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ブロック花模様のかごバッグ―種明かしと設計変更

フォローアップです。

先に「ブロック花模様のかごバッグ」の試作記事を載せた際、「作る時にちょっとしたミスがあった」と書きました。推察してください、とも。その種明かしです。

周りの方に聞いてみたところ

「どこかに通し忘れ箇所があるんじゃないの?」

確かに、あるあるですね。

まあでも、後差しのミスなら、最悪その1本を外して差し直せば修正できます。自分で気が付けば直しますし、指摘されてからでも、たいてい何とかなります。

AIにも聞いてみました。

「位相ずれ、特にLv.2の2色交互の色替え位置ずれの可能性が高い」

と、専門用語で指摘してきました。

説明を聞くと、今回のような2色交互の組み合わせは、多少の位置ずれがあっても模様として破綻しにくい、つまり「ロバスト性が高い」ということらしいです。

なるほど、それもありがちですね。ただ、私の場合、これはない。

というのは、これまでずっと、いろいろな模様を作ってきていますから。経験上、斜め方向の最初の差し位置だけは、編み図と首っ引きで確認しているからです。

では、何をミスったのか。

答えは、底編みの上下、つまりover / under です。これも、編んでいる方には「あるある」じゃないでしょうか。

立ち上げの段階になって、

「あれ、予定図と違う😓、、、逆じゃーん😭」

同色なら1本ずらせばいいけど、ブロックじゃ無理。じゃあ編みなおすか?ってところで、設計図の方を現物に合わせることにしたわけです。

まだ未公開のデータですし、over / under は、[ひも上下]で各面を[上下交換]すれば簡単に入れ替えられます。ただ、それだけでは済まず、それに合わせてLv.2ひもの位置を偶数ベースから奇数ベースに変えたり、花の位置を調整したりはしましたけどね。

実のところ、最初の設計はこんなでした。先と比べてどうでしょうか。

ブロック花模様のかごの最初の設計
ブロック花模様のかごの最初の設計

そしてもうひとつ、データの方を変えた理由があります。今は、ステッチの「応用ステージ」だということです。

『ステッチパターン図鑑』に載せたような、単位パーツを作っている段階では、over / under は厳密に合わせていました。全記事に定型文をつけて。でも、パーツを組み合わせて作品全体をデザインする段階では、over / under も、固定された条件ではなく、オプションのひとつになります。そんな例にもなるしな、と考えたのです。


今まで、サイトに試作例を載せるときには、

「これがデータです。この通りに作りました」

のような形で記事を書いてきました。でも実は、作りながら途中でデータを書き換えていた、ということもあるのです。

本のレシピ通りに作るのであれば、「逆じゃーん😭」は悲劇です。
でも、ソフトで設計しているなら、現物に合わせてデータの方を変更してしまえばいい。

作り直すより、その方が早いこともありますし、変更したデータからもう一度計算して図を出せば、以降は、ちゃんと辻褄も合います。

最初の設計に、最後まで縛られなくていい。
作りながら変えられる、というのもソフトを使うメリットです。

比較用に、元データをつけておきます。

PPバンド・リボンと大花模様のかごバッグ

『ステッチパターン図鑑』39ページに掲載されている「リボン模様」から、カラーバリエーション「ワイン・グログラン」を、手持ちの色で再現してみました。側面は9ページの「大花模様」のカラーバリエーション「深紅のオーキッド」です。

リボンと大花模様のかごバッグ

小さめサイズです。ワイン色のバンドの残りが少なかったので、作れるサイズにしたのですが、出来上がった最初の感想は、子供色にするんだった…でした。

垂直方向のバンドを切り替えていますので、前側面・背側面はストライプ、左側面・右側面はギンガムチェックです。

リボンと大花模様のかごバッグの側面
リボンと大花模様のかごバッグの側面
リボンと大花模様のかごバッグの内側
リボンと大花模様のかごバッグの内側
リボンと大花模様のかごバッグの底
リボンと大花模様のかごバッグの底

