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ソフトウェアの説明書

『フリーソフトを使って竹細工のかごの図面を作ろう』令和6年度前期りぶら講座

講座は終了しました。ご参加いただきました皆様、ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。

講座の案内はこちら。


講座で使用したパワーポイントです

同内容のPDFファイルです

セットアップと準備

ダウンロードとインストールについては「起動するまで」を参照。

インストールが完了すると、デスクトップに、シリーズ5点のアプリのアイコンが作られます。各アプリは対応するアイコンをダブルクリックして起動します。

① いずれのアプリも、最初に1回だけ「設定ファイルの場所と名前」の入力を求められます。これが、自分にとってのデータベースとなるファイルです。

  • ドキュメントなど、読み書きが可能で、自分が把握できる場所を指定する
    (直接操作するファイルではないので、デスクトップは避けた方が無難)
  • 5点のアプリ、それぞれに対して、同じ場所の同じファイルを指定する
    (今回はCraftBandKnotは使いませんが、初回起動だけはしておきましょう)

② 次のファイルをダウンロードしてください。いずれかのアプリで[設定]メニューの[基本設定]画面を開き、[インポート]ボタンをクリックし、ダウンロードしたファイルを指定して、上書きの問い合わせには[はい]としてください。1回だけでよいです。
参考動画: 2点ダウンロードしている例ですが、最初の1点と同じ操作です
これにより、[ひも上下]から、様々な網代模様が呼び出せるようになります。

③ 各アプリ、[編集]メニューの[バンドの種類選択]画面で「出力時の寸法単位」をcm にしておきましょう。参考「[編集]-[バンドの種類選択]

シリーズ共通の画面操作を知りましょう

こちらに、CraftBandSquareの冊子形式マニュアルPDFが掲載されています。基本画面の操作についてなので、もう少し説明が欲しい、という方はどうぞ。

まずは一通り触ってみましょう

実は、残念ながら、サンプルのデータベースには、竹細工用の情報はほとんど含まれていません。でも、データベースへの登録については後にして、まずは、触ってみましょう。縁の始末や編みかたには、とりあえず、ある中から適当に流用してください。

以下投稿に、動画付き・簡単使用例のマニュアルがあります。順にやってみましょう。

ただし、いずれも最初に「バンドの種類」を選ぶところで「竹ひご(1幅1ミリ)」を選んでください。基本のひも幅は1~12から選択してください(1ミリ~12ミリ相当です)。

サイズもお好きな数値で、ドロップダウンの選択肢からも、好きに選んで試してみてください。本数も、Up/Downでいろいろ変えてみてください。

1分で計算シリーズ、いずれも「縦横展開」なしの簡易モードですが、アプリの操作イメージはつかめたでしょうか。

データベースがあると便利ですよね?

触ってみていかがでしたか?難しい?
でも、慣れたら、結構簡単にデータが作れるようになるかも、と思いませんでしたか?

もし思われたとしたら、その理由は「ドロップダウンから選んで組み合わせるだけで、そこそこ形になる」からじゃないでしょうか。

メイン画面の[設定]メニューから、[バンドの種類][編みかた]などの画面を開くことができます。各画面を開いて見てください。登録されているそれぞれの名前、ドロップダウンを操作した時に見かけたものはありませんか?

  • バンドの種類の選択肢は、[バンドの種類]画面にあります。
  • 縁の始末の選択肢は、[編みかた]で「縁専用」のチェックがONのものです。
    Meshの編みかたの選択肢は、「縁専用」のチェックがOFFのものです。
  • 追加品の選択肢は、[付属品]画面にあります。
  • バンドの「」の選択肢は、[描画色]画面にあります。

それぞれが、表形式のデータベースです。ここに含まれているデータは、固定のものではなく、ユーザーが自由に追加したり、変更したり、不要なら削除もできます。今入っているデータは、単なるサンプルと思っていただいて結構です。(サイトで公開している各かごのデータは、これで作られています)

そして、これらのデータベースは、個々の「かご」を作る時には常に、共通に参照されます。データベースに登録する時には、使い回しができるように、を考えてみてください。毎回作るのではなく、次に使う時には部品として選ぶだけで済むような。データベースには、それぞれのユーザーのノウハウが蓄積されていくのです。

竹細工用のデータを加えてみましょう

竹工芸資料室「佐々工房」というサイトがあります。竹工芸の専門家で、何冊かの著書も出版されている方が、ご自身の作品の他、竹関係の資料関連情報を集めて公開されています。

