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デジタルものづくり

Fab Your Vibe! – バイブコーディングで遊んできました

FabCafe Kyoto のイベント『Fab Your Vibe! – バイブコーディングで遊ぼう vol.2』に参加してきました。こんなイベントです。

Claude Code、Cursor、CodeX などのAIコーディングツールを利用して、アイディアを形にしてみましょう。ルールはひとつ。コードを一切書かないこと。

どこで、なにに、どんなコーディングをしてもらって、どうやって動かすの?レベルでしたが、例をみせてもらって、そもそものところからAIに教えてもらいつつ、何とか進めることができました。

最後に、参加者の皆さんが作られたアプリを見せて頂いたのですが、画像や動画や地図、音楽・ショートストーリーにゲームと、ちゃんと動くし、組み合わせがリッチ。全部AIが教えてくれたんですよ、と言いつつも、その人にしか表現できないこだわりが形になっているのです。人間も、AIも、すごい。

さて私。このマルチメディアの時代にレガシーとは思いつつ、趣味は籠ですから、籠のアプリを作ってもらいました。ヤバい事故も起こしかけて、早い段階で気づけてよかったね、なんて、慰めなのか自己正当化なのかわからないコメントももらいつつ。

説明より描かせたい画像を見せるといいよ、などいろいろ教えていただいたスタッフの皆様、ありがとうございました。その後、仕様簡略化&修正を加えてできたのがこちら。

スマホでも動きます。試してみてください。

プラかごの後差し模様(ステッチ)の体系と進化

先に「ピクセル絵」として、短いバンドをドットのように差し込み、絵を描く手法を紹介しました。しかし、実際のプラかご作りにおいて、より広く使われているのは、長いバンドを側面全体に通して幾何学的な模様を描き出す装飾技法です。

本サイトでは、この技法を「後差し模様」ないしは「ステッチ」と呼び、順を追ってその組み合わせを見ていきたいと思います。それに先立ち、なぜこの技法が生まれたのか、どのような仕組みで成り立っているのか、その全体像を整理します。

1. すき間から表面へ:PPバンド独自の進化

竹細工や籐細工における伝統的な「差しひも(透かし編み装飾)」は、六つ目編みや四つ目編みなどの「編み目のすき間(目)」にひもを通す技法でした。

一方、PPバンドで作るプラかご(主に平編みベース)では、目ではなくバンドの表面に重ねて差し込みます。これは、PPバンドという素材が薄く、滑りやすいからこそ可能になった、独自の進化形と言えます。紙バンドのように編み目や幅自体を変えることが難しい代わりに、薄いバンドを層のように重ねることで装飾性を高める道を選んだのです。

2. 構造のレベル分類:支点のルール

滑りやすいバンドを固定するためには、単に重ねるのではなく、既にあるバンドを支点として利用する必要があります。この「何に留めるか(依存関係)」によって、模様の構造は以下のレベルに分類できます。

  • レベル0(フレーム): ベースとなる平編みのかご本体。
  • レベル1(直交・シフト積層): フレーム(Lv.0)を支点として差し込む層。
    • 基本: 水平・垂直方向(0度・90度)に重ねる。
    • 変則シフト: 「横1マス・縦3マス」のように座標をずらして通すことで、72度・108度、「横3マス・縦1マス」で18度・162度などの角度で通す。
    • ループ(鱗状): フレームのバンドに対して「巻き付ける(ループする)」ことで立体化し、その連続で模様を作る。※斜めに進みますが、足場はあくまでフレーム(Lv.0)であるため、構造上はレベル1の亜種に分類されます。
    • ピクセル絵も構造的にはこのレベル1に属します。
  • レベル2(斜交積層): レベル1のバンドを支点として差し込む層。
    • レベル1でできた浮きや交差を利用することで、45度・135度方向への配置が可能になります。レベル1の足場がないと成立しないため、工程順序は不可逆です。
  • レベル3以降: レベル2以上のバンドを支点として、さらに複合的に編み込む層。

3. 文献に見る技法の変遷

2010年代前半からの関連書籍を紐解くと、この「レベル」が段階的に活用され、補強目的から装飾表現へと進化していった過程が見て取れます。

黎明期:補強としてのレベル1 最初期の文献である高宮紀子の著書[1][2](2013-2014年)では、全60作品中、バンドを重ねる技法はわずか2点のみです。

  • 文献1(p.75, 90): 全面に同方向のバンドを重ねる作例が見られますが、これは模様というより、薄いバンドの強度を補うための「二重化(補強)」としての意味合いが強く、レベル1の初期段階と言えます。

過渡期:装飾表現の開拓とレベル2の登場 2014年頃、紙バンド・PPバンド手芸の第一人者として現在も活躍する古木明美の著書が登場することで、表現の幅が一気に広がります。古木明美の著書[3](2014年)では、紙バンド手芸で培われたデザイン感覚が持ち込まれ、以下の重要な技法が確認できます。

