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CraftBandHexagonで作成

撫子華編みの小かご

Ver1.8.4 CraftBandHexagonの差しひも、つぎはひもに対して平行方向です。

平行に1本差すのは「ひも中心合わせ」と同様な状況と思われますので、平行に3本を差してみました。以下文献111ページに、撫子華編み(なでしこはなあみ)として掲載されている模様です。

『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0

撫子華編みの小かご

また、この編み方は、裏側から見ると、鱗華編み(うろこはなあみ)という模様になります(同書113ページ)。

鱗華編み

お試しだから小さいかごでいいかと作り始めたのですが、差しながら、もしかして、作るのは小さい方が大変だったのかも、と思いました。

差しひものデータは、現Verでは、すべて対応する角度に平行に生成しています。でも、角、つまり五角形を通るラインについては側面部分で不一致が生じています。底からのライン(オレンジ色)は五角形位置までで、その先は二方向に分かれるのです。

余分はよしとしても、不足しているラインをどうすべきか。側面を指定した差しひもとして、別途手動で追加することは可能ですが、生成の一環としてできないか、検討したいと思います。

データです。同位置数・同位置順を指定することで、各方向3本の差しひもを配置しています。

車華編みの小かご

Ver1.8.4 CraftBandHexagonの差しひも、まず、ひもに対して直角方向を試してみました。
六つ目の脇にできる三角を通す編み方は、車華編み(くるまはなあみ)という名前で、以下文献100ページに掲載されています。

『かご編みの技法大全』佐々木麗子、誠文堂新光社、2018電子書籍版 v1.0

できたのがこちら。最下段の六つ目数を0.7、上端下端・左端右端を0.3、三角の中は3ミリです。

底から見たところ。

車華編みの小かごの底

小さいかごなのに、差しても差しても埋まらない、、って感じで。六つ目や三つ目の中のひもの方向を揃えたり、差しひもの浮き方や位置を合わせればもっと綺麗にできるのでしょうけれど、とてもそんな余裕はなく、差すだけで精一杯でした。

全体に対する垂直方向の差しひもについては、各角の五角形のところまでを生成します。でも、実際に差してみると、下図の青線と緑線のように、底からの差しひもが五角形の先に延びるのが自然でした。そして入れ替わった先の垂直部分(赤の点線)は2点ではなくいずれか1点でよい。

ということで、生成データについては、少しだけ余分が生じていますが、多い分については不足より良しとしたいと思います。

差しひもについては、個別の長さでカットして差したわけではなく、面積長分の白いひもを2本幅にして、差しながらカットしていきました。ひも長加算は15ミリ(両端で30ミリ)にしましたが、面積長で15センチ程不足でした。理由としては、

  • おもてうら交互に、波打つように通している分長くなる
  • 縁への角度が30度となり高さの倍のひも長が必要
  • 最短で約26センチのため、それ以下の端切れは使えない

とりあえず、そのままのデータを添付しますが、使うなら差しひもの加算長は10ミリほど増やした方がよさそうです。

亀甲崩し模様の縦長ケース

「ひらりカラー」でもうひとつ、鉄線編みの平たいケースを作ってみました。

亀甲崩し模様の縦長ケース

クッション封筒といった趣きです。中も同じような模様になっています。

模様の「亀甲崩し」ですが、この名前の編み方があった訳ではなく、以下の条件で試してみた結果です。

  • 3色あるので、3色同じくらい使いたい
  • 両側面の模様を合わせるため、斜めひもについては左右対称に
  • 3の倍数ベース、6点を繰り返す
  • 側面についても、斜めひもと同じ色の並びで

いくつか試して、まず色の並びを決めました。その並びでは、合わせ目の位置を変えることで、次のような2パターンが作られました。シックススター崩しと、亀甲崩し、とでもいいましょうか。右側の方が良いかな、ということで作ってみたのが上の写真です。

でも、作ってみてわかったのは、合わせ目を移動する時には要注意、ということです。底の角はスターの中心に置くというルールは、ペタンコタイプでも適用されるのです。合わせ目をずらしたことでルールから外れてしまったため、封筒の両側面の辺は、続きではなくちょっとイレギュラーになってしまいました。

データです。先と同じ設定ファイルを使ってください。

鉄線編みのタブレットケース

「ひらりカラー」という紙ひもがあります。手が痛くなりにくいそうなので、CraftBandKnotにいいかもと思い購入したのですが、ゲージをとった後そのまま置いてありました。

薄手なので、平たいケースに向いているかもと気づき、メッシュワークを試してみることにしました。手持ちの色は3色、ネットのカタログからRGB値を拾って色を合わせたものです。

