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輪弧編みのふたつき小物入れ

輪弧編みのかごを作ってみました。出典は次の本。

『改訂版 エコクラフト1巻き(5m)でちっちゃなかごを作りましょ』桑折 智美、
ブティック社、2017

42~45ページに、本体とふた、2点の作り方が掲載されています。網代編みの板を二枚の輪弧ではさむ「輪弧合わせ」です。二枚の輪弧、本では同色なのですが、なにぶん作るのは初めてですから、識別できないのはムリと思って色を変えました。

輪弧編みのふたつき小物入れ

それなのに、最初に作った本体では、合わせる位置を間違えてしまいました。アプリを修正して、二枚の輪弧を表示できるようにした図で、ひもが通れる間隔になった、中心に一番近い箇所を通せば良いとわかりましたので、次に作ったふたは合っていると思います。

ふたを開けるとこんなです。ふたの網代編みは、底とは少し模様を変えてみました。
側面は3つ飛び網代編みですが、下手なので、どちらもかなりすき間が空いてしまっています。

輪弧編みのふたつき小物入れ

輪弧の作り方、型紙を使うとこんな感じ。一方向に貼り付けていくだけなので簡単です。

  1. 型紙に合わせて、バンドを上に重ねながら貼り付けていく(写真左側)
  2. 一周すると、螺旋階段のような状態になっている(写真右側上)
  3. 最後の上になった個所を持ち上げて、最初の箇所の下に入れて(写真右側下)、貼り付ける。これで全体が同じ方向に揃います。
  4. 編み図通りに組み替える。中心が貼り付けられていますので、何度でもやり直せます。

たかだか4枚の経験ですが。

輪弧の作り方。上下がわかるよう洗濯バサミで浮かせています

ということで、作りながらのアプリ改良です。内円のサイズを間違えているという致命的なバグ!も修正しました。

※上の写真の型紙は、手許の開発中バージョンによるものです。修正版は後ほどアップします。

PPバンド・ペットボトルケース

Ver.1.8.11で追加されたMeshの丸底タイプを使って、ペットボトルケースを作ってみました。側面はPPバンド1/2幅の追いかけ編みです。

ペットボトルケース

追いかけ編みの2本を同じ位置から開始したので、1/2 × 2 でバンド1本分 15ミリの段差があります。そのため、模様もうまく揃いませんし、側面は垂直ではなく少し傾いてしまいました。PPバンドはクラフトバンド/紙バンドのようにはできないのですね。両側から1本ずつ開始して、斜めにカットすれば良かったと思いました。

底です。底編みはないので、折った個所からそのまま側面になっています。写真で水平位置にあるバンドが3重になっているのは、縁でDカンを通して底まで折り返しているからです。

ペットボトルケースの底

プレビューの全体図です。

CraftBandMesh のデータです。Ver1.8.11 以降で開いてください。

丸底の小かご

以前、丸底の小かごを作りました。その時には、Meshに丸底の機能がなかったので、楕円底と差しひもで作ったデータの一部を流用しました。

Ver.1.8.11で、丸底のかごがデザインできるようになったので、改めてデータとともに作り直してみました。配置タイプは「放射状に置く(縦ひも)」で、使用するバンドの種類は現在の手持ちに合わせましたが、先と同じく5本幅が10本です。

丸底の小かご

底です。10本を十字ベースで重ねたため、(放射状の)縦ひもの上下間に、底編みひもが入り込んでしまいました。前はどうやって作っていたのか…Meshを使うのは久しぶり過ぎて、忘れてしまっています。

なので、1周目の1段目は径としてカウントしないよう「ひとつのすき間の寸法」にはマイナスの値( -1mm )をセットしています。

プレビューの全体図です。その後、機能には、ひも個別の加算値も設定できるようになりましたので、持ち手部分は最初から長めに作りました。長さの差がわかりやすいよう、補助線機能でグレーの円を追加しました。

CraftBandMesh のデータです。Ver1.8.11 以降で開いてください。

輪弧の底編み図の作例

Ver1.8.11のCraftBandMeshを使って、輪弧の底編み図をいくつか作図させてみました。

[底(輪弧)]タブで、基本の数値として幅と本数、輪弧用の3点のパラメータを入力します。編み目の有無は、[プレビュー]タブの「底ひも」、上下なし・下上・上下の三択で、「連続数」の並びをその下・上の順に重ねる図を描きます。

