1分でサイズ計算シリーズ、次は CraftBandKnot です。

pdfファイルです。
wordのファイルです。
四つ畳み編みの要尺とコマ寸法については、どんぐりさんのサイト『日々の楽しみ』の記事『エコクラフト クラフトバンド 石畳編み 畝幅別必要な長さの算出 ゲージ recycled pulp tape gauge』のページに、2幅~12幅全てについて詳細な測定報告が掲載されています。測定方法は動画でも説明されており、とてもわかりやすいです。
どんぐりさんに、craftbandknotの要尺とコマ寸法の機能の検証に、上記データを使わせていただけないかお聞きしたところ、快く了承いだきました。検証したいのは、
です。
操作手順
1.「バンドの種類」に「12畝で1.5㎝」を追加登録します。これが、どんぐりさんが使用されたバンドとなります。12畝は12本幅、1.5cmは15mmとして登録します。
2.「ゲージ」画面を開き、対象バンドの種類名から、1.で登録した「12畝で1.5㎝」を選択すると、コマ寸法計算値とコマ要尺計算値に、値が表示されています。これが既定値となります。これをどんぐりさんが測定された値(以降、測定値と記載します)と比較してみます。
3.測定値を、対応する本幅(畝)のコマ寸法実測値・コマ要尺実測値のセルに入力し、[係数取得]ボタンをクリックします。その後表示されるコマ寸法計算値とコマ要尺計算値が、全測定値を係数化した値となります。これを測定値と比較してみます。
3.全ての幅ではなく、2~3点だけの測定をするとしたら、扱いやすいのは、12本幅(そのまま)と6本幅(1/2)と4本幅(1/3)でしょう。この3種類の値を使って係数化してみます。
まず、6幅と12幅のみを係数化してみます。「係数取得区分」の6幅と12幅のチェックをONにし、他はOFFにして、[係数取得]ボタンをクリックします。その後表示されるコマ寸法計算値とコマ要尺計算値が、6幅と12幅の測定値のみを係数化した値となります。これを測定値と比較してみます。
同様に、
を係数化し、その結果表示された値を取得します。
実行結果(要尺)
上記の操作により得られた、コマ要尺計算値を測定値と比較してみました。
本幅に対する各値をグラフにするとこうなります。
測定値に対して、各計算値がどの程度ずれているかを、(測定値 – 計算値)/測定値 のパーセントで比較してみました。
既定値は、最大5%程度の差があります。使用するひもの長さが1メートルであれば5センチ以内ですが、測定値に対してプラス(長め)になっているので、そこそこ使える値、といえるのではないでしょうか。
全測定値を係数化した値は、かなり測定値に近い値になっています。差がいちばん大きいのが2本幅で3%、他はほぼ1%以内に収まっています。
2~3点を係数化した値では、いずれも2幅で差がいちばん大きくなっています。測定値との差が最も小さいのは「4幅と6幅」ですが、12幅の差が2%と多め。全体的に差がちいさいのは「4幅と12幅」で、2幅・3幅以外は1%以下です。「4幅と6幅と12幅」の3点を使っても、精度はあまり上がりません。
実行結果(コマ寸法)
同様に、コマ寸法計算値を測定値と比較してみました。
本幅に対する各値をグラフにするとこうなります。
測定値に対して、各計算値がどの程度ずれているかを、(測定値 – 計算値)/測定値 のパーセントで比較した結果です。
既定値は、最大10%程度の差があります。サイズが20センチとすると2センチ程度ですので、厳密なサイズを得るのは既定値では難しいということです。でも、幅が広くなるにつれ差は小さくなっていきます。
全測定値を係数化した値は、かなり測定値に近い値になっています。差が大きいのは2本幅と5本幅で約2%ですが、他はほぼ1%以内に収まっています。
2~3点を係数化した値では、いずれも2幅で差がいちばん大きくなっています。いちばん測定値との差が小さいのは「4幅と12幅」でほぼ1%以内。「4幅と6幅」は差が2%を越えるものが多い。「4幅と6幅と12幅」の3点を使うと2点より精度はよくなります。
結論
こんな設定になります。
