大雪小雪模様編みの小かご

ここまで2本ごとの差しひもでしたが、3本ごとになる模様を試してみました。文献は、

『NHK婦人百科 続・籐工芸』岡千鶴、日本放送出版協会、1983

79ページ、「花編み模様」として掲載されている写真のうち「大雪小雪模様編み」です。平行方向は1本ごとですが、直角方向が3本ごとになっています。同じ模様を側面に続けるために、各方向3の倍数である6本で作りました。

大雪小雪模様編みの小かご

大雪小雪模様編みの小かごの底

差しひもで埋められていないせいか、そんなに大変でもなく、模様になっていくのが楽しく作れました。

データです。ナチュラル色のひもは、おもてに表示していますが、三角の重なり部分はうらを通ります。

浮菊華編みの小かご

次は、平行方向と直角方向、両方の差しひもの組み合わせを試してみました。
以下文献110ページに、浮菊華編み(うきぎくはなあみ)として掲載されている模様です。

『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0

浮菊華編みの小かご

底が模様です。

浮菊華編みの小かごの底

白ひもは、おもて・うら両方を通るため、細線で表示させてみました。

ナチュラル色のひもは五角形位置でY字分岐です。直角方向の白ひもには車華編みの投稿で図示したような若干の余分が生じます。

データです。

亀甲華編みの小かご

Ver1.8.5 で修正した 平行方向の差しひもを使ってみました。

以下文献116ページに、亀甲華編み(きっこうはなあみ)として掲載されている模様で、平行方向に異なる2種のひもを交互に差しています。

『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0

亀甲華編みの小かご

外側から見た図で作っていますので、底が模様です。

亀甲華編みの小かごの底

こげ茶のひもは角にはきませんので分岐なし。ナチュラル色に分岐が発生しています。

データです。

V1.8.5 リリース

#issue対応、何点かの修正です。

CraftBandHexagon の差しひもで、平行方向かつ底の六角形の角位置を通る場合は、Y字になるよう修正しました。左側がV1.8.4 の時で、同じデータに対してV1.8.5では右図のようになります。

差しひもはY字に分岐するのですが、データ的には、他のひもと同じ並びで 1本の扱いです。ひもリストには、次のように、メモ欄に分岐情報を追記します。

また、添付のサンプル設定ファイルに、deep色一式を追加しました。

既存色の「透明度」値は50~100で、かなり透過的です。deep色は「透明度」値180で、ベタ塗りに近い色になっています。差しひもの重なりを見るには、上の2枚の図のように、deep色の方がわかりやすいと思います。必要に応じて使い分けてください。

サンプル設定ファイルですが、更新インストールの場合は、[設定]メニューの[基本設定]画面、[インポート]ボタンから「C:\Program Files\Labo\CraftBand\CraftBandMesh.XML」を読み取ってください。

ダウンロードはこちら。

Release v1.8.5 のリリース

撫子華編みの小かご

Ver1.8.4 CraftBandHexagonの差しひも、つぎはひもに対して平行方向です。

平行に1本差すのは「ひも中心合わせ」と同様な状況と思われますので、平行に3本を差してみました。以下文献111ページに、撫子華編み(なでしこはなあみ)として掲載されている模様です。

『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0

撫子華編みの小かご

また、この編み方は、裏側から見ると、鱗華編み(うろこはなあみ)という模様になります(同書113ページ)。

鱗華編み

お試しだから小さいかごでいいかと作り始めたのですが、差しながら、もしかして、作るのは小さい方が大変だったのかも、と思いました。

差しひものデータは、現Verでは、すべて対応する角度に平行に生成しています。でも、角、つまり五角形を通るラインについては側面部分で不一致が生じています。底からのライン(オレンジ色)は五角形位置までで、その先は二方向に分かれるのです。

余分はよしとしても、不足しているラインをどうすべきか。側面を指定した差しひもとして、別途手動で追加することは可能ですが、生成の一環としてできないか、検討したいと思います。

データです。同位置数・同位置順を指定することで、各方向3本の差しひもを配置しています。

車華編みの小かご

Ver1.8.4 CraftBandHexagonの差しひも、まず、ひもに対して直角方向を試してみました。
六つ目の脇にできる三角を通す編み方は、車華編み(くるまはなあみ)という名前で、以下文献100ページに掲載されています。

『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0

できたのがこちら。最下段の六つ目数を0.7、上端下端・左端右端を0.3、三角の中は3ミリです。

底から見たところ。

車華編みの小かごの底

小さいかごなのに、差しても差しても埋まらない、、って感じで。六つ目や三つ目の中のひもの方向を揃えたり、差しひもの浮き方や位置を合わせればもっと綺麗にできるのでしょうけれど、とてもそんな余裕はなく、差すだけで精一杯でした。

全体に対する垂直方向の差しひもについては、各角の五角形のところまでを生成します。でも、実際に差してみると、下図の青線と緑線のように、底からの差しひもが五角形の先に延びるのが自然でした。そして入れ替わった先の垂直部分(赤の点線)は2点ではなくいずれか1点でよい。

