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長桝二間網代のかご

名称長桝二間 網代 編み
長桝 網代 編み
名称(読み)ながますふたま あじろ あみ
ながます あじろ あみ
模様タイプ中心2点間は3つ飛び、各領域2つ飛び
単位
バンド幅
飛び数1,2,3
対称性半回転
備考

八女市伝統工芸館」の「竹編組見本」から「52 交色長桝二間網代」でボックスを作ってみました。

「竹編組見本」は、平らに編まれていますが、長桝網代編みと同様に長方形に立ち上げました。「長桝二間網代」という名前の通り、二間網代編みベースです。側面の二間網代編みがつながるように作りました。

底です。3本飛びの長桝網代編みとはちょっと異なる模様です。長方形がつながっていません。

長桝二間網代のかごの底

そして、3本飛びと比べると二重に編みにくいです。

  • 2本飛びは、3本飛びより単位となる長方形が短い
  • 底の短辺に、2本ごとに4本が交差する箇所がある

編み図です。

データです。

へリンボーン編みのかご、端の四角

ヘリンボーン編み「中の四角」パターンはわりと簡単に作れましたが、「端の四角」パターンはどうでしょうか。

端の四角」パターンは、角のところで、片側の辺は1、もう片側は2と3、とずれています。最初に作った「中の四角」パターンから、部分的にシフトする操作で作ることができました。1・3・5です。

中の四角→端の四角、という手順を踏まなくても、最初から3つ飛び網代編みを反転するだけで作れるのかもしれません。中央部で切り替わっている、というのがこのパターンのポイントのようです。

できたかごがこちら。

へリンボーン編みのかご、端の四角

ただこのヘリンボーン編み、端の四角に限らずですが、ラインが横になっている時より編むのに手間がかかります。横だと各側面ごとにまとめて編めたのが、縦だと角で交差する両面交互に編まないといけないのです。

底です。

へリンボーン編みのかごの底、端の四角

二つのかごを並べてみました。左が「中の四角」、右が「端の四角」です。

編み図です。

へリンボーン編みのかご、端の四角の編み図

同様に、長方形を作ってみました。中央部分に切り替えがありますので、「中の四角」パターンほど単純ではありませんが、同様に作ることができました。

長方形に応用

側面がつながる条件は「(縦の四角数+横の四角数) が3の倍数」です。縦の四角数と横の四角数、ともに3の倍数の場合は、そう難しくなく作れるようです。でも縦の四角数・横の四角数とも3の倍数でない場合は、もう少し手間がかかるでしょう。

データです。

ヘリンボーン編みのかご、中の四角

ヘリンボーン編み、既存の編み図があれば変更して作れることがわかりましたが、別のサイズで作れるものでしょうか。

作り易そうなところで、正方形、縦横の四角数15を作ってみました。「中の四角」のパターンです。

ヘリンボーン編みのかご、中の四角

底です。

ヘリンボーン編みのかごの底、中の四角

まず四方網代編みを生成し、底の線に対して模様ラインが垂直になるよう、各辺の4つの正方形を反転してみました。上下・左右が対称ですので、角が2・3になる「中の四角」パターンになりました。

要は、開き網代編み状態を作ればよいわけで、3つ飛びの網代編みで埋めてから半分を反転しても作れそうです。相対する辺で模様ラインの位置が同じになりましたので、片側をつなげました。1,3,5だけで作ることができました。

編み図です。

ヘリンボーン編みのかごの底、中の四角の編み図

編み図では、右上から左下にかけて、平行な模様ラインができています。この部分を増やすことで、長方形タイプにも適用できます。間をグレーにして作ってみました。ベースが同じパターンになっているのがわかるでしょうか。

長方形に応用

データです。


ヘリンボーン編みの手さげかご、端の四角と中の四角

文献はこちらです。

『改訂版 エコクラフト1巻き(5m)でちっちゃなかごを作りましょ』桑折智美、ブティック社、2017

54ページ~56ページに「へリンボーン編みの手さげかご」として作り方が載っており、底編みの写真も掲載されています。底の四角数は 12×6で、「端の四角」パターンで作られています。

改めて、このかごを作ってみました。そして、その底編み図を、四角ひとつ分回転するようにシフトして「中の四角」パターンの編み図を作り、こちらも作って比較してみました。

同サイズのはずが少し形が違うのは、編み方ではなく作り方が下手なせいです。。
側面の角のところ、左側は「端の四角」右側は「中の四角」になっているのがわかるでしょうか。

