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シリーズのアプリや使い方、サイトに関して

四つ畳み編みの要尺とコマ寸法の仕様化

やりたいことは、バンドの本幅(何本どり)から、要尺とコマ寸法を得ることです。
その際、

  1. 様々な幅や特性のバンドに対応
  2. 個人ごとのクセに対応
  3. 実測値を入力できる
  4. 実測値は一部でも良い
  5. 既定値でもそこそこ計算できる

1.については、既に様々な「バンドの種類」を設定値として登録する仕組みがあるので、そこに四つ畳み用の係数を追加すればいい。ではどんな係数を持たせるか。先のデータを解析してみました。

要尺

12本幅・13本幅・PPバンドのひも幅に対して、要尺をグラフ化してみました。比較用に、黄色で2D値を表示させています。

ひも幅に対する要尺

ほぼ直線に乗っています。これなら、少なくとも2点の実測値があれば、a(傾き)とb(切片)を計算することができますので、4.の条件は満たせるでしょう。

エクセルに式を表示させ、a値とb値を読み取りました。
a値とb値はそのままでも計算に使えますが、よりわかりやすくするため、aは2D値、bはバンド幅で割って、係数化することにしました。

既定値は、5.を考慮して次のようにします。

  • 要尺の係数a : 0.98
  • 要尺の係数b : 0.7

コマ寸法

同様にグラフ化すると、要尺と同様の関係が見られました。

ひも幅に対するコマ寸法

同様にa値とb値を読み取りました。
a値は2D値、b値はバンド幅で割って係数化するのも同じです。

既定値は、上の値をもとに、次のようにします。

  • 要尺の係数a : 0.95
  • 要尺の係数b : 0.2

要尺とコマ寸法を共通係数化できれば良かったのですが、複雑に対応づけるより、シンプルにほぼそのままの値にしました。これらの値は、バンドの種類ごとに持たせますので、1.2.は満たせるでしょう。

4点の係数を持たせたことで、要尺とコマ寸法はそれぞれ独立に扱われることになりますが、要尺だけ実測、みたいな使い方もできるようになりますので、それはそれで良しとしましょう。

マイひも長係数

2.については、適切な係数を設定すれば実現できるはずなのですが、念のため、ユーザーごと個別の「マイひも長係数」を設定可能としておきましょう。

最終的に出力するひも長は、計算値に対して、この値を乗算する、という値です。既定値は1で計算値そのまま。例えばここに1.05を設定すると、すべてのひもの長さに 5%プラスした値を出力します。

個々のデータ・バンドの種類・設定した本幅によらず、一律の値です。

実測結果やグラフを含むエクセルを添付しておきます。

四つ畳み編みの要尺とコマ寸法

CraftBandMeshシリーズ、次のアプリはCraftBandKnotです。

四つ畳み編み/石畳編み/ノット編み/2本結び編み、と呼ばれるタイプのサイズ計算です。基本的には、ゲージを測定しコマ数を掛けるだけなので、今更要るのかなとも思いますが、何といってもクラフトバンド/紙バンドの基本の編み方ですから、あってしかるべきでしょう。

さて、そのゲージです。縦横同じ幅のひもで、縦横対照に編まれる1つの編み目を「コマ」とします。サイズ計算に必要なのは、1コマ編むのに必要なひもの長さ(要尺)とコマのサイズ(コマ寸法)です。

まず、厚みゼロ・折り曲げのRゼロの完全2Dの場合の値はいくつでしょうか。

図を描いて測ってみました。コマの形は風車のような形、コマの配置は横ひもに対して26度強の傾きです。バンド幅幅10ミリとすると、1コマのサイズは22.36ミリでした。

2Dの四つ畳み編みの表

1コマ編むのに必要な要尺は、下は編み目の裏側の図になりますが、 20+20+24.3=64.3 となりました。

2Dの四つ畳み編みの裏

ひも幅を1とした時の比率(2D値)は、次のようになります。

  • コマ寸法 = 2.236
  • 要尺 = 6.43

2D値が把握できたところで、実際に編んで測ってみました。手許にあるのは、13本幅と12本幅のクラフトバンド、およびPPバンドです。規定長の6本のバンドで9コマ編み、要尺とコマ長、各6点・12点の平均をとりました。

