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幅を変えた貼りかご

貼りかごもあり、ということで違うサイズで作ってみました。12本幅と6本幅を交互にした縦ラインです。きれいに目を空けるのは、編みかごでは難しいでしょう。

幅を変えた貼りかご

フラップ部分を外側にして重なった個所を貼り付けました。写真では、左側の側面です。間に1~2ミリ空いているので、真正面だと目が重なるのですが、斜めからだとバンドが重なって見えます。シャドウボックスのような立体感も面白いのですが、貼りかごらしいのは、すっきり薄い右側の側面でしょうか。

底です。

幅を変えた貼りかごの底

データです。

編みかごと貼りかご

接着剤なしで和紙を編んで箱をつくってみたわけですが、伝統的には、和紙は厚紙や竹枠に貼り付けるのが普通の方法でした。”編む”ならば予めテープにした状態、つまり紙バンドからでした。でも、ネット通販サイトを見ていたら、紙バンドを貼り合わせて作ったかごが販売されていました。貼らずに編む、それが、編まずに貼る?

編まずに作れるなんて!! 考えたこともありませんでした。ずっと編み目ありきで、編み目のない行や列は警告対象としてきたのに。でも、そう、紙ならば、編み目がなくても、貼り合わせることができるのです。

ということで、作ってみたのがこちら。同材料・同サイズ・同間隔で、左側が従来の四つ目のかご、右側が貼り合わせて作ったかごです。

編みかごと貼りかご

編みかごは折って立ちあげてから側面を編みますが、貼りかごは全体を平たく貼り合わせてから、折って立ち上げ、フラップ部分を貼り合わせます。型紙に合わせる、特に側面は、圧倒的に、貼りかごの方が作りやすい。

でも、手持ちのバンドは、平たく貼ろうとすると、直線ではなくゆるやかにカーブしているのです。型紙に合わせて補正しつつ、全交差箇所に、十分量のボンドをのせるのが結構大変でした。適切な素材もテクニックも必要で、きれいに作るのはなかなか難しいことがわかりました。

貼りかごは、縁もそのまま1本を貼り合わせただけなので、少し丸い形になりました。また、貼り合わせだと縦横が交差しないので、縦ラインもしくは横ラインのテクスチャになりますが、今回は垂直ひもの端が外から見えないよう、横ラインにしました。

編みかごと貼りかごの底

編みかごは、編み目自体を固定しているわけではないので、力がかかると多少交差位置がずれますが、貼りかごずれはありません。全交差箇所が完全に固定されていますから、編まれていない=弱いわけではない。柱&梁で支えるのとツーバイフォーの違いのように、構造が異なるのです。それぞれの構造に合った使い道がある、ということなのでしょう。

編みかごのプレビュー図です。縁を折り返しています。

貼りかごのプレビュー図です。これを型紙にして、上の側面・下の側面に、それぞれ左右に4本分、垂直方向のバンドを加えて水平方向の編みひもを伸ばしフラップにしました。

編みかごと、貼りかごのデータです。

やわらかい和紙の箱

先とはちょっと違うタイプの和紙で試してみました。薄くて、透かすと繊維の筋が見えるやわらかい和紙です。

やわらかい和紙の箱

同じように芯を入れようとしてみたのですが、透けるし何重にも巻くとかえって形が整いにくい。結局、芯は入れずに、10センチほどに細切りにした和紙を、1.5センチ幅の紙バンドを型紙にして、テープ状に折って使いました。

1本のテープがおおよそ6重ですから全体が24重以上になるわけですが、厚さを測ると1.6ミリ・押し付けて1.2ミリ、先の箱の半分でした。編み地も柔らかくて、厚手のフェルトのような感じといいましょうか、形を変えても折り目がつきにくく伸ばせば戻ります。

箱にはちょっと頼りない感じですし持ち味の透け感もありませんが、それなりの強度はあり畳むこともできる、そんな用途があれば、使えるかもしれません。

データです。

和紙の縞編みの箱

先と同じ、80cm×55cmの和紙を2枚使って縞模様の小物入れにしてみました。友禅紙とうるし紙です。

縞模様の小物入れ

縦横の四角数がともに4ですから、どんな高さでも縞模様になります。でも、整数で色を変えるより、小数0.5で同色に重ねた方が綺麗に折り返せるので、高さを2.5にしました。

実は、先と同じ幅で80cmだと、作れるのは高さ2までなのです。でも、同色に重ねるのであれば多少短くても模様に影響ありませんので、芯地幅を少し細めの24mmで作りました。

芯地に合わせればテープにするのもそう手間はかかりませんし、和紙のカットもざっくりで済みます。すべて外側への折り返しなのでわりと簡単でした。

データです。

芯地は先に添付のcoreを使ってください。

和紙の格子編みの箱

包装紙で箱を作れるなら、和紙ではどうでしょう。

80cm×55cmの和紙を2枚使って、格子/市松模様の小物入れにしてみました。折って編んで差し込んだだけで、糊は使っていません。

市松模様の小物入れ

A4の画用紙を2枚、各、26mm幅8本にカットして和紙でくるみ、テープ状にしたものを編みました。幅合わせ兼補強です。耐久性に期待して、縁や底辺はうるし紙になるようにしました。

縦横の四角数を、3にして単位を大きくするか、4にして作りやすくするかを迷ったのですが、半分の繰り返しで作れる4を選びました。

底と内側です。側面の角は折らずに丸みをつけていますが、折って四角い箱にするのもありでしょう。

データです。

芯地の幅は26mmにしましたが、25mm・26mm・24mmの3サイズが作れる用紙を添付しておきます。同サイズを2枚印刷すると、8本×2が切り取れます。