その中で「テキスト」として公開されているゴザ目編みとしずく巻きの練習作品』を、データベースと合わせて、CraftBandMesh のデータにしてみましょう。(佐々工房の佐々木様には、使用のご許可をいただいています。ありがとうございます。)

データベースには、こんな登録が要りそうです。

登録対象登録したいこと要検討点
バンドの種類使用する竹ひごの幅は、
4mm, 2.5mm, 10mm(ふち)
・本幅数と幅の組み合わせを何にするか
・3点が選べて、わかりやすく、次からも使いまわせること
・絶対その数値が必要か、多少変えてもよいのか
編みかた【底】籐による二本縄編み、
上からと下から
・名前と表記、二本/ 2本, 縄/なわ、どうする?
・籐を、本幅値で扱うこと
・「上から」「下から」をひとつにするか、ふたつに分けるか
編みかた【胴】ゴザ目編み・ゴザ目?ござ目?
・3周目まで/4周目~6周目/7周目以降、編みかたや、厚さの違いの扱いは?
・重ねつなぎをどう扱うか
・半周ずれて開始することを、どう扱うか
・2本セットにするか、1本ごとにするか
編みかた【縁】しずく巻き・どこまでを「しずく巻き」として扱うか
・縁の口に置く、籐を巻いた輪は、しずく巻きの一部にするか、付属品として分離するか
付属品縁に置く、籐を巻いた輪
(分離した場合)
・名前は?わかりやすく、類似品と区別できること
・籐専用?他の素材で使うこともある?

次に、その登録をもとに、CraftBandMesh のデータを作ってみましょう。

※実際のところは、CraftBandMesh のデータを作りながら、必要になった時点でデータベースに登録したり、使ってみて不備に気付いたら登録内容を修正したり、だと思います。既に参照している編みかたや付属品のデータベース内容を、後から修正した時には、

  1. 底(楕円)・側面・追記品から、修正した登録を参照している行を、一旦削除する
  2. ドロップダウンから、改めて追加する

としてください。

※講座のパワーポイントに一例を載せています。ご自分の作成結果と比較してみてください。

設定データファイルについて

初回起動時に1回だけ指定したファイル、それが「設定ファイル」です。2回目以降は常にそのファイルを使っています。[設定]メニューで呼び出される各画面のデータベース、すべてがこのひとつのファイルに保存されています。
標準的な、XMLと呼ばれる形式で作られたテキストファイルです。

データができたら

ファイルに名前をつけて、保存しておきましょう。
どのアプリで作ったか、わかる名前にしておきましょう。

「縦横展開」ありで表示されるタブの操作も、いろいろ試してみましょう。
サンプルをダウンロードして、データの中を見てみましょう。
既存データをアレンジしてみましょう。

過去に、自分が作った作品を、データ化してみましょう。
教室のテキストの掲載作品を、データ化してみましょう。
これから作りたい作品のデータを作ってみましょう。

データベースを、充実させていきましょう。
ひな型として、使い回しができるデータを、貯めていきましょう。

アプリのどの部分が便利なのか、自分なりの使い方を見つけましょう。
他の方と、使い方のノウハウや、データを交換しましょう。

  • 実寸で印刷するには→「型紙の実寸印刷
  • サイトにある試作例を参考にする→「SiteMap」データが添付されています
    (参考になったページがあったら是非「いいね♡」をクリックしてください)
  • 講座でよくわからなかった点、質問点、ご要望などは→ユーザーズフォーラム

追記

講座に、クラフトバンドで作品を作っている、という方が参加されていました。竹細工では使わないので省きましたが、四つ畳み編みのアプリ、CraftBandKnot 関連リンクを以下につけておきます。

[編集]-[バンドの種類選択]

