haru のすべての投稿

PPバンド・線虫模様のステッチ

名称線虫模様C.elegans Pattern
概要格子ベース、非対称BBAA-AA-BBAA
単位[水平方向] 2[垂直方向]
レベル0[水平] B色[垂直] A色
レベル1[水平] A色(1/2幅)
レベル2[45度] B色(1/4幅)[135度] A色(1/4幅)
備考転置 レベル0,1方向
ステッチのインデックス

45度方向と135度方向の色が異なる例です。それぞれが同色なのでクロス模様に近く、斜めラインが目立ちます。

A色をグレー・B色を緑でファイルボックスを作ってみました。グレーの中に、「~」(チルダ) のような、断片的にうねったラインの連なりが見えるでしょうか。線虫模様です。

stitch pattern named 	
線虫模様 / C.elegans Pattern
線虫模様のステッチ

内側、側面は格子模様、底はA色です。クロスは、同じ色が片方向のみですから、連続的に通すことはできません。カットして裏に差し込みましたが、内側に端が見えています。

線虫模様のステッチのかご、内側
線虫模様のステッチ、内側
線虫模様のステッチのかご、外底
線虫模様のステッチ、底

1単位分の編み目(青枠)は2×2です。

8×6の図
青枠内は1単位(2×2)
模様の単位

※前側面の左下から、右(0度)方向・上(90度)方向にカウントアップ。左下は垂直方向がover/水平方向がunderです。

データです。

PPバンド・独楽模様のステッチ

名称独楽(コマ)模様Spinning Top Pattern
概要ギンガムX1ベース、非対称BAAA-BA-BBAA
単位[水平方向] 2[垂直方向] 2
レベル0[水平] 0:B色| 1:A色[垂直] A色
レベル1[水平] 0:B色| 1:A色(全て1/2幅)
レベル2[45度] B色(1/2幅)[135度] A色 (1/2幅)
備考転置 レベル0,1方向
ステッチのインデックス

今まで、レベル2・クロスベース模様としてリストアップしたのは、斜め両方向の配色が同じパターンのみでした。でも、「クロスベースのステッチ・2色の組合せ模様」を使うと、非対称パターンも同じように指定できます。

非対称パターン、つまり45度方向と135度方向の色が異なる模様を、実際に形にしてみました。斜めに並ぶ独楽です。A色を黒・B色を赤でファイルボックスを作りました。

stitch pattern named 	
独楽(コマ)模様 / Spinning Top Pattern
独楽(コマ)模様のステッチ

内側、側面はギンガムチェック、底はA色です。

独楽(コマ)模様のステッチのかご、内側
独楽(コマ)模様のステッチ、内側
独楽(コマ)模様のステッチのかご、外側
独楽(コマ)模様のステッチ、底

1単位分の編み目(青枠)は2×2です。

8×6の図
青枠内は1単位(2×2)
模様の単位

※前側面の左下から、右(0度)方向・上(90度)方向にカウントアップ。左下は垂直方向がover/水平方向がunderです。

データです。

PPバンド・糸巻模様のステッチ

名称糸巻模様Spool Pattern
概要格子ベース、斜め交互BBAA-BA-AB
単位[水平方向] 4[垂直方向] 4
レベル0[水平] B色[垂直] A色
レベル1[水平] 0:B色| 1:A色(全て1/2幅)
レベル2[45度] 0: – | 1:A色| 2: – | 3: B色
(全て1/3幅)
[135度] 0: – | 1:A色 | 2: – | 3:B色
(全て1/3幅)
備考1/2幅と1/4幅でも可転置 レベル0,1方向
ステッチのインデックス

ファイルボックスの作り方」で例にしたステッチです。

レベル0のベースを格子模様にした、花模様に近いステッチなのですが、ルビンの壺のように見方を変えると、糸巻のようです。紫の大きなX字型と、小さいコマ型の二種類。見えるでしょうか。

