「ボックス」カテゴリーアーカイブ

箱型のかご

二間網代編みの小かご

名称二間 網代 編み
2つ飛び 網代 編み
2本飛び 網代 編み
2本飛ばし 網代 編み
二目 網代 編み
名称(読み)ふたま あじろ あみ
ふたつとび あじろ あみ
にほんとび あじろ あみ
にほんとばし あじろ あみ
にもく あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位4 × 4
バンド幅
飛び数2
対称性半回転
備考右上がり、左上がり

八女市伝統工芸館」の「竹編組見本」から「45 二間網代」で小さいボックスを作ってみました。

実はこの「二間」の読み方がわからなかったのです。「にけん」「にかん」「にま」「にげん」「ふたま」(読み方自体は他にもあるようです)… 竹細工をされている方にお聞きして「ふたま」としましたが、良かったでしょうか。

二間網代編みの小かご

CraftBandSquare のデータです。側面は、設定データにある「4×4-22-網代編み2つ飛び」そのままです。底はサイズに合わせ、側面からの2つ飛びがそのままつながるよう、少し編集してみました。

データです。

三種の長桝網代編み、上の四角・中の四角・下の四角

長桝網代編み、同じ模様のかごが3つ出来ました。並べてみました。

立ち上げ位置は、左から、上の四角中の四角下の四角です。底に割り当てられる分が、順に少なくなり、サイズも小さくなっています。

長桝網代編みのかご3種
  • 横の四角数は、左から、16個・15個・14個
  • 縦の四角数は、左から、34個・33個・32個

ひも幅5.3ミリ、対角線7.5ミリの差です。重ねてみました。

長桝網代編みのかご3点

角の編み目です。上の四角・中の四角・下の四角の順。

立ち上げの3つの位置、いずれでも可能、と言えるのではないでしょうか。
作り易さには、多少差がありそうですが。

長桝網代編みのかご(中の四角)

先と同じ長桝網代編みの底で、中の四角で立ち上げるとどうなるでしょう。
立ち上げ位置を、先の同じ図に追記してみました。最初に作ったのが赤の線(下の四角)、次が緑の線(上の四角)、そして中の四角が紫の線です。赤と緑の真ん中になります。
ひも数も両方の中間、横の四角数15、縦の四角数33、縦ひも・横ひもが各48本となりました。

この図、平行線なのに、歪んでいるような感じがします。ツェルナー錯視だそうです。

そして、できたかごがこちら。

長桝網代編みのかご(中の四角)

ちょっと歪んでいるような気がします。これは錯視ではなく、作り方が下手なせいでしょう。。とはいえ、下の四角・上の四角のかごの時はそんなに歪みはなかったので、何か気を付けて作らないといけない構造があるのでしょうか。

角の4点の位置は交点として決まり、辺は交点を結んだ線になりますが、辺そのものには指標となる点はありません。底と辺がそこそこ等分されているように見えますが、正確でないとだめなのでしょうか。箱の外形は直角になっているのです。もしかして、角の編み方を間違えているとか…?

編み図です。

データです。

長桝網代編みのかご(上の四角)

先と同じ長桝網代編みの底で、上の四角で立ち上げるとどうなるでしょう。
立ち上げ位置を、先の同じ図に追記してみました。先に作ったのが赤の線(下の四角)そして、上の四角が緑の線です。
ひも数を増やし、全体を大きくしたため、横の四角数16、縦の四角数34、縦ひも・横ひもが各50本となりました。

できたかごがこちら。

長桝網代編みのかご(上の四角)

下の四角も、上の四角も、底の辺は長方形の角を繋げた線で出来ています。そのため、位置も確実にとれますし、同じ様に作ることができました。

底から見て「上の四角」の位置で立ち上げているのがわかるでしょうか。

編み図です。

CraftBandSquare45のデータです。

長桝網代編みのかご

名称長桝 網代 編み
名称(読み)ながます あじろ あみ
模様タイプ中心2点の4分割
単位中心2点間・各領域は3つ飛び
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性半回転
備考

底に使われる「長桝網代編み」ですが、その具体的な作り方が書かれている文献がありました。

『かごと器の技法がわかる 竹細工 増補改訂版』田中瑞波、メイツ出版、2023


です。「PART6 お気に入りの竹かごをつくる」では、“お手製の弁当箱でごはんがもっと美味しくなる”というタイトルで、111~120ページに、本体と蓋、ともに長桝網代編みの作り方が詳細に説明されています。竹ひごを縦に7本並べるところからスタートして、横にひごを差していき、縦横46本ずつになるまで24ステップ。

ここから本体部分を読み取ったのが以下の図です。本体は幅4ミリの竹ひごで作るとのことでしたので、

  • バンドの種類に15本幅15ミリとした「竹ひご(1幅1ミリ)」を追加
  • 基本のひも幅を、4本幅(=4mm)

とし、CraftBandSquareの底のデータとして作りました。縦ひも・横ひもとも46本とした底のデータです。

そして、この編み方から立ち上げ可能な位置として示されているのが2か所。幅狭の方を青線、幅広の方を赤線で示しています。縦横の四角数で数えると、各、11×35と14×32です。

