四方網代編みのかごが3つ出来ました。並べてみました。
四角数は、左から、14個・13個・12個です。
立ち上げ位置は左から、中の四角・下の四角・上の四角です。
重ねてみました。6本幅なので、長桝網代編みの時より余裕があります。
角の編み目です。中の四角・下の四角・上の四角の順。
比較できるよう、同じ交色にしています。
立ち上げの3つの位置、いずれでも可能でしょう。
四方網代編みのかご、下の四角・上の四角の次は、中の四角です。
四角数14で作ってみました。こんどは、2つごとに色を変えてみました。
底です。長桝網代編みの時のように歪んで作りにくいということもなく、中の四角でも問題ない感じでした。
底の編み図です。
データです。
四角数12で作ってみました。同じに作れるのはわかっていますので、ひもの色を変えてみました。12は3の倍数なので、3つごとに変えました。
底です。あみだくじみたいな模様になりました。
底の編み図です。
データです。
長桝網代編みは長方形の底を立ち上げる時に使われます。そして、正方形の底の時に使われるのは、四方網代編みです。
長桝網代編みで試した3つの立ち上げ位置のパターンを、四方網代編みでも試してみましょう。まず、下の四角です。
4本幅より扱いやすい6本幅で、15センチほどのかごを作ってみました。斜めに立ち上げますので、CraftBandSquare45です。四角数は13です。
側面は崩れてしまいますが、底は四方網代編みの模様です。
底の編み図です。
データです。
長桝網代編み、同じ模様のかごが3つ出来ました。並べてみました。
立ち上げ位置は、左から、上の四角・中の四角・下の四角です。底に割り当てられる分が、順に少なくなり、サイズも小さくなっています。
ひも幅5.3ミリ、対角線7.5ミリの差です。重ねてみました。
角の編み目です。上の四角・中の四角・下の四角の順。
立ち上げの3つの位置、いずれでも可能、と言えるのではないでしょうか。
作り易さには、多少差がありそうですが。
先と同じ長桝網代編みの底で、中の四角で立ち上げるとどうなるでしょう。
立ち上げ位置を、先の同じ図に追記してみました。最初に作ったのが赤の線(下の四角)、次が緑の線(上の四角)、そして中の四角が紫の線です。赤と緑の真ん中になります。
ひも数も両方の中間、横の四角数15、縦の四角数33、縦ひも・横ひもが各48本となりました。
この図、平行線なのに、歪んでいるような感じがします。ツェルナー錯視だそうです。
そして、できたかごがこちら。
ちょっと歪んでいるような気がします。これは錯視ではなく、作り方が下手なせいでしょう。。とはいえ、下の四角・上の四角のかごの時はそんなに歪みはなかったので、何か気を付けて作らないといけない構造があるのでしょうか。
角の4点の位置は交点として決まり、辺は交点を結んだ線になりますが、辺そのものには指標となる点はありません。底と辺がそこそこ等分されているように見えますが、正確でないとだめなのでしょうか。箱の外形は直角になっているのです。もしかして、角の編み方を間違えているとか…?
編み図です。
データです。
先と同じ長桝網代編みの底で、上の四角で立ち上げるとどうなるでしょう。
立ち上げ位置を、先の同じ図に追記してみました。先に作ったのが赤の線(下の四角)そして、上の四角が緑の線です。
ひも数を増やし、全体を大きくしたため、横の四角数16、縦の四角数34、縦ひも・横ひもが各50本となりました。
できたかごがこちら。
下の四角も、上の四角も、底の辺は長方形の角を繋げた線で出来ています。そのため、位置も確実にとれますし、同じ様に作ることができました。
底から見て「上の四角」の位置で立ち上げているのがわかるでしょうか。
編み図です。
CraftBandSquare45のデータです。
CraftBandSquare45は、縦ひも・横ひもに対して45度で底の辺を作り、辺で折って立ち上げ、側面にするタイプです。
3つ飛び網代編みは、3つの四角で作られた1×3の長方形が、1つずつずれた模様です。この長方形と立ち上げ位置(底の辺)との関係は、模様のラインに平行に折る場合は次の6つのいずれかになります。上下の2本を同時に折るからです。
この6パターンを個別に取り出すと、次のようになります。
横線が立ち上げ線です。底を下とし、立ち上げた側面を上とします。長方形に含まれる3つの四角を、それぞれの位置、下・中・上で識別します。45度ですから、各四角の対角線になります。並びの方向は、右向きと左向きがあります。
この6パターンのうち、AかBかCか、もしくは aかbか、については、四角の位置が異なりますから、ひもの数やサイズが変わります。でも、Aとa・Bとb・Cとcについては変わりません。
