月別アーカイブ: 2024年1月

(演習3)差しひも

りぶら講座『カラフルなプラかごをデザインしよう』の演習です。
CraftBandSquareの操作を学びます。

同内容のパワーポイントのファイルです。オフラインで閲覧したい方はどうぞ。


ベースとなるかごに、バンドを重ねることができます。幅と色、方向(水平/垂直/斜め)、何本ごとかなど、重ね方を試してみましょう。

STEP1:準備

順序操作コメント
1バンドの種類を「PPバンド(4本幅扱い)」としてかごのベースを作ってください横300mm, 縦120mm, 高さ200mm で概算割いた幅は1/4, 2/4, 3/4
4/4幅=割かない幅
2「縦横側面を展開する」のチェックをオフにしてください個別ではなくまとめて適用するため
3「基本色」に好きな色を選んでください「ライトグレー」ベース色です。ここでは薄い色がおすすめ

STEP2: 試してみよう (3本ごと)

順序操作コメント
STEP1の状態から開始します
1[差しひも]タブを開きましょう
2[追加]ボタンをクリックしてください行が作られます
3「配置面」は”側面”、「角度」は”0度(水平・横)”
「中心点」は”ひも中央”、何本幅は”2″、色は好きな色に変更する
「赤」「有効」にチェックが入ればOKです
4[プレビュー]タブで、結果を確認しましょう編みひもに、差しひもが重ねて表示されます
(編み目にはなりません)
5[差しひも]タブに戻り、「何本ごと」を3にします
6[プレビュー]タブで、結果を確認しましょう1本目から開始して3本ごとに、差しひもが重なります
7[追加]ボタンで差しひもを加え、「配置面」「角度」「中心点」「何本幅」は3.と同じにしてください。色は違う色にしてください。
「開始位置」は2、「何本ごと」は3にしてください
「青」「有効」にチェックが入ればOKです
8[プレビュー]タブで、結果を確認しましょう2本目から開始して3本ごとに、差しひもが加わります
9[追加]ボタンで差しひもを加え、「配置面」「角度」「中心点」「何本幅」は3.と同じにしてください。色は7.とも違う色にしてください。
「開始位置」は3、「何本ごと」は3にしてください
「緑」「有効」にチェックが入ればOKです
10[プレビュー]タブで、結果を確認しましょう3本目から開始して3本ごとに、差しひもが加わります

STEP3: 更に試してみよう (角度と描画順)

順序操作コメント
STEP2 の状態から続けます。更に差しひもを加えます
1[差しひも]タブをクリックしてください[差しひも]タブが表示されます
2[追加]ボタンをクリックしてください行が作られます
3「配置面」は”全面”、「角度」は”90度(垂直・縦)”
「中心点」は”ひも中央”、何本幅は”3“、色は好きな色に変更してください
「ブラウン」「有効」にチェックが入ればOKです
4[プレビュー]タブで、結果を確認しましょう縦ひもと横ひもに重なります
5[差しひも]タブを開き、[追加]ボタンをクリックしてください。
「配置面」は”側面”、「角度」は”45度(右斜め)”
「中心点」は”ひも中央”、何本幅は”1、色は好きな色に変更してください
「ピンク」「有効」にチェックが入ればOKです
6[プレビュー]タブで、結果を確認しましょう斜めに重なります
7[差しひも]タブを開き、[追加]ボタンをクリックしてください。
「配置面」は”側面”、「角度」は”135度(左斜め)”
「中心点」は”ひも中央”、何本幅は”1、色は好きな色に変更してください
「オレンジ」「有効」にチェックが入ればOKです
8[プレビュー]タブで、結果を確認しましょう斜めに重なります
9描画順序を変えてみましょう。
[差しひも]タブを開き、4行目の「全面」「90度(垂直・縦)」を選択してから、[上へ]ボタンを3回クリックします
「全面」「90度(垂直・縦)」が1行目になります
10[プレビュー]タブで、結果を確認しましょう差しひもの描画順が変わります。不透明色の場合は表示が変わります