文献で製作しているのは幅広(赤)の方ですので、それを、4本幅のクラフトバンド/紙バンドで作ってみました。

斜めに立ち上げて作るタイプは、CraftBandSquare45 です。横の四角数を14・縦の四角数を32としました。Ver1.7で底の[ひも上下]に対応しましたので、縦横を展開し、[ひも上下]のサイズを46×46として、上のデータをコピー&貼り付けました。

縦横がわかりやすいよう、交色で作りました。もとが4ミリの竹ひごのところが、4本幅5.3ミリで作りましたので、全体的なサイズも大きくなりました。高さの四角数は7.5、縁は「カットして縁ひもを貼る(厚さ2重)」です。

長桝網代編みのかご

底から見たところです。

長桝網代編みのかご

CraftBandSquare45 による底の編み図です。

長桝網代編みの編み図

CraftBandSquare45で作ったデータです。

最初に作った、CraftBandSquareのデータもつけておきます。設定データのエクスボートもつけておきますので、インポートしていただくと、バンドの種類に追加した「竹ひご(1幅1ミリ)」が使えるようになります。

ボックスに便利な金具

色々な網代編みを再現してきましたが、あまり手間はかけず・でも実用できるように、ということで主にボックスにしてきました。編むのは模様だけ、持ち手や縁飾りも無し。

ボックスですから使う場合は床や机や棚に置くしかなかったのですが、手許にあったこんな金具が意外に役立つことがわかりました。

輪を棒に通すタイプのカーテン取付金具です。布をしっかり挟み込めるよう、先がギザギザのクリップがついています。このクリップが、ボックスの縁のバンドを挟むのに具合がいいのです。

小さいかごなら壁掛けしたり、両側に2個とりつけて持ち手のようにしたり。付け外しも簡単ですから、用途に応じて数や位置を変えることができます。

ボックスに付けた金具

残っているかごを並べてみました。かご屋さんみたいでしょ♡

変形桝網代編み2のボックス

名称変形桝 網代 編み 2
名称(読み)へんけいます あじろ あみ 2
模様タイプ単位の繰り返し
単位18 × 20
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

佐倉竹芸保存会の「色々な網代編み」からです。
2行目の「変形 桝 網代 2」をボックスに作ってみました。

単位は18×20ですが、2種類の桝が並んで見えるよう各側面2単位ベース、対称にするため横ひもをマイナス1、縦ひもと編みひもをプラス1としました。単位が大きいため4本幅をベースにしました。

変形桝網代編み2のボックス

底も同じ模様です。

変形桝網代編み2のボックスの底

編み図です。

変形桝網代編み2

データです。CraftBandSquare で開くと、底と側面、それぞれ模様の1単位が入っています。

元禄模様網代編みのボックス

名称元禄模様 網代 編み
名称(読み)げんろくもようあじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位10 × 10
バンド幅
飛び数0,2,3,7
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

佐倉竹芸保存会の「色々な網代編み」からです。
3行目の「元禄模様」をボックスに作ってみました。ただし、元図は模様部分3本・あいだ2本を重ねていますが、重ねるのではなくその本数分の幅で作りました。つまり、

  • ベースは4本幅
  • 2本重ねは8本幅
  • 3本重ねは12本幅

という訳です。

元禄模様網代編みのボックス

元図データの[ひも上下]はこんなです。

元禄模様の[ひも上下]

[チェック]ボタンをクリックすると「列1,5,6,10を確認してください」という警告が出てきます。行/列に1点も交差がない場合の警告です。編んで固定できないため、ボンドで貼り合わせて作りました。

内側から見るとこんなです。縦・横・底に、交差のないバンドがあります。飛び数ゼロはこのことを示しています。

元禄模様網代編みのボックスの内側

元図の編み図はこんなです。

元禄模様

データです。同じ幅で作ったものと、幅を変えて作ったもの2点をつけておきます。

市松模様網代編みのボックス

名称市松模様 網代 編み
名称(読み)いちまつもよう あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位6 × 6
バンド幅
水平A色 垂直B色
飛び数3
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

佐倉竹芸保存会の「色々な網代編み」からです。
2行目の「市松模様」をボックスに作ってみました。ただし、元図は各3本を重ねた6×6ですが、作ったのは2本を重ねた4×4です。クラフトバンド/紙バンドの場合、もとが細いひもを12本貼り合わせていますから、8本幅3本と、12本幅2本は同じになるはず、という理屈です。

市松模様網代編みのボックス

底も同じ模様です。

市松模様網代編みのボックスの底

すき間なく並べられた箇所もありますが、空いてしまった箇所もあり、2本で出来ているというのが明白です…が、3本のつもりということにしてください。

編み図です。

データです。8本幅3本版と、12本幅2本版の2点をつけておきます。

中心5網代編みのボックス

名称中心5 網代 編み
名称(読み)ちゅうしん5あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位14 × 14
バンド幅
飛び数1,2,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

佐倉竹芸保存会の「色々な網代編み」からです。
1行目の「中心5」をボックスに作ってみました。

中心5網代編みのボックス

単位が14×14で2模様28本ですが、中心に対して対称にするため、横ひも27本・縦ひも29本です。飛び数に2が出てきます。中心の5を5だけで作れば1,3,5ですが、真ん中に点を置いたため2が加わっています。
底も同じ模様です。

中心5網代編みのボックスの底

編み図です。

データです。底・側面とも、各1単位が入っています。