模様が入れ替わっています。

底は菱形のますあじろです。X字型にせず、そのまま交色した時の模様(交色開き網代)になります。

中央から、水平・垂直とも3本ごとに茶・茶・白と色を変えて、1本目の茶で終わる数(27本)にして、各面の模様をつなげました。

裏桝網代の底

編み図です。実際には、右側面と下側面を入れ替えて編みました。

なお、名称ですが、記載されている「交色ますあじろ」だけでは広すぎますし、そもそも他のかごも、水平と垂直を交色で作っています。そのため、こちらの文献
『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0
70ページ「12 裏桝網代編み」の名称を併記しました。こんな図です。

説明に次のように記述されていますので、同じ編み方と判断しました。

桝網代編み(P.64)の編み方を、たて芯とよこ芯を共に3本おきに色を変えると、同じものとは思えない模様が現れます。配色の変化による模様のひとつです。

前者は1,3,5 飛び、こちらは1,2,3,4,5,6,7,9 飛びと細部は異なるので、「裏桝網代編み」にもいくつか亜種があるのでしょう。

データです。

V1.6.2 リリース

色の選択関連issue対応を行ったバージョンをリリースしました。

公開はこちら
Release v1.6.2.0のリリース

修正と合わせて、色の変更機能を追加しました。
いずれのアプリも、[編集]メニューの[色の変更]から呼び出すことができます。

色の変更画面

色が設定された状態で、この機能を呼び出すと、使用した色がリストアップされます。特定の色を他の色に、まとめて変更することができますので、色が設定されたデータの再利用が容易になります。

ますあじろ(桝網代)編みのかご

名称桝 網代 編み
名称(読み)ます あじろ あみ
模様タイプ中心からの4象限
単位各象限 6 × 6 [3つ飛び]
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

模様に1×1が多数ある方がよいPPバンドに対して、ない方がいいのがクラフトバンド/紙バンドです。厚みがありますから。

でも、クラフトバンド/紙バンドに比べてはるかに昔から作られてきた竹細工、竹は更に硬い。その竹で編めるように、何百年も伝えられ改良され残ってきた模様というのは、今更ですが、すごいと思います。

そんな伝統的な模様を集めてみることにしました。まず何があるのかわかっていないと、既存なのか組み合わせなのか、それとももしかして新しいのか?識別することができませんから。

その最初が、ますあじろです。出典は
『図説 竹細工入門~竹製品の見方から製作へ~』佐藤庄五郎、共立出版、1993

67ページに、ますあじろの編み方として31×31の図が載っています。これを、そのまま縦ひも・横ひも・編みひも31本で作ってみました。写真には2つの側面が見えていますが、上下を入れ替えているのがわかるでしょうか。

ますあじろ

ますあじろは3つ飛びベースで作られていますが、これを2つ飛びにして底にしてみました。無理矢理詰めたので、底のひもが歪んでしまっていますが。。

ますあじろの底

プレビュー画像です。展開図は、上側面・右側面は元図どおり、下側面・左側面は元図を[上下交換]したものとなっていますが、編んだのは上側面・下側面が元図、左側面・右側面が[上下交換]です。62×31で作れば編んだ通りのデータが作れますが、単位模様のデータであることを優先しました。CraftBandSquare で開いていただくと元図・上下交換・2つ飛びの3種のパターンを取り出すことができます。

展開図・編み図

編みひもは白で作りましたが、白のままだと編み図としては見にくいため、データは「線のみ(中線あり)」で作っています。

「模様」カテゴリーを追加しました

投稿の分類に「模様」カテゴリーを追加しました。これにより「模様」カテゴリーの投稿のみを見られるようになります。カテゴリーにセットするのは、

  • 模様がテーマとなっている
  • 添付データに模様が含まれている

ものです。

模様のデータについては、大別すると

  1. 単位となる色やひも上下のパターン、その繰り返しによる模様
  2. サイズ・バンド数に合わせて、複数パターンを組み合わせた模様

があります。データを再利用して、バンド本数を変えて使う場合は、

  1. であれば、パターンはそのまま使うことができますが、
  2. であれば、変更した本数に合わせた再設定が必要になります。

「模様」カテゴリーのデータにには、上記2種が含まれています。サイトでは、試作として可能なデータは1.で作っていますが、実用品を作るのであれば、1.をもとに2.としてデザインすると、よりよい作品が作れるでしょう。

なお、ひも上下については、設定データの「上下図」として登録・呼び出す機能がありますので、1.のパターンを登録しておけば2.に応用することができます。サンプルの設定データには、網代編み2つ飛び・網代編み3つ飛びレベルの基本的なパターンしか入れていませんが、必要に応じて、自分が使う模様を登録されればよいと思います。

※1./2.の識別については、データをダウンロードして、アプリで開いて、バンド本数を変えてプレビューしてみとすぐわかります。1.であれば、パターンの位置を上下左右にシフトしたり、反転したりしてもきれいにつながるはずです。

PPバンド・手織り模様のかご#62872

手織りの情報サイト https://www.handweaving.net/ から、ちょっと難しそうな模様でプラかごを作ってみました。#62872で、掲載はこちらです。

https://www.handweaving.net/draft-detail/62872/threading-draft-from-divisional-profile-tieup-master-weaver-draft-61297-fulford-quebec-canada-2005-2015?page=0&keyword=62872

パターンの単位は 20×20 で、縦ひも33本・横ひも17本としたため、4側面で模様がつながりますが、相対する面の模様位置は異なります。難しそうなというのは、同じ方向にバンドが並ぶ箇所が何点も出てくるからです。