先には水平ラインで上部/下部に切り替えてみましたが、今回は垂直ラインで切り替えています。面ごとである必要はなく、面の途中での切り替えも可能なのですが、小ぶりで面自体が小さいため、面に合わせた方が自然でした。

図鑑のカラーバリエーションのQRコード/simulator ボタンからシミュレーターを開くと、それぞれ、次のような画面が開きます。

シミュレーターの使用コード
シミュレーターの使用コード

模様のコードを比較すると、異なるのは赤丸で示した1点だけで、垂直方向のベースのバンドに相当します。垂直ですから、底編みの段階で、どの領域をどちらの模様にするか、決めておく必要があります。

でも、それさえ合わせてしまえば他は全て同じですから、水平時のような段の切り替えは考えなくて済む、とも言えましょう。

この作品の構造データ(square形式)です。上の製作写真は、内側の縁ひもをグレーにしましたが、これはバンドの残りがなかったためで、普通にはワイン色です。メモ欄をご覧ください。

PPバンド・湖畔のカルガモ模様のかごバッグ

『ステッチパターン図鑑』からもう1点、36ページに掲載されている「アヒル模様」です。カラーバリエーション「湖畔のカルガモ」を、手持ちの色で再現してみました。

湖畔のカルガモ模様のかごバッグ
spot-billed duck
湖畔のカルガモ模様のかごバッグ

ベースはストライプです。内側は水平方向、外側は縦方向。

斜めのクロスひもは、45度と135度、方向ごとに色が異なります。先に作った時には1本ごとカットしましたが、今回は、底・縁の各1本を使って連続的に通しました。

湖畔のカルガモ模様のかごバッグの内側
湖畔のカルガモ模様のかごバッグの内側
湖畔のカルガモ模様のかごバッグの外側
湖畔のカルガモ模様のかごバッグの外側

図鑑のカラーバリエーションのQRコード/simulator ボタンからシミュレーターを開くと、下図・左のような画面が開きます。

赤丸で示した2文字は、水平方向に重ねる差しひもに対応するのですが、この2点をともにAからBに変えると、右図、反転・反対方向を向いたアヒル模様になります。ベースや斜め方向のバンドは同じで、変えるのは1/2幅の重ねひもだけ。

ということで、側面を部分的に変えてみたのです。行って帰ってまた行って、カルガモ親子のお引越しの行列です。

使用したコード
BAAB-AA-BBAA
BAAB-BB-BBAA
シミュレーターの使用コード

この作品の構造データ(square形式)です。本数・サイズ・色・バンドの並びなどは以下のXMLをご利用ください。

PPバンド・モルフォ蝶とTシャツ模様のかごバッグ

『ステッチパターン図鑑』の40ページには「蝶模様」が掲載されています。そのカラーバリエーションである「美しきモルフォ」を、手持ちの色で再現してみました。下半分は「Tシャツ模様」です。解剖台の上の出会いみたいですが。

モルフォ蝶とTシャツ模様のかごバッグ
 Blue Morpho and T-sharts
モルフォ蝶とTシャツ模様のかごバッグ

垂直方向は黒と青の交互です。編みひもは、下のTシャツ模様部分が黒、蝶模様部分が青で、いずれもギンガムチェックがベースということになります。

モルフォ蝶とTシャツ模様のかごバッグの内側
モルフォ蝶とTシャツ模様のかごバッグの内側
モルフォ蝶とTシャツ模様のかごバッグの底
モルフォ蝶とTシャツ模様のかごバッグの底

図鑑の、各カラーバリエーションのQRコード/simulator ボタンからシミュレーターを開くと、下図のような画面が開きます。

並びを示す小さい文字が 「①②③④-ab-あいうえ」として示され、ボタンを兼ねた

 [A][A][B][A]-[A][A]-[A][B][AB]

