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松皮菱網代編みのかご

名称松皮菱 網代 編み
名称(読み)まつかわびし あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位24 × 32
バンド幅
飛び数1,3,5,7
対称性水平線,垂直線
備考

『竹の工芸-近代における展開』長谷部満彦他,東京国立近代美術館,1985
110ページ, 編組見本,036

CraftBandSquareで、3色で作ってみました。外側から見た模様で、A4の書類が入るトレイです。

松皮菱網代編みのかご

内側です。

松皮菱網代編みのかごの内側

底は模様の繰り返しで、2単位が上下・左右に対称になるように配置しましたが、少し欠けています。上右・下左の各側面を底の模様の延長とするため横ひも+縦ひもの本数に展開したのですが、現上限が99本だからです。

プレビューの編み図

底と側面は続きますが、側面同士は不連続です。でも桝目の中心位置が揃っているので、縦と横が接する割には一体感がある..かな。色が違っていますけど。

プレビュー2の3Dモデル

データです。[ひも上下]には、底に模様の1単位が入っています。側面は、横ひも57本+縦ひも41本分に合わせていますが、高さは24本分のデータが入っています。

追記

[ひも上下]の側面のデータの作り方についてのご質問がありました。上には簡単な説明を書いていますが、下図を見ていただくと、ご理解いただけるでしょうか。

PPバンド・斜め編みのクラッチバッグ

縦横のバンド色を変えて、チェック柄を作ったとしても、立ち上げると崩れてしまうのが斜め編みでした。でも、例外がありました。以前、リボンで作ったようなペタンコ形状です。PPバンドでも可能なのか?試してみました。

斜め編みのクラッチバッグ

若干膨らんでいるのは、PPバンドを折った時の復元力によるもの。中に何か入れているわけではありません。

縁の半分はそのまま三角形に伸ばして、カバーにしました。マグネットボタンを、カット残りのバンドに取り付け、重ねて差し込みました。

マチが必須かと思っていたのですが、意外とカタチになるものですね。2つ飛び網代編みもですが、このカタチであれば、斜め編みでも続き模様が作れそうです。

[プレビュー2]の図。平編みの繰り返しなのですが、カバー部分がわかるように「1回のみ」に編み範囲を作ってみました。

底編みのバンドは全て同じ長さです。今のところ、上と下・左と右、各個別に加算長を指定できないため、カバーでない側は、部位によっては15センチほど無駄が出てしまいます。でも、カバーになるか内側になるかは読みづらいので、不足よりはカットがマシ、ということにしておきましょう。ボタン取り付けにも使えたことですし。

データです。

四ツ菱網代編みのかご

名称四ツ菱 網代 編み
名称(読み)よつひし あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位22 × 22
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

『竹の工芸-近代における展開』長谷部満彦他,東京国立近代美術館,1985
110ページ, 編組見本,037

CraftBandSquare45で、4色で作ってみました。「1回のみ」のチェックを外した、模様の繰り返し適用です。

四つ菱網代編みのかご

底からみたところ。

四つ菱網代編みのかごの底

プレビュー図です。データの[ひも上下]には模様の1単位が入っています。ボックスのサイズやどの位置で立ち上げると良いか、は先に試した通り

以前検討した「立ち上げ可能な繰り返し模様の条件」に合っていれば、側面の辺もそのまま編むことができます。四ツ菱はNGですが、それがどこなのかは、[プレビュー2]を見ればわかります。赤い丸で囲ってみました。もうすこし高さを低く作れば出現しないのですから、かなり優秀な模様と言えましょう。

データです。

長桝網代編みに縦ライン

Ver1.8.8 で、CraftBandSquare45で斜めに立ち上げた場合、側面の編み方も編集できるようになりました。そこで、一番シンプルな、縦のラインで試してみました。

長桝網代編みに縦線

底です。正方形なのですが、四方網代編みは編みにくいので長桝網代編みにしました。それなのに歪んでいます。。なかなか綺麗には作れません。

長桝網代編みに縦線の底

本数については、底から縦ラインにした時と同じ条件ですから、縦横プラスして3の倍数ですが、わかりやすく各四角数21個で試しました。

プレビューの底編み図です。

プレビュー2、側面をつなげた編み図です。

データです。

フルオーダーのオペレーション

ではそのオーダー・オペレーション、どのように進めたのでしょうか。振り返ってみました。

最初に決めていただいたのは、色と、かごのタイプです。サイトの試作例、足りなければネットでも雑誌でも実物でも見ていただいて……で、ご指定は、

色は、ピンク・紫・白
タイプは、斜め編み

次はサイズです。斜め編みの場合は、繰り返し模様にするのであれば、幅・奥行き・高さとも単位の整数倍になりますので、まずは候補3点をあげました。

7本ベースのサイズに決まりました。つまり、

四角数は、横14個・縦7個・高さ14個
縦ひも・横ひもは各21本

次は、バンドの配置です。手持ちのバンドから、ピンク・紫・白の3色を使うとして、まずそれらバンドの実物に近い色を描画色に登録するとともに、バンドの種類「PPバンド」を複製して「PPバンド(指定色)」を作りました。

繰り返し模様の条件は対称に並べることですので、3色ないしは2色を対称に並べ、異なるパターンになるよう、色を入れ替えながら、[プレビュー2]の画像を作りました。とりあえず、12点。こんなです。

パッと見て気に入ったのは、最後の「F」
だけど、もっとカラフルがいいので、白を黄色に変えたらどうかな?

バンドをカットしているわけではないし、黄色は手持ちにありますので、変更は問題ありません。白と黄色が最終候補になりました。

色の並びは
ピンク・ピンク・紫・白・紫・ピンク・ピンク
もしくは
ピンク・ピンク・紫・イエロー・紫・ピンク・ピンク

2候補に絞られましたので、3Dモデルにしてファイル化し、フリーの3Dモデル共有サイトに登録しました。

https://skfb.ly/prB77
https://skfb.ly/prB7n

リンクを送れば、スマホでも見ることができます。
黄色に決まりました。

底編み図

型紙に合わせてカットし、立ち上げて本体を編みました。

次は、持ち手です。できた本体に、荷造り用の白いひもを、お好きな位置に・お好きな長さで、クリップで留めていただきました。計ると、35cmでした。

色は、四つ編みなので、1色~4色。本体色に限らずどんな色でも可能ですが、ご指定は、

紫2本・ピンク1本・黄色1本(四つ編み)
持ち手の長さは35cm

留め具については、書類用クリップで仮止めしてみたのですが、金色がカワイイのでそれでOKということになりました。

ということで、すべてご指定通り。オペレーターとしては、私情を交えず機械的に、可能な選択肢を呈示したつもり。ですので、このかごは、Nさんにしか作れない、Nさんのオリジナルデザインなのです。Nさんのお友達は、かごを見て「Nさんらしい」「Nさんに合ってる」と評されていました。


底はこんなです。

データと、色・バンドの種類の設定ファイルをつけておきます。