A色を白・B色を紫・1/3幅で作ったファイルボックスです。

stitch pattern named 	
糸巻模様 / Spool Pattern
糸巻模様のステッチ

内側と底です。側面は格子模様、底はA色です。

糸巻模様のステッチのかご、内側
糸巻模様のステッチ、内側
花糸巻模様のステッチのかご、底
糸巻模様のステッチ、底

1単位分の編み目(青枠)は4×4です。

8×6の図
青枠内は1単位(4×4)
模様の単位

※前側面の左下から、右(0度)方向・上(90度)方向にカウントアップ。左下は垂直方向がover/水平方向がunderです。

データです。「ファイルボックスの作り方」にある表示順を入れています。水平の差しひもは、1/2幅に読み替えてください。

PPバンド・ファイルボックスの作りかた

レベル2のクロスベース模様の試作では、単色ベースのときはサイズ違いも試しましたが、格子ベース以降はすべて同じサイズのファイルボックスで統一しています。模様の違いは、そのほうが分かりやすいからです。

サイズ設計

では、どんな用途・サイズにするか。最初に考えた条件です。

  • たくさんあっても実用できるのは、バッグよりは収納ボックス
  • 模様の並びがわかるよう、側面に高さと幅があって、マチは少な目
  • クリアファイルが立てて入るサイズ
  • ファイルボックスに使えて、ケーブル収納なども可

構成本数としては、

  • 4×4単位の模様を作るので、側面一周が4の倍数であること
  • 相対する側面を同じ配置にするため、各側面が左右対称になること
  • 縁や下段に緩衝地帯は作らず、全段に後差しひもを通す
  • 底と縁で45度・135度の斜めひもが同色になり続けて通せること

これらの条件を満たすように、

  • 横ひも 5本
  • 縦ひも 15本
  • 側面の編みひも 9本

としました。斜めひものスロット数は20点、サイズは約23×8×14センチです。

後差しひもの通し方

ベースとなるのは、普通のプラカゴです。
斜めの後差しひもを連続して通したので、こんな手順でつくりました。

完成したベースのかごベースとなるプラカゴです表示順299
水平の差しひも、縁・底中央の3本最下・最上(縁)・真ん中(9段なので4段目)に、水平方向の差しひも(紫色)を通します表示順300
45度と135度を一筆書き白色1セット目。45度と135度の差しひもを、連続的に通していきます。継ぐ場合は、何段分かを重ねます
1本目が1巡して最初に重なる白色1セット目の続き。側面を2周して最初の位置に重なりました。これも何段分かを重ねます表示順400
A色2本目です白色2セット目。右に2スロットシフトした位置から開始し、同様に斜め2方向を通していきます。白色はこれで終わりです表示順401
B色1セット目紫色1セット目。開始位置から、右に1スロットからスタートです。同様に連続的に通します。表示順500
差しひも完了紫色1セット目を通し、更に2セット目を通したら、斜め方向の差しひもは終わりです。重なった部分はまだ浮いています。表示順501
水平方向の差しひも残りの水平方向の差しひもを通します。まず紫色から通します(順序は変わってもOK)表示順600
差しひも用のツールクロスの間を通す時には、ツールとして、先端を細い三角形にカットしたバンドを用意しておくと便利です
白バンドを通す残りの水平方向、白バンドを通します。通しながら、浮いている斜めひもを固定します表示順601
差しひも完成、かごも完成差しひもが通し終わったら完成です
後差しひもの通し方

斜めひもの長さ

45度と135度の斜めひもは連続的に通しましたが、長さは、ひもリストの集計値を参照します。カットリストに出力されるのは1本ごとの長さなので、足し合わせた長さと面積長を見るのです。