ということで、生成データについては、少しだけ余分が生じていますが、多い分については不足より良しとしたいと思います。

差しひもについては、個別の長さでカットして差したわけではなく、面積長分の白いひもを2本幅にして、差しながらカットしていきました。ひも長加算は15ミリ(両端で30ミリ)にしましたが、面積長で15センチ程不足でした。理由としては、

  • おもてうら交互に、波打つように通している分長くなる
  • 縁への角度が30度となり高さの倍のひも長が必要
  • 最短で約26センチのため、それ以下の端切れは使えない

とりあえず、そのままのデータを添付しますが、使うなら差しひもの加算長は10ミリほど増やした方がよさそうです。

PPバンド・四つ目崩しのかご3

四つ目崩しのかごをもうひとつ、作ってみました。使用するバンドの色・長さ・配置、すべて先の四つ目崩しのかごと同じです。差しひもが、四つ目の中でクロスするのも同じ。異なるのは、うら/おもての位置関係だけです。

四つ目崩しのかご3

右上がりのバンドを前面に置いたのですが、角のところだけは、うまく差せませんでした。追加となった垂直ひもに、底を通らない差しひもを加えなくてはならない。紺色のバンドはと同様に内側で折りましたが、工夫の余地はありそうです。

プレビュー画像です。

底も、差し方以外は同じ作り方です。

四つ目崩しのかごの底

2点を並べてみました。白と紺、同じ位置に同じバンドがあるのがわかるでしょうか。

四つ目崩しのかご

データです。先と同じPPバンド(不透明色)を使っています。

PPバンド・四つ目崩しのかご2

Ver1.8.4 で、CraftBandHexagonに追加された差しひも機能は、うら/おもて指定ができます。同様な指定はCraftBandSquare でも可能になりましたので、試してみました。

四つ目崩しのかご2

ベースに対するおもて/うらがわかるように、不透明色で描画させると、こんなです。

先に四つ目崩しを作った時は側面の各角に目を1つ(1列)増やしたのですが底の目との不一致がありました。今回は、上下左右に目があるタイプ、つまり各角に2つ(2列)目を増やし、差しひもを角の垂直ひもにすることで合わせています。

上図の各角、少し短くなっているバンド部分が斜めではなく垂直になります。垂直のバンドは白ですので、底で白と紺を重ねました。

四つ目崩しのかごの底

角を通る斜めの差しひも4本は、データ的には別途追加しました。作成にあたっては内側で折っており、他ほどきれいなクロスにはできませんでした。でも、目の数的には、側面にふたつ作った方が、一つ作るより良さそうです。

データです。

PPバンド(不透明色)のデータをつけておきます。

色の編集機能

編集中のデータで使用している色は、それぞれのタブで、各バンドに対応した行から個別に設定・変更しますが、まとめて設定・変更したいこともあります。[編集]メニューには、そのために使える2つの機能が用意されています。

色の変更機能

同じ色全てを、別の同じ色に変えたい時に便利です。
手動で呼び出しますが、バンドの種類を変更するなど使える色が変わった時には自動で表示されます。仮の色でテンプレートを用意しておき、都度、好きな色に置き変えて使うなどの応用ができます。

色の繰り返し機能

色の並びの繰り返しを作りたい時に便利です。
「縦横(側面)を展開する」ことにより、“何本幅”を変更可能なアプリであれば、同じ画面で、本幅の繰り返しを指定することもできます。

色の変更

[編集]メニューの[色の変更]をクリックし、色の変更画面を呼び出してください。

最初は、そのデータで使われている全色がリストアップされています。
表示・変更対象は、上部にあるチェックボックスで限定することができます。下図は、CraftBandSquare ですが、色が使える「側面と縁」「差しひも」「追加品」「縦ひも」「横ひも」の各タブのうち、任意のタブを対象に指定できます。

例えば、「縦ひも」と「横ひも」だけ色を表示・変更したければ、その2点にチェックを入れ、[使用色]ボタンをクリックすると、縦ひもと横ひもで使われている色のみがリストされます。

先のデータで、縦ひもと横ひもの色を変更してみましょう。
現在の色それぞれに対して、何に変更したいかを指定してから、[変更実行]ボタンをクリックしてください。

変更結果のメッセージが表示されたら、色の変更画面を閉じて、指定通り変わっているかどうか確認しましょう。

色の繰り返し

[編集]メニューの[色の変更]をクリックし、色の繰り返し画面を呼び出してください。

変更対象は、追加品や差しひもを除いたベースとなるバンドです。[色の変更]と同様に、上部にあるチェックボックスで操作対象を限定することができます。
下図は、CraftBandSquare ですが、ベースとなるバンドは「側面と縁」「縦ひも」「横ひも」となります。

何点を繰り返すのかは、行数で指定します。1行だけであれば、すべてのバンド行が対象になります。2行であれば2点の繰り返し、3行であれば3点の繰り返しです。必要数の行を [追加]ボタンで追加してください。