#62872

作ってみるとやはり、1,3,5が同じ方向に並ぶ箇所はバンドが重なってしまうし、5つ飛び箇所は浮いた感じになってしまいました。上手に作るコツってあるんでしょうか。

底と、反対側の側面の模様です。

データです。CraftBandSquareで開くと展開図が見られます。単位模様の繰り返しですので、サイズなどを変更して使うことができます。

PPバンド・手織り模様のかご#27376

手織りの情報サイト https://www.handweaving.net/ から、また別の模様でプラかごを作ってみました。#27376で、掲載はこちらです。

https://www.handweaving.net/draft-detail/27376/page-143-figure-7-donat-franz-large-book-of-textile-patterns-germany-1895?page=0&keyword=27376

パターンの単位は 26×26、今までより大きめです。縦ひも33本・横ひも19本で、縦+横=52で2模様分。側面の相対する面は同じにしました。高さは24本のため上下が少し欠けます。

先と同じような片側同色模様なのですが、垂直ひもは硬め、側面の編みひもは少し柔らかめのPPバンドで編んでみました。5つ飛びも出てくるのですが、硬いバンドより少しは落ち着く感じです。

#27376

底は平編みです。

#27376の底

データです。CraftBandSquareで開くと展開図が見られます。単位模様の繰り返しですので、位置を変えることもできます。

PPバンド・手織り模様の浅かご#50003

手織りの情報サイト https://www.handweaving.net/ から、別の模様でプラかごを作ってみました。#50003で、掲載はこちらです。

https://www.handweaving.net/draft-detail/50003/page-159-figure-2-orimono-soshiki-hen-textile-system-yoshida-kiju-japan-1903?page=0&keyword=50003

交互2色、パターンの単位は 16×16です。側面は#50003の模様、底が見える浅いかごにして、底は 16×16のパターンを倍に拡大した32×32のパターンにしてみました。

底の縦ひも・横ひもは奇数にするため共に31本、2単位マイナス1本です。

できたかごです。

#50003模様のかご

内側に模様を作ったので、上からみるとこんなです。底の2辺がほぼ重なってしまっていますが、そのまま折る感じで作りました。

#50003のかごの内側

今まで、CraftBandSquare による展開図・編み図は、外側から見た図として作ってきました。今回は、底は内側・側面は外側に模様を作りましたので、内側から見た展開図と、外側から見た展開図、2枚を作ってみました。

外側から見た展開図

外側から見た展開図

内側から見た展開図

内側から見た展開図

模様となる上下パターンを作り、それを上下交換し、左右反転すると裏側の模様になります。ただし、パターンの単位のうち一部しか使っていない場合は、その分を左右にシフトする必要があります。また、右側面と左側面については、上→右、下→左がセットになっているため、同じ位置での裏面です。

データです。上下図には、側面 16×16・底 32×32の単位模様が含まれます。

2023.9.14 追記 「阪神タイガーズ優勝記念BOX」と命名しました。
2023.11.5 追記 祝・日本一記念

PPバンド・手織り模様のかご#34196

手織りの情報サイト https://www.handweaving.net/ から、別の模様でプラかごを作ってみました。#34196で、掲載はこちらです。

https://www.handweaving.net/draft-detail/34196/figure-589-a-handbook-of-weaves-by-g-h-oelsner-germany-1915?page=0&keyword=34196

パターンの単位は 10×10で、先より模様は小さいのですが、4側面で連続としたため相対する面の模様位置は異なります。同じく1/2幅です。

#34196

1,2,3飛びなのですが、横の3飛びのところが少し浮いてしまいました。すき間が空いてしまったせいでしょうか。素人には難しいです。

底は平編みです。

#34196の底

データです。CraftBandSquareで開くと展開図が見られます。単位模様の繰り返しですので、位置を変えることもできます。

PPバンド・手織り模様のかご#12316

手織りの情報サイト https://www.handweaving.net/ から、別の模様でプラかごを作ってみました。
#12316で、掲載はこちらです。

https://www.handweaving.net/draft-detail/12316/16-zu-16-093-old-german-pattern-book-untitled-and-unbound-germany-uncertain-date-1850-1900-?page=0&keyword=12316

先にはクラフトバンド/紙バンドでしたが、こちらは1×1が多数ある模様なのでPPバンドで、また、パターンの単位が16×16のため、1/2幅で作りました。

#12316

垂直方向は8本ごとのブロック色、和風の配色にしてみました。上の写真は側面にかけて同じ色になっていますが、反対側から見ると交互になります。

#12316反対側


底は平編みで、編み図はこんなです。

#12613 の編み図


データです。単位模様の繰り返しですので、CraftBandSquareで開くと位置を変えることができます。

手織りの模様のかご#10115

模様は人類の知恵。ひもを編んで作る模様は縄文時代からあったとのことですが、もう少し後となると手織りでしょうか。つるの恩返しも眠りの森の美女も、千年レベルの昔話です。

その手織りの情報を集積しているサイトがあります。
https://www.handweaving.net/
草案約7万6千点・歴史的な文書数千点・各種ツールを網羅した、織りのデジタルリソースです。

試しに、ここに掲載されている模様で かご を作ってみました。クラフトバンド/紙バンドでも作れそうな3つ飛びがメインのものです。模様番号は#10115、記載ページは以下。
https://www.handweaving.net/draft-detail/10115/plate-45-figure-1-dictionary-of-weaves-part-i-by-e-a-posselt-united-states-1914

できたかごがこちら。
下手ですみません… でも、ずーーっと遠くから眺めると、ちゃんと模様に見えます。

#10115

内側は2つ飛びの網代編みです。

#10115の内側

パターンの単位は8×8、縦ひもと横ひも各22本で、4側面で模様がつながります。

模様の使用にあたって、許可をいただきました、HandWeaving.net 運営者の Kris Bruland さん、ありがとうございました。

データです。