ゲージ測定

結果がこちらです。

測定結果

12本幅と13本幅のクラフトバンドは類似しており、ひも幅が狭い場合は厚みの影響が大きく2D値とずれていますが、広くなるにつれ2D値に近づいていくことがわかります。

PPバンドは薄くて紙に近い折り勝手でしたが、実際、クラフトバンドより2D値に近い値になっていました。

次はこれらの値を、仕様化します。

斜め網代編みの底の組み方

CraftBandSquare45が扱うクラフトバンドの斜め四角のタイプ、北欧編みの次は斜め網代編みです。難しいイメージがあって敬遠してきたのですが、やってみるしかありません。

ちなみに、私の「網代編み」の知識と経験は、

  • 横に編んで作ったことはあります! 上2・下2を、段ごとひとつずらせばよいのよね
  • 上3・下3の写真も見たことあり。2・3とか、4・4も網代というのかな?
  • 右上がり・左上がりはバリエーションの一種かな?

こんなところでしょうか。

上2・下2で作ってみるとして、横に編む場合は4の倍数であることが必要ですが、斜めの場合つながるわけではないので、縦の四角数・横の四角数、どんな組み合わせでもよさそうです。ではその場合、底をどうやって組むのでしょう?絵を見ながら、考えてみました。

まず、CraftBandSquare45のプレビューの図を、ペイントアプリで塗りつぶせるよう、線だけのパターンで画像ファイルが作れるように、「線のみ」という描画色を追加登録しました。

「線のみ」という描画色

そしてサンプルとして、横12・縦8・高さ3のデータを作り、画像ファイルを作りました。画像ファイルには、縦ひも・横ひもの他、縦横の各側面、底の中央線などが描かれています。

まず、横の側面と縦の側面の上2・下2パターンがつながるように、色を塗ってみました。垂直となる方向が変わるので、縦ひもと横ひもが入れ替わることがわかりました。

縦ひもが上になる箇所を色塗り

では、底はどう組んだらいいのか、ですが、とりあえずシンプルなルール

底の中央線で4分割し、
各、接している側面の塗り方をそのまま延長

としてみました。

底の塗り方

ネットや本に載っている底の編み図をみても、なぜそうしたかのルールは書かれていないため、推測ですが。

色塗りの練習台は簡単に作れますので、3点ほどやってみました。

15-7
11-8
9-9

windows標準のペイントアプリで、クリックするだけですから簡単です。4点目ともなると1分もかかりません。
とりあえずこのルールで、やってみましょう

※「正しいルール」をご存じの方ありましたら、教えてください!

追記
・別のルールで試してみた例がこちら
V1.7では、この投稿のようなパターンが自動生成できるようになりました。
・まとめページ「斜め網代編みとは
・そもそも、何故底編みが必要なのか「底編み無しの斜め網代

V1.3リリースしました

CraftBandMesh V1.3 では、CraftBandMeshのissue対応と合わせて、新たなアプリ CraftBandSquare45が追加されました。CraftBandMesh とセットでインストールすることができます。

CraftBandSquare45は、北欧編みや斜め網代など、縦横に組んだ底を交差方向に対して45度で立ち上げるタイプのサイズ計算ができます。また、プレビュー機能もありますので、配置を確認することができます。

V1.2リリースしました

issue #7 #8 #9 対応を行ったCraftBandMesh V1.2リリースしました。

  • (#7) 底の縦ひも、横ひもの個別長さの指定
  • (#8) データファイルのドラッグ&ドロップ
  • (#9) 側面の編みかたごとの比率表示

既にv1.1をインストールしている場合は、手動/インストーラで、バイナリを上書きしてください。設定データや既存のデータはそのまま使用できます。(同梱の設定ファイルは、若干の更新を行っています)

インストール方法などは、CraftBandMeshの「起動するまで」のページをご覧ください。