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PPバンド・ライン模様のミニバッグ2

外側にのみ折り返すパターンですが、対角線に折るだけだと、縁で内外のバンドが分離してしまいます。では、その上に縁飾りを置いて、縁飾りの裏で折り返してみたらどうでしょう。斜め網代のミニバッグのように。

ライン模様に縁飾り

底のサイズや配置は先と同じで、ライン模様にできる折り返し高さ5.5 のデータを使いました。縁の始末は、斜め網代の時に使った「ノコギリ状に折って差し込む(プラス8個)」とし、斜め方向に四角5個を重ねています。最下の四角の対角線が、5.5の折り返し位置です。

裏での折り返しは外側だけなので、網代編みの時より簡単でした。バンドの残り端は、更に重ねて内側に折り込みましたので、縁飾り部分は5~6本のバンドが重なって丈夫になりました。

ただし、ライン模様が揃うのは、高さ5.5 より下だけです。縁飾り部分は、折り重ねによる補正がありませんので、元のままの模様になっています。なお、下図のように、折り返すバンドは高さ7.5の時とは異なります。

同じ底から作ったほぼ同サイズ、ライン模様のミニバッグが2個できました。

ライン模様のミニバッグ

一長一短。ただ、このパターンの場合、全体を折り返すわけではないのですから、別に折りカラー編みでなくても後から差しひもとして重ねればいいんじゃないかな、とも思いました。

データです。縁の始末「ノコギリ状に折って差し込む(プラス8個)」を使っていますので、斜め網代のミニバッグで使った設定データをインポートしてから開いてください。


PPバンド・ライン模様のミニバッグ

底が長方形でライン模様にできる、別のサイズ・別のパターンがありました。

底の四角数が10×5 のケースです。7×5の時には全てのバンドを外側/内側に折り返すことで、内外ともライン模様になりましたが、このケースではライン模様になるのは外側だけです。高さの四角数 7.5で、一部を外側に折りカラー編みし、残りは短くカットして内側に縁処理しました。

ライン模様

外側に折りカラー編みしたバンドは、今までのように斜め両方向ともではなく、片側だけ、60本中10本です。その10本の位置を、[プレビュー]図のバンド長配置、および[プレビュー2]beforeの赤ラインで示したのが次の図です。縞のブロックは先より大きく、辺がイレギュラーです。


ただ、実際に作ってみると、折り位置では、

  • 外側のバンドを外側に折り返す
  • 内側のバンドを内側に折り返す

ことになるため、縁では内外が分離した状態になります(下の青丸の位置)。1段弱ですが、10/(60/2) なので1/3が該当します。このかごの場合は、ちょうど持ち手位置になったので支障なさそうな感じではありますが、固定を考えた方がよいかもしれません。
底については、模様の適当な位置でバンド裏でカットしました。

また、試作してみたのは高さ 7.5ですが、他に、

  • 高さ 2.5(10本)
  • 高さ 5.5(10本)
  • 高さ 6.5(10本)
  • 高さ 8.5(18本)

で、折りカラー編みでライン模様にできる箇所がありました。カッコ内は折り返し本数です[※]。このパターンの場合、内側もライン模様にしようとすると、外側に折り返すのと同じバンドを使うことになるので、内外同時に模様を作ることはできません。

Square45のデータです。

他の高さの例、2点をつけておきます。

PPバンド・長方形のライン模様

前稿のように、側面をライン模様にするためには、底が正方形という条件がありました。では、長方形の底、つまり縦の四角数と横の四角数が異なるケースでも、折りカラー編みを使うことで、ライン模様にできないものでしょうか。

一般的な条件まではわかりませんが[※]可能となるケースがありました。試しに、前稿の6×6をそのまま1つずらして7×5にしてみたものです。

PPバンド・長方形のライン模様

一部を外側に折り返し、残りを内側に折り返すことで、全体がライン模様になりました。

外側は底の中央線まで折り返し、内側は側面までを折り返しました。

折りカラー機能有効時の[プレビュー2]画面、before/afterです。

縞模様のブロックが格子状に並び、格子の対角線位置に折り返しラインが生じています。その高さで、ブロックごと内外に折り返すことで、斜め各方向を2色交互にできました。

データです。

PPバンド・ライン模様のドット模様

斜め編みで2色のライン模様を作るには、底が正方形&中心で色を重ねる、というルールがあります。ライン模様は、縦横とも2色交互の時に現れる模様ですから、ルールの結果、側面の斜め2方向では、それぞれ2色交互になります。

