「ボックス」カテゴリーアーカイブ

箱型のかご

鱗網代編み(うろこあじろあみ)のボックス

名称鱗 網代 編み
名称(読み)うろこ あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位水平14× 垂直7
バンド幅
飛び数1,2,3,4,5
対称性
備考

引き続きの網代編み模様です。文献
『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0
74ページ「15 鱗網代編み」でボックスを作ってみました。
千鳥網代編みをちょっとカスタマイズしたような模様です。

鱗 網代 編みのボックス

底も同じ鱗網代編みにしてみました。同色だと模様がわかりにくいです。編み図に合わせたつもりだったのですが、後で1箇所間違っていることに気づきました。どこかわかりますか?

鱗 網代 編みの底

千鳥網代編みはすんなりできましたが、こちらはすごく作りにくかったです。3つ飛びベースの場合、3~4段編むと落ち着いてくるのですが、それが全然ない。ところどころボンドで留めないと形にすることができませんでした。何故こんなに編みにくいのか、考えてみました。

詰めにくい箇所があります。でもそれより、ひもが重なってしまう方が問題。普通は、段が変わると目の位置がずれて咬みあう形に固定されるのですが、含まれるような構造なのです。垂直なので落ちてきます。

また、輪編みのように、同じサイズの輪を作ってから編んだのですが、単位につき1本、他より短くなってしまうひもがありました。輪の内側に5本飛びが続く箇所です。輪を切って貼りなおす必要がありました。

データです。底・側面ともに同じ模様の単位ですが、底と側面のひもが重ならないように、位置をシフトしています。

千鳥網代編みのボックス

名称千鳥 網代 編み
名称(読み)ちどり あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位水平12 × 垂直6
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性垂直線,半回転
備考

引き続きの網代編み模様です。文献
『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0
60ページ「4 千鳥網代編み」でボックスを作ってみました。

次のように記載されています。

中心から左右対称に編みすすめます。

模様の単位は 12×6 と偶数なのですが、中心は1点です。そのため、縦ひもと横ひもは同数ではなく、各、プラス1・マイナス1とした奇数(19本と17本 )にしました。

千鳥網代編みのボックス

底は桝網代にしてみました。Ver.Upで、ポチポチしなくても簡単に作れるようになりました。

データです。CraftBandSquare で開くと、側面が模様の単位となっています。

花あじろ編みのボックス

名称花 網代 編み
名称(読み)はな あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位18 ×18
バンド幅水平・垂直とも、単位ごと、中心は広→外に狭
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

図3・20 編み方のちがいよにるますあじろの変化 の続きです。文献は
『図説 竹細工入門~竹製品の見方から製作へ~』佐藤庄五郎、共立出版、1993

55ページ、3点の図の3番目 (c)花あじろ です。

繰り返しの単位は 18 × 18 で、その単位の中で、幅が中心から外へ広→狭 となっています。4側面と高さ、各2単位で作ってみました。1,3,5飛びの組み合わせでできているのは、なるほど竹細工だと思います。

最初は 8本幅→4本幅→3本幅→4本幅でデータを作ったのですが、22センチではちょっと大きすぎるかなと思い、6本幅→3本幅→2本幅→3本幅に変更しました。でも、2本幅が入ると作りにくく、大きくても良かったかも、と思いました。

底は、3つ飛びの網代編みです。幅が段階的に変わっていますので、波網代状態です。

展開図・編み図です。CraftBandSquare で開いた時、側面にある18×18が1単位です。ひも上下は1単位ですが、縦ひも・横ひも・側面の編みひもは各2セット分。変更して使う際には、ひも幅と位置を合わせる必要があります。

また、下・左側面は、上・右側面に対してひも1本分、右にシフトしています。ひも幅が偶数単位の奇数中心だからです。角の2辺がずれてしまうのですが、とりあえず単位を優先しました。

花あじろ編みのボックスの編み図

データです。

連続ますあじろ編みのボックス

名称連続桝 網代 編み
小桝 網代 編み
名称(読み)れんぞくます あじろ あみ
こます あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位水平18 × 垂直14
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

図3・20 編み方のちがいよにるますあじろの変化 の続きです。文献は
『図説 竹細工入門~竹製品の見方から製作へ~』佐藤庄五郎、共立出版、1993

55ページ、3点の図の1番目 (a)連続ますあじろ です。

連続ますあじろ編み

1単位が 水平18×垂直14で、10×10の(b)花ますあじろより少し大きい。同様に4側面と高さに2回繰り返しましたが、ベースは少し細めの4本幅にしました。

内側は、上下交換した模様になっています。

連続ますあじろ編みの内側と底

底は、X字型の網代、別パターンを試してみました。X字の中心で上と下を入れ替えるとどうなるか?です。やってみると、そのまま繋げた時と同様、中心の上下・左右にひもが2本ずつ重なります。この重なりを1本にすると開き網代編みになるわけで、結局、1,3,5 にするにはセオリー通りにするしかない、というわけです。

