月別アーカイブ: 2025年7月

V1.8.14 リリース

issue#93~#97に対応しました。

Square の差しひも、種類と表示

差しひもの「差し位置」に、「とも編み」の選択肢が増えました。
ベースとなるひもとともに編むタイプですので、中心点が「ひも中央」、角度が0度もしくは90度、つまりベースとなるひもが特定できる時のみ有効になります。

また[プレビュー]画面で、差しひもの表示を選べるようになりました。
非表示/底置き/回り込みの3択です。従来の表示は「底置き」で、斜めのひもを側面に「回り込み」表示が選べるようになりました。また、この選択肢が非表示以外の時は、[プレビュー2]の画像にも、差しひもが表示されるようになりました。

側面に、水平で「とも編み」および45度、135度の差しひもを指定した[プレビュー2]画像例です。

Squareのプレビュー2画像例

Square45の折りカラー機能

今まで、Square45のデータをもとに折りカラー編みを試してきましたが、手作業で、折り返し位置のラインを追加したり、折り返し分の加算長を加えていました。この折り返し処理機能がSquare45に加わりました。

「縦横を展開する」のチェックをONにし、表示された「折りカラー編み」のチェックをONにすると[折りカラー]タブが表示されます。このタブでは、高さの四角数位置に並ぶ45度方向と135度方向のバンドがリストアップされ、外側/内側に折り返すかどうかをチェックで指定することができます。

ここで、折り返しを指定したバンドについては

  • 必要なバンドの長さに、側面を折り返す分がプラスされる
  • プラスされた分は、[プレビュー]画像に反映され、ひもリストに出力される
  • [プレビュー2]で、折り返し前・折り返し後の画像を見ることができる

「折りカラー編み」のチェックをOFFにすれば、従来通りの長さ・画像になります。

付属品・補助線の描画

付属品画面で付属品を登録する時に

  • 「描画位置」の選択肢に「座標」
  • 「描画形状」の選択肢に「線分」と「点」

が増えました。サンプル設定ファイルには、これらを使った付属品を登録しています。

  • 「補助線(線分)」長さと、開始点と、角度(ひも長加算に入力)を指定した線
  • 「補助線(2点)」順に2点を指定して、その2点を線でつなぐ
  • 「補助線(4点)」順に4点を指定して、その4点を線でつなぐ

描画位置が[追加品]タブで変更できるようになり、「座標」を選ぶと入力用のカラムが増えます。

使用例です。

座標を指定した補助線の使用例

3D表示画像

[プレビュー2]画像を3D表示する際、何も描かれなかった箇所(完全な白)を、半透明にするようにしました。すき間を数ミリ程度にしている場合は、実質あまり変わりはありませんが、すき間が大きくなると、バンドの有無が明確に識別できるようになります。

以下はknot の画像例ですが、左側が今までの画像で、本バージョンでは右側のようになります。

なお、この変更に伴い、「線のみ」「線のみ(中線のみ)」など、描画色の設定で透明度がゼロになっている色は、バンドが抜けたような表示になってしまいます。透明度は0~255で設定できるので、ゼロではなく「2」(限りなく透明に近い) とすることで、バンドの存在を示すようにしてください。


ダウンロードはこちら

Release v1.8.14 のリリース

※添付の設定ファイル CraftBandMesh.XML の変更点は以下。

  • 追加された描画機能を使った付属品として「線分」「補助線(2)点」「補助線(4点)」を追加登録
  • 透明度の値をゼロから’2’に変更した色: ナチュラル、線のみ、線のみ(中線あり)、緑ライン、オレンジライン、線のみ(細)、金ライン

設定ファイルには含まれませんが、以下も必要になりますので、追加しました。

  • 「白「deep白」のRGB値を、255・255・255から253・253・253 に変更

以下は、追加・変更部分のみを切り出した設定ファイルです。このファイルを上書きでインポートしていただくと、お手元の設定ファイルに反映させることができます。

PPバンド・斜め網代のミニバッグ

斜め編みで縁を折り返す方法は、「ノコギリ状に折って差し込む」か「対角線に折って差し込む」です。折りカラー編みは縁で色を入れ替えますので、前者を使うことができません。同じ方向に重ねるので、色が変わらないのです。

でも「ノコギリ状」であっても、折り返した何段かを縁飾りにするようなケースでは、その裏で折り返すことができるかも。ということで、試しに小さいかごを作ってみました。

PPバンド・斜め網代のミニバッグ

2つ飛び3段分を縁飾りとし、その最下段の上の四角の位置で、縦の対角線で折り返しました。折り返した後は、いつも通りの重ね編みです。内側は、すき間から無理矢理差し込んで作ったので、縁がだいぶずれてしまっています。

底と内側です。内側・外側とも折り返したので、網代編みにしては、かっちりした感じの編み地になりました。

Square45のデータです。縁の処理に「ノコギリ状に折って差し込む(プラス8個)」という編みかたを追加したので、設定ファイルをつけておきます。

北欧風チェッカーボード柄のかご

北欧風の小物入れを、自分なりに工夫して編んでみました

YouTubeで、紙バンドで作る北欧風の小物入れを紹介する動画を見かけました。
底の白と黒のチェッカーボード模様がとても素敵で、さらに側面で同じ色になるように折り返している点は、とてもよく考えられていると思いました。