テスト用に、CraftBandSquareの概算機能で、ひもの本数のみをセットしたデータを作りましょう。「縦横側面を展開する」にチェックを入れると、横ひも・縦ひも・側面の編みひもそれぞれに色を設定できるようになります。

テストデータが作れたら、縦ひもを、4色の繰り返しに設定してみましょう。

4行を作り、繰り返したい色の並びを順に設定します。[変更実行]ボタンをクリックし、結果のメッセージが表示されたら完了です。[閉じる]ボタンで画面を閉じ、メイン画面に戻って結果を見てみましょう。

変更対象として指定した[縦ひも]タブを見ると、最初は空だったところに、色が入りました。上から、ひも番号の順に、4点セットが繰り返されています。

描画色の作成

既存にない色を登録する方法です。既成のバンドだけではなく、フェルトや布など個別に色を合わせて画像を作ったり、長さをリストしたい、という使い方にも応用できるでしょう。

次のようなステップで試してみます。

  1. 新たなバンドを登録する
  2. 画像ファイルからRGB値を読み取る
  3. RGB値を描画色として登録する
  4. バンドに描画色を割り当てる
  5. 作成した色を使ってみる

1~4.については、CraftBandMeshシリーズのどのアプリからでも登録することができますし、登録したバンドや描画色は別のアプリからも使えるようになります。(同じ設定ファイルを使っていれば)

1.新たなバンドを登録する

描画色登録用に、「バンドの種類」に「汎用(1幅1ミリ)」を登録しましょう。

CraftBandMeshシリーズのいずれかのアプリを開き、[設定]メニューの[バンドの種類]をクリックします。
[バンドの種類]画面が表示されたら「汎用(1幅1ミリ)」を追加してください。

バンドの種類「汎用(1幅1ミリ)」の行が追加されたら、本幅に「20」、バンド幅に「20」を入力してください。

他の値はとりあえずそのままにしておきます。(新規作成時の加算値や立ち上げ時にプラスされる値など、そのバンド用の値をセットできます)

[OK]ボタンで画面を閉じてください。これで、1幅につき1ミリ、1~20本幅(1~20ミリ)で使える新たなバンド「汎用(1幅1ミリ)」が追加されました。

CraftBandMeshシリーズのアプリも、ここで一旦閉じてください。

2.画像ファイルからRGB値を読み取る

色はRGB値で作成します。

取り込みたい色が表示された写真のjpgファイルを、ペイントソフトで開きます。
(ペイントはWindows標準のソフトです。画像を右クリックして[編集]としてもOK)

画像から、ペイントの「色の選択」機能でRGB値を読み取ることができます。

0~255までの整数値で、R,G,B が赤,緑,青 に対応します。

読み取りたい色の箇所、それぞれについて、赤,緑,青 の三つの数値をメモしておいてください。ディスプレイが大きければ、次の「3.RGB値を描画色として登録する」操作は、メモではなくウィンドウを並べて読み取った値を転記、でもOKです。

3.RGB値を描画色として登録する

CraftBandMeshシリーズのアプリを開き、[設定]メニューの[描画色]をクリックします。

[描画色]画面が表示されたら、「汎用(1幅1ミリ)」のバンドに対して、2.で読み取った各色に好きな名前をつけて登録します。まず「あじさい(薄い青)」という名前で、メモした赤,緑,青 の値を入力し、[更新/追加]ボタンで追加してみましょう。

他の色についても同様です。
ここでは、次のように、全部で6色を追加登録しました。

登録出来たら、[OK]ボタンで描画色の画面を閉じてください。

4.バンドに描画色を割り当てる

アプリの[設定]メニューから、再度[バンドの種類]をクリックして、バンドの種類画面を開いてください。

先に登録した「汎用(1幅1ミリ)」のバンドの[色選択]ボタンをクリックすると、登録されている色のリストが表示されます。ここから、このバンドで使いたい色にチェックを入れてください。追加した色だけではなく、既存の標準色も合わせて表示されますので、使いたければチェックを入れてください。

色を選んだら[OK]ボタンで閉じ、更に[バンドの種類]画面も[OK]ボタンで閉じてください。これで、「汎用(1幅1ミリ)」のバンドを選択した時に、リストに表示される色が選べました。

ここまで登録出来たら、登録に使ったアプリも一旦終了させてください。(終了させることで、設定ファイルが保存されます)

5.作成した色を使ってみる

登録した色を使いたいアプリを起動してください。

[編集]メニューから[バンドの種類選択]をクリックし、バンドの種類選択画面から、バンドの種類として「汎用(1幅1ミリ)」を選択します。

バンドの種類選択画面を閉じると、色選択の各箇所は、4.でチェックを入れた色のリストになっています。

必要なバンドの本数を設定し、「縦横(側面)を展開する」にチェックを入れて、個別のバンドに色を設定してください。

[プレビュー]タブで画像を表示させると、作成した描画色で表示されます。

CraftBandSquare で使った例
CraftBandKnotで使った例

例のデータファイルです。

作成した色を含む設定ファイルです。例のデータファイルと合わせて使ってください。