以下は、1/2幅と1/4幅、ともに交互の例です。

※ここで説明したデータについては、次稿に改めて掲載します。


さて、いろいろ作ってみて思ったのは、カゴ本体を編むのと、後差しひもでステッチするのとは、少し違う種類の作業だということです。

カゴ本体のほうは、並べて・編んで・詰めていく作業で、最初に広げるスペースも必要ですし、きれいに編むにはそれなりのテクニックもいります。

一方でステッチは、通して・差し込むだけのシンプルな作業で、子どもでもできるくらいですが、そのぶん配置や配色のセンスが問われる感じがします。

こうしてみると、この2つは分けて考えてもいいのかもしれません。

刺繍でも、布を織るところから始める人は普通はいないでしょう。専用の布に糸で模様を加えていくのが一般的です。

同じように、用意されているプラカゴにステッチで模様をつけていくだけ。そんな楽しみ方があってもいいのではないかな、と思いました。

レベル2・クロスベース模様の数は?

クロスベース模様を構成する6カテゴリー8点を見てきましたが、編み方は、基本的には全て同じです。

  • ベースとなる平編みのかご(Lv.0)に、
  • [1/2幅の]バンドを、水平方向に重ねて編みこみ(Lv.1)、
  • 更にそのバンドに、[1/4幅の]バンドを、斜めクロスする2方向に通す(Lv.2)

これを、2色(AとB)をバンドのLv.配置順に並べた、次のコードで識別しました。

①②③④ - ab - あい[うえ]

コードが異なる、つまり配置は異なってもシフト・色反転すれば同じ模様になる組み合わせがあります。それらは同一扱いするとして、では、ユニークな模様は何点になるでしょう。バリエーションの表を集計してみました。

カテゴリーLv.0部分
①②③④
Lv.0反転
①②③④
ユニーク点数模様の点数備考
単色AAAABBBB104クロス模様
6点を除外
格子BBAAAABB1010
横ストライプABABBABA88
縦ストライプBAABABBA88
ギンガムX1X2BAAA
ABAA
ABBB
BABB
1616
ギンガムX3X4AABA
AAAB
BBAB
BBBA
1616
合計6862
カテゴリーの合計

模様数 62点です。どうでしょう。レベル1の縦横ステッチでも50点近くありましたから、少しレベルアップかな。ちなみに、機械的な組み合わせであれば、

  • Lv.0部分 – 16種(反転も含めると2×2×2×2)
  • Lv.1部分 – 4種(2箇所 2×2)
  • Lv.2部分 – 6種(AA,AB,ABBA,BA,BAAB,BB)

16×4×6 = 384 ですから、62点は約1/6、つまり1つのユニークな模様あたり、色反転も含めて6点ほど同じ模様になるバンドの並びがあるわけです。


そのうち、試作してみたのが33点です。約半分。

同じ構造から生まれた33種類の試作例
同じ構造から生まれた33種類の試作例

模様の試作報告には、それぞれ名前を付けています。よく使われる模様にはよく使われる名前を、そうでないものには少し無理やりな名前もありますが。

最初は、記録のために「他とかぶらない、そこそこ分かる名前」というつもりでしたが、整理していくうちに、識別のためには名前が必要なのだと分かってきました。特に、人間にとっては。

人間に「ABAB-BB-AB と AABA-AA-BAは似ている」とか、「BAAB-BB-AAとBAAB-AA-BBは同じカテゴリーの反転」などと言っても、まず伝わりません。そもそも、コードの並びにミスがないか、チェックすることからして苦痛です。

そして、名前があれば、模様を言葉で扱えるようになります。

  • 「どこかで見たあの模様」ではなく「鍔模様」、
  • 「花っぽい」ではなく「大花模様」、
  • 「水晶模様と星模様の組み合わせ」

といったように、模様の見方の解像度が上がります。


一方で、コードを使えば、色の配置・編み順・通し方が一意に決まります。それぞれの文字位置に A / B を割り当てることで、どのような模様になるかが確定します。

こちらのツール「クロスベースのステッチ・2色の組合せ模様」を使うと、クリックで 簡単に A / B を切り替えて、できる模様を見ることができます。試作ページやバリエーションリストのコードをセットしたり、色を変えたりして楽しめますし、同じ柄になるコードもわかりますから、デザインに便利だと思います。