ただまあ、開き網代を上下・左右対称にするには奇数にしなければなりませんが、今のように偶数にしたい時には、ありなのかもしれません。

展開図・編み図です。CraftBandSquare で開いた時、側面にある18×14が連続ますあじろの1単位です。底は無視してください。

連続ます網代編み

データです。

花ますあじろ編みのボックス

名称花桝 網代 編み
連続小桝 網代 編み
中心1 網代 編み
名称(読み)はなます あじろ あみ
れんぞくこます あじろ あみ
ちゅうしん1 あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位10×10
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

竹細工の文献
『図説 竹細工入門~竹製品の見方から製作へ~』佐藤庄五郎、共立出版、1993

55ページ、図3・20 編み方のちがいによるますあじろの変化 として3点の図が載っています。その中から一番シンプルな (b)花ますあじろ を作ってみました。

花ますあじろ編み

1単位が10×10、4側面と高さにそのまま2回、繰り返しました。

底は側面とは別なので、X字型の網代を試してみました。開き網代編みでは、左上と右下・右上と左下の斜めの線が、X字の中心で2本分シフトしています。これを、シフトさせずにそのまま繋げたら、どうなるのかな?と思ったのです。

やってみると、上下・左右にひもが重なるし、4,6 の飛び数が出てきて、なるほどこれは、あまり良くないな、ということがわかりました。

底、X字型の網代編み

展開図・編み図です。CraftBandSquare で開いた時、側面にある10×10が花ますあじろの1単位です。底は無視してください。

花ますあじろ編み

データです。

追記
底の シフトさせずにそのまま繋げる開き網代、ですが、左下-右上ラインと右下-左上ラインのクロス部分が3,5 になるタイプと4,6になるタイプの2通りがありました。この例の4,6だと重なりますが、3,5で作れば重なりません。実際、側面のクロスは3,5なのですから!

開き網代編みのトレイ

名称開き 網代 編み
十字開き 網代 編み
名称(読み)ひらきあじろ あみ
じゅうじひらき あじろ あみ
模様タイプ中心からの4象限
単位各象限 6 × 6 [3つ飛び]
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

ますあじろの変化として『図説 竹細工入門~竹製品の見方から製作へ~』には「開きあじろ(十字開きあじろ)」という名前だけ載っていますが、もうひとつの文献
『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0
86ページ「22 開き網代編み」に、図が掲載されています。同様のトレイで作ってみました。

開き網代編みのトレイ

底です。

開き網代編みのトレイの底

データです。データの作りは四方あじろ編みと同じです。


四方あじろ編みのトレイ

名称四方 網代 編み
違い桝目 網代 編み
名称(読み)しほう あじろ あみ
ちがいますめ あじろ あみ
模様タイプ中心からの4象限
単位各象限 6 × 6 [3つ飛び]
バンド幅
飛び数1,2,3
対称性1/4回転
備考

竹細工の文献
『図説 竹細工入門~竹製品の見方から製作へ~』佐藤庄五郎、共立出版、1993

から、次に作ってみたのは、55ページ、図3・19 中心の編み方のちがいによるますあじろの変化(四方あじろ) です。

もうひとつの文献『かご編みの技法大全』92ページには「24 配色違い桝目網代編み」として載っています。

四方あじろ編みのトレイ

底はこんなです。

四方あじろ編みのトレイの底

データは、先のトレイと同様、模様が側面につながるように作ってみました。

CraftBandSquare で開くと[ひも上下]のパターンが見られますが、側面についてはサイズに合わせていますので、再利用には調整が必要です。底のパターンを拡張して使ってください。

ところで、このパターン、かつて作ったパターンによく似ています。「斜め網代編みの底の組み方」を検討した時の正方形パターンです。上下十字に切り替え線があり、上と下・左と右が上下逆対称というところが。

四方あじろについては、同書には、

ますあじろと異なり、底編みから胴への編み上げが容易なので,花かごなどの底編みに応用される

と書かれています。これって、斜め網代編みの立ち上げのこと、ですよね。「四方あじろ」の応用に「長ますあじろ」があるとも書かれていますが、正方形を長方形にするということでしょう。ということは、斜め網代編みの底の組み方は、四方あじろだったってことなのでしょうか!!