いずれのアプリにおいても、「かご」のデータ作成において最初に行うのは、どの「バンドの種類」を使うかの選択です。

メイン画面の[編集]メニューから[バンドの種類選択]をクリックすると

[バンドの種類選択]画面が開きます。

「対象バンドの種類名」には、[バンドの種類]に登録したバンドの種類名がリストアップされますので、使いたいバンドを選んでください。

この画面では、出力時の寸法単位を選ぶことができます。初期値はmmですが、cmの方が扱いやすいと思います。

「リスト出力記号」は、プレビュー図やブラウザ表示・リスト出力時に、それぞれのひもに付加される記号の最初の1文字です。

セットする文字順につけられる記号
①②③④⑤…..
AABCDEF…
1123456…
(空白)画像に記号を表示しない

「出力時の寸法単位」や「リスト出力記号」は、それぞれのアプリごとに設定します。各アプリで設定した値は、それぞれに保持されます。

「対象バンドの種類名」に使いたいバンドの種類名が選択された状態で、[OK]ボタンをクリックすると、作成中のデータが対象とするバンドの種類が確定します。

[設定]-[ゲージ]画面

CraftBandKnot のみ、[設定]で開かれるメニューの中に[ゲージ]があります。CraftBandKnot は四つ畳み編み用のアプリですので、バンドの種類ごとに、ゲージ値を保持できるしくみです。

バンドの種類は、画面上部「対象バンドの種類名」から選びます。クリックすると、現在、バンドの種類に登録されている「バンドの種類名」の一覧が表示されますので、その中から1点を選択します。

[ゲージ]画面

上図は、既に実測値がセットされた状態です。(1本幅が空なのは測定できなかったため)

四つ畳み編みの計算に使う値は2点、コマ寸法値とコマ要尺値です。13本幅であれば、1~13の本幅が選べますから、それぞれの本幅のバンドごとに、コマ寸法値とコマ要尺値が必要になります。

この数値をどのように取得するか。バンドの種類ごと・そのバンドの全本幅ごとに、次の3つから選べる、というのがこの画面です。

  • 実測値そのままの値
  • 実測値をもとに係数を計算し、その係数から算出した値(実測値そのままは使わない)
  • 標準的な係数から算出した値(実測なし)

標準的な係数

コマ寸法値を計算するための係数は2点、「コマ寸法係数a」「コマ寸法係数b」です。
コマ要尺値を計算するための係数は2点、「コマ要尺係数a」「コマ要尺係数b」です。

これらの初期値は、以下の通り。(根拠はこちら)

係数名初期値
コマ寸法係数a0.95
コマ寸法係数b0.2
コマ要尺係数a0.98
コマ要尺係数b0.7

バンドの種類のデータベースには、これら4点の値を保持する項目があります。ゲージ画面の右上に表示されているのが、その4点です。この画面で「対象バンドの種類名」を切り替えると、係数表示も変わります。

新たなバンドの種類を作成し、ゲージを何も設定しなければ、上記初期値のままです。CraftBandKnot でそのバンドの種類を選択すれば、これら係数からコマ寸法値とコマ要尺値を算出します。

これらの係数は、絶対値ではなくバンド幅に対する相対値ですので、もとにしたクラフトバンド/紙バンドについては、幅が違うバンドでもそこそこ計算できると思います。

実測値そのままの値

[ゲージ]画面では、選択したバンドの種類に対して、いずれの本幅に対しても「コマ寸法実測値」「コマ要尺実測値」が入力できます。

ここに、測定した数値を入力し、かつ「実測値使用区分」のチェックをONにすれば、チェックをONにした本幅についてはその実測値を計算に使用します。実測値が入力されていたとしても、「実測値使用区分」のチェックがONになっていなければ、そのバンドの種類の係数から算出します。

下図の例では、2,3,4,7本幅は実測値を使い、1,5,6,8-13本幅は係数からの算出です。

実測値から係数を算出する

コマ寸法とコマ要尺、それぞれ、実測値が2点以上あれば、その実測値に適合する係数を得ることができます。(検証はこちら)

下図の例では、

  1. 4本幅に各実測値を入力し、係数取得区分のチェックをONにする
  2. 12本幅に各実測値を入力し、係数取得区分のチェックをONにする
  3. [係数取得]ボタンをクリックする
  4. 右上、コマ寸法係数a,コマ寸法係数b,コマ要尺係数a,コマ要尺係数b が更新される

適切な実測値をもとに係数を取得しておくと、実測しない本幅についても、計算の精度があがります。

ボタン名機能説明
リセット初期値に戻す選択されたバンドの種類に関する登録を全て初期値に戻します
係数取得係数を算出するそれぞれの係数を算出します(少なくとも2点の実測値を入力)
OK変更を確定して画面を閉じる変更が保存されます
キャンセルキャンセルして画面を閉じる変更は破棄されます

[設定]-[上下図]画面

縦横に編む CraftBandSquare および CraftBandSquare45 は、[ひも上下]タブで、縦横のひもの上下関係を編集することができます。編集して作成したパターンを[設定登録]すると、別のデータからも呼び出せるようになります。