STEP4: 演習問題

かごのベースを作り、

  • 縦ひもの色は全て白
  • 横ひもの色は全て白
  • 側面の編みひもの色は全て赤

にしてください。赤と白のチェック柄のかごが出来たはずです。
差しひもを加えて、次のような花柄のかごに変えてください。

※他の色で作っていただいてもOKです

この演習をもとにした試作例はこちら

操作例

※他の受講者の妨げにならないよう、できれば、字幕機能をONにしてミュートでご覧ください。

STEP1

操作例、CraftBandSquareのデータです。

STEP2

操作例、CraftBandSquareのデータです。

STEP3

操作例、CraftBandSquareのデータです。

STEP4

操作例、CraftBandSquareのデータです。

(演習4)組み合わせ

りぶら講座『カラフルなプラかごをデザインしよう』の演習4です。
CraftBandSquareの操作を学びます。

同内容のパワーポイントのファイルです。オフラインで閲覧したい方はどうぞ。


複数色の組み合わせを試してみましょう。
色と編み方の単位をセットで作ってみましょう。
いろいろ組み合わせて、オリジナルを作ってみましょう。

STEP1:準備

順序操作コメント
1かごのベースを作ってくださいPPバンド、横300mm, 縦120mm, 高さ200mm で概算
2「横ひもの数」「縦ひもの数」「側面の編みひも」
3つの数が、ともに3の倍数になるように調整してください
横ひも=9本
縦ひも=21本
側面の編みひも=15本
3「縦横側面を展開する」のチェックをオンにしてください[縦ひも][横ひも]のタブが表示され、側面の編みひもも展開されます

STEP2: 試してみよう (複数色セット)

順序操作コメント
STEP1 の状態から、開始します。
1使用する色を3色、決めてください。
A色,B色,C色とします
「赤」「青」「白」
2[縦ひも]のタブで、ひもの色を、3色の繰り返しにしてください。ABCABCABCABC…「赤青白」 の繰り返し最初の1セット、3色が作れたら、コピー・貼り付け
3[横ひも]のタブで、ひもの色を、縦ひもと同じ並びにしてください「赤青白」 の繰り返し縦ひもの3色を、コピー・貼り付け
4[側面と縁]のタブで、ひもの色を、縦ひもと同じ並びにしてください「赤青白」 の繰り返し縦ひもの3色を、コピー・貼り付け
5[プレビュー]タブで、作られる模様を確認しましょう。[ブラウザ]ボタンで表示させましょう
6プレビュー図を見て、かごに組み立てた時の側面の色のつながりを確認しましょう。右側面と下側面が同じC色、左側面と上側面が同じA色で重なっていますか?上側面・右側面が白
左側面・上側面が赤
ひも数が3の倍数なので、重なるはずです
7横ひもの最初の1本と、最後の1本を取り外すことで、重なりをなくすことにしましょう
8[横ひも]のタブを表示し、1行目を選択して[削除]をクリックします。つぎに最後の行を選択して[削除]をクリックします横ひもが2本減ります
9[プレビュー]タブで、変更を確認しましょう。[ブラウザ]ボタンで先の状態と比較してみましょう
α縦のサイズが2本分小さくなっています。サイズを合わせたい場合は、縦横の本数、色の並びを変えるなどして、調整してみてください間に3本を、この並びで追加するなど

STEP3: もうひとつ、試してみよう (同色ブロック)

