「この色」カテゴリーアーカイブ

配色を選んで作る。

この色! AIのおすすめペア色

色選びは、カタログの色見本だけでは迷ってしまいます。
けれど、条件をしっかり伝えてAIが生成した配色ペアの画像、3セットの中からは、「これがいい!」が自然に決まります。

どれもこれも、ではなく――不思議なことに、ひとつの「これ!」を指させるのです。

まずは、4人それぞれの「これ!」を形にしてみました。いずれも同じ型紙から作った、同サイズの作品です。本体に編みこんだDカンに、後で既成の持ち手を取り付けます。

AIのおすすめペア色によるバッグ4点
AIのおすすめペア色によるバッグ4点

お互いが選んだバッグを見て、「素敵!」と声が上がる配色もあります。
けれど実は、心の中では「うーん……」と思っているものも。

それでも本人は「これがいちばんカッコいい。やっぱりこれだよ」と言い切ります。

生成画像はRGBで表現されているため、実物の色を並べてみると、やはり違いはあります。それでも、自分が指さした「これ」は、やはり「これ」なのです。

選ぶのは、作る人ではなく、使う人。
そのバッグといちばん長く付き合っていくのも、使う人です。
自分の好きを選んだという満足感。それが、いちばん良いかたちなのだと思います。

ちなみに、4点のバッグそれぞれに対応した、ペア名とその理由・根拠は以下の通り。

エステート・ヘリテージ
けんぽういろ・あまいろ
伝統的な濃茶と上品なベージュの対比。本革製品のような重厚感があり、日常使いに温かみとクラス感を添える普遍的なデザインに適しています。(40代男性)
シグネチャー・ギフト
あさぎいろ・しろ
あさぎいろの絶妙な青緑色がハイブランドのパッケージのような高級感を演出し、そこに白のテープが交差することで、まるで真っ白なリボンをかけたような可憐さが生まれます。(30代女性)
クラシック・グレージュ
ぎんねず・かいはくしょく
くすんだグレーと柔らかいアイボリーの組み合わせです。パールの光沢が最も優しく反射し、高級感のある「抜け感」を演出します。カジュアルにも合わせやすく、上質なリラックス感のあるバッグに仕上がります。(シニア女性)
アーバン・シック
くろ・あいすみちゃ
最も汎用性が高く、都会的な高級感を持つ組み合わせです。黒の引き締め効果と、藍墨茶の絶妙なニュアンスグレーが交差することで、性別を問わず日常のどんな装いにも自然に馴染みます。(シニア男性)
AIのおすすめペア色4セット

1枚目は内側の底、2枚目は外側の底です。4点のバッグはいずれも同じ型紙から作っているため、模様も同じになります。

4番目の写真は、カット後に残ったバンド、1個分です。
折り返して重ねるため先端を三角に切った角が多数、最後に底の裏でカットした切れ端は1〜4cmほどです。切らずに済むバンドもあり、ほとんど無駄がありません。

1巻は27mで、残りは約2mほど。もう少し大きなサイズにすることも考えましたが、割けてしまう可能性や作業ミスを考えると、1本分は余裕を残しておきたいところです。実際に、1マス分を切り損ねて修復したこともありました。

そのうえで、うまくいけば、残りから3枚目の写真のようなポーチを作ることができます。ミスがあれば、小さくなってしまうわけですね。

データです。同サイズで色が違うだけですので、最初の1点のみ添付します。製品情報XMLをインポートしてから、開いてください。

この色! 製品情報XMLの使いみち

バンドの種類」ページには、メーカー様やショップ様にご協力いただいた製品情報が、XMLファイルとして公開されています。アプリにインポートすればそのままデザインに使えますが、実はAIに読み取ってもらうことで、アプリがなくてもスマホなどから活用することができます。

XMLはネット標準の構造的なデータ形式であり、AIにとっては文章よりもはるかに理解しやすいそうです。それに、製品情報は、仕様が公開されたオープンフォーマットですから、特定のアプリに限定されず様々な使い方ができます。幅やゲージなどいろいろな情報が含まれているのですが、ここでは「色」に注目します。


以前、フォルトゥーナパールは色数が多すぎて選びきれなかった、という記事を書きました。改めて試そうとして、周囲の方にも聞いてみたところ、「ムリ!」「激ムズ!!」という反応が多くありました。

選択肢が多すぎると選べなくなる、という現象はよく知られており、たとえばジャムの試食販売で、種類を絞ったほうが購入率が上がったという研究(いわゆる“ジャム実験”)があります。色選びでも、まさに同じことが起きているようです。

でも、自分用に選ぶなら、限定6色からより53色からです。そこは譲れません!