鉄線編みのタブレットケース

平たい形状の場合、実際にベビーブロックも可能ということが確認できました。
縁は裏に折り込みました。中も同じ模様です。

鉄線編みのタブレットケースの中

フェルトほど厚くはないけれど、タブレットなどを入れるのにちょうどいいクッションです。

型紙に貼り付けたまま、折って台紙にすればいいということがわかりましたので、今回は、最初からそのための切り込みを入れました。

編みひもにはフェルトと同様、ひも通しを使いました。今回は最後にまとめて始末しましたが、編みながら貼り付けていったのでよさそうです。

データです。

「ひらりカラー」の設定ファイルもつけておきます。

追記

『みんなの紙バンド雑貨』vol.13 ブティック社 2024年,
98ページ「こんな作品作りました!」に掲載していただきました♪

3軸織・Dancing Stars模様のポシェット

フェルトのメッシュワークでもうひとつ、ポシェットを作ってみました。3層の厚手は、スマホを入れるのにいいかも、と思ったからです。

3軸織・Dancing Stars模様のポシェット

今回は、脇に縫い目があるので、裏地をつけて、そのまま表に返して縁にしました。

3軸織・Dancing Stars模様のポシェット

模様のdancing stars (踊る星) は、先の文献

「HEX WEAVE & MAD WEAVE」An Introduction to Triaxial Weaving,
Elizabeth Lang-Harris & Charlene St. John, 2014, Schiffer Publishing ,
ISBN: 978-0-7643-4465-7

81~82ページに掲載されています。3色6本の繰り返しです。CraftBandHexagon位置合わせに対応させると:

位置横ひも斜め60度斜め120度
-3C色B色C色
-2C色B色C色
-1A色A色A色
+1A色A色A色
+2B色C色B色
+3B色C色B色

横ひも数ゼロそのままのポーチでは作れる模様に制限があることがわかったので、上側面のみを使ったのです。これで、左右対称・上下対称も不要、どんな組み合わせにも作れます。こんな感じ。

すべて型紙に貼り付けて作れたため、先よりは少し模様のサイズが揃いました。布はPPバンドより間を通しやすく、この細かさの模様がそう手間もかからずに、縫わずに作れるというのは価値ありかもしれません。

データです。側面の上半分が dancing stars の模様になっています。バンドの種類、フェルトは先と同じです。

フェルトのメッシュワークのポーチ

V1.8.4で追加された機能のひとつに、CraftBahdHexagonの横ひも数ゼロ(issue#62)、があります。この機能を使って、ポーチを作ってみました。

フェルトのメッシュワークのポーチ

手許にフェルトがあったので、細くカットして使いました。でも、幅10ミリだと結構伸びるのです。そして、その分細くなる。とりあえず、12ミリほどにカットしたものを、10ミリ幅で使ってみましたが、そもそもアバウトなところに、引っ張り加減で幅が変わっているものですから、手作り感満載。。それに、3層フェルトですから、分厚い。

でも、作ってみてわかったのは、模様に制限があるということ。裏と表、同じ模様にしようとすると、斜めひもは左右対称、側面の編みひもも上側面・下側面対称という条件になるのです。シックススター2色など先に作ったかごバッグと同様ですが、横ひもがないのでベビーブロックはいけそうです。

このポーチはシックススター2色ですが、中に1点だけ黄色の星を入れてみました。

フェルトのメッシュワークのポーチの内側

型紙に、まず両面テープで斜めひも2組を貼り付け(左下写真) 、つぎに、そのまま型紙を折って台紙にした状態で斜めひもを連続させ、図を見ながら側面を編みこみました(右下写真)。


データです。

「フェルト(1幅1ミリ)」を追加してデータを作りましたので、これも添付しておきます。

六つ目四角かごの数学理論

「はまぐりの数学」というサイトがあります。「社会や自然と数学のつながりを探る」というコンセプトのもと、自然や生物、身の回りの事象など様々なテーマについて、代数・解析・幾何といった数学的手法に加え、目に見える・触れる現物を作ることで、生徒にもわかりやすく優しく説明されています。
中の「籠目(カゴメ)編みとフラーレン」というページでは、六つ目(籠目)編みを使って、四面体・八面体・十二面体・二十面体、さらには凹凸や穴のある立体まで、様々な立体を実際に編んで作りながら分析されています。

鉄線編みのかごを試作していて、よくできた編み方だなぁと思うと同時に、どんな仕組みでできているのだろうと思うようになりました。そこで、はまぐりの先生に、鉄線編みについても、数学的な見地から分析していただけませんか、とお尋ねしてみました。

籠目編みとの関連性はすぐにご理解いただき、早速、とりかかっていただけることになりました。「かご」で普通に思い浮かぶのは直方体ですから、まず検討されたのが四角い かご、いわゆる「六つ目四角かご」です。それがこちらのページです。