順序操作コメント
STEP1 の状態から、再開始します。
1使用する色を3色、決めてください。
A色,B色,C色とします
「赤」「青」「白」
2[縦ひも]のタブで、ひもの色を、各色3本ずつの繰り返しにしてください。AAABBBCCCAAABBBCCC…「赤赤赤 青青青 白白白」 の繰り返し最初の1セット、9行が作れたら、コピー・貼り付け
3[横ひも]のタブで、ひもの色を、縦ひもと同じ並びにしてください「赤赤赤 青青青 白白白」 の繰り返し縦ひもの9行を、コピー・貼り付け
4[側面と縁]のタブで、ひもの色を、縦ひもと同じ並びにしてください「赤赤赤 青青青 白白白」 の繰り返し縦ひもの9行を、コピー・貼り付け
5[プレビュー]タブで、作られる模様を確認しましょう。[ブラウザ]ボタンで表示させましょう
6プレビュー図を見て、かごに組み立てた時に、側面の色が重なっていないか、確認しましょう。重なりがある場合、横ひもの色の配置で対応します上側面と右側面で、赤が連続している重ならない場合も、次からの操作を試してみてください
7横ひもの色の並びをどう変更したらよいか決めます
AAABBBCCC → BBBAAACCC とするなど
「白白白赤赤赤 青青青 」
8[横ひも]のタブを表示し、7で決めたように、色を変更してくださいコピー・貼り付けを上手に使ってください
9[プレビュー]タブで、変更を確認しましょう。[ブラウザ]ボタンで先の状態と比較してみましょう
α縦、横、側面の色の並びの組み合わせだけでなく、ひもの本数を変えるなど、いろいろ試してみてください

STEP4: もっと、試してみよう (ブロックの組み方)

順序操作コメント
STEP1の状態から、再開始します。
1使用する色を2色、決めてください。
A色,B色とします
「青」「白」
2[縦ひも]のタブで、ひもの色を、各色3本ずつの繰り返しにしてください。AAABBBAAABBB…「青青青 白白白」 の繰り返し最初の1セット、6行が作れたら、コピー・貼り付け
3[横ひも]のタブで、ひもの色を、縦ひもの同じ並びで、その続きになるようにしてください。
縦ひもがAAA で終わっていたら、BBBAAA…
縦ひもがBBB で終わっていたら、AAABBB…
「青青青 」で終わっていたら「白白白」 から開始縦ひもの6行を、コピー・貼り付け
4[側面と縁]のタブで、ひもの色を、縦ひもと同じ並びにしてください「青青青 白白白」 の繰り返し縦ひもの6行を、コピー・貼り付け
5[プレビュー]タブで、作られる模様を確認しましょう。[ブラウザ]ボタンで表示させましょう
6[ひも上下]タブで、「対象面」で「側面(上・右)」を選択してください
7「水平に」に6、「垂直に」に6 をセットして[サイズ変更]ボタンをクリック6×6になります。2色各3本の1セット分です
8「設定ファイル」の[設定呼出」ボタンをクリックして[上下図の呼出]画面が表示されたら、上下図名から、「2×2-11-平編み」を選んでください
9「反映方法」の「入れ替え」のチェックを外し、「繰り返す」にチェックを入れて[OK]をクリックしてくださいオンとオフのチェックになります
10[プレビュー]タブで、設定結果を確認しましょう。
[ブラウザ]ボタンで表示させましょう
最初も同じ平編みですが、オンとオフが入れ替わることがあります
11プレビュー図で、上側面、左下領域を見てください。
1セット6×6の中に、AB2色交互になった3×3が二か所あるのがわかるでしょうか。そのうちの1点の位置を覚えてください
左から右に4~6本目
最下から上に1~3本目
AB2色交互部分2か所は、下図の「四の形」と「五の形」です
12[ひも上下]タブに戻り、11で覚えた位置に対応する3×3の領域を選択し、[上下交換]ボタンをクリックしてください下図、選択箇所のチェックのオンとオフが入れ替わります
13[プレビュー]タブで、設定結果を確認しましょう。
[ブラウザ]ボタンで表示し、先と比較してみましょう
上側面と右側面、AB2色交互になった3×3が全て同じ模様になりました
14[ひも上下]タブに戻り、「対象面」で「側面(下・左)」を選択し[先と同じ]ボタンをクリックしてください
15[プレビュー]タブで、設定結果を確認しましょう。
AB2色交互部分は、上側面と下側面で同じになっているでしょうか。
縦ひもの数が、3の偶数倍の時は、違いが出てきます
16異なっている時は、[ひも上下]タブに戻り、「対象面」で「側面(下・左)」が選択されているのを確認して[左右反転]ボタンをクリックしてください
17[プレビュー]タブで、設定結果を確認しましょう。
AB2色交互部分は、上側面と下側面で同じになったでしょうか
ともに「四の形」、もしくはともに「五の形」です
α縦ひもと横ひもの本数によっては、更に手を加えた方がいいケースもあります。サイズと模様を見ながら、納得できるまで修正してください。