  • ピクセル技法(風車模様): 田の字の4ピクセルに三角を作る「風車模様」が複数の作品で使われています。これは短いバンドで面を埋める技法であり、構造的にはレベル1ですが、幾何学的な絵柄を描くという装飾的な意図が明確です。
  • レベル2の実践: 同書(p.37)の「赤×白ステッチのバスケット」では、水平に通した赤バンド(Lv.1)の上から、白の細幅バンドを45度・135度で交差(Lv.2)させる構成が登場します。
    • 「レベル1を支点としてレベル2を通す」という積層構造が、この時期すでに作品として完成されていたことは特筆すべき点です。

発展期:機能からの派生と数学的探求 翌2015年、富田淳子の著書[4]では、ベトナム現地の技法を通じて、さらなるバリエーションが紹介されます。

  • 機能の装飾化(鱗模様): 作品(23, 30, 31)に見られる、バンドをループさせながら斜めに進む模様です。持ち手をカゴ本体に巻き付けて固定する技法を、装飾として側面全体に応用したと考えられます(Lv.1の亜種)。
  • 幾何学的・数学的応用: 「幾何学模様のバッグ」(p.66)では、赤のフレーム(Lv.0)に白の水平バンド(Lv.1)と白の斜めクロス(Lv.2)を加え、さらにミントグリーンのバンドを72度・108度(Lv.1)に通しています。

現在:技法の定着 その後、2021年頃からの再ブーム以降に出版された書籍では、素材の多様化と共にこれらの技法が統合・洗練され、複雑な模様が前面に現れるようになります。

特筆すべきは、2016年から2020年にかけての出版空白期です。この間、技法書の出版は途絶えましたが、同時にSNSが情報インフラとして定着した時期でもありました。 書籍による図解の代わりに、SNS上の写真を通じて視覚的に情報が交換されたことで、「花模様」に代表されるような、より映える、かつ高度なステッチがユーザー間で広まったと考えられます。

第1次ブーム後期の先駆的な試行錯誤(レベル1の多様化とレベル2の確立)は、この空白期のSNS文化による醸成を経て、現在に至るPPバンドの標準的な装飾技法として、完全に定着したと言えるでしょう。


参考文献

  • [1] 高宮紀子 (2013). 『PPバンドで編む 毎日使えるプラかご』 誠文堂新光社.
  • [2] 高宮紀子 (2014). 『PPバンドで編む オシャレなプラかご』 誠文堂新光社.
  • [3] 古木明美 (2014). 『PPバンドで作る かわいいプラかごとバッグ』 河出書房新社.
  • [4] 富田淳子 (2015). 『PPバンドで作るベトナムのプラカゴ』 文化出版局.

編み模様の生成(Weaving Pattern Generator)

CraftBandMeshシリーズは、編みかごのデザイン用ソフトですが、機能には編み模様の生成が含まれています。バンドの幅や色・編み目(上下関係)を指定した時に、どんな模様になるか、画像としてプレビューできるのです。

パソコンを使ってメッシュワークの模様をデザインしよう』講座では、この「編み模様」に焦点をあてて、実際に操作しながら、

について、色を変えたり編み目を変えたりしながら、模様がどう変わるかを見てみました。上下に組まれたバンドでは、上のバンドが模様色となります。メインのポイントは、つまり、組み合わせの結果 色がどう出るのか、でした。

編み模様については、色とは別に、編み目(ひもの上下関係)を線画として使いたい、というご要望がありました。

言われれば確かに、網代編みの絵なんてソフトでは簡単に描けますが、これを手作業で作ろうとしたら面倒くさいかも。ソフトを使っていれば、普通に目にする図なのですが、改めて、デザイン素材風に作ってみました。

Squareによる平編みの図
刺繍の図案や、シンプルな塗り絵のベースに

Square で、平編みです。

バンド幅とすき間は、任意に設定できます。

Squareによる2つ飛び網代編みの図
刺し子の下絵や、規則的な背景素材として

Square で、2つ飛び網代編みです。

反転・回転・シフトなどの編集が可能ですので、方向は自由に変えられます。

Squareによる6×6単位の図
パッチワークの型紙や、ロゴのデザイン案に

Square で、登録されている中から選んでみました。6×6単位の風車のようなパターンです。

Square45による2つ飛びの四方網代編みの図
レーザーカッターの刻印や、迷路風の装飾データに

Square45 で、2つ飛びの四方網代編みです。プレビュー2の底部分です。

普通は詰めて編むのですが、すき間をあけると違って見えてきます。

hexagonによる麻の葉の図
レジン封入用シートや、和柄のテクスチャ素材に

Hexagon です。六つ目の三すくみはありふれているので、麻の葉にしてみました。

hexagonによる鉄線編みの図
幾何学タイルの配置や、緻密な文様設計のヒントに

Hexagon です。鉄線編みです。

描画色は、いずれも基本色に「線のみ」を指定しています。線幅「3」ですが、描画色を自分で作ればもっと幅広に作ることもできます。

いずれも、単位の繰り返しで作られていますので、バンド本数を増やすだけで大きな図になります。縦横(Square系)については、ご自分で単位を作ることもできます。

デザイン図やテクスチャとして、様々な手芸・工作、資料作りなどにお使いいただけるのではないでしょうか。かごのデザインに限らず、編み模様の生成にも、ソフトを是非お役立てください。