底を比べると、相対する面で、「端の四角」はラインが入れ替わるような形、「中の四角」はそのままつながるような形になっています。


ヘリンボーン編みの手さげかごの底、端の四角と中の四角

左側の「端の四角」パターンが文献に掲載されていたのは、中央縦に切り替え線が入り左右対称に近いからでしょうか。持ち手もつけやすいですし。

端の四角」パターンが「決まった編み方」なのかはわかりませんが、右側の「中の四角」パターンも、底がシンプルで作り易いのではないかと思います。ちなみに、立ち上げ後の側面の編みやすさはどちらも変わりませんでした。(ただし、側面交互に編む必要があるので、底に平行な場合より手間がかかります。)

編み図です。まず「端の四角」。文献掲載は内側から見た写真ですが、反転・回転して外側から見た図に変えています。

端の四角

中の四角」です。同じく、外側からの図です。

中の四角

データです。

3つ飛び網代編みの立ち上げ位置(縦ライン)

長桝網代編み四方網代編みは、3つ飛び網代編みを模様のラインに平行に折って立ち上げる場合の編み方でした。では、模様ラインに対して垂直に立ち上げるとどうなるでしょうか。

3つ飛び網代編み模様に対する立ち上げ位置は、次のいずれかになります。

ラインに沿ったタイプでは、立ち上げ線は上の四角・下の四角・中の四角のいずれかひとつ、すべて同じ位置を通っていました。でも、こちらのタイプは、上の四角・下の四角・中の四角、全種を順に通っていきますから、上中下では区別できません。中の四角を通る時長方形がどちらを向いているか、で識別することにしましょう。

立ち上げ線を水平に置いた時の、2パターンは次のようになります。
図の左を「左向き長方形」、右を「右向き長方形」とします。

左向き長方形と、右向き長方形

底の四角の位置に、1・2・3の数字を振っているように、3点の繰り返し模様です。ひも上下のデータ的には、上・下・下、もしくは下・上・上の 1-2 の繰り返しで、上下は、側面の角度が90度変わるごとに入れ替わります1-2 のうち1が「左向き長方形」もしくは「右向き長方形」を通る方です。

ラインに沿って立ち上げるタイプでは、側面の網代編みラインがつながるように、編み目を作りました。こちらのタイプも、まず各側面が底に対して垂直な網代編みラインになっているという前提で、同様にそのラインがつながるようにするには、

  • (縦の四角数+横の四角数) が、3の倍数であること
  • 底の周の4辺とも、同じ「左向き長方形」もしくは「右向き長方形」であること
  • 底の角、即ちある側面から隣の側面に変わる箇所では、角の両側が上図の1・2・3の連続的な繰り返しになっていること

でしょうか。具体例を作ってみました。

つながらない例

側面によって「左向き長方形」と「右向き長方形」が異なっています。

つながらない例

全て「右向き長方形」ですが、左の側面から右の側面にかけて、1・2・3になっていません。余分があります。

つながらない例

左の側面から右の側面にかけて、1・2・3になっていません。不足があります。

つながらない例

つながる例

全て「右向き長方形」で、底の上の角が左の側面から1・2、右の側面に回って3・1・2..と連続しています。

つながる例

全て「右向き長方形」で、底の上の角が左の側面から1、右の側面に回って2・3..と連続しています。

つながる例

側面の辺

つながる例として2パターンを作ってみました。「右向き長方形」ではなく「左向き長方形」であったり、2番目の例「2・3・1/2・3・1」が「1・2・3/1・2・3」であったり、といろいろありそうです。

でも、対称性を考えると、上の2パターンに大別できるのではないでしょうか。
そして、この2パターンは、立ち上げた側面の形状が異なります。

  • 立ち上げてできる側面、その位置に来る長方形の位置が、真ん中
  • 立ち上げてできる側面、その位置に来る長方形の位置が、端(右端もしくは左端)

底の角が、立ち上げてできる側面の辺になります。並べてみました。

1.側面が長方形の3つの四角のうち、真ん中になるパターン。

側面が中の四角

2.側面が長方形の3つの四角のうち、いずれかの端(真ん中以外)になるパターン。

側面が端の四角

模様ラインに平行に立ち上げる場合は、立ち上げ位置は、上の四角・中の四角・下の四角でした。90度回転して、この3種が側面に来ている状態ですので、左の四角・中の四角・右の四角になるわけですが、右と左に関しては交換可能としてまとめて「端の四角」、そして残る「中の四角」ということになります。


さて、ここまで、側面をつなげるために、底はどうあるべきかを見てきました。ではこのあるべき状態に対して、長桝網代編み四方網代編みのような決まった編み方というのはあるのでしょうか。そもそも、この編み方に、名前はついているのでしょうか。

以前、このパターンのかごを作ったことがあります。「へリンボーン編み」という名前がついていました。底がどう作られていたか、改めて見てみましょう。