データです。

絞り網代(しぼりあじろ)編みのトレイ

名称絞り 網代 編み
名称(読み)しぼり あじろ あみ
模様タイプ中心からの4象限
単位
バンド幅
飛び数1~9
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

しぼります目あじろを作ってみて、ひも幅のバリエーションは意外と少ない、と感じました。波網代のように繰り返すならともかく、無限に広がるますあじろでは、4種なんてあっという間の上限です。中央十字部を除く左上・右上・右下・左下の領域は、広がると、”絞り”ではなくなるのです。

もうひとつの文献
『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0
82ページ「19 絞り網代編み」に、同じ”絞り網代”が載っています。こちらは、同じひも幅ベースで作られており、広がるとちょっと違う模様が見えてきます。こちらのタイプであれば、サイズに合わせた調整をすれば、上限は無いでしょう。

この模様で、トレイを作ってみました。A4サイズです。

なぜトレイか、というと、今のところCraftBandSquare には、ひも上下のパターンに、水平・垂直各50点まで、という仕様上の制限があるからです。模様=繰り返しパターンの想定でしたし、1.5cm×50=75cm 分あれば十分かなと。

なので、ちょっと変則的ですが、プレビュー図で見た時に底と側面がつながる形で模様のデータを作りました。トレイとしてのサイズについては、別途データを作成し、このデータのカットリストでひもを準備します。そして、模様データの編み図に従って、内側から見た模様を作りました。

底です。側面の模様は底の続きです。

絞り網代のトレイの底

データです。模様とサイズ、2点です。

しぼります目あじろ(絞り桝目網代)のかご

名称絞り桝目 網代 編み
変形桝 網代 編み 3
名称(読み)しぼりますめ あじろ あみ
へんけいます あじろ あみ 3
模様タイプ中心からの4象限
単位
バンド幅水平・垂直とも、中心から外に段階的に狭→広
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

ますあじろのバリエーションです。バンドの幅を変え、中心を狭くしたのが”しぼります目”です。先と同じく、ベースは、

『図説 竹細工入門~竹製品の見方から製作へ~』佐藤庄五郎、共立出版、1993
54ページに、図3・18 幅と編む順序のちがいによるますあじろの変化 (b)しぼります目あじろ です。

中心からの本幅、3,6,9,12 で作ってみました。

しぼります目あじろ

今までと同様に、写真で見えている2つの側面は、元図、および[上下交換]した2パターンです。本数は少ないのですが、幅広のひもの比率が多くなっているため、先より大きめのかごになりました。

底は、3つ飛びの網代編みですが、縦ひも・横ひもとも中心から外側にむけて幅が段階的に広くなっていますので、”波網代編み”の状態になりました。

しぼります目あじろの底

データです。CraftBandSquare で開いていただくと、展開図・編み図を見ることができます。ひも上下のパターンは、サイズは異なりますが、ますあじろ編みと同じです。

交色ますあじろ/裏桝網代(うらますあじろ)編みのかご

名称裏桝 網代 編み
交色桝 網代 編み
名称(読み)うらます あじろ あみ
こうしょく ますあじろ あみ
模様タイプ中心からの4象限
単位各象限 6 × 6 [3つ飛び]
バンド幅
水平・垂直とも、中心B色・3本ごとB色
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

先の文献
『図説 竹細工入門~竹製品の見方から製作へ~』佐藤庄五郎、共立出版、1993
54ページに、図3・17 交色によるますあじろの変化 が掲載されており、次のような記述があります。

図3・17(a)のますあじろも、交色すること(3本のうち1本を)により、図(b)のように同じ編み方とは思えない模様が現れる。

ここに書かれている (a)ますあじろ は、先に作ったかごです。そして次に、同図 (b)交色ますあじろ でかごを作ってみました。

裏桝網代

先のますあじろは網代編みが菱形になっていましたが、これをX字型(開き網代)にし、上下交換(裏返し)すると(b)図の模様になりました。

先のかごと同じく、写真で見えている2つの側面は、元図、および[上下交換]した2パターンとなります。裏表で、中央が十字/中央が点 の模様が入れ替わっています。

底は菱形のますあじろです。X字型にせず、そのまま交色した時の模様(交色開き網代)になります。

中央から、水平・垂直とも3本ごとに茶・茶・白と色を変えて、1本目の茶で終わる数(27本)にして、各面の模様をつなげました。

裏桝網代の底

編み図です。実際には、右側面と下側面を入れ替えて編みました。

なお、名称ですが、記載されている「交色ますあじろ」だけでは広すぎますし、そもそも他のかごも、水平と垂直を交色で作っています。そのため、こちらの文献
『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0
70ページ「12 裏桝網代編み」の名称を併記しました。こんな図です。

説明に次のように記述されていますので、同じ編み方と判断しました。

桝網代編み(P.64)の編み方を、たて芯とよこ芯を共に3本おきに色を変えると、同じものとは思えない模様が現れます。配色の変化による模様のひとつです。

前者は1,3,5 飛び、こちらは1,2,3,4,5,6,7,9 飛びと細部は異なるので、「裏桝網代編み」にもいくつか亜種があるのでしょう。

データです。