月別アーカイブ: 2024年1月

V1.7.3 リリース

リスト出力関連 issue#42~#45 対応を行ったバージョンをリリースしました。

公開はこちら
Release v1.7.3.0のリリース

[バンドの種類]及び[描画色]の設定に「製品情報」欄を追加

メーカーや型番など、製品に関する情報を記載できます。

[メモ他]のタブに、タイトル欄・作成者欄を追加

これまでは、メモ欄しかありませんでしたが、基本的な情報であるタイトルと作成者欄を追加しました。

ひもリスト出力

次のような情報を、リストに出力するようにしました。

  • 青枠…冒頭に、タイトルや作成者情報
  • 赤枠…バンドの種類や描画色の設定で「製品情報」欄に記載した内容
  • 緑枠…単純計と面積長の合計を、メートル単位でまとめ出力

上の例では、単純計と面積長が一致するので、2行目を見れば全ての色を合わせて34.1m必要とわかります。

単純計と面積長が異なる次の例は、13本幅のクラフトバンド/紙バンドを、2・3・4・5・8・13幅に割いて使っており、幅ごとの本数・合計長が集計されています。

  • 単純計は、それぞれの長さをそのまま加えたもの。
    2幅であれば、13幅のうち2幅のみを使って、11幅は残すイメージ
  • 面積長は、全く無駄なく使い切ったら、という仮想的な最短。
    13幅をバラバラにして、2幅につなげるイメージ

実際の必要長さは、面積長より長く、単純計より少なくなります。
まずは最長と最短の2つの数値を目安に。そして、幅ごとの集計を見てカット計画を練ってください。

変わり小桝網代編みのかご

名称変わり小桝 網代 編み
名称(読み)かわりこます あじろ あみ
模様タイプ斜めに帯領域で分割
単位繰り返し部分は10×10
バンド幅
飛び数1,3,5
対称性水平線,垂直線,半回転
備考

佐倉竹芸保存会の「色々な網代編み」からです。2行目の「変わり 小桝」のかごを作ってみました。

底に模様を作って、そのまま立ち上げるとどうなるのか、のお試しです。斜め45度なので、CraftBandSquare45でデータを作りました。ベースは花ますあじろ模様です。とりあえず、ラインの縁で折ってみました。

角が作れるのだろうか・側面がつながるのだろうか、と思いつつ試してみたわけですが、やってみて、できることがわかりました。

斜めであっても角であっても、90度に交差した縦横のひもを織るという点では他と変わりなかったのでした。編みにくいか編みやすいか、という差があるだけで。

変わり小桝網代編みのかご

底です。

底の辺をどの位置で立ち上げるかはあまり問題ではなく、角から上の側面が交差する箇所、つまり「側面の辺」が重要であることがわかりました。

「側面の辺」部分の拡大です。1×1が入っていて、編みにくい角が、更に詰めにくくなっています。こんな位置は避けた方が良さそうです。

編み図です。

データです。使用しているのは49本ですが、ひも上下には63×63分の模様を入れています。

斜め網代編みとは

いろいろな網代編みを集めてきましたが、いまのところ、(竹細工の)伝統的な模様の中には「斜め網代編み」という名前はありませんでした。たぶんこれは、クラフトバンド/紙バンドの用語なのでしょう。「斜め網代編み」という「模様」というより、「斜めに立ち上げる」という製法であり構造の総称として使われているようです。

竹細工の場合は「斜め」がデフォルトであり、わざわざ「斜め」をつける必要がないということなのでしょう。斜めではなく縦横に平行に立ち上げるのは、クラフトバンド/紙バンドでは普通です。でも、側面には底とは別の編みひもが必要であり、各段をボンドで貼り付けて輪にしたり、連続した長いひもを編んだりします。竹細工ではこちらの方が難しい。底からそのままつながる方が自然なわけです。

編み方との関係をチャートにしてみました。

斜め網代編みの位置づけ

「斜め網代編み」としては、狭義では、斜め45度に立ち上げるタイプのうち、模様ラインが底と平行になっているもの。竹細工では、四方網代編み長桝網代編み長桝二間網代編みが相当しますが、クラフトバンド/紙バンドでは3つ飛びの斜め網代編みであっても、長桝二間網代編み風に作られるケースが多いようです。

広義では、模様ラインが底と垂直のものや、1×1を斜め45度に立ち上げるタイプも含まれるようです。

更には、模様網代が含まれるタイプも。ただ、模様が入る場合、「斜め網代編み」のカテゴリーに入るとは思いますが、できたかごは「~~模様のかご」と呼ばれるでしょう。ということは、構造の総称としてではなく「斜め網代編みのかご」という名前で呼ばれるとしたら、基本の網代編みで作られているということになるのでしょう。


ところで、ここまで出てきた編み方のポイントは、側面のために底をどう作るか、でした。立ち上げた時に・4つの側面が・同じ方向に揃った網代編みになるように、底でちょっと頑張る、といったらいいでしょうか。

その「揃った網代編み」は、シンプルな2つ飛びや3つ飛びの想定です。でも、網代編みには模様がたくさんあります。模様が入るとどうなるのでしょう。

長桝(二間)網代編み・四方網代編み・へリンボーン編みによって、側面の網代編みの方向が揃えられていたら、側面に繰り返し模様を入れるのはそう難しいことではないと思います。周全体の本数を模様の倍数にするとか、一部に入れるなら配置を合わせるなどの調整は必要にしても。

では、「側面のための配慮」などせずに、模様を優先して底を作る。それを立ち上げるとどうなるのでしょうか。やってみましょう。

PPバンド・水玉模様のかご

演習3・STEP4で、差しひもを加えることで、赤と白のチェック柄を花柄に変えました。
花模様のかごは以前に作ったので、赤と白ではなく全て赤の差しひもにして、水玉模様のかごを作ってみました。少し小さくしましたがベースは同じです。

水玉模様のかご

演習では「PPバンド(4本幅扱い)」を使いましたが、1/3に割いたPPバンドも使ったので「PPバンド(12本幅)」を追加登録して、両方が扱えるようにしました。

底です。斜めの差しひもは、側面に合わせるため、短辺側は少しずらせています。

水玉模様のかごの底

展開図です。全面に対する斜めの差しひもが、開始位置を2としたため、45度と135度、各1本少なくなってしまいました。側面の差しひもとして加えていますが、全面につなげて作っています。

水玉模様のかご

データです。

「PPバンド(12本幅)」の設定データもつけておきます。