の文字が並びます。これを続けた「AABA-AA-ABAB」が、蝶模様を示すコードです。

これらの文字のうち、灰色四角で囲んだ「③④」と「あいうえ」の箇所は、垂直・斜め方向のバンドですから、側面全体として全て同じである必要があります。

それに対して、赤丸で囲んだ「①②」と「ab」の箇所は、編みひもの段ごとですから、途中から変えることができます。

シミュレーターではそれぞれの文字はボタンになっていますから、「①②」「ab」の下にある文字をクリックすることで、A/Bを入れ替えて、どんな模様になるのかを見ることができます。

AABA-AA-ABAB … 蝶模様(左図) 太字部分は変更不可を示すとして、細字部分を入れ替えてできる模様の一部をリストアップすると、こんな感じ。

  • AABA-BB-ABAB … 牛模様
  • BBBA-AA-ABAB … バンドエイド模様
  • BABA-AA-ABAB … インベーダー模様
  • ABBA-AA-ABAB … リボン模様
  • BBBA-BB-ABAB … Tシャツ模様(右図)

中から、組み合わせとしてはちょっとシュールかもしれませんが、丸い感じが合うかな♡、ということで「Tシャツ模様」を選んでみました。

シミュレーターで模様を選択しているところ。蝶模様とTシャツ模様
シミュレーターで模様を選択

この作品の構造データ(square形式)です。本数・サイズ・色・バンドの並びなどは以下のXMLをご利用ください。

V1.9.4 リリース

四つ畳み編みの斜め編み機能を改良しました。
issues #114 への対応です。

Ver1.9.3 では、斜めに編んだ時のプレビュー図や、ひもの長さ計算ができるようになりました。でも、実際に編むための情報が、まだ足りませんでした。

そもそも、そんな難しい編み方、私はどう編んだらいいのかもわかりません。
というか、四つ畳み編みからして怪しいのです。

そこで、ユーザーのクラフトA(あさあさ日和り)さんにお願いしました。10年以上のご経験を持つ、大ベテランの作家さんです。

どんな手法ががあるのか、どこから始めてどう編んでいくのか。
図や計算値を使って詳しく説明していただき、さらに、実際に編むためには、どんな情報があればよいのかも教えていただきました。

そして、そのような図や数値が出力できるようにソフトを修正。
実際にその図を使って作品を作っていただき、さらにフィードバックをいただいて、そして…こんな機能を追加しました。

  • プレビュー図に、斜め編み(Square45)と同様の「底の中央線」を追加
  • プレビューで「開始ライン」を指定すると、開始位置のコマを含む行と列のコマのみを表示
  • 「開始ライン」に、そのコマを編んだ時点での各端の残り長さを表示
  • ひもリストにも、開始ライン情報の詳細を出力
  • 最適長に加えて、以下のような長さにもセット可能
    • 底編み完了時に4方向全ての残りひもが同じになる長さ
    • 底編み正方形の対角線上のコマ全てで、縦ひも・横ひもとも中央に編まれる長さ
  • 開始ラインからの相対的な段数を表示(どこまで編んだか)

……と書いても、私自身、まだ、どれがどう便利なのか、ぱっと説明できません。使いどころがちょっと複雑で…各機能については、編み方を練習しながら😅、少しずつ説明を加えていく予定です。気長にお待ちいただければと思います。

なお「開始ライン」は[プレビュー]タブで指定できます。

開始ライン機能

ダウンロードはこちら。
Release v1.9.4 のリリース

クラフトA(あさあさ日和り)さん、ありがとうございました。
なお、クラフトA(あさあさ日和り)さんは、この秋「あみすな展~クラフトバンドでつむぐ4つのストーリー~」というグループ展を開催されるそうです。お近くの方、よろしければどうぞ。

  • 2026年10月9日(金)~11日(日)
  • 東京都杉並区高円寺自由帳ギャラリー