網代編みは、全面、2枚のバンドが上下に重なっています。3つ飛びの場合は、その2枚が3本ごとに交差して入れ替わります。編み図は上側にあるひもの状態を示していますが、その下にはひもが隠れているのです。下側のひもの一部を点線で示してみました。
上のひもと下のひもは90度で交差しています。交差位置は上下とも同じですから、底の辺に対する上の四角・中の四角・下の四角の位置は、上のひもと下のひもで同じになります。
全体の上と下を入れ替える、という操作をすれば、Aとa・Bとb・Cとcを入れ替えることができます。そしてこの操作は、ひもの数やサイズは同じままで行うことができます。
つまり、立ち上げ位置を決めるにあたっては、上の四角・中の四角・下の四角のどこに位置するのかは、ひもの数やサイズが変わるので重要。でも、右向き/左向きについてはあまり考慮しなくてよい(ひもの数やサイズを変えずにいつでも交換できるから)ということです。
では、先に作った長桝網代編みのかご、立ち上げ位置はどこだったでしょうか。
示されていた位置の図、左上部分を拡大して、見てみましょう。
右下が底、左上が側面ですから、赤と青、2つの底位置は、いずれも「下の四角」になっています。
では、同じ長桝編みの底に対して、「上の四角」「中の四角」で立ち上げることは可能なのでしょうか。やってみましょう。
名称 | 長桝 網代 編み |
名称(読み) | ながます あじろ あみ |
模様タイプ | 中心2点の4分割 |
単位 | 中心2点間・各領域は3つ飛び |
バンド幅 | |
色 | |
飛び数 | 1,3,5 |
対称性 | 半回転 |
備考 |
底に使われる「長桝網代編み」ですが、その具体的な作り方が書かれている文献がありました。
『かごと器の技法がわかる 竹細工 増補改訂版』田中瑞波、メイツ出版、2023
です。「PART6 お気に入りの竹かごをつくる」では、“お手製の弁当箱でごはんがもっと美味しくなる”というタイトルで、111~120ページに、本体と蓋、ともに長桝網代編みの作り方が詳細に説明されています。竹ひごを縦に7本並べるところからスタートして、横にひごを差していき、縦横46本ずつになるまで24ステップ。
ここから本体部分を読み取ったのが以下の図です。本体は幅4ミリの竹ひごで作るとのことでしたので、
とし、CraftBandSquareの底のデータとして作りました。縦ひも・横ひもとも46本とした底のデータです。
そして、この編み方から立ち上げ可能な位置として示されているのが2か所。幅狭の方を青線、幅広の方を赤線で示しています。縦横の四角数で数えると、各、11×35と14×32です。
文献で製作しているのは幅広(赤)の方ですので、それを、4本幅のクラフトバンド/紙バンドで作ってみました。
斜めに立ち上げて作るタイプは、CraftBandSquare45 です。横の四角数を14・縦の四角数を32としました。Ver1.7で底の[ひも上下]に対応しましたので、縦横を展開し、[ひも上下]のサイズを46×46として、上のデータをコピー&貼り付けました。
縦横がわかりやすいよう、交色で作りました。もとが4ミリの竹ひごのところが、4本幅5.3ミリで作りましたので、全体的なサイズも大きくなりました。高さの四角数は7.5、縁は「カットして縁ひもを貼る(厚さ2重)」です。
底から見たところです。
CraftBandSquare45 による底の編み図です。
CraftBandSquare45で作ったデータです。
最初に作った、CraftBandSquareのデータもつけておきます。設定データのエクスボートもつけておきますので、インポートしていただくと、バンドの種類に追加した「竹ひご(1幅1ミリ)」が使えるようになります。
名称 | 変形桝 網代 編み 2 |
名称(読み) | へんけいます あじろ あみ 2 |
模様タイプ | 単位の繰り返し |
単位 | 18 × 20 |
バンド幅 | |
色 | |
飛び数 | 1,3,5 |
対称性 | 水平線,垂直線,半回転 |
備考 |
佐倉竹芸保存会の「色々な網代編み」からです。
2行目の「変形 桝 網代 2」をボックスに作ってみました。
単位は18×20ですが、2種類の桝が並んで見えるよう各側面2単位ベース、対称にするため横ひもをマイナス1、縦ひもと編みひもをプラス1としました。単位が大きいため4本幅をベースにしました。
底も同じ模様です。
編み図です。
データです。CraftBandSquare で開くと、底と側面、それぞれ模様の1単位が入っています。