STEP5: 演習問題

お気に入りのデザインのかごがあれば、データで再現してみましょう。
いろいろなテクニックを組み合わせて、オリジナルなかごをデザインしてみましょう。

素敵なかごがデザインできたら、是非、見せてください。データはシェアすることもできます。皆さんのデザインが楽しみです♡

操作例

※他の受講者の妨げにならないよう、できれば、字幕機能をONにしてミュートでご覧ください。

STEP1

操作例、CraftBandSquareのデータです。

STEP2

操作例、CraftBandSquareのデータです。

STEP3

操作例、CraftBandSquareのデータです。

STEP4

操作例、CraftBandSquareのデータです。

2つ飛びヘリンボーン編みの小かご

2つ飛び網代編みの模様ラインが縦になるパターンで、小さいかごを作ってみました。

条件によれば、縦の四角数・横の四角数は、ともにどんな数でもよい、ということで した。偶数ではできて当然でしょうから、縦ひも+横ひもの数が奇数になるよう、四角数11 × 10、ひも数21本にしてみました。

まず側面を縦方向に2つ飛び網代編みで作り、角の位置を条件に合うように合わせ、底をできるだけ自然な模様にする、という手順です。

底です。3つ飛びの「端の四角」のような模様になりました。

編み図です。

データです。

2つ飛び網代編みの立ち上げ位置(縦ライン)

では、3つ飛びと同様に2つ飛びについても、模様ラインに対して垂直に立ち上げる場合はどうでしょうか。

立ち上げ位置は、次のいずれかになります。

2つ飛びの場合は、上の四角と下の四角の2つしかないので、上の四角の方で識別することにします。左右・上下を通るラインが上の四角になっている方に注目し、それが右向きか、左向きか、を見るということです。

立ち上げ線を水平に置いた時の2パターンは次のようになります。
図の左を「左向き長方形」、右を「右向き長方形」とします。

左向き長方形と、右向き長方形

底の四角の位置に、1・2の数字を振っているように、2点の繰り返し模様です。ひも上下のデータ的には、上・下もしくは下・上の 1-2 の繰り返しで、上下は、側面の角度が90度変わるごとに入れ替わります。

ラインに沿って立ち上げるタイプでは、側面の網代編みラインがつながるように、編み目を作りました。こちらのタイプも、まず各側面が底に対して垂直な網代編みラインになっているという前提で、同様にそのラインがつながる条件は、

  • 底の周の4辺とも、同じ「左向き長方形」もしくは「右向き長方形」であること
  • 底の角、即ちある側面から隣の側面に変わる箇所では、角の両側が上図の1・2の連続的な繰り返しになっていること

なお、底の周の四角数については「(縦の四角数+横の四角数)×2」であり必ず偶数になりますので、「2の倍数である」という条件は、どんな数であっても成立します。

これも、具体例を作ってみましょう。

つながらない例

側面によって「左向き長方形」と「右向き長方形」が異なっています。

つながらない例

全て「右向き長方形」ですが、左の側面から右の側面にかけて、1・2・1・2になっていません。余分があります。

つながらない例

左の側面から右の側面にかけて、1・2・1・2になっていません。不足があります。

つながらない例

つながる例

全て「右向き長方形」で、底の上の角が左の側面から2、右の側面に回って1・2..と連続しています。

つながる例

全て「右向き長方形」で、底の上の角が左の側面から1、右の側面に回って2..と連続しています。

つながる例

2つの例を載せましたが、要は角の両側に1と2です。3つ飛びのように側面の状態が変わるわけではなく、ともに端の四角位置で、実質同じと見て良いのではないでしょうか。

そして、編み方の名前は何でしょう?
3つ飛びは「ヘリンボーン編み」でしたが、こちらも同じ「ヘリンボーン編み」でよいのでしょうか?

