「折りカラー編み」カテゴリーアーカイブ

バンドを折り返したときの色を活かして模様を作る編み方

斜め編み2色のドット模様の作り方

では、斜め編み2色のドット模様のかご、どう作ったのでしょうか。

同じ模様のかごは、以前に「斜め組み編み2色のドット模様」として作ったことがあります。その時は、底を編むときに2色のバンドを重ねることで、底から上と下・左と右のバンド色を変えました。

今回は編み図で示したように、底はそのまま縦横に編むだけですが、バンドがほぼ倍の長さになっているのがわかるでしょうか。そう、側面をまるごと折り返したのです。折り返したバンド色を考慮する、折り返し色のテクニックです。


現対象は、横の四角数・縦の四角数・高さの四角数ともに6点の立方体です。
下図は、折り返し分の高さ6個分、つまり高さ12にした[プレビュー2]の図です。そのまま平編みすると、次のように、ピンクと白、6本ずつのブロックが作られます。

前面と背面の赤線の位置が、外側に折り返す部分です。左面と右面の縁は内側に折り返します。順に見てみましょう。

1. 側面を編みます

バンドが長い分、少し多めに編みます。

縁となる折り位置は、高さの四角数6です。輪ゴムで示しています。

2. 外側、最初のバンドを折り返して編みます

前面、クロスになっている6本(ピンク)を、外側に折り返します。

地に重ねて、最下段まで編み込みます。白のブロックが格子になります。

背面も同様に編んでください。

3. 外側、次のバンドを折り返して編みます

前面、折り返したペアの6本(白)を、外側に折り返します。

地に重ねて、最下段まで編み込みます。ピンクのブロックが格子になります。

背面も同様に編んでください。

4. 外側、バンドの端の始末をします

側面の最下段まで編んだバンドを、折って底のバンドに差し込みます。

差し込んだバンドの裏でカットし、端が見えないように始末します。

5. 内側に折り返して編み、端の始末をします

残った右面・左面は、外側の格子はそのままでよいので、バンドを内側に折って差し込みます。

底まで編みこみ、重ねたバンドの裏で始末します。

これで、内側も全て格子になります。

完成すると側面全体が二重、つまり4本のバンドが重なった状態になりますから、かなりしっかりした感じの編み地になります。


外側・内側ともに、折り返すことで初めは同色のブロックだった箇所が、格子に置き換わるのです。外側の模様だけ作ればよいのであれば、5.の内側への折り返しは底までではなく最小限にする、というのもありでしょう。

では、この折り返し、縦・横・高さが同じでないと出来ないのでしょうか。他の数では作れないのでしょうか。

結論から言えば、こんな条件になります。

  • 縦の四角数、横の四角数は任意。同じでなくてもよい
  • 高さの四角数は (縦の四角数+横の四角数) / 2 であること

底でバンドを重ねる方法では、縦横が異なる例として、横の四角数10個・縦の四角数5個の図を示していました。この数で、試してみましょう

PPバンド・斜め編み2色のドット模様

サンプルで、斜め編み専用に定義されている縁の始末は「ノコギリ状に折って差し込む」「対角線に折って差し込む」です。縁でバンドを折り返す場合、

  • 前者は、反対方向への折り返しになりますから、同じバンドに重なります。
  • 後者は、対角線で90度方向が変わる、つまりクロス位置のバンドに重なります。

つまり、バンド色で作った模様の縁の始末をする時、前者は変わりませんが、後者では折り返しによる影響が起きるのです。ですから、今まで作ってきたかごバッグでは、

  • クロス位置に同じ色が来れば、外側(表)に折り返す
  • その条件を満たせない場合は、内側(裏)に折り返す

としてきました。外側に折り返した方が作りやすいし感じもいいので、崩し縞や千鳥では、単位位置になる高さを選んできたのです。

では、対角に折り返すことで色が変わる、つまり「折り返し色」を織り込んだ模様を作れるものでしょうか。最もシンプルなケース、縦が全て同じ色・横が全て同じ別の色、で試してみました。そして、できたのがこちら。

斜め編み2色のドット模様

中と底はこんなです。格子がすべて連続することは原理的にあり得ないので、調整箇所があります。

斜め編み2色のドット模様、内側と底

底編み図です。今までとどこが違うか、わかりますか?

底編み図

どう作ったのか疑問に思われましたか?
それとも、単なる格子柄に、何を言っているのか理解できない?
もし、ここまでの記述でわかったのなら素晴らしい!!
既に知っていたという方、是非ご連絡ください!!!

ということで、気になる方は次稿をご覧ください。

データです。

追記
この編み方を「折りカラー編み」と命名しました。