月別アーカイブ: 2024年9月

二重六つ目の浅かご

CraftBandHexagonで浅かごを作ってみました。『二重六つ目』と呼んでいいかはちょっと微妙ですが、二重の六つ目です。

二重六つ目の浅かご

底から見たところ。

二重六つ目の浅かごの底

なぜ微妙かというと、こんな感じで、絵をみながらまず斜めひもを組み、次に、横ひもを絵の通りに差し入れて作ったからです。二重六つ目の編み方は全く知らずに。

「二重六つ目」の条件を挙げると、こんな感じでしょうか。

  1. 各辺が二重線の六角形で埋められている
  2. 二重線の内側は「六つ目」であること(右綾もしくは左綾)
  3. 相互に組まれていること(接着剤なしで形になる)

六つ目の間には三角形が作られ、各三角形には3点の六つ目が接します。この3点の六つ目は、3点とも右綾、もしくは3点とも左綾はあり得ない。(普通の一重の六つ目、各辺を二重にしただけでは3.の条件を満たさないので)

そうすると、組み合わせは次の2つです。

  • 右綾2点と左綾1点
  • 左綾2点と右綾1点

一番シンプルには、段ごと右綾/左綾で、側面はそう作られるのでしょう。でも、そのためには、麻の葉編みと同じように、底は、中心から6方向に変える必要がある。それが、正しい二重六つ目だと思います。

でも、今のところアプリでは、一方向の絵しか描けません。編み図として使ったのは「ともえ(3すくみ)」としてではなく「鉄線(3軸織)」で、2本ごとに2本を抜いて描いたものです。ちなみに、右綾になっているところを赤丸で示すとこんなです。

鉄線編みが3本ごとの繰り返しですから、2本ごと2本を1セットとすると、3セットごとの繰り返しです。なので、ちょっと微妙な二重六つ目、というわけです。

データです。色が「無描画色」になっている箇所は、リストにおいても、無いものとしてみて下さい。

波網代・組み合わせ例

編み目の組み合わせ操作では、反転したりシフトしたりしただけで、編み目が重なっていてもとりあえずそのまま使っていました。これを、網代模様的な1,3,5飛びベースにし、幅の並びもそれに合わせて、少し模様らしくしてみました。

顔が並んでいるみたいで、ちょっとカワイイ。
ひも幅・編み目とも16×16が単位です。


カーテンのような、レイのような。立体感がおもしろい。
ひも幅・編み目とも、水平に22・垂直に6が単位です。


交互に方向を変えてみました。波網代を作るといいつつ、波網代って言っていいの?みたいな絵が続きましたが、これなら波でしょう。
ひも幅は水平に22・垂直に6で変わらず、編み目は水平に44・垂直に6が単位です。

幅・並び・編み目・繰り返し単位など、まだ限定的にしか試していませんが、組み合わせは無限にあります。論理と偶然と。どんな絵が出てくるでしょうか。形にして現物を手にしたい、そんなパターンは見つかるでしょうか。

波網代・編み目の組み合わせ

幅と並びを変えた波網代を何点か作ってみましたが、更に編み目を変えるとどうなるでしょうか。先のテスト用フレームで「1,2,3,4,5,6,7,8,9,9,8,7,6,5,4,3,2,1」のパターンで試してみましょう。

[色の繰り返し]画面を次のような値にセットし、[変更実行]とすると、縦ひも・横ひもともに繰り返しが適用されます。プレビュー図を確認後、[横ひも]タブの[リセット]ボタンで、横ひもをすべて5幅にリセットし、先の図と比較してみます。

1-9,9-1

縦ひも・横ひも、ともに18点の繰り返しですので、編み目の単位もこのサイズに合わせましょう。

[ひも上下]タブを開き「水平に」「垂直に」のそれぞれの数値、いずれも18にしてから[サイズ変更]ボタンをクリックしてください。

編集領域のサイズが、6×6から18×18に拡大されます。ここを、3つ飛び網代編みで埋めましょう。

[設定呼出]ボタンをクリックして、再度「上下図の呼び出し」画面を表示させます。先と同じ「6×6-33-網代編み3つ飛び」を選択しますが、今度は、反映方法を入れ換えなし、繰り返しあり、にします。