「籠目編みで正八面体を作る」~オイラーの多面体定理の応用における理論と実践~

ここから「六つ目四角かご」の底の立ち上げ方について、結果のみを取り出してみました。

まず、普通の六つ目のかご。3方向に組んだ六角形の底を、ひごに平行に、六角形に立ち上げます。すると、立ち上げた各角、六ヶ所に五角形が作られます。この五角形を「⑤」として図示しました。左右は同じですので、左側半分だけマークしています。

「六つ目四角かご」は、四角底ですから、底には四か所の角が作られればよい。そのためには、角を二つ(片側につきひとつ)減らす。それには五角形と七角形を組み合わせる。理論上の条件は、

(五角形の数) - (七角形の数) = 6 (片側については3・六角形はノーカウント)

下図、縦のひごはそのままとし、横のひごで調整する例です。
左側が最小で横のひご4本。ひごは、2本ずつ増やすことができますので、6本、8本と増やした例を並べました。( 同様に、⑤が五角形、⑦が七角形です)

この数で五角形と七角形を組み合わせれば、六角形の底を四角形にできるのです。上述のページでは、PPバンドで実際に立体を作って、可能であることを実証されています。

四角の底のかごは、六角形に立ち上げるかごとは違う作り方をする別もののように思っていたのですが、この結果を見て、多角形の組み合わせであり地続きだということがわかりました。

数学ってすごい。はまぐりの先生、ありがとうございました。

V1.8.4 リリース

#issue対応、CraftBandHexagon に差しひも機能を追加しました。ベースのひもに対してうら/おもてが指定できますが、CraftBandSquareでも同様な指定を可能にしました。

例えば、底の横ひも間に幅広のひもを差したり

華模様の位置や色を確認したりできます。

CraftBandSquareでは、角の差しひもは長くしないなどの調整を行っていますが、CraftBandHexagonは今のところそのままの長さです。使ってみて、不都合があるようなら対応したいと思います。

ダウンロードはこちら。

Release v1.8.4 のリリース

PPバンド・麻の葉(単方向)のかご

PPバンドでも、織りタイプ「麻の葉(単方向)」を設定したかごを作ってみました。

「ひも中心合わせ」で、底の六角形の角は、先にはカットして減らしましたが、こんどは増やしてみました。「クロスひも」で底の対角線に置く補強ひもを指定できますが、それに側面分の長さをプラスしたものを、対角線位置のひもに重ねて編みました。PPバンドには接着剤が使えないからです。

ひもを増やしたので、上端・下端、斜め左端・右端 2 とし、周を少し大きくしました。

底の角は図のようには折れないのに、そこに更に、重なった2枚を2方向に分けようというのです。かごになるのでしょうか。

ということで、できたのがこちら。

対角線位置の3本が2本重ねです。角の立ち上げに無理矢理感がありますが、全体としては、意外と形になってるって感じです。

側面は、図には従わず、全て同じ方向に揃えました。

最近鉄線編みが続いたので、それに比べると頼りない感じですが、2つ飛び網代編みよりは、かなりしっかりしています。使ったバンドは、鉄線編みだと約23mのところ、似たようなサイズで約15mですから、使用量並みと言えましょう。

データです。

麻の葉(単方向)のかご

織りタイプ「麻の葉(単方向)」を設定したかごを作ってみました。

「ひも中心合わせ」ですので、目は六角形ではなく三角形です。
底の六角形の角にひもが来るのですが、1本しかないため、側面を編むときには1本増やして2本にするか、カットしてゼロにするか、になります。今回はカットを選びました。側面周比率対底は1.03でので、何とか収まるでしょう。

もとにした編み図はこんなです。方向性がわかりやすいように、横方向を白色にしました。

試作かご・その1
底、側面とも図の通りに編んでみました。2側面が垂直方向に交差する辺で、編み方が変わっています。その交差する辺を前面にした位置からの写真です。


試作かご・その2
底は図の通りですが、斜め方向の4側面については、底から立ち上げた辺で編み方を変えました。6側面全て、同じ方向に揃えました。ひもの色が変わっても編み目が続いているのがわかるでしょうか。

麻の葉(単方向)のかご・その2

並べてみました。展開図では、上側面・底・下側面は同じ編み目が続いていますから、この同方向から見ると同じように見えます。

左がその1・右がその2

高さもあまりないし、編み目より色の違いの方が目につきますが、揃っているその2のかごの方がいい感じです。そして、その2の方が、ずっと編みやすいのです。側面ごとの切り替えなどど考えずに、そのまま続ける方が簡単でした。

「ひも中心合わせ」だと、底の角のひもの本数も問題ですが、立ち上げ位置も、ひもの真ん中(長さ方向の中心)になりますので、作り方に工夫が必要になってきます。ですので、編み図についても、そのままというより、参考図レベルで使っていただければよいかと思います。

データをつけておきます。共通です。