ちなみに、係数化に使った値(4幅と12幅)は、2点の場合、計算値=実測値となりますので、4幅と12幅の「実測値使用区分」はONでもOFFでもサイズ計算は同じになります。
ということで、検証3点の結果を得ることができました。要尺とコマ寸法を測る手順については、どんぐりさんのページの動画がおすすめです。どんぐりさん、ありがとうございました。
計算結果のエクセルを添付しておきます。
CraftBandMesh V1.4 をリリースしました。
CraftBandMesh, CraftBandSquare45のissue対応と合わせて、テストしてきたCraftBandKnotを追加しています。
シリーズとしては、縦横組み、斜め組み、四つ畳みの3点となります。インストーラを起動すると、3点のアプリがセットでインストールされます。
インストールについては「起動するまで」のページをご覧ください。
テスト用に作ってみた色付きの小かごですが、CraftBandKnotではコマ数の他、要尺に加える「ひも長加算」や開始位置が指定できます。また、縁の始末については「編みかた」として登録した中から選べるのですが、四つ畳み編みについては今のところ以下を登録しています。
開始位置は、既定ではコマの真ん中に設定されますが、変更することもできます。テストでは左下(横6コマの左から1番目、縦5コマの上から5番目)にしてみました。
また、いくつかあるひも長加算のうち「ひも長加算(縦横端)」については5センチ(50mm)を指定しました。縁の始末は「コマの裏の隣のコマに折り込む」としました。
そして、最後にカットしたひもの切れ端、こんな風になりました。
私の四つ畳み編みのスキルは初心者レベル。今まで作ったのは5個くらい?続けて編むのはできますが、それぞれのひもの1コマ目は、絵を見ながら何とかって感じです。コマも揃いませんので、切れ端の長さもバラバラは仕方ない…ではあるのですが、よく見ると切れ端は2つのカテゴリーに分けられそうです。5センチ程のと、6センチ程のです。
CraftBandKnotは、開始位置を指定すると、その位置のコマを中心として、1コマ編んだ時の上下左右のひもの長さを表示します。今回は左下を指定したので、コマ下の長さとコマ左の長さを目安にひもを折って、編み始めました。
設定通り5センチ余っている分は、短い方のカテゴリーに相当するのでしょう。もう一方の1センチ長いカテゴリーは、ひもをカットする際に少し長めにした分(小数以下を切り上げてカット)に相当しそうです。
つまり、カットで余裕を持たせた分は、ひもの両側に均分されるのではなく、片側に偏分された、ということです。考えたら当たり前で、数値に合わせて折ったのですから、そこに余分が加わることはありません。
そこでようやく、書籍やネットに記載されていた始め方の法則、例えば「奇数の時にはひも幅の2倍の差をつけて折る」等の妥当性を理解したのです。中心から始めるためのルールだと思っていたのですが、どこから開始したとしても、差を表示すれば、余分が偏らない、ということに。
ということで、開始位置については、上下左右のひもの長さだけではなく、折り位置からの長さ・手前と奥との差を表示させるようにしました。またこれらの数値は、プレビュー画像だけではなく、ひもリストにも出力するようにしました。
リリース版の図はこんな感じです。
ひもリストはこんなです。
CraftBandKnot のテストに、小さいかごを編んでみました。プレビュー絵の確認のため色をつけたくて、手もとにある青のひもで作れるサイズに合わせたら、横6コマ・縦5コマ・高さ4コマになりました。
プレビューの展開図は表の目だけで作りますので、かごを底から見た絵に相当します。これは、既定値である「右側」で編んでおり、上の写真では底・下の側面・右の側面が見えていますが、ほぼ再現できている、と言えるんじゃないでしょうか。
ということは、CraftBandKnot を使えば、色の組み合わせでできる模様を、編む前に確認できるってことですよね。1本ずつ色を入力するのはちょっと大変ですが…
比較用に、同じデータを「左側」で作った時のプレビュー図(開始位置指定なし)だとこんなです。左上にあるのは1コマ分の要尺ですが、折る角度も逆。
データをつけておきます。