プレビュー図は先と同じになっているはずです。単位サイズは大きくなりましたが、連続した3つ飛び網代編みになっているからです。


次に、この単位の右半分を左右反転してみましょう。18列の半分ですから、10列1行から18列18行の範囲をクリック&ドラッグして選択状態にします。「左右反転」ボタンをクリックすると選択されていた領域が左右反転します。いずれかのセルをクリックして領域選択を解除し、編み目を確認してください。

網代編みの流れ方向が9列ごとに反転しました。プレビューで見てみましょう。

左側は、縦ひも・横ひもとも波網代、右側は横ひもをリセットした縦ひものみ波の図です。


同じ様にして、上半分を「天地反転」しましょう。

四方網代風の編み目になりました。プレビューで見てみましょう。

左は18×18の繰り返し、右は横ひもが等幅の図です。


左下1/4領域を選択して「上下交換」をクリックします。次に右上1/4領域を選択して再度「上下交換」をクリックします。

桝網代風の編み目になりました。プレビューで見てみましょう。

左は18×18の繰り返し、右は横ひもが等幅の図です。


上方向に9回シフトします。9行は18行の半分ですから、上半分と下半分がちょうど入れ替わります。

開き網代風の編み目になりました。プレビューで見てみましょう。

左は18×18の繰り返し、右は横ひもが等幅の図です。


垂直方向の繰り返し単位を18の半分、9にします。

垂直方向では、同じ範囲に対して単位が2回適用されることになります。プレビューで見てみましょう。

左は、ひも幅は18×18・編み目は19×9の繰り返し、右は横ひもが等幅の図です。


下に5回シフトします。

5行は9行の約半分ですから、ひも幅との位置関係を上下方向に約半分ずらすことになります。

左図は、先の図と幅と編み目の位置関係がずれています。右図は等幅ですから同じになります。


まだ「模様」と呼べるほどのものではなく、繰り返し幅も、編み目も、改善の余地は大いにあります。でも、組み合わせを試すためのおおよその操作は、ご理解いただけたのではないでしょうか。

波網代・幅と並びの例

波網代のテスト用フレームを使って、いくつかのパターンを試してみました。数字は、本幅値の並びです。

1,1,1,3,3,3,5,5,5,7,7,7

波網代(1,3,5,7)の片パターンです。


1,1,1,3,3,3,5,5,5,7,7,7,5,5,5,3,3,3

波網代(1,3,5,7)の対称パターンです。


1,2,3,4,5,6,7,8,9

3つずつではなく、ひとつずつにしてみました。


1,2,3,4,5,6,7,8,9,9,8,7,6,5,4,3,2,1

ひとつずつの対称パターン。


1,1,2,2,2,3,4,6,9

波風、片側です。


1,1,2,2,2,3,4,6,9,9,6,4,3,2,2,2,1,1

波風の対称パターン。


幅と並びの組み合わせは容易に試せますので、繰り返しであれば、まずはその単位をどうするかですね。

最後の状態のデータを添付しておきます。


上から4番目、1-9,9-1のパターンについて、3つ飛び網代編みの位置を変えたらどうなるか、動画にしてみました。

波網代・幅と並びの作成

講習会で何回か聞かれたのが「波網代はできますか」でした。できますと答えたものの、今回の講習内容には入っていません。試作例はいくつかありますが、どのように操作すると良いのでしょうか。

「縦横(側面)を展開」すると、1本ごとに本幅を変えることができます。コピー&ペーストで繰り返しを効率化できますが、編集メニューにある[色の繰り返し]機能を使うと、更に簡単に試すことができます。

テスト用のフレーム作成

波網代は縦・横の模様ですので、四つ目系のCraftBandSquareおよびCraftBandSquare45で作れます。ここでは、CraftBandSquareで、底に模様を作ってみましょう。高さ方向はゼロです。