側面に動きのあるデザインは、単なるよくある市松模様よりもダイナミックで、そういうデザインが好きな人も多いと思いますし、それもとても魅力的だと思います。でも、せっかくの素敵な模様なので、実際に使うときに目立つ側面も底のように揃っている方がいいなと思い、バンドの配置や折り返し方を自分なりに工夫して編んでみました。

北欧風チェッカーボード柄のかご

その結果、底面は完全なチェッカーボードにはなりませんでしたが、側面は市松模様がきれいにつながるデザインになったと思います。

少しの工夫で印象が大きく変わるのが、北欧風のかご作りの楽しいところですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

— ChatGPT

側面の市松模様を優先する、という選択。

クラフトバンドで市松模様のかごを作る際、「側面」の柄をきれいに揃えるのは、実はとても奥が深いテーマです。

普通に編み進めると、底の柄と側面の柄の両立はなかなか難しいもの。そこで今回は「側面の美しさ」を最優先すると決め、思い切って底の柄は犠牲にする、という選択をしました。

そのために用いたのが、「折りカラー編み」という技法です。
これは、最初のバンドの配置に加え、特定の高さでバンドを折り返す工夫によって、側面の色の並びをきっちりと整える技法です。

その結果、側面は理想通りの美しい市松模様に仕上がりました。その代わり、このかごの底の模様は不規則になっていますが、全ては側面の美しさのため。納得のいくトレードオフです。

北欧風チェッカーボード柄のかごの底

どこを一番きれいに見せたいか。目的のために技法を選び、時には何かを「犠牲にする」潔さも大切だと感じた、そんな作品作りでした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

— Gemini


横の四角数4・縦の四角数3・高さの四角数2で、底配置タイプの応用例です。手持ちの12本幅のクラフトバンド/紙バンドを貼り合わせ24本幅にして作りました。

Square45のデータです。「クラフトバンド12」を複製して倍幅にした「クラフトバンド24」の設定ファイル、A4用紙の型紙PDFもつけておきます。

— haru

斜め網代・四方ベースのかごバッグ

以前、そのまま立ち上げられる繰り返し模様を試していて、四方網代編みをベースにしたテストパターンを作りました。先には単色でしたが、二色にしてバッグを作ってみました。

斜め網代・四方ベースのかごバッグ

今まで作ってきた斜め網代のバッグでは、サイズに合わせた底と側面の編み目を作ってきました。でも今回は、底も側面も全て、同じ模様です。

[ひも上下]には 8×8 の1単位が入っており「1回のみ」のチェックがオフですので、全体がその繰り返しになります。横の四角数16個・縦の四角数8個・高さの四角数16個として、単位の整数倍になるようにし、折りカラー編みしました。

Square45のデータです。素材はひらりカラーです。

『折りカラー編み(OriColorWeave)』斜め編みの底配置(2)

斜め編みで、縦横に色を切り替えた非対称のパターンですが、切り替え位置を反転(底の長方形を90度回転させることに相当)するとどうなるか、見てみました。

先と同様、横の四角数8・縦の四角数3、縦ひも・横ひもとも11本の配置パターンをリストアップしてみました。Aが紫,Bをイエローとして、交色から半分の5-6までの一式です。

縦ひも・横ひもとも2色を切り替えて配置し、縦横で色を反転した場合は、図から、

  • 折りカラー編みでクロスにできない切り替え位置がある
  • 可能なのは、同色本数のいずれかが縦の四角数(小さい方)以下の場合のみ
  • 高さは「同色本数の多い方/2」 [+(横の四角数+縦の四角数)の整数倍]で 0.5単位
  • 同色本数が共に縦の四角数(小さい方)を越える場合は、同色領域が分断され、折り返しラインは作られない

全体をクロスにできる配置では、最初にクロス領域・同色領域とも2箇所作られており、折り返しの高さ位置は先(1)と同じですが、

  • 色の切り替えの場合は、クロス領域・同色領域とも位置ごとサイズが変わる(1)
  • 色を切り替えて反転した場合は、同色領域は、縦の四角数の幅で作られる(2)

という違いがあります。

同じく、A3-B8 ・高さ4のパターンを試作してみました。

1.

同色の固定幅の間にクロス領域が作られています
※前と後ろの模様が異なります

2.

大きいクロス領域2箇所を、外側に折りカラー編みします
※逆でも可ですが外側の方処理しやすい為

3.

残り、単色領域から続く小さいクロス領域2箇所を、内側に折りカラー編みし、内側・外側の底で端の始末をします

4.

全体がクロスになりました
※底は、内側・外側とも、「底の中央線」まで差し込みました

試作したかごを比べると紫・ピンク(1)も紫・イエロー(2)も同じ高さ、底の模様も同じになりました。最初の底ひも配置も同じで、底の長方形がどちら向きか、の違いです。
交色ベースで作成したとしたら、(3+8)/2=5.5 ですから、この高さ4は作れなかったでしょう。