2つ飛び網代編みの立ち上げ位置と底編み図生成

立ち上げ位置の検討で、3つ飛びを模様ラインに平行に折る場合、折り位置は「上の四角」「中の四角」「下の四角」のいずれかでした。2つ飛びではどうでしょう。

四角が2つでできた長方形ですから「上の四角」/「下の四角」、これと「右向き」/「左向き」を組み合わせると

  • 「右向き/上の四角」
  • 「右向き/下の四角」
  • 「左向き/上の四角」
  • 「左向き/下の四角」

となります。
3つ飛びの時と同様、左右については交換可能ということで、これを「上の四角」と「下の四角」として識別することにしましょう。

上の四角と下の四角

次は「角(かど)にかからない中央部分」を見てみます。3つ飛びの時と同様、模様ラインと平行になるように長方形の底を立ち上げた場合、長辺側つまり模様ラインと平行になる部分の中心の飛び数は、1もしくは3になります。

何故なら、全体が正方形ですから、斜めの中心線は四角の対角線を通ります。でも、四角2個の長方形(2つ飛び網代編み)には、対角線を通る中心線は存在しません。従って、中心部分が2つ飛びになることはあり得ない。また、中央ラインは四角の間には来ないのですから、4で割った余りから0と2を除外すると、1もしくは3になるのです。

下図のいずれかです。

中央部分の2択

八女市伝統工芸館」の「52 交色長桝二間網代」では、中央部分は3つ飛びになっていました。

2つ飛びの長桝網代については、文献
『図説 竹工芸 : 竹から工芸品まで』佐藤庄五郎、共立出版、1974
223ページ、図11.3 ますあじろの変化と四方あじろ・長ますあじろの一連の図の中に「(f)長ますあじろ(交色)」として掲載されています。こちらも、中央部分は3つ飛びになっています。ですので、竹編みの場合、中央部分を3にするのが正しい長桝二間網代と言えそうです。

かつて、斜め網代編みの底の組み方を検討した時、とりあえずのルールとして、

「上の四角」で立ち上げることを優先する。その結果、中央部分は1もしくは3になる。

としました。正しい長桝二間網代の場合は、そうではなく、

中央部分が3になることを優先する。その結果、立ち上げ位置は「上の四角」もしくは「下の四角」になる。

というルールだったのでした。


「角(かど)の三角形部分」はどうでしょう。3つ飛びの長桝網代編みでは長方形につながっていましたが、2つ飛びの場合は、対角線で反転した模様になっています。「八女市伝統工芸館」の「52 交色長桝二間網代」も『図説 竹工芸 : 竹から工芸品まで』ともにです。

短辺側の四角数を同じとし、長辺側の数を変えた図を並べてみました。短辺側、下図では左上と右下の直角二等辺三角形部分は、全て同じ編み方です。3つ飛びの時は短辺側は仮の絵でしたが、2つ飛びの場合は反転状態そのままの絵ですから、角(かど)の三角形部分については、短辺の四角数が同じであれば、長辺側の数によらず編み方は同じ、ということになります。

そして、短辺と長辺が同じになる、つまり横の四角数=縦の四角数・正方形になると、四方網代(風)になるのです。

長桝網代編みを正方形にしても四方網代編みにはならない・別の編み方である」というのが3つ飛びだったのですが、2つ飛びの場合は

長桝二間網代編みを正方形にすると四方網代編みになる・同じ編み方である

ということになるのです。何てことでしょう。。

ただしこれは、上図の一番右の編み方を何と呼ぶか、「長桝二間網代編み」なのか「四方網代編み」なのか、にかかってきます。見た感じ「長」より「四方」の方が自然に思えますが「四方二間網代編み」という言葉はあるのでしょうか。


そして、CraftBandSquare45による底の編み図の生成方法。3つ飛びの場合は、違う2種類の編み方、設定パターンも各3点あったため、早見表が便利でした。でも2つ飛びの場合は、編み方はひとつしかないし、設定パターンも次の2つしかありません。