図の色が抜けていたら、物理的には重なり得ない状態ということです。その場合は、以下、いずれかの調整を行ってください。

  • 内円の半径を大きくする
  • ひもの本数を減らす
  • ひも幅を狭くする(細いひもにする)
  • 連続数(飛び数)を大きくする

4すくい2おさえ、反時計回り

内部的な処理は一方向、ひも番号順にひもに垂直な角度ですので、反時計回りになります。中心左巻きがメジャーのようですので、下上として優先選択にしました。

ひも幅8本幅(8mm)本数20本
内円の半径80mm底部分の径200mm
上下の連続数4,2,4[プレビュー]の底ひも下上

3すくい2おさえ、時計回り

下上/上下を変えると中心が右巻きになります。

ひも幅8本幅(8mm)本数20本
内円の半径48mm底部分の径200mm
上下の連続数3,2,1,1,1,1[プレビュー]の底ひも上下

5本ごとの色

[底(縦横)]タブの「縦横を展開する」で、縦ひも個別に色が指定できるようになります。
5色の繰り返しを設定してみました。

ひも幅8本幅(8mm)本数30本
内円の半径80mm底部分の径200mm
上下の連続数4,2,2,2,2,2[プレビュー]の底ひも下上

細いひご60本

幅を細くして、本数を増やしてみました。

ひも幅3本幅(3mm)本数60本
内円の半径100mm底部分の径100mm
上下の連続数5,2,2,2,2,17[プレビュー]の底ひも下上

絵が描けても編めるとは限りませんが、描けなければ(白抜け箇所があれば)編めません。数値は簡単に変えられますから、描ける組み合わせになるよう調整してください。「輪弧長」として、その径に必要なひごの長さも表示されます。

なお、プレビュー図は編んだ結果に相当しますが、編む手順については

  • 反時計回りに置いていく/時計回りに置いていく
  • 下に重ねる(すくい・もぐり・under)→上に重ねる(おさえ・のせ・over) / 上に重ねる→下に重ねる

の組み合わせになるようです。2×2で手順は4種類、結果は右巻き/左巻きの2種類ですから、両方を同時に変えたら結果は同じになります。


八木澤竹芸ブログ -バンブーログ-」という竹工芸家の方のブログがあります。そのサイトの記事「輪口編み、輪弧編みと地域の編み方」に、中心右巻きになる手順・左巻きになる手順、両方について、ステップごとの写真とともに詳しく説明されています。そして、これら編み方は地域によって異なり

籠の編目を見れば、どこの地域で製作された籠なのか、分かる人には分かります。

なのだそうです。輪弧という発想自体は普遍で、右巻きも左巻きも難易度は変わらないということですよね。興味深いです。

八木澤様には記事へのリンクのご許可を頂いています。ありがとうございました。

V1.8.11 リリース

#issue#75,#90 に対応しました。
CraftBandMesh で丸底のかごがデザインできるようになりました。

メイン画面で、底の配置タイプを次の3点から選べます。

  • 直角に交差(横ひも・縦ひも)
  • 放射状に置く(縦ひも)
  • 輪弧に置く(縦ひも)

初期値は「直角に交差(横ひも・縦ひも)」で、従来と互換になります。

Meshのメイン画面に追加

放射状に置く(縦ひも)

このタイプでは、横置きの横ひもは使いません。
「縦ひも」として指定したひもを、放射状に等角で配置します。

底編みの開始は、

  • 円周 = ( 縦ひもの幅 + ひとつのすき間の寸法 ) × 縦ひもの本数

となる径の位置です。[底(楕円)」のタブで指定します。差しひもも可能です。

側面の指定は従来通りです。プレビュー図の例はこんな感じ。

輪弧に置く(縦ひも)

このタイプを選択すると[底(楕円)]のタブが[底(輪弧)]に切り替わります。

指定した本数の縦ひもを「内円の半径」の円周に外接するように配置します。
ひもの長さ(輪弧長)は「底部分の径」として指定した円の内部です。

編み目は、ひもの中心から順に、上・下・上… もしくは 下・上・下… それぞれ何点ずつ連続させるかを6点まで指定できます。

設定画面はこんなです。プレビューで対応する図が見られます。

輪弧の設定画面とプレビュー例

輪弧の機能については、現バージョンでは、テスト機能であり、今後のバージョンアップで機能やファイルフォーマットが、旧バージョンとの互換なく変更される可能性があることをご了承ください。

ダウンロードはこちら
Release v1.8.11 のリリース

※サンプル設定ファイルは、「竹ひご(1幅1ミリ)」「汎用(1幅1ミリ)」の「本幅の幅」に1点をセットしました。また、[編みかた]の「スペース」の「底使用」をONにしました。