やってみよう 折りカラー編み(4) 

2色の格子模様の箱が、ふたつできました。使用したテープ、本数、サイズ、編み方、すべて同じです。比べてみましょう。

そのままタイプ

そのままタイプの全体図
側面の格子模様は崩れている
そのままタイプの内底
内底は揃っている
そのままタイプの外底
外底は揃っている

配置換えタイプ

配置換えタイプの全体
側面は、揃った格子模様
配置換えタイプの内底
内底は崩れている
配置換えタイプの外底
外底は崩れている

底を格子模様にしても、斜めに立ち上げると、側面の格子模様は崩れます。
底の色配置を変えると、側面の格子模様を揃えることができますが、底は揃いません。

では、底と側面、同時に格子模様にすることはできるのでしょうか。

以下の図は、ひとつの角を中心に、その角の左側面と右側面を並べたものです。左図・左の側面、右図・右の側面は、それぞれ底と連続した格子になっています。でも、真ん中の図のように、その状態を角の辺から見ると、このふたつの側面が、物理的につながらない(編めない)ことがわかります。

3Dプレビュー、左側面と底がつながる
角の左の側面
3Dプレビュー、右側面と左側面がつながらない
角の中心から見ると
3Dプレビュー、右側面と底がつながる
角の右の側面

つまり、揃った格子模様を全ての面に連続させることはできず、底もしくは側面のいずれかにしか作れないのです。

では、どちらのタイプを選ぶか。

  • 底を揃えたければ → そのままタイプ
  • 側面を揃えたければ → 配置換えタイプ

でしょうか。もちろん、このふたつ以外にもパターンはありますし、ありふれた格子よりダイナミックなブロックが良い、など好みもあるでしょう。

ちなみに、配置換えタイプについては、2本の色替えは折りカラー編み・斜め編みの高さとしてまとめられている、以下の式に基づきます。

(4 + 4)/2 = 4
4 - 2 = 2

カラフルで扱いやすい素材が豊富に揃い、誰もがそれを容易に手にできるようになった今の時代。

かご編みでは、編み幅や編み目だけでなく、色の組み合わせや、色によって生まれる模様そのものを、遊び、楽しむようになりました。
折りカラー編みは、そんな時代に生まれた技法です。

やってみよう 折りカラー編み(3)

作りたいのは、2色の格子模様です。
両側、2本の位置を入れ替えて作ってみましょう。

※テープを少し細めにすると、小さい箱になるので、(2)と入れ子にできますよ。

配置換えタイプ

縦横それぞれ8本のうち、両側の2本ずつを入れ替えた配置です。中央を合わせて格子に編んだら、四隅をクリップで留めます。
8本ずつですので、真ん中は4本の位置です。この四か所が底の角になります。ヘアピンで留めて下さい。

底の四辺にしっかり折り目をつけます。
45度に折ると、縦と横・横と縦が重なります。

折り目をつけたら開いて、次の辺を折ってください。

底の折り目から直角に、側面を編んでいきます。
まず、角となる位置から、編み目の上下がそのまま続くように、2本を編んでクリップで留めましょう。
角の四か所で一周です。

角の四か所、2本が編めたら、更に2本を編みます。
同様にして、角から広げて、全体を編んでいきます。

外れないよう、適宜クリップで留めて下さい。

テープの長短があり、綺麗には揃いませんが、左図のような編み模様が見えてくるはずです。

縁となる2辺、外側に折り返す箇所(赤線)を、図と比較して確認しておきましょう。

高さの確認用に、四角数2の位置に輪ゴムを留めてみました。

縁の各辺は、交差する2本のテープ、4セットでできています。縁全体で、4×4の16セットです。

高さ位置、交差してできる正方形の対角線で、まず、外側のテープ4本を外側に折り返します。
次に、そのペアとなるテープ4本を外側に折り返します。

向い側の辺も、同様に、4セットを外側に折り返します。

まず、外側のテープを外側に折り返し、
次に、ペアとなるテープを外側に折り返し、です。

折り返したテープは、それぞれの方向に、高さ2四角数分編まれているテープに重なります。

編み目に重ねて、上下に差し込んでください。

縁の4辺のうち、2辺が残りました。上の展開図の青線箇所です。この2辺は、内側に折り返します。

まず、内側のテープを内側に折り返し、
次に、ペアとなるテープを内側に折り返し、です。

側面が作れたら、テープの端を始末します。

まず、底の外側です。
ヘアピンを外し、側面に折り返したテープが、折って底面に入るところまで、重なるようにします。

それぞれのテープの長さで、底の編み目の適当な箇所で隠れるように差し込みます。

端が見える長さであれば、カットして差し込んでください。この例では、長さが足りない箇所2点を、カットした切れ端でカバーしました。

内側の底についても同様です。
側面が重なり、底の適当な箇所で隠れるようにしてください。

折り目をつけて、形を整えたら完成です。

データです。