この時保存されるのが、上下図のデータベースです。上記2点のアプリでは、メイン画面の[設定]をクリックして開かれるメニューに[上下図]があります。

クリックすると、[上下図]画面が開きます。

[上下図]画面

項目名「水平本数」「垂直本数」「上下」にセットされている値がパターンを示しますが、基本的にここは触らないでください。編集したい場合は、CraftBandSquare もしくは CraftBandSquare45 の[ひも上下]タブで行ってください。

この画面では、以下の操作を行えます。

  • 「上下図名」… 登録した名前を、後から変えたい場合に変更する
  • 「削除」ボタン … 登録したパターンが不要の時、削除する

上下図パターンの参照

CraftBandSquare の例です。[ひも上下]タブを開き、タブ右上の[設定呼出]ボタンをクリックします。

[上下図の呼出]が表示されたら、選択肢から名前を選び、[OK]をクリックします。

[ひも上下]の編集パターンに、呼び出した上下図がロードされます。

そのまま使っても、編集を加えてデータ独自のパターンにすることもできます。
結果は[プレビュー]タブですぐに見ることができます。

上下図パターンの登録

呼び出した上下図パターンに変更を加えたり、また、新たな上下図パターンを作成した時は、設定ファイルに登録することができます。

[設定登録]ボタンで[上下図の登録]画面が表示されますので、新たな名前を入力して、[OK]ボタンで登録します。

既存の名前を指定すると置換されます。

共通の設定ファイルに保存されますので、どちらのアプリで登録しても、両方から参照できるようになります。

[設定]-[描画色]画面

いずれのアプリにおいても、メイン画面の[設定]をクリックし、開かれたメニューから[描画色]をクリックすると、[描画色]画面が開きます。

ここには、基本色や縦横展開された個別のバンド色を、どんな色味で画像表示するのか、共通に設定します。

[描画色]画面

キーとなるのは「色」と「バンドの種類名」です。

  • 「バンドの種類名」を指定して登録すると、そのバンドの種類専用の「色」になります。
  • 「バンドの種類名」を “-” として登録すると、特定のバンドの種類によらない、共通に使える「色」になります。
  • 同じ「色」を、異なる2点以上の「バンドの種類名」に対して登録することができます。
  • 現データのバンドの種類で参照される色は、その「バンドの種類名」と「色」が登録されていれば、 “-” の「色」より優先されます。

追加するには「色」と「バンドの種類名」(特定しない場合は”-“のまま)と、赤・緑・青値を入力し、[更新/追加]ボタンをクリックしてください。同じキーが既に登録されていれば更新され、登録されていなければ追加されます。(参考: “描画色の作成”)

削除するには、その色の行を選択してDeleteキーを押してください。

登録内容

描画色の各項目の登録内容です。

バンドの描画

ある「色」を使用した時のバンドの描画は

  • 外枠は、線幅で指定された幅、線色で指定された透明度とRGB値
  • 塗りつぶしは、RGB値と透明度
  • 中線は、中線幅で指定された幅、中線色で指定された透明度とRGB値

中線が指定された時は、そのバンドの本幅数-1 本描画されます。線に区切られた細長い領域が、1本幅に相当する絵です。

赤で12本幅、緑で6本幅、青で4本幅のバンドを描画した例です。サンプルの色は、透明度値を低くした半透明色で塗りつぶし、枠線や中線が明示的にわかる色に設定されています。

バンドの種類の設定で、1本幅に相当する幅を狭くしてしまうと、実質、塗りつぶしに近い状態になります。

画像の色や線まで作りたいなら、バンドの種類作成時の要考慮点となります。

  • データを作っている途中は、中線があると方向がわかりやすいし、半透明の方が重なりが見えます
  • できあがりイメージを見る時は、不透明の方が実物に近い。ひもの上下関係が作れるアプリであれば、ですが。
  • バンドそのものの模様までは描けませんが、枠線・中線の色と幅は自由に組み合わせられますので、ストライプ程度なら表現できます

「無描画色」について

白色で、透明度値がゼロ、線幅も中線幅もゼロ、に設定すると、実質、何も描画されない色になります。サンプルには、この色に「無描画色」という色名をつけて登録しています。

実際にはバンドは置かないけれど、バンド分のスペースをだけを空けておきたい、そんな時のスペースフォルダとして使うことができます。使用例: 八つ目の浅かご