  1. 垂直に=2 底に=0
  2. 垂直に=1 底に=1

1.の値が既定値になっていますので、そのままでも1/2の確率で生成できます。だめなら、2.の値に変えればよいだけ、なのです。

長桝二間網代のかご

名称長桝二間 網代 編み
長桝 網代 編み
名称(読み)ながますふたま あじろ あみ
ながます あじろ あみ
模様タイプ中心2点間は3つ飛び、各領域2つ飛び
単位
バンド幅
飛び数1,2,3
対称性半回転
備考

八女市伝統工芸館」の「竹編組見本」から「52 交色長桝二間網代」でボックスを作ってみました。

「竹編組見本」は、平らに編まれていますが、長桝網代編みと同様に長方形に立ち上げました。「長桝二間網代」という名前の通り、二間網代編みベースです。側面の二間網代編みがつながるように作りました。

底です。3本飛びの長桝網代編みとはちょっと異なる模様です。長方形がつながっていません。

長桝二間網代のかごの底

そして、3本飛びと比べると二重に編みにくいです。

  • 2本飛びは、3本飛びより単位となる長方形が短い
  • 底の短辺に、2本ごとに4本が交差する箇所がある

編み図です。

データです。

二間網代編みの小かご

名称二間 網代 編み
2つ飛び 網代 編み
2本飛び 網代 編み
2本飛ばし 網代 編み
二目 網代 編み
名称(読み)ふたま あじろ あみ
ふたつとび あじろ あみ
にほんとび あじろ あみ
にほんとばし あじろ あみ
にもく あじろ あみ
模様タイプ単位の繰り返し
単位4 × 4
バンド幅
飛び数2
対称性半回転
備考右上がり、左上がり

八女市伝統工芸館」の「竹編組見本」から「45 二間網代」で小さいボックスを作ってみました。

実はこの「二間」の読み方がわからなかったのです。「にけん」「にかん」「にま」「にげん」「ふたま」(読み方自体は他にもあるようです)… 竹細工をされている方にお聞きして「ふたま」としましたが、良かったでしょうか。

二間網代編みの小かご

CraftBandSquare のデータです。側面は、設定データにある「4×4-22-網代編み2つ飛び」そのままです。底はサイズに合わせ、側面からの2つ飛びがそのままつながるよう、少し編集してみました。

データです。

V1.7.2リリース

issue #42 に対応しました。
色の扱いが、より便利になりました。

公開はこちら
Release v1.7.2のリリース
(更新)インストールについては「起動するまで」のページを参照してください。

同じ名前の色の値を「バンドの種類」ごとに変更可能に

[設定]メニューの[描画色]に、「バンドの種類」「中線色」のカラムを追加しました。

それぞれの色に対して、バンドの種類は、”-(ハイフン)” は何も設定しないことを示します。従来の状態であり、どのバンドの種類に対しても共通の値です。

同じ色の名前に対して「バンドの種類」を指定したデータを別途追加可能になりました。その「バンドの種類」を選択した時にだけ使われる値を登録することができます。

例えば、追加でバンドの種類に「PPバンド(不透明色)」を登録した後、「PPバンド(不透明色)」専用の色を追加したとします。(上図の下4行がその例です)

専用の色が登録されていると、同じ「赤」という名前の色を選択したとしても、対象として選択しているバンドの種類によって色味が変わります。

  • 「PPバンド」を使うと、透明度50 として、薄く塗りつぶした色
  • 「PPバンド(不透明色)」を使うと、透明度255 として、透過性のない色

また、中線(本幅を示す線)の透明度とRGB値を指定可能としました。
何も設定しなければ従来通り、輪郭線および塗りつぶし色と同じです。

「バンドの種類」画面で、使用色の設定が簡単に

[設定]メニューの[バンドの種類]画面で、そのバンドの種類で使用する色を入力するセルの隣に「色選択」のボタンを追加しました。

ボタンをクリックすると、登録されている色がリストアップされますので、使いたい色にチェックを入れて[OK]とすれば、色リストを簡単に作ることができます。

バンドの種類にない色の使用

先に色を設定したデータを作り、その後、バンドの種類や色リストを変更するような操作をした場合、結果的に、そのバンドでは使えない色を持った状態になることがあります。

先には、設定した色は消えていましたが、消える前に次のような確認を表示するようにしました。

ここで[はい]とすると、[色の変更]画面が表示されますので、使えない色を使える色に、まとめて置き変えることができます。

使用例

上述の例、バンドの種類「PPバンド(不透明色)」およびいくつかの色を登録した、オプションの設定ファイルです。このファイルをインポートしていただくと、バンドの種類として「PPバンド(不透明色)」が使えるようになります。専用色も追加されます。