そこで、製品情報XMLを活用することで、より精度の高いおすすめを得ましょう。手順はこうです。

  1. 対象のXMLファイルをAIに読み取らせ、記載されたカラー名・RGB値・製品型番のみに基づいて回答するよう指示します
  2. AIに「色彩設計の専門家」という役割を与え、デザインしたいバッグの概要とともに、以下の提案を行うよう指示します
     ・色のペアのおすすめベスト3
     ・その理由
     ・RGB値に基づいたイメージ画像の生成
  3. ユーザーの要望に対して不足している条件をAIにヒアリングさせ、条件を補いながら提案や画像生成を行うよう指示します
     (以降は条件を変えて何度でも試行できます)

こうすることで、「実際に購入できる色」に限定しながら、自分では思いつかなかった組み合わせを効率よく見つけることができます。


面白いことに、この提案内容は、AIモデルによって異なるのはもちろんですが、同じモデルでもスレッドを変えると結果が変わります。つまり、「絶対の正解」があるわけではないのです。だからこそ、対話しながら何度か試していく中で、自分にとっての「この色!」が見つかるのだと思います。

参考までに、「高級感・ユニセックス・日常使い」というテーマで生成してもらった例がこちら。色味のイメージ確認ができれば良しとして、あまり作り込んではいませんが。

AIのおすすめ画像1
AIのおすすめ画像2
AIのおすすめ画像3

また、言葉で相談する方法のほかに、ツールを使って色を選ぶ方法もあります。

👉 バンド色の編み模様

カラーピッカーから自由に色を選び、組み合わせを試すことができます。作成した色をPDFとして保存し、AIに渡せば、製品のどの色に近いかを教えてくれますし、リアルな画像にもしてくれます。

まだ言葉での表現が難しいけれど「好きな色」ははっきりしてきた、というお子さんにもおすすめです。


AIに渡すプロンプト例はこちら

バンド色の編み模様」の操作例はこちら

フォルトゥーナパールの色合わせ

先に使用した素材「フォルトゥーナパール」の設定データを、バンドの種類ページの「製品情報」セクションにて公開しました。ご許可ならびにご協力くださいました 手芸ストア☆あらうだえ Store.Alaudae.JP 様、ありがとうございます。

設定データは、製品情報の該当箇所からダウンロードできます。
ダウンロードしたファイルを、[設定]メニュー → 基本設定 → [インポート]で読み込むと、「フォルトゥーナパール」と「フォルトゥーナパール(線表示)」の2種類のバンドが使用可能になり、53色のカラーバリエーションから選べるようになります。

同じ色名でも、バンドの種類を切り替えることで、表示を簡単に変えられます。

  • フォルトゥーナパール … 不透明色で塗りつぶし。完成イメージ用。
  • フォルトゥーナパール(線表示) … 半透明でバンド方向にライン。デザイン検討用。

製品の幅は 21MM/15MM/6MM の3種類ですが、データ上は1本幅あたり3mmとして登録していますので、それぞれ「7本幅/5本幅/2本幅」としてお使いください。


試作のためまず2色を選ぼうとしたのですが…色数が多すぎて迷ってしまいました。そこで、色名リストをChatGPTに渡して5組選んでもらったところ、「調和のとれたコントラスト配色」を簡単なコメント付きで提案してくれました。
右側の画像は、それぞれの組み合わせをSquare45で絵にしたものです。

なるほど、と次は「類似色の組み合わせ」も5組お願いしてみたところ…これも見事にそれらしい配色に。名前しか渡していないのに、さすがと思える出来でした。

でも、モニターさんは違いました。AIの提案には目もくれず、「これ!可愛い!」と即決。それでも最後まで迷ったのが「ももはないろ×なでしこいろ」か「ももはないろ×せきちくいろ」。絵で比較して選ばれたのが右側です。

「ももはないろ×なでしこいろ」・「ももはないろ×せきちくいろ」

届いたバンド現物を絵と見比べると、もちろん全く同じ色ではありません。
ただ、最後に迷われた2組のうち、あえてコントラストの少ない方を選ばれたことが、編みあがったときには、見る角度によって「1色? 2色?」と感じるほどの仕上がりになりました。バンド1本ずつで見れば実物との差はありますが、その僅差を選んだことが、ちゃんと反映されています。

さらに、編みあがったときの艶や質感は想像以上で、色合いとの相乗効果が一層引き立っていました。今回あらためて、色数が多いことで、ほんの僅かな違いを選べるというメリットにも気づくことができました。


手芸ストア☆あらうだえ 様は、
「手芸愛好家の創造性を応援し、共に手芸の楽しさを分かち合う」という理念のもと、素材を選び、その魅力を引き出し、技法や治具の開発まで幅広く取り組まれています。

今回のデータ公開にあたっても「ユーザーの利便性のため」という目的をご理解いただき、快くサポートしていただきました。ありがとうございました。