CraftBandSquare を起動し、バンドの種類を選択し、[ファイル]メニューから「新規作成」とします。

ここでは、次のようにします。

  • バンドの種類は、「竹ひご(1幅1ミリ)」
  • 基本のひも幅は、5
  • 基本色は、茶
  • 横ひもは36本、縦ひもは60本
  • 「縦横側面を展開する」にチェックを入れる

目標寸法から概算させても良いのですが、最初から本数を入力して作ることもできます。3つ飛び網代編みは6×6単位なので、横長画面に収まる・繰り返しがわかる程度の倍数として、36本と60本にしました。

次に、模様がわかりやすいよう、縦ひもと横ひもの色を変えます。基本色が「茶」ですから、横ひもはそのまま茶色とし、縦ひもを「こげ茶」にします。

[編集]メニューの[色の変更]から、縦ひもの色をまとめて変更することができます。

次は3つ飛び網代編みです。サンプルに「6×6-33-網代編み3つ飛び」として登録されていますので、[ひも上下]のタブから、呼び出して適用します。

[設定呼び出し]ボタンをクリックすると「上下図の呼び出し」画面が表示されます。「上下図名」のドロップダウンに、現在登録されているパターン名がリストされますので、その中から選んで、[OK]としてください。

現データの上下パターンが呼び出したものに変わります。現対象領域(縦60本・横36本)に対して、単位が小さい場合は、繰り返しになります。

[プレビュー]タブで確認しましょう。底全体が、3つ飛び網代編みになったでしょうか。

テストパターン(1,3,5)

色々な網代編み」には2種類の波網代が掲載されています。最初の(1,3,5)のパターンを試してみましょう。1幅・3幅・5幅、各3本ずつの繰り返しです。

横ひも、縦ひも、それぞれのタブで個別に幅を指定してもよいのですが、「色の繰り返し」機能を使うと簡単です。この機能は、対応しているアプリでは、色だけではなく本幅についても繰り返しを設定することができます。

[追加]ボタンで行を追加、[削除]ボタンで行を削除することができます。3行なら3点の繰り返し、5行なら5点の繰り返しにできます。ここでは「1,1,1,3,3,3,5,5,5」の9点の繰り返しを指定します。

繰り返しの幅が入力できたら[変更実行]ボタンをクリックし、メッセージが表示されれば完了です。[閉じる]ボタンで画面を閉じて、[プレビュー]タブで結果を見てみましょう。

縦横ともに、指定した幅の繰り返しになりました。
図の下部には、おもて/うらを指定できるラジオボタンがあります。これを切り替えると、裏側から見た図、つまり左右を反転したらどうなるかを見ることができます。

次に、同じ並びの亜種として、幅を変えるのは縦ひものみ・横ひもは同幅だとどうなるかを見てみます。その前に、[ブラウザ]ボタンをクリックして、変更前の状態を残しておきましょう。

[横ひも]タブを開いて[リセット]ボタンをクリックすると、全てが基本のひも幅・色は空にリセットされます。

[プレビュー]タブで確認するとともに、[ブラウザ]ボタンで表示させ、先の図と比較してみてください。

さて、できた模様、波のようになっているかと言われると、ちょっと変ですね。段差があるというか、不連続な感じです。

1.3.5の繰り返しですから、111,333,555,111,333,555… にしたのですが、5の次が1で非対称なのです。スムーズに繰り返すのであれば、111,333,555,333,111,333,555,333,111…になるようにすべきでした。

「色の繰り返し」機能をもう一度呼び出しましょう。先の状態、9行の繰り返しになっています。ここに3行を加えて12行にし、1,1,1,3,3,3,5,5,5,3,3,3 として[変更実行]しましょう。また、先と同様、横ひもを全て5幅にした図も作ってみましょう。

波らしい、スムーズな模様になりました。

他のパターンも試せるように、データに「名前をつけて保存」しておきましょう。


次の「波網代・幅と並びの例」と合わせて操作を動画にしてみました。