上のファイルをダウンロードしていただいてから、次の操作で取り込むことができます。

  1. [設定]メニューの[基本設定]をクリックする
  2. 表示された、基本設定画面の[インポート]ボタンをクリックする
  3. ファイルの選択画面が出てくるので、ダウンロードした「CraftBandMesh-opaque-PPband.XML」を選択する
  4. 上書きしていいかの問い合わせに「はい」もしくは「いいえ」をクリックする
    (まだ、同名は存在しないはずなので、どちらでも同じ)
  5. 更新結果の報告画面が表示されたら「OK」で閉じる

これで、「PPバンド(不透明色)」が使えるようになります。


CraftBandSquareで、「PPバンド」で「赤」と「青」を使った、簡単なサンプルを作ってみました。左側の絵がそのプレビュー図です。
上記で「PPバンド(不透明色)」を取り込んだ後、このデータの「バンドの種類」を「PPバンド(不透明色)」に変えていただくと、同じ「赤」と「青」に対する色味が右側の絵のように変わります。

へリンボーン編みのかご、端の四角

ヘリンボーン編み「中の四角」パターンはわりと簡単に作れましたが、「端の四角」パターンはどうでしょうか。

端の四角」パターンは、角のところで、片側の辺は1、もう片側は2と3、とずれています。最初に作った「中の四角」パターンから、部分的にシフトする操作で作ることができました。1・3・5です。

中の四角→端の四角、という手順を踏まなくても、最初から3つ飛び網代編みを反転するだけで作れるのかもしれません。中央部で切り替わっている、というのがこのパターンのポイントのようです。

できたかごがこちら。

へリンボーン編みのかご、端の四角

ただこのヘリンボーン編み、端の四角に限らずですが、ラインが横になっている時より編むのに手間がかかります。横だと各側面ごとにまとめて編めたのが、縦だと角で交差する両面交互に編まないといけないのです。

底です。

へリンボーン編みのかごの底、端の四角

二つのかごを並べてみました。左が「中の四角」、右が「端の四角」です。

編み図です。

へリンボーン編みのかご、端の四角の編み図

同様に、長方形を作ってみました。中央部分に切り替えがありますので、「中の四角」パターンほど単純ではありませんが、同様に作ることができました。

長方形に応用

側面がつながる条件は「(縦の四角数+横の四角数) が3の倍数」です。縦の四角数と横の四角数、ともに3の倍数の場合は、そう難しくなく作れるようです。でも縦の四角数・横の四角数とも3の倍数でない場合は、もう少し手間がかかるでしょう。

データです。

ヘリンボーン編みのかご、中の四角

ヘリンボーン編み、既存の編み図があれば変更して作れることがわかりましたが、別のサイズで作れるものでしょうか。

作り易そうなところで、正方形、縦横の四角数15を作ってみました。「中の四角」のパターンです。

ヘリンボーン編みのかご、中の四角

底です。

ヘリンボーン編みのかごの底、中の四角

まず四方網代編みを生成し、底の線に対して模様ラインが垂直になるよう、各辺の4つの正方形を反転してみました。上下・左右が対称ですので、角が2・3になる「中の四角」パターンになりました。

要は、開き網代編み状態を作ればよいわけで、3つ飛びの網代編みで埋めてから半分を反転しても作れそうです。相対する辺で模様ラインの位置が同じになりましたので、片側をつなげました。1,3,5だけで作ることができました。

編み図です。

ヘリンボーン編みのかごの底、中の四角の編み図

編み図では、右上から左下にかけて、平行な模様ラインができています。この部分を増やすことで、長方形タイプにも適用できます。間をグレーにして作ってみました。ベースが同じパターンになっているのがわかるでしょうか。

長方形に応用

データです。