Ver1.8.14のSquare45の折りカラー機能を使うと、指定した高さにおける斜め2方向のバンド色の並びを表形式で見ることができます。この2色交互が、高さ0.5ごとに、同色交差/異色交差の入れ替わりになっていることに気付きました。

異色であれば、折りカラー編みで入れ替えることができます。つまり、ライン模様をドット模様に変えられるのです。作ってみました。

内側ライン、外側ドット

高さが整数の時、縁の1組ごと、外側-内側-外側-内側..と折り返せば、ライン模様を内外ともドット模様に変えることができます。でも、全部変えてしまったら単なるドット模様になってしまいますから、外側のみ折り返して、内側のラインは残してみました。

内側ライン

外側のみ折り返す時のプレビュー・底配置図です。

なお、この過程で、プレビューの「うら」表示にバグがあることがわかりました。次バージョンでは修正予定ですが、Ver1.8.14ご使用の際は留意ください。

データです。

外側・内側ともに折り返せば、両側ともドット模様になります。こちらのデータもつけておきます。

フォルトゥーナパールの色合わせ

先に使用した素材「フォルトゥーナパール」の設定データを、バンドの種類ページの「製品情報」セクションにて公開しました。ご許可ならびにご協力くださいました 手芸ストア☆あらうだえ Store.Alaudae.JP 様、ありがとうございます。

設定データは、製品情報の該当箇所からダウンロードできます。
ダウンロードしたファイルを、[設定]メニュー → 基本設定 → [インポート]で読み込むと、「フォルトゥーナパール」と「フォルトゥーナパール(線表示)」の2種類のバンドが使用可能になり、53色のカラーバリエーションから選べるようになります。

同じ色名でも、バンドの種類を切り替えることで、表示を簡単に変えられます。

  • フォルトゥーナパール … 不透明色で塗りつぶし。完成イメージ用。
  • フォルトゥーナパール(線表示) … 半透明でバンド方向にライン。デザイン検討用。

製品の幅は 21MM/15MM/6MM の3種類ですが、データ上は1本幅あたり3mmとして登録していますので、それぞれ「7本幅/5本幅/2本幅」としてお使いください。


試作のためまず2色を選ぼうとしたのですが…色数が多すぎて迷ってしまいました。そこで、色名リストをChatGPTに渡して5組選んでもらったところ、「調和のとれたコントラスト配色」を簡単なコメント付きで提案してくれました。
右側の画像は、それぞれの組み合わせをSquare45で絵にしたものです。

なるほど、と次は「類似色の組み合わせ」も5組お願いしてみたところ…これも見事にそれらしい配色に。名前しか渡していないのに、さすがと思える出来でした。

でも、モニターさんは違いました。AIの提案には目もくれず、「これ!可愛い!」と即決。それでも最後まで迷ったのが「ももはないろ×なでしこいろ」か「ももはないろ×せきちくいろ」。絵で比較して選ばれたのが右側です。

「ももはないろ×なでしこいろ」・「ももはないろ×せきちくいろ」

届いたバンド現物を絵と見比べると、もちろん全く同じ色ではありません。
ただ、最後に迷われた2組のうち、あえてコントラストの少ない方を選ばれたことが、編みあがったときには、見る角度によって「1色? 2色?」と感じるほどの仕上がりになりました。バンド1本ずつで見れば実物との差はありますが、その僅差を選んだことが、ちゃんと反映されています。

さらに、編みあがったときの艶や質感は想像以上で、色合いとの相乗効果が一層引き立っていました。今回あらためて、色数が多いことで、ほんの僅かな違いを選べるというメリットにも気づくことができました。


手芸ストア☆あらうだえ 様は、
「手芸愛好家の創造性を応援し、共に手芸の楽しさを分かち合う」という理念のもと、素材を選び、その魅力を引き出し、技法や治具の開発まで幅広く取り組まれています。

今回のデータ公開にあたっても「ユーザーの利便性のため」という目的をご理解いただき、快くサポートしていただきました。ありがとうございました。